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経典を読む意義

 この世には、種々さまざまな経典や論典、釈、仏教の解説書などが存在している。これらはすべて釈尊以来の2500年間に作られたものである。初学の者は、その量と質に圧倒されてしまうかも知れない。

 しかしながら、修行者は心配する必要はない。すべての経典は、ただ一つのことを語っているからである。それは次のことである。

  『真実にやさしい人は必ずあなたの身近に現れる それを自ら発見せよ』

 すなわち、時として世に出現する善知識(化身)を見て、その言葉(法の句)を聞いたならば、因縁ある人は直ちに覚ると言うことである。

 経典は、すべてそのことを語っている。経典を読む意義はただそのことに求められる。

 ところが、経典を読むことはそれだけにとどまらず、さらに利益(りやく)があることである。それは、経典を読んでいる時に、ふと解脱が起こるという事実である。経典を理解したことによってその解脱が起こるのではない。経典の記述を理解していなくても、その解脱が起こることがあるのである。私の細君(涼風尊者)は、実際にそのようにして形態(rupa)の解脱(身解脱)を果たして阿羅漢となった。

 これは本当に不可思議なことである。しかしながら、目の前で起こったこの事実を曲げることはできない。それで、経典はただ理法を記した本以上のものであると知られることになる。


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あとがきに代えて

 私(=SRKWブッダ)は、10年前に観を完成させて心解脱を得、その二日後に善知識によって慧解脱を果たし仏(如来)となった。その実体験にもとづき、機会があれば覚りを求める人々に観について詳細を明かしたいと思っていた。

 そんなとき、しばらくぶりにふと2ちゃんねる掲示板に投稿することを思い立った。その中で人々が観の真実についてあまりにも貧弱な知識しか持たず、また的外れなことを思い描いていることを知った。そうして、この機会に観について本を書くことを思い立ったのである。

 ところで、本文中にも書いたが観は覚りの修行そのものではない。ただ、観を縁として解脱が起こるということである。また、観を実行すると言ってもその具体的なイメージが湧かない修行者も少なくないようである。そこで公案を援用した観の方法についても記した。実際、私自身が公案を縁として観を完成させた経緯があるからである。

 さらに、細君(涼風尊者)の阿羅漢果が、経典を読んで、それによる一瞬の観によって実現したものであることを眼前に見た。それで、観が単なる概念ではなく、より実際的な修行法として成立していることを知ったのである。本書は、それについても詳細を記した。

 こころある人は、観によって解脱を果たすことができるであろう。本書は、その具体的な指針を与える筈である。

 ところで、何の予備知識もない者がこの本をいきなり読んで観を実行に移すと、最悪の場合魔境に陥る危険がある。そのような場合に配慮して、道の袋小路たる二つの境涯、および魔境についてそれぞれ一節を設けた。また、いわゆる瞑想(メディテーション)によって現出する境涯や現象、それが観とどのような関係にあるかについても記した。神秘的なことに憧れる性質のある人は、本書を読むことでそれによる危険を回避することができるであろう。

 例によって、この本も必要があれば適宜拡充して行くつもりである。コメントやメールなどで読者の感想や意見があれば歓迎したい。

     2012年1月23日 著者記す    

 

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奥付



『観』


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著者 : SRKWブッダ
著者プロフィール:http://p.booklog.jp/users/buddha1219/profile


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『覚りの境地』 』 『 『感興句』 』 『 『功徳』 』 『 『一円の公案』 』 『 『信仰』 』 『 『解脱(げだつ)』 』 『 『仏道の真実』 』 『 覚りの境地(2019改訂版) 』 を購入した方は 1,000円(税込)

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