閉じる


<<最初から読む

5 / 140ページ

掃除機

 掃除機の吸いが悪い。ゴミが溜まっているかフィルターが詰まっているかどちらかだろうなと思い本体を開けてみるとお父さんが入っていた。ぶはーっ。お父さんはほうほうの体で出てきてぐちぐちと文句を言いはじめる。うるさい上にお酒くさい。私は掃除機をセットしてもう一度お父さんを吸い込んだ。

メモ

 閃きを逃してはならない。作家の私は寝室にもメモを用意する。ちょうど妻とのセックス中にアイデアが閃いた。私はメモに手を伸ばす。ところが妻は快楽の虜。私を掴まえて離してくれない。なんとかペンを手にした私は妻の恥丘にメモを取る。なにそれすごい、ああっ。妻は私のペンで昇天した。

 眠れない時は執事を数える。以前は羊を数えていたのだが想像力の逞しい私には向かなかった。奴らはやたらと毛ばかりで一処に群れ始めると紛らわしくて仕方がない。そこで執事を数えることにした。「ご主人様」一人。「ご主人様」二人。「ご主人様」三人。「メェ」お前は牧舎へ帰れ。

飛行機と船

 飛行機が海を泳いでいる。船は不思議に思う。飛ばないのかい? 飛行機はパシャリと音を立て水中に潜ったかと思うと船の目の前に浮かび上がった。飽きたんだよ。飛ぶことに。君は泳ぐことに飽きはしないのかい? 飛行機は船に尋ねる。船は答えに困る。考えたこともなかったからだ。

スカートめくり

 スカートめくりが彼の生きがいだった。女子のスカートをめくっては男子たちから喝采を浴びる。それが快感だった。女子たちがガードしようとすればするほど彼のハートも燃えた。ところが遂に女子の制服がズボンに変更されてしまう。彼は完全にやる気を失った。それ以来、この街に風は吹かない。

読者登録

laybackさんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について