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2-2

 水着が脱がされる。男同士が裸でベッドの上に横たわり触れ合っている。ここに弟が入ってきたらどうやって言い訳をしたらいいのだろうか。響はそう考え、興奮した。弟に見られる。裸の自分を。コカとの行為を。汚れた水着を。
 だが伊藤家嫡男の自分がライバル会社のコカと性行為をするなど、大スキャンダルだ。響は縛られ、真っ裸にされ、そんな事を考えていた。
 ゆっくりと硬くなっていく響のペニスがそっと撫でられる。
「あ……」
 響は甘い吐息を漏らした。
「先程、あさひ君がネ。私と君――若葉君のお兄様――との関係を、若葉君と円君にばらしていたよ」
「え!?」
「もちろん円君は名波響という男が若葉君の兄だとも、伊藤家の嫡男だとも知らないけどネ。この旅行中にいつか誰かがうっかり若葉君達に漏らしてしまうと、あさひ君は思ったのだろう。三鳥井君とかね。私達とあさひ君、三鳥井君、希鈴君はよく一緒に旅行しているし、今更君を私の恋人ではないと扱うのは難しいと思ったのだろう」
「別に私達は恋人同士ではないだろ」
「……その辺りの経緯も彼が若葉君と円君に説明していた。『伊藤君のお兄さんは別れを告げた』と。もちろん私は、お互い今でも愛し合っていると言ったがね」
「………………」
 響はごくりと唾を飲み込んだ。
 伊藤苑に入社した今では、他社のスパイともいえるジョンと付き合うのは背任行為ともいえるだろう。若葉はどう思ったのだろうか。彼はぎゅっと唇を噛んだ。
「そんなに心配する事はないよ。私に庇護されていなかったら響は今頃狒々爺共の慰み者さ。君はこんなに愛らしくて美しいのだもの。実際、何人のセレブ達に君を貸してくれと頼まれたことか。パーティーに行くと誰かしらに言われるんだよ? 伊藤苑だけの力じゃ彼らの魔の手から君を守れないのは事実だ。若葉君だってもう少し大人になれば気付くだろう」
 ペニスがいきなり握られ、響は体をびくんと震わせた。
「あっ……ん」
「色っぽい声だね。もっと聞かせてくれ。円君に響を私の部屋で引き取るよって言ったら断られてしまったからネ。今しか君を抱けないかもしれない」
 今しか君を抱けない。
 今しか。
 響の心がきゅうっと悲しむ。
「ジョン……キスしてくれ」
「響……」
 暗闇からふわっとした唇が現われる。響はちゅっ、ちゅっとジョンにキスをした。唇の間から舌が伸びてきて、響の口内を犯す。貪るように、力強く。
 その間も響はペニスを弄られ、腰をよじった。いつまでもしていたい。何時間も何日も。
 だがそんな日々はもう来ないのだ。
 伊藤苑に入社したあの日、二人の幸せだった日々は終わったのだ。
 マスクの下に隠れた響の瞳にうっすらと涙が浮かんだ。
「ジョン……愛してる」
「響……こういう時だけ、君は素直だネ」
「お前と会うのは大抵伊藤苑の社屋内じゃないか。言えるわけないだろ。そもそも勝手に社屋へと入ってくるんじゃない」
「いいじゃない。円君には許されているよ」
「まったくあの人はフリーダムだから」
 はぁ、と響は溜息を吐いた。
「愛と付き合うは別物だからな」
 冷たく言い放つ響に、ジョンがくすりと笑った。
「私達は相思相愛なのに?」
「そうだ」
「愛していると言われ、なんでも言う事を聞くと言われた、こんなにペニスを興奮させた愛する男と私は恋人同士じゃないのか」
「そうだ……ああっ!」
 ペニスをしごかれ、響は腰を跳ねさせた。
「まったく……強情な男だ。私が欲しくて欲しくてたまらない癖に。そもそも君みたいな淫乱な子がよく真面目に仕事をしていると感心するヨ」
「別に……あぅ……私は淫乱では……あっ……ない……ぞ」
「…………私の経験から言って、君はかなり淫乱なほうだヨ? 仕事上お付合いしたセレブ達の中には君ほど私に付き合える者はいないし、パーティーの噂でもそこまで持つ子はあまり聞かない」
「そ、そんなあらぬ噂を流すから、貸せだのなんだの言われるんだろうが! 私はモノじゃないんだぞ! ……ああっ!」
「恋人を自慢したくなるのは当然でショ? さ、足を上げなさい。ローションを塗るよ」
 響は真っ赤になって、静かに両足を上げた。
 ぬるりっとアナル周辺に冷たい感触が広がる。ぬる、ぬるとアナルがマッサージされる。そしてぬぬっとジョンの太い指が差し込まれた。
「あうっ!」
 感じる。弄られていたペニスがさらに興奮した。
 指が二本……そして三本へと増える。
「あ……あ……あ……」
「こんなに感じやすくて淫乱じゃない、ねぇ……」
「アナルが感じるぐらい普通だろ……ひっ!」
「いやそれ、世間常識では普通じゃないからネ。ゲイだって皆、アナルが感じるわけではない」
 その時、アナルににゅにゅにゅっとしたジェルの様な感触が広がり響はびくっと震えた。
 次の瞬間。
 体内に広がる熱さ。痒さ。
 響は体をよじって色っぽい声を漏らす。
「あっ、熱い! 体が熱い!
 ……ジョン、お前、今、何かを注入しただろ!」
「旅行用に作った響ブレンドをネ」
「な、な、な、何をするんだ! この旅行には若葉も円さんもいるんだぞ! ああっ!」
「そろそろ若葉君の過保護から卒業しなさい。あの子はもう円君の恋人なのだから」
 ジョンの指が響の感じやすい場所を執拗に攻める。
「……分って……いる! ……あっ、あっ! ああああ―――!!」
 ジョンが響のペニスを咥えた瞬間、頂点に達し、爆発した。
「美味しい。響のスペルマは最高だ。ところでサンガ君にはフェラチオをさせたのかい?」
「……や、やめて……そこを舐め……ないで……感じ……過ぎる……」
「どっちなんだい?」
 前立腺をいやらしくマッサージされ、響は悲鳴をあげた。
「いやあああ! やらせた、やらせた! く、咥えさせて頭を押さえてガンガンペニスを突っ込んで、泣き叫ぶあいつの口の中へ…………やああぁ!!」
「もうしませんは?」
「もうしません! もうしませんから、許して! 許して! おかしくなっちゃう! 体がおかしくなっちゃう! 頭がトンじゃう! 酷い! 酷いよ、ジョン! 若葉が……いるのに!!」
「……愛の部屋に黙って間男を連れ込んで、レイプしようとしてサ……酷いのはどっちだ」
 ジョンが体を引いて指を抜いた。
「ああん!」
 指が抜かれたということは……。
 響はさらなる快感を妄想した。あの享楽の時間が来るのだと。
 いつも泊まりの時にジョンが特別なローションを使うのはよくあった。
 一晩中愛し合っていた日々。いや、二晩も、一週間も。ただただ二人は愛し合っていた。
 次からつぎへと湧き上がる快感。脳が真っ白になるような。愛で一杯になるような。
 だが今回の旅行には弟も上司も同行している。そんなセックスに溺れるわけにはいかない。

 しかし。

 響の体は求めていた。
 指が抜かれるだけで体中を走る電流のような気持ちよさ。
 アナルがひくひくと身悶えし、ジョンのペニスを待ちわびているのが自分でもわかる。
 ジョンは響に触れず、黙っていた。
 恐らく響のアナルをじっと見ながら、待っているのだろう。
 響がいつも言う台詞を。
「あ……あの……」
 両足を上げ、アナルをひくひくとさせながら、響は甘い声で言った。
「ジョン……あの……あ、あの……お願い……お願い……意地悪をしないで……お願い……」
 暗闇は静かなままだ。
 響は頬を染め、俯いた。そして恥ずかしそうにいつも言う台詞を小さな声で言った。
「お願い……します。ジョン、響のア、アナルを犯して……ください」
 堕ちていく自分を恥じ、響は瞳に涙を浮かべた。
「よく言えたネ。ご褒美をあげるよ」
「あ……ああ」
 アナルに暖かいペニスが触れる。それだけで響はびくんっと体を震わせた。
 広がる。広がっていく。体が……。
「いいかい? 響。若葉君が同行しているこの旅行で、快感を選んだのは君だよ」
 広がっていく。
「ああああ…………」
 ゆっくり、ゆっくりと太いカリが響を広げていった。大きく……大きく……。
 息が止まる。快感で脳が沸騰する。
 一番広がった所で、ジョンが手を止めた。
「い、いや……壊れる……ジョン……頭が……」
 響の体がびくんびくんびくんっと大きく波打った。腰を動かし快感から逃れようとしても力強く腰を押さえ付けられていて、アナルは最大まで広げられたままだった。
「……可愛いなぁ。体がピンク色に染まって美しいよ。この快感に震える響の姿は最高だ。いつか若葉君にも見せてあげたいネ」
「止めて……若葉には……見せないで」
「真面目なお兄様像を壊したくないのかい? 今、ここで呼ぶことだって出来るんだヨ?」
「ジョン……こ、壊れ……ちゃう……アナル……壊れちゃう……息が……」
「悦楽に震えて涎を垂らす響お兄様の姿を見せる絶好のチャンスなのに。ふふふっ」
 巨大でぬるっとした力強い快感に、響の体は引き裂かれた。
「やあああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」
「もっと声をあげなさい。若葉君にも聞こえるようにネ」
 壊れる。
 体が。細胞が。アナルが。
 脳が。感覚が。神経が。
 全てが。
 いつも以上に感じるアナル。
 何度も押し寄せるドライオーガズム。
 ジョンの体が覆い被さっている。汗の感触。荒れた呼吸。彼が前後するたびに押し寄せるフラッシュ。
「ああああああ!! ジョンが! ジョンのペニスが!! 狂わせる! 私をくるわ……! 狂っちゃう! ダメ! もうおかしく……!! ああ、あああ、ジョン!」
「狂えばいいよ。全てを捨てて私のモノになりなさい。もう名前も、家も、弟も、全て捨てて、私だけの響になればいい。いっそ壊れてしまえばいい。そして一生私の男になればいい。もう君を離したくない。離したくないよ、響」
「愛してる! 愛してる、ジョン! 離さないで! もう離さないで! 一人にしないで! 一緒にいたい! 貴方と! 一緒に……結ばれたい……貴方と……あああっ!!」
「愛してるよ、響」
 ジョンはどくんっと、響の体内に射精した。


 ゆっくりとマスクが外される。ぐしゃぐしゃに濡れた響の可憐な瞳。流れる宝石のような涙。
 ジョンはゆっくりと涙を舌で拭った。
「ジョン……好き……」
「知ってる」
「愛してる。愛し……て……? な、なんか……体がまた……変?」
「今回の響ブレンドは我が社の総力を挙げて作った一級品で、私の精液が混ざるとさらに快感が増幅するように作られている。ちなみに効果は48時間続くヨ」
「な、何を……お前……わ、若葉も……円さんもいる……旅行に……なんてモノを……あっ、ああ……」
 響の体がびくんびくんっと跳ねる。
「効果は一応徐々に弱まっていく。君が誰かと悪さをしなければ大した問題じゃない。しかし誰かに触れられたりすると、感覚が鋭敏になっているから恥ずかしい目に遭うヨ。勃起するのは当たり前。下手したら道端で射精しちゃったりネ。恥ずかしがり屋さんの名波ちゃんがその屈辱に耐えられるかナ?」
「ひ、酷い……あ、ああ……またジョンが大きく……なっていく……広がって……」
「何度もなんども種付けして、もっともっと狂わせてあげるよ。もう君が誰にも触られたくないって思うまでネ」
「ああ……ダメ……狂って……いく……」
「私が護ってあげるよ、響。一生、ずっと、永遠に」
 次の瞬間、響はジョンに力強く貫かれ、さらにぐるりと体を反転させられ、俯せになった。アナルが一杯に広がりながらぬるぬるっと動き、竜巻のような強い快感が響を襲った。彼は天国に響く鐘の音にも似た悲鳴を上げるのだった。

 響が目覚めると、飛行機はいつしか目的地に着いていた。
「しまった!」
 慌ててベッドから飛び降りようとする響をジョンが後ろから抱いて止めた。
「大丈夫だよ。若葉君達に名波ちゃんは疲れて寝ているって伝えてあるから」
「……そうか」
 響は落ち着きを取り戻し、ことんっとジョンに寄りかかった。
 もう夢のような時間は終わったのだ。
 この暖かい温もりを感じ続けるわけにはいかない。
 伊藤家嫡男としての、伊藤苑社員・名波響としての時間が始まる。
 響は少しでもジョンと一緒にいられればいいのにと思った。だがこれはシンデレラのような一時の幻に過ぎない。それを誰よりも名波響は知っていた。
「あ……水着」
「新しいのを用意してあるから、そちらを穿いていくといい」
「ありがとう」
 そう言って響はジョンにキスをした。
 ぴくんっと体を震わせ、響はジョンから離れる。
「……おい、あのジェルの効果、まだ続いているぞ」
「48時間続くって言ったでショ?」
「まったく……今日は若葉も一緒に来ているっていうのに。こういう日は特別なジェルを使うなよ。まぁ、自制心を持っていれば、なんとかなりそうだ」
「そうそう、自制心を持っていれば大丈夫だヨ。普通の生活を送っていればネ」
 ジョンは意地悪そうににやりと笑った。
 響は窓の外を見た。仲良く歩く若葉と円青樹の姿が見える。そして浜辺でくつろぐ世界各国のセレブ達。
「……ん? R先輩とバッティングしてるのか。あの人、苦手なんだよな」
「響はRのお気に入りだからねぇ。まぁ気に入られていて損はないよ。適当にあしらっておくといい」
「適当にって……軽く言うけど、お断りするのは大変なんだぞ。ジョンがいないと大胆に迫ってくるし……誰も助けてくれないし……」
「ふふふっ、頑張れ、可愛い響ちゃん」
 響は水着を穿いた。
 恥ずかしくなる程、まだ体が興奮している。彼は頬を染め、俯いた。
「……なぁ、水着でいかないとダメか?」
「ビーチにスーツで行くわけには行かないだろう? 若葉君が待っているよ。早くお行き」
「え? ジョンは一緒に来てくれないのか?」
「ああ。私はしばらくビーチを歩く君を見物しているよ」
 ジョンはにやりと笑い、窓から外を見た。
「フェロモンを撒きながら彼らの中を歩く君の姿が見てみたくてね」
「この……変態サド男が」
「んふふふっ、さっきも言ったけど触られ過ぎると興奮の暴走が止まらなくなるから気を付けてネ。公衆の面前で恥ずかしい姿を晒すことになるヨ」
 ジョンは響の乳首をきゅっと摘んだ。
「あっ! あっああっ! 止め……!!」
「ずっと乳首を勃起させちゃって。私が行くまで我慢するんだよ、愛しい響」
 ジョンの手がすっと、響の水着へと滑り込む。
「もう……止めろって……ああっ! あんっ! それ以上されると……あっ! また!」
 どくんっと白い精液がジョンの掌へと放たれた。
 ジョンは精液をぬるぬるっと響の体に塗った。そのまま乳首をぬめぬめと刺激する。
「私のスペルマと響のスペルマが君の体の上でミックスされていい感じだ。興奮を呼び起こすような薫りがするネ」
 響はぼんやりと宙を見つめながら、体をびくん、びくん、と震わせた。
「綺麗だよ、響。私の男だ。私だけの男だよ。だからもう誰にも触れるな。誰にも触れられるな。私だけの男だって、覚えておくんだよ」
 ジョンは響の首筋にキスをした。
 響はこくんっと頷く。
「さぁ、お行き。みんなの所へ」
 ジョンがそっと背中を押す。
 シンデレラの鐘の音が鳴る。
 響はうっすらと涙を浮かべながら、再び頷き、立ち上がり、扉へと向かうのだった。

 飛行機を降りて赤い絨毯の上を歩く名波響。
 その艶っぽい姿はビーチにいるセレブ達を魅了した。頬を染めながら見つめる者。ヒソヒソと噂話をする者。にやにやと笑いながらビデオを回す者もいた。
 立って歩いてみると腰や体中が痛く、辛い。響は少しふらつき、顔を顰(しか)めた。
 そこへモデルや財界人、また富豪のご婦人達が歩いてきた。無視するわけにはいかない。かといってこのレッドカーペットから出たら拉致されかねない。響は絨毯の端に立ち、ご婦人達を迎えた。
「響、お久しぶりね」
「ハイ、響」
「どうしたの? また悩ましい姿をして」
「奥様ったら……知っていらっしゃる癖に。ジョンにまた意地悪されたのよねぇ。可哀想だわ」
「桜色の乳首をこんなに興奮させながら歩いているなんて。一体今までジョンに何をされていたのかしら」
 ほほほほほっと婦人達が笑う。
「今夜は私のベッドにいらっしゃいよ」
「あら、抜け駆けはいけないわ。響、私の別荘にいらっしゃい。夫も貴方と寝たがっているのよ」
「貴方のペニス、本当に素敵。味わってみたいわ」
「水着はいいわね。ラインがくっきりと見えてよ」
 婦人達は次々と響にキスをし、体中に触れてくる。しかし決して絨毯の内側には入ってこないのだった。
 響は醜態を晒す前に離れようと思い、すぐにお辞儀をし、若葉達の元へと向かった。
「響、久しぶりだな」
 遠くから声がする。Rの声だ。桁違いのセレブリティー。会いたくなかったが無視することは絶対に出来ない。
 声がした瞬間、響はRへと体の向きを変え、深々とお辞儀をするのだった。
「R先輩、ご無沙汰をしております」
「いいよ、そんなよそよそしくしないでくれ。私と響の仲じゃないか」
 どういう仲なのだ。そう響は思ったが笑顔を絶やさなかった。
「お会い出来て光栄で……むぐっ!」
 響はいきなりRに抱かれ、激しいキスをされた。彼は必死になって赤い絨毯から出ないように踏ん張った。しかし体格差がありすぎる。ひょいと持ち上げられたら簡単にはみ出してしまうだろう。
 だが絨毯の上から響や客人を拉致することをジョンが許さないのをRも知っていた。

 ライン上の攻防。

 口の中へと無理矢理入ってくるRの舌。太く長く、奥の奥まで犯されていく。響は多少抵抗するが、どの程度の抵抗までが許されるのか分らず、悩んだ。冷や汗が出る。少しでも不快な気持ちにしたら、明日にでも伊藤苑は無くなるだろう。ジョンではない男の舌を受け入れながら、響はそんな事を考えていた。
 緊張し、冷や汗が流れていた響の背中にRの手がつつつっと触れる。
 響は情けないことにぴくっと体を震わせ、反応してしまった。

 ――しまった!

 後悔しても遅かった。
 にやりと笑ったRは響の背中を撫でる。それから力強い左手の指でがっしりと体を押さえた。右手の太い指先が硬くなった乳首に触れる。感じやすい響の、さらに特別なジェルによって敏感になったピンク色の乳首を嬲る。
「……R先輩、あの……」
「なに? 響」
 乳首に触れないでください。この一言が出なかった。響は唾と一緒に言葉を飲み込んだ。
 体がますます反応していく。響は興奮する体を止めることが出来なかった。肌がさぁっと桜色へと染まっていく。ビーチからは感嘆の声が上がった。
「綺麗だね。本当に美しいよ、響。
 水着姿の君が一人で歩くなんて初めてのことじゃないか? いつもジョンが君を側に置いて護っているのにさ。彼を怒らせでもしたのかね? 辛いことがあったらいつでも私の元へおいで。大切にしてあげるよ。
 君の肌は興奮すると桜色に染まってとても美しいと聞いていたが、本当なんだね。興奮しやすくて感じやすくて……とても淫乱な子なんだって? 私のテクニックでどこまで乱れてくれるのか、楽しみだよ」
 背中に回ったRの左手が響の尻に触れ、撫で回す。繊細な谷間を上下し、水着越しにアナルをマッサージしてくる。
「あっ! 先輩……! その……」
 体中に走る快感と響は闘っていた。ここで少しでも身を捩ったら、Rが何をするか分らなかった。下手をすればジョンとの全面戦争覚悟で響を連れ去るかもしれない。響は唇をぎゅっと噛み締めながら、体中に湧き上がる快感を我慢した。
「なんだい? 素直になって言ってごらん」
 Rは響の水着をそっと下ろそうとした。ずり落ちた水着が膨らんだペニスに引っかかる。響は真っ赤になりながら水着を押さえた。
 男の逞しい右手が響の肌を優しく嬲りながら、水着の膨らみに触れる。
「君のペニスに水着上から触れる日が来るとはな。夢みたいだよ」
 Rは響の膨らんだペニスを指先でなぞり、形を際立たせた。
「日本人にしては大きいね。感度はどうかな?」
「先輩! そこは……!」
 水着の中にRの大きな右手が滑り込んできた。同時に左手がやはり水着の中へと滑り込んできて、アナルを直に撫で回す。長く太い男の中指が、ジョンの精子とジェルが零れ、濡れているアナルの中へとぬぬっと滑り込んでくる。
「あっ……ん……」
 響はたまらなくなり、艶っぽい声をあげ、体をふるふるっと震わせた。

 ――人前でここまでするだなんて……R先輩、酷い……。ジョン……助けて……。

 響はうっすらと涙を浮かべた。
 助けは来ない。
「素晴らしいね。君の喘ぎ声はなんて美しいのだろう。東洋の神秘ってやつなのかな」
 セレブ達の視線が集まる。綺麗な顔と冷たく笑った表情。どこまでRが手を出すか賭けに興じる者もいた。
「せ、先輩……」
「たまらないね……その瞳」
 Rはごくりと唾を飲み込んだ。
「響はその姿を自分で見たことがあるのかい? 男を誘惑している濡れた瞳。唇。声色。体……そして匂い。
 ふん、ジョンにスペルマを塗られまくったな。シャワーも浴びせさせずにこの姿のまま人前へ出すなんてね。あいつもよくやるよ」
 響はそっとRの体を押した。だがそんな力ではびくともしなかった。
「可愛いねぇ。私に抱かれて嫌がる仕草をしたのは君が初めてだよ。そうか、成程。これが抵抗ってやつか。これはいい。確かにいいな。ジョンもこれでは君に夢中な筈だ。ふふふっ、私達のような男に抱かれて抵抗する者などいないからな」
 Rは響に体を密着させ、耳元で囁いた。
「君を連れて帰りたいよ、響。もう一歩、こちらへおいで。その赤い絨毯の外へ」
 水着の中のペニスが優しく揉まれた。響の体がびくびくっと震える。
 Rは優しく微笑みながら、興奮し濡れた響のペニスを水着から出そうとした。

 ――助けて……ジョン。

 響の頬をダイヤモンドのような涙が輝きを放ちながら流れた。


 ブログ『伊藤君と円先輩』119本目に続く http://drink110.blog29.fc2.com/blog-entry-134.html

コカアディクション あとがき

こんにちは。藤間紫苑(ふじま しおん)です。

『伊藤君と円先輩』サイドストーリー、いかがでしたでしょうか。

ブログには書かれていない名波×サンガ、コカ×名波を電子書籍化してみました。
ブログには書かれていないシーンが沢山あります。
サンガが一体何故名波を恐れているのか、とか。
コカと名波の出会いとか。これは一応、現在『伊藤君と円先輩』電子書籍化書き下ろし小説として執筆中です。
刊行案内は『伊藤君と円先輩』公式ブログ http://drink110.blog29.fc2.com/ もしくは藤間紫苑ツイッター https://twitter.com/#!/fujima77 にUPしますので、チェックをよろしくお願いします。
学生時代。ある事件に巻き込まれた名波。それを偶然助けたコカ。
そこから二人の付き合いは始まります。

ブログの『伊藤君と円先輩』はほのエロシーンのみとなっておりますが、電子書籍、また書籍のイトマドにはエロシーンが含まれます。
大人のイトマドとして楽しんでいただければ幸いです。

表紙立絵イラストは書籍同様・石原理先生の作品となります。
いつもお世話になっております。
 ★ 石原理公式サイト http://www.denpajack.net/

この作品はPDFやePUB拡張子でもダウンロード出来ます。
スマホを持っている方、PCに保存したい方はぜひダウンロードをしてみてください。

ではこれからも応援をよろしくお願いします。

藤間紫苑 2011/01/20

藤間紫苑公式サイト http://www.fujimashion.com/

コカアディクション 2 ~ベルガモットに魅せられて~ 序章

『コカアディクション 2 ~ベルガモットに魅せられて~』

この小説は 愛と潤いのドリンク劇場『伊藤君と円先輩』▼147本目『西瓜ソーダ 4』(N:藤間しおん I:石原理) http://drink110.blog29.fc2.com/blog-entry-164.html の続きとなります。


 古河・C・ジョン(愛称 コカ)の別荘へと遊びに来ている伊藤苑三人組。
 海水浴を満喫した後、ドリンク業界のライバル会社エージェント達と共に大浴場へと向かうのだった。


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