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 眠れない時は執事を数える。以前は羊を数えていたのだが想像力の逞しい私には向かなかった。奴らはやたらと毛ばかりで一処に群れ始めると紛らわしくて仕方がない。そこで執事を数えることにした。「ご主人様」一人。「ご主人様」二人。「ご主人様」三人。「メェ」お前は牧舎へ帰れ。

飛行機と船

 飛行機が海を泳いでいる。船は不思議に思う。飛ばないのかい? 飛行機はパシャリと音を立て水中に潜ったかと思うと船の目の前に浮かび上がった。飽きたんだよ。飛ぶことに。君は泳ぐことに飽きはしないのかい? 飛行機は船に尋ねる。船は答えに困る。考えたこともなかったからだ。

スカートめくり

 スカートめくりが彼の生きがいだった。女子のスカートをめくっては男子たちから喝采を浴びる。それが快感だった。女子たちがガードしようとすればするほど彼のハートも燃えた。ところが遂に女子の制服がズボンに変更されてしまう。彼は完全にやる気を失った。それ以来、この街に風は吹かない。

エレベーター

 エレベーターの中で暮らしていた。客の代わりにボタンを押してやり、手間賃をいただく。それがおれの仕事だ。一人の女が乗り込んできた。何階だい? あなたの部屋のある階へ。おかしなことを言う。おれの部屋はここだが? じゃあ、ここでいいわ。女はそう言うと服を脱ぎはじめた。

きのこたけのこ

 戦は熾烈を極めた。きのこの山の住民はたけのこの里を水攻めにする。一方、たけのこの里の住民はきのこの山に火の矢を放つ。醜い争いの果て、遂に双方の集落は滅びてしまう。きのこもたけのこももはや生えるべくもない。今ではただ形を模した菓子が土産屋に置かれているばかりである。



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