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1-1

 名波響はびくんっと体を震わせた。体内に放たれた古河・C・ジョンの精液が熱く体を悶えさせる。体内に残った媚薬とジョンの精液が混ざり合い、さらに響を狂わせた。
 すぐ近くにいる弟・伊藤若葉。上司の円青樹。円が満足そうに微笑んだ。そして赤い蒲団の中から、白い精液にまみれた彼の大きな手が現われる。
 若葉の瑞々しい精液の香りが響の鼻をくすぐった。
 愛しい弟が寝ている時にこっそりと、何度も飲んだ精液。口の中に蘇る味。
 達したばかりの脱力した若葉の口元に、精液がつうっと塗られた。
「若葉、舐めて手を綺麗にしてくれ」
「円先輩……あの……皆さんが見ていらっしゃいます……タ、タオルで……」
「舐めなさい」
 若葉が頬を染め、恥ずかしそうに少し俯き、ペロペロと子犬のように円の手に付く自分の精液を舐め始めた。
 円がびくんっと震える。
「若葉の舌は妙に気持ちがいいな」
「そうですか?」
 色っぽく目を輝かせながら円の手を舐める若葉。ピンク色した舌の先端がぺろん、ぺろろろんっと大きな手を上下する。
 その姿をじっと響は見つめていた。
 弟が、大切な弟が円青樹の色に染められていく。いつかは誰かの、いや昔から祖父が気に入っていた円青樹のモノになるのだろうと響は思っていた。自分を兄として慕ってくる可愛らしい純粋な少年が青年になっていった時から、いつかはこの男に抱かれるのだと。
 ふと響は円と目が合った。その眼差しは響の隠された弟への情欲を見透かしているようだった。
 円は響から視線を逸らさないまま、いやらしく弟の項を舐めた。長い舌を響に見えるように伸ばし、つつつつっと這わす。
「はっ……!」
 若葉がふるっと体を感じさせる。脱力していた体に再び情欲が戻ってきたかのように緊張していく。
 すぐに手が届く距離。いやコカに手を拘束されている今、それは出来ない。
 そう、ちょっと体を伸ばせば、キスが出来る距離に弟・若葉はいた。彼の吐息が響にかかる。弟が放った精液の香りが兄を興奮させた。
 その匂いを打ち消すかのように、自分の精液の香りが強くなっていく。ぬるぬるとした感触。
 ジョンがゆっくりと響の精液を、胸元と首筋へ、そして若葉と同じように響の唇へと塗っていた。
 響はいつものように、ジョンの掌を舐め、そこに溜った自分の精液を口に含んだ。
「伊藤君、名波先輩がお手本を示してくれているぞ。いつもああやってやるんだよ」
「え……」
 若葉がびっくりし、響を見た。響と若葉が兄弟だと知らない円が、兄の性技を手本にしろと言う。
 響は真っ赤になり、舌を引っ込める。
 普段通り、ジョンから何か言われる前に自然と自分の精液を舐めていた響。彼はそんないやらしい体になっている自分を弟に見られ、恥じた。
「いやぁ、凄いシーンですね、円さん。名波君も伊藤君も麗しくって、ぼく感動しましたよ。それに不思議とお二人の声が似ている。イク時の声なんて双子のようでしたね。普段の名波さんはもっと低音だし、伊藤君はちょっとそれより高いし、似ているようには聞こえないのに不思議だ」
 円の後ろに横たわる大同が、身を乗り出して微笑んだ。
「……そうですね」
 円が相槌を打つ。
「大同さん、ツッコミどころが声優オタク目線です」
 響の頭上に寝ているあさひが、くすりと笑った。
「えぇ、ぼくは声優のおっかけもしていますからね。それに精液の匂いも似てる。社食で同じ物を食べると似てくるのかな」
「俺、名波響って……イかないのかと思っていたから……ショック……」
 大同の頭上にいるサンガが悲しそうな声で呟く。
「え?」
 サンガの横でにやにやと笑いながら見ていた三鳥井が驚きの声をあげた。そして皆がサンガを見る。
「さっきも風呂場で響は達していただろう?」
 三鳥井がそう言うと、コカが静かに彼を睨んだ。
 サンガがはっとし、三鳥井を見る。
「あっ……そういえばそうッスね……。
 でも俺と……その……していた時っていくら舐めても、……い、入れられた時も……名波響がイくコトって一度もなかったから……イかないヤツなのかなって思ってて……。こんなエロ声も聞いたコトがなかったし……。
 そもそも名波響って色っぽい声をあげてなかったから、感じているのかどうかも分らなかったッス。無表情だったし……。一応、勃起はしていたから、そこそこ気持ちいいのかなって思っていたけど……俺ばっかりが一方的に感じちゃってて……。俺が名波響を悦ばすコトは一度もなかったッス」
「名波さんの鬼っぷりに全ボクが泣いた~」
 あさひの隣に俯せ、爛々と瞳を輝かせながら四人の行為を見ていたれもんが、泣いたふりをして涙を拭き取る仕草をする。
 コカがくっくっくっと笑った。
「響が他の人とどんな風に寝ているのか知らなかったけど、そんななのか。いつもみたく愛らしい声でヒィヒィ喘いでいたらどうしようかと思ったよ。ねぇ? 響」
「あはぅうう!!」
 響はジョンにきゅううっと乳首を摘まれ、体をびくびくんっと震わせ艶っぽい声をあげた。
 涙に濡れた響の瞳に、喉をごくりと鳴らすサンガの姿が映る。
「いやあ! ジョン! お願い! 許して! ダメ! 本当にダメだって!」
「許さない」
 乳首への刺激がさらに強まった。
「嫌っ! ま、円さんや……わ、わか……伊藤君が……いる前で……酷いよ!」
「ふふっ、嫌なら我慢すれば?」
「でき……ない……から、もう……ゆる、ゆるし……て……」
 助けて欲しいと哀願する響の眼差しが、三鳥井と交わる。
 三鳥井が一瞬、響に手を伸ばそうとするが挑戦的に微笑むコカと目が合い、悔しそうに唇を噛み手を止めた。
 誰にも手が出せない絶対王者である古河・C・ジョンに寵愛される名波響。そんな響を一体誰が救えるというのか。
 たとえジョンから救ったとしても、愛という鎖に縛られた響は再び自らジョンの元へと戻ってしまうだろう。
 決して自分の物には出来ない、絶対王者の麗しい宝飾品。
 その麗しく愛らしい輝きは三鳥井のハートを鷲掴みにしたまま、神に抱かれ涙を流していた。
「は……あ……ああ」
 目を見開く、響。天の川のように流れる涙。
 次の瞬間。
 弟・若葉は兄・響の扇情的な姿を目の当たりにするのだった。
「やああああああああああああああーーーーーーーーーーんんあああああっ!!」
 響はコカの腕から逃れようと体を捻り、足をばたつかせ、蒲団を勢いよく蹴り飛ばした。一気に捲り上がった真っ赤なベールの下から、響のピンク色に輝いた肌が、赤く膨らみきゅっと摘まれた乳首が、汗が流れ込む臍が、そして興奮し愛液をキラキラと滴らせるペニスが現われる。背中に回された腕にはパジャマが絡まり、動かせないように縛られていた。
 ジョンの逞しい肉体に優しく抱かる響は力一杯抵抗しているようにも見えた。だがその表情には快楽と恥ずかしさだけが交互する。
 響が体を捻るたびに、引き締まった尻に埋まるジョンの太いペニスがちらちらと皆の前に露出する。同時に聞こえる肉体がぶつかる音。そしてベッドの軋み。
「あっ……な、名波……さん」
 顔を赤く染めた若葉が響の蒲団を掛けようとした。しかしその手を円が止める。
「駄目だ、若葉。手を出してはいけない。ライオンに食われるぞ」
「で、でも円先輩。希鈴さんもいらっしゃるのですよ?」
 希鈴がふっと笑い、若葉を見た。
「おこちゃまが大人の心配してるんじゃないわよ。あったしなんてコカ公にしょっちゅう見せられててもう飽き飽き。今日なんてあんたと円様がいるから、これでもぬるい方よ」
「あ~、お前、響と仲がいいもんな。そりゃあコカ公の嫌がらせだ。俺なんて少ししか見せてもらってないぞ」
 三鳥井が不満そうに唇を尖らせた。
「べ、別に仲がいいわけじゃないわよ。そりゃあ名波とは腐れ縁だけど! こんなひ弱なお坊ちゃんより、あたしはワイルドな円様みたいなのが好みなの!」
「円の兄貴が凄いのは別格として、別に名波はそれ程ひ弱じゃねーだろ。円さんとかコカ公とか俺とかと並ぶとひ弱に見えるけど、日本人の中じゃ体格良い方の部類に入るぜ」
「そん中でひ弱に見えたら十分でしょ。あたしを誰だと思ってんのよ」
「はいはい、希鈴様、希鈴様」
「むかつく、このイカ男! あたしの横でベッドを汚したら承知しないわよ!」
「はいはい。執事さ~ん、コンドームくれる?」
 三鳥井が手を挙げると、あさひ、れもん、大同、サンガが同時にそっと倣った。
「まったくあんた達、最低!!」
「そう言われましても希鈴さん、ぼくなんて生のセックスシーンを見るの初めてなんですよ? 興奮もしますって。
 正直その……コカさんのペニスがどうやって名波さんに挿入されているのか、目の前で見ていても分らないぐらいですよ」
 大同が頬を染めながら希鈴を見た。
 れもんが蒲団の下から現われた響の尻を見続けながら、うんうんと頷く。
「コカさんと円さんのペニスってモンスター級だよね。ボクも今、このサイズがアナルに入るもんなんだって感心してた~」
「指でちゃんとアナルの中までマッサージして、ローションをたっぷり使って滑らかにしておくのがコツだヨ★ 力ずくでやると痔になるし、肛門が壊れてしまうからネ。今日は久しぶりだから、響が大好きな滑りの良いローションを少し多めに注入したんだ。ねっ、響」
 コカが皆に見せつけるかのように、響の乳首をきゅううっと高く摘み上げる。
「感じ過ぎちゃう! いやあああああああ!! 止めて! 止めて、ジョン!」
「君の締まり具合は本当に素晴らしいよ。乳首を弄られるのが大好きなんだよね。さぁ、皆さんに世界で最もいやらしい君の姿をお見せしなさい」

1-2

 響の体に自らの精液が塗られていく。ぴんっと勃った乳首がテラテラと濡れる。
 コカの太い指が乳首に触れるたび、響は体を捩り、瞳を濡らした。脱力していたペニスが再び興奮を取り戻す。
「目の前で自分以外のペニスが勃起していくのって新鮮ですねぇ。名波君の体って陰毛の生え方から凄くいやらしい。あ、そうか。体毛が薄いんだ。だから白くてきめ細かい肌が興奮するとそのままピンク色に見えるんですね。そこに汗が流れるとピンクパールが生まれるんだ」
「大同さん、真面目に分析しないでくださいよ。聞いてるこっちが恥ずかしくなります」
「伊藤君、恥ずかしがるなんて名波君のコト、意識しちゃった?」
 大同がくすっと笑う。
「別に名波さんを意識なんてしませんよ」
 若葉は心の中で、色っぽいお兄様は見慣れているし、と思った。
「ふうん、そうなのか。名波を見ながら若葉がこんなに硬くしているから俺も君が名波のことを意識しているのかと思ったよ」
 円が若々しくそそり立った若葉のペニスをゆっくりと付け根から先端へと撫でる。
「ま、円先輩に抱き締められて興奮しない人がいるなら会ってみたいものです……あふっ」
 若葉は円にペニスをしごかれ、体をぴくんっと反応させた。瞳が愛欲に潤み、若くしなやかな体を仰け反らせる。
 それに呼応するかのように、響の体が震えた。
「んっ! 今の締め方はとても素晴らしかったよ、響。そのまま」
 コカが腰を引き、響の肛門から亀頭を残し硬いペニスを抜いた。
 太く長いペニスが皆の前に現われる。強い雄への畏怖や警戒心が男達の瞳に浮かんだ。
「締めてて」
 コカの優しい声が、肉体が激しくぶつかる雄々しい音にかき消された。
「いやぁ! やだ! ジョン! そんな奥まで、奥まで強く突かないで! 強く突かないで! 引き抜かないで! 穴が! アナルがゾクゾクしちゃう! 奥! 奥っ! 嫌っ! そこ強く突いちゃ嫌! 狂っちゃう! おかしくなっちゃう! お尻が、お尻が広がって気持ち良くなっちゃう! 気持ちいい……気持ちいいの! ダメ! やだ! お願い許して! ここでは止めて! 蒲団を掛けて! お願い! 見せないで! 私のくるぅ……姿を……わか……に、見せないで! お願い、ジョン! 許して! ごめんなさい! もう絶対他の人と寝ないから! セックスしないから! ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい! 許してゆるして許してゆるして許してゆるして許してゆるして許してゆるして許して! そんな、ヤダ。動かないで! 突かないで! 私を貫かないで! ぬるぬるして死んじゃう! お尻を、お尻の入口を貴男が広げて閉じてひろげてとじて広げて閉じてひろげてとじてぬひぃってぬひぃってぬひぃって、何度もなんども何度もなんども広がっちゃうの閉じちゃうの! 熱くてぬるぬるしてて硬くて無理矢理広げられちゃうの! ね、根本まで入ってくるの! 奥まで入ってくるの! 貫かれちゃう串刺しにされちゃうううううぅぅぅぅ! 抜いて! やだ! 抜かないで! やだ! もっともっともっともっと突いて突いて突いて突いて突いて奥まで奥までおくまで奥まで、そこもっと突いて! ひぅつ! やぁあああ! 乳首つねっちゃ嫌! いやいやいやいやいやああああああああああああああああああああ!! 強いの熱いの頭が沸騰しちゃうの乳首が熱くなるの! ああ、締めると貴男を感じるの! 貴男が体の中にいるの! 体全部が貴男のオチンポなの! もっと頂戴! もっともっともっと欲しいの! 掻き回して! 突いて! 抜いて! ち、乳首を……あひぃ! ひぃぃぃいいいいいいいいいいいいいい!!! イッちゃう! 頭がおかしくなっちゃう! ち、乳首でイッちゃう! 熱くてゾクゾクして頭が沸騰するの! 沸騰しちゃうの! 熱くなるの! 体が欲しいの! ち、乳首で、もっとイカせて! 私を突いて! 乳首をもっと抓って引っ張って挟んでもっと強くつよく強くつよく強くああああああああ! もっとイカせて! もっと私を狂わせて! 欲しいの! ジョンが欲しいの! 乳首を虐めて欲しいの! 熱くして! もっと爪を立てて! 奥までおくまでもっときて! きてきてきてジョンのスペルマで一杯になったお尻を突いて! 朝から何度もなんども貴男が種付けしたアナルを犯して! 犯して! 掻き回して! 広げて! 突いて! 熱くて死にそうなの! 気が狂っちゃうの! やだっ! 足を広げたらやだっ! 恥ずかしいから止めて! 陰嚢を揉まないで! やだっ! 気持いいの、ぬんぬんな気分になっちゃうの! 体がにゅいにゅいしちゃう! 貫かれちゃう! ジョンに刺されちゃう! 体がジョンで一杯になっちゃう! 見ないで! お願いだからみんな見ないで! やだやだやだやだ! ジョン、もう止めて! 見てるの! みんなが見てるの! 見られてて恥ずかしいの! 抜いて! もう離して! 手を解いて! お、おか、犯さないで……嫌っ! やだ、やだやだジョン、抜いちゃやだっ! にゅるって抜いちゃやだっ! 欲しいの、ジョンのペニスが欲しいの! やっ、やっ、やっ、やっ、広がっちゃう! そこ一番広がっちゃうトコなの! アニャルが壊れちゃう! ジョンのペニスでアニャルが壊れちゃうの! 壊されちゃうの! ダメ! 入れて、突いてもっともっともっともっとそこ……やだっ! そこ感じやすいからやだっ! もっとおかしくなっちゃうからヤダ! 突いて欲しいの! でもおかしくなっちゃうからダメなの! 頭がおかしくにゃっちゃうの! はうん、あぅん、あはっ、はっ、あうっる、か、硬いの、硬いジョンが、ジョンの亀さんが私をはくはくしてるの! つついているの! 感じるのそこかんじるの一杯いっぱい感じるの頭おかしくなっちゃうのイキっぱなしにいっちゃって、ヤダ、ジョン! やだ、人、人前でやだっ! やだっ! 二人が見てるの! もう止めて! 頭がおかしいの! 熱いの! ひさ、寿が見てるから! やだ、もう見せないで! こ、こんにゃ恥ずかしい姿を見せないで! 守って欲しいの! 嫌っ! だから見せないで! 守って! ジョン、守って! 寿にもR先輩にも私を触らせないで! 見せないで! こんな姿を見せないで! お願い! 辱めないで! やだっ! 見られてる! おかずにされてるの! みんなが目で犯してくるの! 視線が……絡まって私の体に絡まってからまって興奮しちゃうから! やだっ! 勃起してるペニスが見られちゃうから! 恥ずかしいからもう止めて! ジョン、止めて! みんなに犯されてるみたいに感じちゃう! いやあああああああああああ!!! 乳首いっちゃうろイっちゃうろいくイクいくイクいっちゃうイッチャウいくろイクろそこ強くもっと強くああああああああああああああイクろいくイク内腿や、ヤダ触っちゃ感じちゃうからやら!やらの!やのやのヤノやめて一緒につねっちゃやらのやなのやめてわ、わか、あ、いろうくんの前でしないでおかしくなっちゃう! あラまおかしくなっちゃういろうくんがみてるの円さんが見てる前で止めてやめて止めてそこは止めてやめっ! ああひぃあやあああああああああやめれやめやめやらやらいいイイいいヒィひぁイイいいろイイのつねっちゃらめダメ止めないでもっともっろもっとひぃゃあややややややややややややややらやらやらやらやら気持ちいいのいいろしてしてもっとして大好きジョン大好きだいすき大好きだいすき気持いいのいいのいいのいいのいいのもっと突いてついて突いてついて奥までおくまでオクマデ最高最高最高最高さいこうサイコウさいこうサイコウ感じるの! いいの! 大好きなの! 気持いいの! スキスキ大好き! ジョン大好き! 貴男が一番なの! 太いのに貫かれれ乳首がやあああああああああああああ! はぁああああんあんはああんやだああイクいくイクくくくくくくくくくくくぁはああああああああああ! 息れきないの出来ないのかんりちゃうの感じちゃうの抓みながら天辺に爪を立てちゃらめええええええええええええらめなのダメなのひぃヒィひやぁやあひゃぁあああああ腿、内腿、ももらめらめらめイクイクそこイク抓るとイクからラメ乳首と同時にやっちゃらめ駄目らめぇえええええひぃややあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああひくイクいくイクあらまが頭がイクひぃはひゃひゃイクひくイクひゃはあはあはんはんひんヒンひんイクらめらめらめらめらめいい良いイイいいいいいいいいいいズンってずんずんってずんって奥おくジョンがひぃヒィヒィひぃあヒィアひゃあひゃああああはははあああああああペニ、ペニス頂戴ちょうらいもっともっとしてしてしてして突いてついてついれ突いて強く抓ってもっとモットもっともっろモッロもっとああ、あはんはんいいイイ最高にイイ感じるもっと最高さいこうなのジョンいいの突いて犯して掻き回して熱いのぬるぬるなのお尻が貴男で一杯なの! おっきいの広いの硬いのもっと突っ込んでつっこんで突いてついてしてして凄いの欲しいの貴男が欲しいの大好き愛してる愛してる愛してる大好き一番好き大好き離さないで守って一緒にいたい抱いて貴男と一緒にいたいの一緒になりたいの大好きなのずっとずっとずっと離さないでもう離さないで欲しいの貴男が欲しいの好きなの愛してるの愛してる気持いいの欲しいの貴男が欲しい貴男だけが欲しい連れて行って私も私を連れて行って傍に置いてずっと一緒にいていていて愛してるの欲しいの貴男が欲しいのペニスが欲しいのおっきいの欲しいの太くて硬くて最高なの大好きもっろもっともっろしてしてして突いてついてそうそうそういいの! イイノ! 凄くいいの! 貴男のペニスが大好きなの! 好きなの! 穴が広がって大きく広がって気持ちいいの! にゅるんぬんぬんって入ってくる貴男が大好き! にゅんにゅんなの! 入口がすっごく気持ちいいの! もっと締めるともっと気持ちよくな……ひぃやややややや乳首ひゃあああああああモモにゃあああああああらめ駄目つねっちゃらめダメアラマオカシクナッチャウノ頭熱いの! 沸騰しちゃう! イイノ! 締めちゃう! もっと締まっちゃう! 貴男をアナルで感じちゃう! おっきいのが体一杯に広がってつら、貫かれれれしてしてしてしてもっろもっとモット突いて突いてついてついれ突いてひゃんはんあんはぁん体がかららがペニスになっちゃうろ! 頭まで貫かれちゃうろ! やらヤダイッちゃうう死んじゃう感じるおっぱいもおちんちんもお尻も内腿もペニスもきゅぅーってちゅぅううううって貴男を感じるの! してしてシテしてもっとモットもっろモッロお、おか、犯してついて抓って舐めて抱いて握ってキスしてちゅっちゅしてチュゥしてちゅうって吸って抓ってもっと強く! 強く! もっともっともっとひぃいややややややあああああああああああああああああああああ突いて! もっと力強く突いて! 奥まで! つ、つねってつねぇえええええ嫌いやイヤいくイクひくイクくくくくくくくはっ! はぁあっ! ひゃっ! ひゃん! ひゃん! いい! ああぁっつはああぁんはっ! はっ!はっはっお、おか犯され! はっ! いいっ! いいのいいのいいのいいのいいの愛してる愛してるアイシテル大好き大好き愛してるの、ジョンッ!! 愛してる!」
 はうんっ! と叫び、響は仰け反りペニスをブルルンっと震わせて射精した。飛び散った白い精液はキラキラと輝きながら、若葉の蒲団へ、そしてパジャマへ、さらにはふっくらとしたピンク色の唇へと迸った。
「あっ……」
 ドクンっ、ドクドクっとジョンの放つ大量の精液を体内に受け止めながら、響は小さく呟いた。
 弟の唇にぬっとりと自分の精液が付着している。
 艶麗な瞳の響はぼんやりと、円に弄られ再び射精したばかりの脱力した若葉を見ていた。
 若葉はぼーっとした艶めかしい瞳を響に向けながら、自分の唇に付いた兄の精液を小指ですぅっと拭き取り、いやらしい舌先で舐めた。



 視点の定まらない響を俯せにし、コカは満足そうにペニスを抜いた。
 巨大な肉棒を銜え込んでいた響の桜色に萌えるアナルはぽっかりと口を開き、そこからドクンッとろん……と白濁の精液が溢れ出てきた。淫猥の汁はつぅーっとビーナスが流す涙のように煌いた。
「ふふっ、相変わらずこの眺めは美しいな」
 コカが手を挙げると、執事が宝石箱を持ってきた。
「さぁ、君が大好きなアナルジュエリーだよ。私のスペルマがこれ以上漏れないように栓をしないとネ」
 コカは優しく微笑みながら、巨大なピンクダイヤモンドが輝く太いアナルプラグを、響の肛門へと差し込んだ。
「はんっ!」
 響がビクンッと跳ねる。その白い双丘の谷間に薔薇のような煌くピンクダイヤモンドが植わっていた。



 腕の拘束を解かれた響は裸のままベッドの上に座り、膝を抱え込んで俯いていた。
「あー…………」
 彼は弱々しく後悔の声をあげた。
 再び部屋が静かになる。
 言葉を放つ者はいない。皆が響とコカの様子を見ていた。
 ベッドは全て綺麗なシーツと蒲団に替えられ、男達が放った精液の香りは薄まっている。

 だが。

 響の体に塗られた愛欲の香りは消えず、どうしても匂いに敏感なドリンク業界人達を刺激する。
 それが再び先程目の前で繰り広げられた淫らな宴をリフレインさせた。
 響は一瞬、キッとコカを睨むが、再び視線を落とした。
「………………悪かったよ、ジョン。もうしない」
「わかってくれたようで良かったよ。響」
「……お前だって何人もと寝てるくせに」
「あれは仕事。君のはただの私怨だろ?」
「…………」
「なんだ、可愛い奴だな。ヤキモチを焼いていたの? 君は何も言わないから気にしていないのかと思っていた」
「別に……。言っても仕方ないだろ。『仕事』なんだから」
「君が定期的に私と寝てくれたら、もう他の人と寝ないよ。事実、響が学生の頃は君としか寝ていなかったじゃないか。まぁ、君が私の性欲を毎日根こそぎ奪い取っていたからだけどネ★」
「…………恥ずかしい事をお二人の前で言うな」
「俺は聞きたいけど」
 円がにやにや笑いながら言った。
「ま、円さんにお聞かせするような話ではありませんよ」
 響は真っ赤になって、円を見た。そして若葉に視線を落とし、気まずそうな顔をして再び俯いた。
「……いいじゃないですか、名波さん。別にオフの日ならコカさんと……その……お付合いしても。お母様……あ、名波さんのお母様が納得なさっていらっしゃるのでしょう? もちろん転職されると僕はひじょおおおーーーに困りますが、オフだったらいいのではないですか? ついでにコカさんとこの機密情報も持ってきてください」
 そう若葉が言うと、コカがぷっと笑った。
「いい子だね、若葉君は」
「コカさんがいい人だからですよ。変な人でしたら名波さんは大切な先輩ですから、僕は全力で阻止します」
「信用されたのか。嬉しいよ」
 コカは響に寄り添い、そっと肩を抱いた。
「君を大切にしたい。ずっと一生守ってあげるよ。私の響」
 赤い髪の王者が瞳を閉じて、静かに囁く。甘く、蕩けるような声色。
 響は顔を伏せながら、こくんっと頷くのだった。


愛と潤いのドリンク劇場『伊藤君と円先輩』▼167本目『旨味 極一番茶』(N:藤間しおん I:石原理) http://drink110.blog29.fc2.com/blog-entry-185.html へ続く。

あとがき

こんにちは。藤間紫苑です。
『コカアディクション3』をお楽しみいただけましたでしょうか?
 一気に仕上げるつもりが、二回連載になってしまいました。申し訳ありません。
多分来週もまた短篇小説をUPします。
これはブログの続きになりますので、もし読んでいらっしゃらないようでしたら http://drink110.blog29.fc2.com/ をぜひご覧ください。
 それではまた来週……??

藤間紫苑 2012/06/01

序章

この作品は『伊藤君と円先輩』 ▼175本目『紅茶華伝 香る桜 4 の続編となります。

詳しくは 『伊藤君と円先輩』 をご覧下さい。

▼ 1ー1

 名波響は伊藤苑研究室から出てすぐにスマートフォンを開いた。白い廊下をコツコツとゆっくり歩く。
 古河・C・ジョンから届いた愛のメッセージを響は何度も読み返した。
『やぁ、響。今も仕事中カナ? 私は今、羽田のホテルにいる。今日は品川で4つ程会議が重なってしまい、もうへとへとだ。
 明日の朝には中国へと渡る予定だ。今夜は一人寂しくホテルで寝ているよ』
 一人寂しくホテルで寝ているよ、という文を響は何度も頭の中で繰り返す。先日の海外旅行から後、毎日メールにはこの一文が載っていた。
 
 ――君が定期的に私と寝てくれたら、もう他の人と寝ないよ。
 
 ジョンが響にしてくれた大切な約束。
 響は暗い廊下でふっと笑い、頬を染めた。精力的なジョンが響としか寝ないと約束するのはとても大変な事だと響は知っていた。湧き上がるエネルギーを自慰によって放出するのと、人との交わりの中で放出するのでは全く満足感が違う。だがジョンは響としかしないと約束してくれたのだ。周りにはSPと男娼のWスペックを兼ね備えた才色兼備の男達が常時立っているのにもかかわらず。
 
 ――ジョンに逢いたい。
 
 そう想い、響はスマートフォンをみつめた。
『この美しい星空を君も会社から見上げているだろうか。あの旅行で君が流した輝く涙を思い出すよ。響の瞳は月のように静かに艶めかしく輝いていた。そこから流れ落ちる涙は流星のように私の願いを聞き届けてくれていた。君と一晩中愛し合いたいという切実な願いをネ』
 しかし愛のメッセージを寄越したジョンは今、羽田にいる。近いのに手が届かない距離。同じ国の中に滞在しているのに、とても遠く感じる。昔、彼と一緒に泊まった羽田のホテルを思い出しながら、響は大通りへと出た。
 会いたい。でも会えない。
 円青樹、伊藤若葉、そして名波響という伊藤苑研究員の主要メンバーが休養を取った後、仕事は文字通り山積みになっていた。休暇が終わって十日間過ぎても、三人に休日は訪れなかった。
 休日に逢おうと約束した二人だったが、休日がなければ逢えない。
 旅行で味わったジョンの愛撫。ペニス。吐息。声色。匂い。油断すると職場でも思い出してしまう激しい情熱。汗。
 響はジョンに逢えない寂しさに少しイライラしながら仕事をこなしていた。
 まるでコーラにアディクションする若者のように。
 彼のペニスがスペルマが愛が欲しいと、餓えた喉をカラカラに渇かしながら響はジョンとのデートを待ち侘びていた。
 彼の事を考えるだけでアナルがひくっと震える。ペニスに愛が集まる。
 だが響はもう伊藤苑の後継者を目指すと決意してしまった。愛するジョンの夫ではなく、ライバル会社の社長になる道を歩み始めたのだ。
 いくら愛していても、好きでも、体が彼を求めても、響とジョンは結ばれない。だが一緒になれないと知っているからこそ、二人は貪るように抱き合い、熱いセックスをした。
 響は後ろからゆっくりと近寄る車の気配を感じて、スマートフォンを閉じる。
 車は響の少し前に止まると、黒いサングラスを掛けた体格の良い男性が運転席から降りた。
「響様。ジョン様から響様の警備を仰せつかっております。ぜひ私共の車をご利用下さい」
 男は響と顔見知りだったが、即、身分証明書を提示した。
 伊藤苑に入社してから、ジョンの好意を何度断り続けてきたのだろうか。響は少し考えてから、ふっと笑い、後部座席へと向かった。
 いつもは無表情なSPが驚きの笑みを浮かべる。そして響の意志が変わらないうちにと、即座に後部座席の扉を開けるのだった。
「どちらに向かいますか? お疲れのようでしたらジョン様のプライベートルームがHホテルにございます」
 SPは言葉を選びながら、そっと響へと提案した。学生だった頃の響は何も言わず車に乗り、何も言わずジョンが借りているホテルへ入り彼とセックスしていた。しかしライバル会社である伊藤苑に入ってから、響はそういったジョンとの<馴れ合い>を殆ど断り続けていたのだった。
 響は少し疲れた、それでいて色気のある視線をSPへと向ける。
「ああ……うん。そうだね。Hへお願い」
 伊藤苑では見せない、少し子供っぽい声で響はSPに返事をした。二人が出会ってもう十年程になる。学生時代を思い出し、響はふっと笑った。
「かしこまりました」
 SPはカーナビでHホテルを指定し、車を出発させた。
 響は窓の外を見ながら、伊藤苑入社式当日を思い出していた。
 
『響、伊藤苑、入社おめでとう。さぁ、手を出して。入社祝いだ』
 伊藤苑本社ビルから駐車場へと向かう響に、帝王のオーラを放つ男が車の中から声を掛けた。
 響はちらっと車を見てから、きょろきょろと辺りを見渡し、はぁっと溜息を吐いた。
『ジョン。もう私は伊藤苑の者だ。お前のライバルなんだぞ。気安く声を掛けるな。同僚に見られたらどうするんだ』
『怒った顔も可愛いネ。ほら、手を出して』
 響は立ち去りそうもない強引な男に押され、手を出した。温かい愛する男の大きな手と、冷たいカードキー。もっとこの手を握っていたい。そう響は思いながら、手を引っ込めた。
『……なんだこれは』
『Hホテルのルームキーだよ。君の入社祝いだ。疲れたらいつでもおいで。待ってるから』
『誰が行くか。……でも貰っておこう。ありがとう』
『どういたしまして』
 そう言うとジョンは投げキッスをし、車を静かに発進させた。
 
 懐かしい思い出。一度も使った事がなかったジョンのゴージャスな愛。
 響はルームキーをぎゅっと握って、Hホテルを見上げるのだった。
 
 ★
 
 ホテルに車が着くと、支配人がにっこりと笑いながら立っていた。
「お待ちしておりました。名波様」
「今夜は世話になるよ」
「はい。古河様のバトラーが一名程いらっしゃいますが、当ホテルのコンシェルジュはご入り用ですか?」
「いや、必要ない。朝食は五時四十五分に届けてくれ」
「かしこまりました。軽食はいかがなさいますか?」
「すぐに寝るから、必要ない」
「かしこまりました」
 支配人は部屋に案内すると、鍵を開け、深々とお辞儀をしながら響が部屋に入るのを見送った。
「響様! お待ちしておりました!」
 部屋の中にはジョンが響に用意してくれた昔なじみの執事が立っていた。
「今晩は、バトラー。旅行以来だね。……君はいつもこの部屋にいるの?」
「はい。私は響様付きですから、響様が伊藤苑へとご出勤なさっている日はこのホテルに在駐しております。響様が出張なさっている日は、近くの部屋におりますよ。ご不便を感じた時はいつでもお呼びくださいませ」
「……私にバトラーを付ける必要などないのにね。君も大変だ」
「私は響様のバトラーに選ばれて光栄でございますよ。響様はジョン様が心を許されていらっしゃる唯一のお方です」
 そう言いながらバトラーは響のジャケットを脱がした。
「……でもここから先は脱がしてくれないんだ」
「もちろんですとも。ジョン様におしかりを受けますからね。美しい響様の肌に直接触れるのはジョン様だけの特権です」
 響はじっとバトラーを見て、にっこりと美しく、少し意地悪な笑みを浮かべた。
「……じゃあ君は私の『お相手』はしてくれないのかな?」
 そして彼の白い指がバトラーの股間に触れそうになる。
 ふっと、バトラーが後ろに一歩下がった。
「お戯れをお止めください、響様。首になってしまいます」
「首になったら私が雇ってあげるよ……って言いたいところだけど、私より君の方が給料は高そうだね」
 響はくすっと笑って両手を軽く挙げ、おどける。
 バトラーは何事もなかったかのように振る舞い、簡単に部屋の説明をし始めた。
「入ってすぐがリビングルーム。そしてダイニングルーム。こちらが書斎。ここの扉がバスルーム。トイレ。奥がベッドルームになっております。バスルームに私は立ち入る事が出来ませんが、緊急ボタンを押してくださるか、声を上げてくださればすぐに参ります。
 タオル、玩具、ローション等はこちらに入っております。トイレは本家と同じようにバスにも用意されておりますので、ご利用ください」
 響はジョンと自分のペニスサイズのディルドを手に取った。
「……全く、ジョンの奴。どこにでも置いてるんだな。恥ずかしい」
「ジョン様の宝物ですからね。よく響様を思い出しながら抱いて寝ておりますよ」
「……そうなんだ」
 響は真っ赤になりながら、着替えるから、と呟いた。
「ごゆっくり」
 静かにバトラーは脱衣場から出て行った。
 いつもながら完璧な男だ、と響は感心する。歳は四十代ぐらいだろうか。物腰は柔らかいが、黒いスーツの下は美しくしなやかで強い筋肉に覆われている。大勢いる古河家SPの中でもかなり優秀な方だろう。
 響は服を脱ぐと、ジョンディルドとローション、そして浣腸を持ってバスルームに入った。
 響はいつものように浣腸を便器の近くに垂れ下がる金具に引っかける。ちゅううっとローションを出し、アナルにたっぷりと塗った。
「……んっ」
 毎日浣腸を欠かさない響だったが、旅行の後、体調がおかしくなっており、背中がぞくぞくっと震える。ふとしたきっかけでセックスを思い出す。体が敏感になる。アナルに指を入れてローションでマッサージするという日課に過ぎない行為なのに、異様なほど感じてしまう。
 
 ――コカアディクションか……。
 
 昔、頭痛薬として販売されていた古河家のコーラ。痛みを和らげる効果があり、大ヒットしたという。
 まるで古河家初代のように響は緩い頭痛を感じていた。さらに放置すると喉が渇き、そして体が震える。
 ジョンが欲しいというアディクション状態に陥ってしまう。
 彼とキスしたい。抱きたい。犯されたい。突っ込まれたい。激しく。もっと激しく。そんな妄想が脳内と体を駆け巡る。
 ジョンが響に溺れ、響がジョンに溺れた。二人はお互いを求め、いつしかセックスをしなければ思考力さえ奪われるような関係になっていた。
 全世界で飲まれている古河家のドリンク、痺れるようなコーラへとアディクションする若者達のように響はジョンに夢中となった。またジョンも、極東にある小さな会社の美しい御曹子から離れられなくなっていた。
 ぴくんっと体を震わせ、響はぬるぬるになったアナルへと浣腸器を差し込む。体内に入ってくる冷たい感触。
 こんな細い管ではなくて、あの……ちらりと響は赤いディルドを見つめる……ペニスを入れたい。掻き回したい。体の奥を。もっともっと奥を。
 管を抜き、暫く便意を我慢する。浣腸を入れてから、もしこの液体にまた媚薬が仕込まれていたら……と考えたが、大丈夫なようだった。
 響は便座に座りながら暫く、ぼぉっと天井を見つめていた。段々便意は強くなっていく。ペニスが反応し、ぴくりっと動いた。
 昔、何度もこの状態のままジョンに犯された響は、その快感を思い返していた。
 指を入れて掻き回したい。いやいっそディルドでめちゃくちゃにしたい。穴を広げて入れて奥まで差し込んで抜いて突っ込んで抜いてぬるぬるぬぽぬぽと何度もなんども繰り返して……。
 そんな妄想をしつつ、響は指でアナルをマッサージし、ディルドをぺろりと舐めた。
 入れたい、いれたい、イレタイ……。
 ジョンニオカサレタイ……。
 カンチョーシタアナルをオカサレタイ。カキマワシテ、カキマワシテ、ブチコンデ、ジョン。
 響は瞳を虹色に輝かせながらディルドにローションをたっぷりとかけ、アナルへと押しつけた。
 
 その時。
 
 ホテルの屋上からヘリコプターの着陸音が聞こえた。
 響は喜びに体を震わせ、天井を見る。
 
 ――まさか、ジョンがホテルに!?
 
 だが急病人を運ぶドクターヘリかもしれない。明日仕事で中国へと渡るジョンが来るわけがない。
 響はハッとし、正気を取り戻すと、ディルドを横の棚に置き、排便をした。
 すぐにシャワーを浴び、ディルドを持ったまま湯船に浸かる。広い風呂だ。こんな風呂が会社にあったら……と響は思った。
 ヘリの音は段々静かになっていく。
 ジョンが来てくれたら……このヘリがジョンを乗せてきてくれたら……。
 小さな可能性に賭けながら、響は赤いディルドを舐めた。
 もし……ジョンが来てくれたら……。
「響!!」
 響がディルドを喉の奥まで咥えた瞬間、バスルームの扉が開いた。咄嗟にディルドを口から出す。
「………………可愛い」
 ジョンが蕩けるような眼差しで、響を見る。
 響は真っ赤になって、赤いディルドを腰の後ろに隠した。
「な、な、なんだ突然! か、かかか帰ってきたのか!」
「響、そんなにも私の帰りを待ち侘びてくれたんだね。私の分身を愛撫して、喉の奥まで銜え込んで。なんて愛らしい男なんだ」
「あの……その……待ってはいたけど……こら、服のまま入るなよ!」
「君に一刻も早く触れたい」
 そういってジョンはスーツのまま湯船に入り、響にキスをした。
「んっ! んっ……-ーーー!!」
 響は無理矢理足を開かされた。
 割り込んでくるジョンの足。濡れて重くなったズボンが響の内腿に触れる。
 情熱的な唇が響を襲った。お帰りなさい、とも、お疲れ様、とも言う事を許されず、ただただ唇を奪われる。
 ジョンの濡れたズボンが、響の硬くなったペニスに触れた。
「んーーっ!」
 しなやかな足を包む繊維が、響の感じやすい場所をこする。体が震える。快感が一気に股間から脳へと突き抜ける。アナルがひくひくっと収縮し、熱いペニスを待ち侘びる。
 響はキスをしながら、嫌々と首を振った。感じ過ぎてしまう。もう達してしまう。ベッドの中じゃなくて、浴槽の中で。このお湯へと放ってしまう。
 だが口は塞がれ、何も話せない。瞳で訴えても、餓えた獣はエサを口から離そうとしなかった。
 その時。
 脱衣場に人影が揺れた。
「ジョン様。……お取り込み中の所、失礼いたします。スーツをお脱ぎくださいませ」
「……分った」
 ジョンはしぶしぶネクタイを外し始めた。脱いだ服をぽいぽいと入口近くに放る。
 鍛えられた美しい肉体が響の目の前に現われる。そして漢らしく勃起したペニス。
 靴がぽいっと投げられた。
「お前なぁ、靴ごと浴槽に入るなよ」
「我慢出来なかったんだ。私は君が伊藤苑に雇われてから何年もこのホテルで待っていたんだよ? 東京で寝る時は大抵このホテルを使っているんだ」
「もっとお前んとこの本社ビルに近いホテルを借りろ。時間の無駄だ」
「だってそんな事をしたら君が泊まりに来てくれないじゃないか。いつもすぐに家へと帰ってしまう箱入り息子なのにサ。ここから出勤すればいいのに」
「アルバイトがホテルからご出勤とか出来るか!」
「うちの社員になれば? 私の秘書になれば余裕でホテルから出勤出来るよ」
 ジョンが意地悪くにやっと笑った。
「な、ら、な、い」
 響がジョンに顔を近付けて、意地悪く言い返した。
 そしてそのまま唇を重ねる。
 すっと響は離れ、ジョンの瞳を覗き込んだ。
「私がお前にあげられるのは、愛だけだ」
「愛はくれるんだ」
「愛は経営に必要ないからな」
 今度はジョンからキスをする。
「君の余暇が全部欲しいよ、響。先日の旅行で改めて分っただろ? 私達はとても相性がいいんだよ。お陰で戻ってきてから仕事がはかどる」
 ジョンが響のペニスをそっと握る。
 響がびくんっと震え、はぁっと息を吐いた。
 もう欲望を放ってしまいたい。そんな欲求で響の頭は一杯になった。その瞬間、ジョンが硬くなったペニスの根本をぎゅっと締める。
「まだダメだよ、可愛い響。さぁ、体を洗ってベッドへ行こう」
 ジョンが優しく響の耳元で囁く。
 響はぞくっと体を震わせながら、最高に麗しい恋人は自分の格好良さを自覚しているのだろうかと疑った。
 美声過ぎて、耳元で囁かれるだけで達してしまいそうになる。そんな貴公子。
 だがペニスは美声の主に握られ、欲望を押さえ付けられていた。
 早く出したい。
 そう思った響は、こくんっと頷くのだった。

 ★
 
 東京の夜景が見渡せるホテルの最上階に響はいた。バスから出て裸のまま窓際に立つ。
「……さすがにこの時間は静かだな」
 夜の新宿は昼間と違う顔を見せる。交通量は減り、人影もまばらだった。遠くに伊藤苑本社ビルが見える。愛しい弟や上司の円青樹はまだ仕事をしているのだろうか。もう寝ただろうか。疲れている同僚達を寝かしただろうか。響はじっと伊藤苑ビルを見つめた。
「また仕事の顔になってる。大丈夫。円君がいるだろ?」
「円さんは結構ずぼらなんだよ。仕事に関しては天才的なカンを働かせるけどな」
「だから君がいないとダメだって?」
 ジョンはくすくすっと笑って響を後ろから抱いた。
「君がいないとダメなのは、私も一緒だよ。仕事の効率が落ちまくりだ」
 ジョンの勃起したペニスが響の尻に触れる。響はごくりっと喉を鳴らした。
「そりゃ良かったな。私がライバル会社の効率を上げてどうするんだ」
「学生時代は秘書をやってくれたじゃないか」
「あの時は修行期間みたいなものだったからな。お父様にも止められてなかった」
「今なら止められる?」
「当たり前だ。そもそも伊藤苑に早く入社しろと言ったのはお父様だ」
「このファザコン」
「お前達他社のエージェントが円さんの周囲をうろちょろするからだろうが。私はもう少しジョンと一緒にいられるのかと思っていたのに……」
 響は少し寂しそうに俯いた。そして小さく呟く。
「でももう過去の話だ」
「私達の関係は一生だよ」
 ジョンは響の髪にキスをした。
 それからベッドに弾みをつけて座ったジョンは両手を広げて微笑んだ。
「さぁ、響。愛し合おう。おいで」
 響はジョンの膨張したペニスを見てかぁっと頬を染めた。そしてこくんっと頷く。
 オットマンの上に響は正座し、まじまじとジョンのペニスを見つめた。そしてすっとお辞儀をする。
 その美しい姿にジョンは見惚れた。
「……相変わらず礼儀正しい子だね。いつもなんでペニスにお辞儀をするのか分らないんだけどさ」
「ペニスにお辞儀をしているんじゃなくて! これから性交するから、お前に挨拶をしているんじゃないか!」
「そうだったのか。私はてっきりジュニアに向けて挨拶してるのかと思ってた」
「まったくもう! 古河家総帥の癖して下品なんだから!」
「いやだってさ、君、いつも私のジュニアをじっと見つめているから誤解もするヨ」
「そ、それはその……お、お前のペニスが……その大きいから……いつも入るのかなって……」
 響はしどろもどろになりながら、横を向いた。
「いつも入れてるだろう?」
「うん……」
 コクリと頷くと、響は両手でジョンのペニスを撫でた。
 温かい。
 響は口に溜めていた唾液をつぅっとペニスに垂らし、先端にキスをする。そこから一気に喉の奥まで太い肉棒を含んだ。
「うっ……!」
 ジョンが悦楽の声を漏らす。
 響は感覚を舌に集中させた。
 怪しく蠢く舌をペニスに絡ませる。味わいながら舌で刺激をする。
 久しぶりのペニス。響の瞳が喜びに溢れ、優しく淫靡な輝きを放つ。
「ちょっと響……っ! 君の口って相変わらず……いい」
 響が首を少しかしげる。愛らしい瞳でジョンを見た。
 こういう所は初めて会った子供の頃と変わらないな、とジョンは思った。
 純情で、だけど底なしの淫乱で。
 感じやすくて。愛らしくて。
 神の舌が素早くジョンの裏筋を刺激する。強く、強く、さらに強く。
 ジョンの息が早まってきた。
 その時、バトラーがすっとスマートフォンを手にした。画面を見ながら彼は縦皺を作り、少し困ったような表情でジョンを見た。
 ジョンは、はっ、はっ、と息を荒げながら、左手でバトラーを呼ぶ。
 バトラーは黙ったままお辞儀をし、ジョンに近寄りスマートフォンの画面を見せた。
 ジョンはにやっと笑い、窓の外を見る。その視線の先には伊藤苑本社ビルがあった。
「手出し無用」
「かしこまりました」
 バトラーはお辞儀をし、また部屋の隅へと戻っていった。
 響は気になってちらっとジョンを見たが、自分はもう昔のように仕事に口を出せる立場でも、聞ける立場でもないと思い、視線を戻した。
「響……いいよ、気持ちいい……さぁ、君のアナルを解して」
 ジョンはローションを響の手に沢山垂らす。
 響はすっと後ろの夜景を見た。視界に広がる夜の新宿。静かなビルの向こうに明りが点いた伊藤苑本社ビルが見える。
「あの……ここで?」
「そう。東京都民の皆様に挨拶をしなくちゃネ。美しい響。私の恋人・名波響です。淫乱な研究員……いや、研究員助手なんですってね」
「入社試験に落ち続ける私へのイヤミか」
 そう言って再び響は夜景を見る。
 この夜景の向こうには弟がいる。今、寝ずに仕事を進めている真面目な弟が。伊藤若葉。彼の明るい笑顔を響は思い出す。きっとおっちょこちょいな弟はPCに向かい、欠伸をしながら資料作成をしているだろう。
 弟が仕事をしている職場の近くで、伊藤苑次期社長と期待される兄は裸になり、ライバル会社に勤める男の勃起したペニスを前にしていた。
 響は真っ赤になりながら舌を伸ばし、ジョンのペニスを舐めた。
 そして自分のアナルと、その奥へとローションを塗った。
「っ!」
 アナルがひくつく。まだジョンのペニスは挿入されないのかと、愛を待ち侘びている。
「あ……」
 響が悩ましい声を洩らす。
「響、ほらもっと腰を上げなさい。都民の皆様から見えないだろ?」
「え? ここで?」
「そう。ちゃんと二本ずつ、四本入れてクパァって広げるんだヨ」
「何がクパァだ。くだらない日本語ばっかり覚えやがって」
「くっくっくっ、私は日本人だヨ、響」
「知ってる」
「早くおやり。恥ずかしがり屋さん」
 ジョンが響の耳元で囁く。
 響はオットマンから片足を下ろした。そして腰を高く上げる。
 透き通るように美しいガラス窓の向こうに広がる都心の夜景。空中でセックスをしているような幻惑の景色。
 くちゅ、くちゅと、アナルを弄る音がする。そしてぺちゃ、ぺちゃというペニスを舐める音も。
 バトラーにも聞こえているのかと思い、響はちらっと彼を見た。彼はいつも通り能面のような柔らかい笑顔を浮かべながら立っていた。
「響……そういえば君、バトラーに手を出そうとしただろ?」
「ああ。お前が来ないから抜いて貰おうと思った」
「全く……。私だって我慢をしているんだから、君も我慢したまえ」
「我慢してるの?」
 響は不安そうに上目使いでジョンを見た。
 子供っぽい不安そうな視線にジョンはどきっとした。
「ああ、もちろん。君に約束しただろう? 他の人とは寝ないってさ」
 ジョンが響の髪に優しくキスをした。
 響は嬉しそうに微笑む。
「うん、我慢する」
「いい子だね。さぁ、皆様にご挨拶をしなさい」
 ジョンの強い命令口調。別に抵抗する事も出来る。このまま帰る事も。
 響は束縛されているわけではなかった。レイプされているわけでもない。
 これはプレイの一環に過ぎない。
 窓の外、伊藤苑本社にアナルを向けて、恥ずかしい格好をするというプレイなのだ。
 するもしないも、選択権は響にあった。
「…………」
 響は黙ったままアナルに両手の人差し指と中指を入れた。四本の指。こくりと喉が鳴る。
 ぬるぬるしたアナルの内壁に指が触れる。
 少しずつゆっくりと、ゆっくりと広げる。空気がアナルの奥へと入ってきた。
「ガラスに映る君の姿が美しいよ。もっと広げなさい。伊藤苑の皆様に見えるようにね」
 コカの優しい声と真逆な残虐な言葉。
 もしこのような恥ずかしい姿を徹夜し、一生懸命仕事をしている弟に見られたら……。
 響は真っ赤になって手を止めた。
「もっと……響、もっと広げなさい」
「…………」
「私は知っているんだよ。君が見られると感じるっていうのをね。ほら、想像してごらん。伊藤苑のビルから見られている自分の姿を」
「そんな事を言わないでくれ。恥ずかしい」
「恥ずかしいのは君の体だろ? ほら、こんなにギンギンに勃起させちゃって。開きなさい。もっと」
 コカはにこやかに微笑んだ。
 響はゆっくりと愛孔を広げていく。
「さぁ、ご挨拶は?」
 コカが響に囁く。
 響は真っ赤になりながら、伊藤苑本社を見つめた。
「……古河・C・ジョンの恋人、名波響です。伊藤苑で研究員助手をしています。淫乱でアナルファックが大好きです」
「伊藤苑の皆様、響のいやらしいアナルを犯してくださいは?」
「……い、伊藤苑のみ、皆様、響のいやらしいアナルを犯してください」
「よく出来ました。じゃあその体勢のまま、舐めて」
「はい……」
 響は窓に向けてアナルを広げたまま、ジョンのペニスを咥えた。にゅぽ、じゅぽ、という音が部屋に響く。
 東京の夜景に重なるように、響のアナルがガラスへ映る。広げられ、奥の奥までピンク色の孔が見え、男を誘う。
 この距離では伊藤苑から見えるわけがない。だけどもし見えたら……。徹夜している弟はなんと思うだろうか。
 だがそんな想像すら響のペニスを興奮させる一因にしかならなかった。
 響は愛する弟に視姦される空想を抱きながら、恋人のペニスを咥えるのだった。

 ★

 伊藤苑本社。社長室。

 パソコンの前に座り、夜中まで仕事を進める伊藤社長はふと疲れ、社内の防犯カメラを覗いた。
 防犯カメラからは廊下などを映す事も出来るが、伊藤社長が見るのはもっぱら息子達がいる研究室である。
 研究の進捗状況や社員の素行をチェックするという意味合いより、ただ息子達の顔が見たいという親バカな動機に過ぎない。
 映し出された研究室。そこには初めて会社で見る、長男響の寝顔が映し出されていた。
 伊藤社長の顔がほころぶ。廊下ですれ違う時はいつも厳しい顔付きの息子。少し睨んだような厳しい視線を送られ、すっと頭を下げられる。そこからはもう響の顔が見られない。社員としては至極当然の態度だろう。百点満点だ。だが親子なのだ。少しぐらい笑顔を向けてくれてもいいだろう。全く家に帰っていない駄目な父親だ。嫌われても仕方がない。そう思っていてもやはり寂しい。
(美しい子に育ったなぁ。少し私に似ているか?)
 伊藤若葉と後ろの研究員助手が響の噂をしている。
(若葉も一気に綺麗になって。円君のお陰かな? 響は……ふぅ……ジョンの手腕か)
 伊藤社長は響の顔をアップにする。
(長い睫毛だ。美しい鼻筋。きめの細かい肌。赤い唇。色っぽくてそそる顔だ。重役達に見られたら個室に連れていかれて悪戯されそうだな……まぁ私の息子だから、手出しはしないと思うが。だがもし響が他人の子供だったら、私でも手を出したくなりそうだ)
 伊藤社長は防犯カメラ映像のファイルをコピーし、『響』ファイルに入れた。
 カメラに部屋全体を映し出すと、社員達がざわついている。
(あんなに響が無防備な姿を曝け出していたら、誰だって襲いたくなるよな)
 伊藤社長はくくくっと笑った。
(全く……ジョンめ、こんなに色っぽく成長させてどうするんだ。まぁ、コンビニ業界のお偉方さん達は手を握るだけで即、堕ちそうだな)
 モニター内に映る響が起き、社内を見渡す。それから席を立った。
(あ~あ、いつものクールな響になってしまった。もっと子供の頃みたいなかわい~視線を向けてくれないだろうか。お父様は寂しいよ)
 それから伊藤社長は暫く考えた。
(響がこんな時間に帰るなんて……おかしいな。少し追いかけてみるか)
 伊藤社長は戸棚の中から天体望遠鏡を出した。セットしながら防犯カメラで響の姿を追う。アップになった画面にスマートフォンが映し出される。
(ふん、ジョンからのラブレターね。奥さんは響とジョンの関係を推している。それが実態大きな利益を生んだのは事実だ。だがこんなに愛し合ってしまってどうするつもりだ。奥さんも……響も)
 望遠鏡にビデオをセットする。
(不幸になるのは響なのに……大切な私の息子なのに……)
 そう言いながら伊藤社長は望遠鏡の向きをHホテルの最上階にセットした。

 ★

 Hホテルの最上階に灯りが点る。
(ビンゴ! おお、響だ。……バトラーを誘ってるよ……。いつも澄ました顔付きをしているけど、結構淫乱な子なんだな。風呂か。見えなくて残念だ)
 その時、へリコプターの音が聞こえてきた。
 伊藤社長は目視で確認する。
(赤いヘリコプターか。古河家の自家用ヘリだな。ジョンの奴、すっ飛んできたのか……結構響は愛されているな)
 伊藤社長はふっと笑う。
 まだ結婚する前。何度かジョンに誘われ別荘に行った思い出が脳内に蘇る。その時はまだ若くて幼くて、セックスがどういうものなのか知らなかった。
 仕事に行き詰まった時、よくジョンと二人でバーで飲んだ。ジョンは惜しげもなく知恵を与えてくれて、それにより伊藤社長は何度かピンチを乗り越えた。
(あの甘い夜。激しい愛撫。夢中になりそうな……)
 妻もいる。可愛い子供が二人もいる。仕事は順調だ。
 それなのに自分は、帝王に溺愛される息子に軽い嫉妬を感じ、またいつも自分には冷たい息子が優しく微笑む、ジョンに嫉妬する。あの息子の笑顔が欲しいと願ってしまう。
(子供に微笑まれるような良い父親ではなかったけどな。職場に寝泊まりして、ほとんど家には帰っていなかった。父親としては失格だ)
 伊藤社長は部屋の外に『就寝中』と掲げ、鍵を掛けた。そしてカーテンを閉め、その間から望遠鏡を出す。そのままズボンと下着を脱ぎ、コンドームの用意をした。
 Hホテルのベッドルームに響とジョンが裸のまま現われた。
 望遠鏡を覗きながら、伊藤社長はゆっくりとペニスに触れる。
 響が窓に尻を向けたままフェラチオを始めた。ピンク色のアナルと、柔らかそうな陰嚢が見える。
(響の……)
 伊藤社長はゴクリと唾を飲み込んだ。
 その時、バトラーがジョンに近寄り、何かを見せる。
 次の瞬間、望遠鏡越しにジョンと目が合った。伊藤社長はにやりと笑う。
(覗かれている事に気付いたか……。屋上にでも監視用SPでもいたのかな。まぁ、いるだろうな)
 ジョンは響に何かを囁いている。
 響がちらっと夜景を見る。
 伊藤苑本社までの距離は遠く、一瞬では分りにくい。
 それから響はあろうことか、窓に向けてお尻を上げて、指を四本入れて……広げた。
 伊藤社長の望遠鏡には広げられた響のアナル、そして美しいピンク色のぬるっとした孔が映し出された。
(…………!!)
 伊藤社長の右手が素早く上下し、ペニスをシゴク、シゴク、シゴク。
(クソッ! ジョンのやつ、仕掛けやがって! ……可愛いじゃないか……!!)
 美しい息子が顔を真っ赤にし、肌をピンク色に染め、何かを呟く。伊藤苑……と言ったような気がする。
(ジョンが恥ずかしい口上を響に言わせているに違いない。伊藤苑本社ビルにいらっしゃるお父様、私を犯してくださいとか……!! クソッ! うちの息子、可愛い過ぎる! それに綺麗過ぎる!)
 伊藤社長は息を荒げた。
「はぁ……可愛い、可愛いよ響……素敵だ……犯したい……たまらない……そのアナルに私のペニスを入れたい……ぶち込んで掻き回して響、君の中に出したい……もっとその指でアナルを広げてくれ……もっとその愛らしい瞳で私を見てくれ……その口でペニスを咥えて欲しい。舐めて欲しい……お父様って可愛い声で昔のように呼んでくれ……響……響……」

 ★

「ね、ねぇ……ジョン……恥ずかしいよ……誰かに見られているみたいで……」
「見られていたらどうなの? ペニスをこんなに膨らませて興奮してサ。可愛いねぇ、君はこんなにシャイなのに体は正直だ」
「こ、これは……その……」
 響がぺろり、ぺろりとジョンのペニスを舐める。硬く、熱く、燃える。
「ほぐれたかな? さぁ、ガラスに手を置きなさい」
「はい」
 響は夜景を見ながらすべすべしたピンク色の尻をジョンに向けた。

 美しい東京の夜景。
 輝く夜空に裸の響とジョンが映る。新宿の街を歩いていたら誰もが振り向く美丈夫だ。しかし車かヘリコプターで移動するジョンが街中を歩く事はない。
「綺麗な夜景だ。君の瞳のようだネ」
 ジョンのペニスがぬるぬると響のアナルを刺激する。
「はっ……!」
 響が腰をうねる。快感から逃れるように、腰を引く響。
 そのピンク色の腰をジョンが片手で押さえた。
 ぬぬ、ぬ、と何度もペニスの先端が響のアナルを刺激する。
 響は後ろを振り返り、ジョンのペニスを見た。
「…………相変わらず……」
「相変わらず、なに?」
「…………」
 響が真っ赤になって俯いた。
「言いなよ、恥ずかしがり屋さん」
「お、大きいなって……」
「そのビッグコックをいつも受け入れているのは君だろ?」
 響が小さく頷く。
「ふふっ、君ぐらいだよ。あんなに長時間受け入れても壊れない子はさ。それもどこまでも貪欲に求めて、しゃぶって、咥えて、決して離さない。それどころか私が先に満足しちゃうなんてね」
 ジョンがそっと響の背中にキスをする。
「なんでこの細い腰で、そんなに耐えられるのか不思議だよ。お尻、広げて。愛らしい蕾を巻き込まないようにしないとネ」
 響はジョンの言う通りに、両手で尻をくいっと広げた。
「いいこだネ、響」
 ジョンが一歩前進する。
 ぬぬい……とピンクの花弁が広がった。
「ああ……っ!!」
 ガラスに胸をぺたぁと付け、お尻をくいっとジョンに向けながら、響は声を上げた。
 両方の乳首がガラスの向こうにいる新宿を誘惑した。

 ★

 伊藤苑・社長室。
「はぁ……! はぁ……! はぁ……! 響、なんて愛らしいおっぱいなんだ……! あんなにガラスへと押しつけて、いやらしい顔をして……! 腰を押さえられたね。もう逃げられない! どこにも逃げられないよ! お父様のペニスからはね!」
 むせ返るような栗の花の薫り。ゴミ箱の上に処理されたコンドームが捨てられている。
 望遠鏡の向こうには名波響がいた。
 喘ぎ、恥じらい、腰を振る。
 ジョンのペニスに怯えながら、待ち遠しそうに瞳を潤ませる。
「ははっ! それにしても響は凄いな。連日徹夜続きでジョンのペニスを咥えるのか! 私なんて三日は腰が痛かったぞ! それだけジョンに調教されているって事かな。ふふっ、明日、どんな顔付きで出勤してくるのだろう。あんな色っぽい顔で出勤してきたら、研究員達がセックスの事しか考えられなくなってしまうぞ? ははは、まったく悪い子だな! ……そろそろか」
 伊藤社長の瞳が意地悪く輝く。望遠鏡に設置された録画機能が、響の麗しいよがり姿を記録していった。

 ★

「はっ……」
 広がる。
「あっ!」
 さらに広がる。
「やっ……! ああっ!」
 体から老廃物を出すために備えられた孔が漢に広げられていく。
 中から外へ、ではなく外から中へ。
 熱く太い肉棒が侵入していく。
「ひぃ……いあああああああああああああああああ!!」
 腰を押さえられたまま、響が仰け反る。
「イイネ、この挿入した時の声、最高だ」
「あっ……あっ……ふ、ふと……ひろ、ひろがっちゃ……」
「もっとゆっくり愛撫したい所だけど……ネ」
 ジョンは激しく腰を動かし始めた。
「ひぃいいいいい! はひぃ! はひぃ!」 肉と肉がぶつかる音が鳴り響く。
 響は空を見つめながら、口をぱくぱくとさせた。喉の奥から胸の奥から息が出る。声が出る。悲鳴が上がる。
 体を貫かれているような感覚。
「串刺しになっちゃう! ジョンに奥まで刺されちゃう!」
「もっと刺してあげる」
 ジョンは両手で響の両腿を持ち上げ、ぱかっと足を広げさせた。
「ひいいいいいいいいいいいいい!!」
 ガラスの向こうに広がる新宿副都心。その夜景に浮かび上がる両足を広げられ、ペニスを勃起させ、イヤらしい汁を垂らしながらライバル会社の男に串刺しにされている名波響。
 伊藤苑の次期社長になるべく教育され、エリートコースを歩むべく努力してきた青年は、色っぽく瞳を濡らし、涎を垂らして淫猥に乱れていた。誰よりも太く長いジョンのペニスをアナルに咥えて。広がって。広がって。広がって。広がって。奥まで。ずっと奥まで。
 ジョンのビッグコックを……根本まで!
「いやあああ! 壊れ……ちゃう!! お尻、壊れちゃう!! 頭、壊れちゃう!!」
「この程度で壊れるお尻も頭も持ってないくせして。君に求められて精を吸われて、壊れるのは私だよ」
「あんあんあんあんあんあんあん!!」
 ジョンの手がリズミカルに動き、響の体を浮かし、また沈める。
 勃起したペニスに触れ、自らを慰めようとする響をジョンが止めた。
「後ろだけでイキなさい。伊藤苑の皆さんにアナルだけでイク、えっちな響を見せるんだヨ」
「いやっ! 意地悪な事を言わないで!」
「ダメ。ほら、響。ご挨拶しなさい。『伊藤苑の皆様、見て下さい。アナルだけでイク、貴男の名波響です』って」
「い……伊藤苑の皆様、見て下さい。アナルだけでイク、貴男の名波響です……」
「『淫乱なお兄ちゃんです』って」
「い、いん……らんな……お兄ちゃんです……あっ……! はんっ!」
 その瞬間、響のペニスが華やかに絶頂を迎えた。夜景に白いスペルマが散華する。
 肩で息をする響にジョンが意地悪く囁く。
「どうするの? こんなイヤらしい姿を若葉君に見られてしまったら……。赤ちゃんみたいにお股を開いて、お漏らししちゃってサ」
 響は真っ赤になって俯いたまま、答えなかった。
「さぁ、響。朝まで時間がない。続きはベッドでしようか」
 ジョンは響を抱き抱えたまま、ベッドへと向かった。そしてちらっと後ろを振り向き、勝ち誇ったような瞳で伊藤苑のビルを見つめるのだった。

 ★

 再び伊藤苑社長室。
「……うっ!! ……はぁ、……はぁ…………」
 脱力しつつ、伊藤社長は望遠鏡を覗いていた。目の前に広がる息子のスペルマ。恥じらう響の顔。勃起した乳首。発射した直後だというのに、まだエネルギーを感じさせる息子のペニス。
 伊藤社長は精液が溜ったコンドームを結わいて、ゴミ箱へと投げ入れた。
 ぐったりとする響を抱えてベッドに向かうジョンが、勝ち誇ったような顔でこちらを見る。
 不思議にも目が合った……ような気がした。
「……ちっ。あのやろう」
 二人の姿がベッドへと消えると同時に、Hホテルの赤いカーテンがゆっくりと閉まっていった。
 伊藤社長はベッドに横たわりながら、肩で息をした。いつも社内監視カメラの向こうで、廊下で、冷たい視線を向ける響が初々しく恥じらい、まるで父のペニスを咥えたがっているかのように口を開き、乳首をガラスに押し当て、股を開き、ジョンの(父の)ペニスに犯され、喘ぎ、乱れ、声を上げ、頂点へと達して。ガラスにスペルマを撒き散らした。
「……最高だ」
 自分の息子はこんなにも美しいのだと世界中に自慢してやりたい。大きな声で言いたい。だが社内でそれは極秘事項だった。
 伊藤社長は少し考え、寝返りを何回か打った。
「そうだ! 明日社員食堂で響に会おう。あの美しい響を見れば重役も響を次期社長に推すだろう。……そのためにはまず社員にならないとだな。若葉を教育係りに任命するか。うん、いい考えだ。伊藤苑の社員になれば、響もコカへ転職する気を失う……」
 そこまで言って、伊藤社長は悲しそうな目をした。
「伊藤苑を受けなさいと言った日、初めて響が私に反抗したんだっけな。もう少しコカの所で修行させてください、お願いしますと懇願された。そう……初めて……響が……」
 伊藤社長は望遠鏡のVTRを再生した。
 ジョンに愛され、震え、涙を流し、幸せそうに微笑む息子の姿が映し出される。
「奥さん……どうするんだよ。響は……こんなにもジョンを愛してしまったよ……」
 ビデオには優しく微笑み、悦楽の表情を浮かべるジョンも映っていた。伊藤社長はジョンの表情をアップにする。
「……あ~あ。古河家総帥がこんな表情をしちゃって……。恋しちゃってるの、バレバレだろ。あぁ、そうか。だから響用のSPを研究室に置かせてくれって言ってきたのか。響自体がもう古河家の重要人物になっているんだ」
 伊藤社長はビデオを止めた。そこに映る息子と、その恋人。微笑む二人。
「まったくどうなることやら」
 伊藤社長はデータを小型HDDに移すと、息子の将来を考えながら眠りについた。

 ★

 ふっ、と響は目覚めた。時計を見ると起床時間まであと5分。
 横には愛するジョンがいる。響はジョンの脇の下に潜り込み、眠っていたようだ。
 昨日の激しいSEX。何度も何度もドライオーガズムの快感を与えられ、脳が沸騰するまで愛撫された。乳首を痛い程摘まれ、前立腺と同時に刺激されて、また、また、さらに。明日仕事だから、と何度言ってもジョンは響を離さなかった。響の体が求めるままに、ジョンは快楽を与え続け……それがほんの45分前だ。
(全然、眠れていないじゃないか!)
 そう怒りを覚えながらも、響はジョンが愛おしくて堪らなかった。今も、一分一秒でもジョンを愛したい。響はすっと体を起こし、ジョンの下半身に顔を埋めた。
「……ん……んん……」
 彼を起こさないように、静かにビッグジュニアを愛撫する。舐める。舌を這わせる。強く。もっと強く。また優しく。口に含んで、袋を撫でて……エレクトさせる。

 ピッ!

 腕時計のアラームが一瞬、音をたてた。
(起床時間か……仕事に行かないとだな。若葉達が待っている)
 響は優しく微笑み、ジョンのペニスに、ちゅっとキスをした。
「愛してる」
 小声で囁くと、響はベッドから降りようとした。
「ちょっとまて! 響!」
 その瞬間、響は後ろからジョンに抱き抱えられ、ベッドへと引きずり込まれた。
「あ、起きたんだ。おはよう、ジョン」
「おはようじゃないよ! 響! 私の息子をこのまま放置して会社へ行くつもりかい!?」
「………………もちろんそのつもりだ」
「マイガー! 君は本当にいつもクールだ! だがね!」
 ジョンは響の上にのしかかった。
「私はホットなんだよ。責任を取ってもらおうか」
 ジョンが意地悪くにやりと笑う。
 響がさぁっと青くなる。
「ちょ、ちょっと待て。今日はもう仕事に行かないとだ。それにお前のジュニアはでかくて……腰が……」
「学生時代は朝までやって、学校に行ってただろ?」
「あん時はもっと体力があったんだ!」
「今だってあるだろ?」
 ジョンが響の両足を持ち上げる。
「ちょっと! おい! マジで冗談はよせ! うちは明日が研究成果発表の〆日なんだよ! 無理! 今朝は無理だって!」
「ほんの45分前まで私のジュニアを銜え込んでヒーヒー泣いていたくせに」
「だから! 今は体を休ませないと! 腰が立たなくなるだろ!」
「いいじゃない。伊藤苑研究室のNo.2である名波響が〆日の前にセックスのやりすぎで判断力が落ちるとか。我が社にとっては最高のサプライズだ」
「ばかやろう!」
「悪戯したのは君だろ?」
 ジョンがふふっと笑った。
 響が真っ赤になる。
「……そ、それは……ああっ!! はああああああああああああああああんんん!!」
「求めたのは君だよ、響」
 ゆるゆるのぬめぬめの蕾。
 体の奥へと入ってくる熱い愛欲。
 何度も突き刺さる快感。抓まれ、赤く腫れる乳首。
「ひぃあ! やあ! やだ! ダメ! 感じる! ジョン! ダメ! 奥! 来ちゃダメ! 立てなくなっちゃう! 頭が……また! 沸騰しちゃう! いやらしい子になっちゃう! ダメ! ひゃん! ひゃん! ひゃん! ああああああああああああああっ!!」
「相変わらず可愛い声で鳴くねぇ。伊藤苑の皆にも聴かせてあげたいよ、本当」
 ジョンは響のペニスをローションを塗った手で扱いた。
「やあああああああああっ! ああっ! ジョン! ジョン! あ、あああ、ああああ、愛して……るっ! はうんっ!」
「愛しているよ、響。君だけを。永遠に……」

 熱い欲望は響の秘所へ、ドクンッ……と放たれた。

 ★

 シャワーを浴びた響が、半袖のシャツに腕を通す。
「………………」
「なに?」
 着替えをじっと見つめるジョンに、響が冷めた視線を送る。
「……アンダーシャツは?」
「暑いから着ていないが? お前、毎年うちの会社に来てるだろ。あの暑さの中でアンダーシャツとか着ていられるか」
「伊藤苑って節電し過ぎだよネ」
「……311以降、さらに夏場のエアコン温度が上がったんだよ。放射性物質測定器やらなんやらで経費が一気に上がって脱原発、省エネってスローガンでな」
「凄いな。験者のようだ」
「験者じゃない。研究者だ」
「うちはチェルノブイリの時から放射性物質測定をやってたから検査体勢に変更はなかったけどネ」
「うるさい、セレブ野郎」
 響はベルトを止めた。そしてカップに入った『紅茶華伝 香る桜』をぐいっと飲む。
「お陰でいつも以上に円さんが腰タオル姿だ」
「それで……ね」
 ジョンは響をじっと見つめた。
 白いシャツから透ける赤く膨らんだ乳首。首筋や襟元や腕に残るキスマーク。抓った痕。
 潤んだ瞳。何度も愛を重ね赤く濡れている形の良い唇。フェロモンの漂う汗。しっとりと湿った髪の毛。発情したままの、ピンクパールのごとく輝く肌。
(自分がこんないやらしい姿をしてるって、響は気付いているんだろうか?)
 響が急にジョンを見つめた。
 その寂しげな瞳に、ジョンの胸がきゅんっと締め付けられる。
「……またな」
「…………」
(またな、か。昔には言われなかった言葉だ。いってらっしゃい、行ってきますってお互い、挨拶を交わしていて……)
 ジョンは無言のまま、肩をすくめた。
 響は鞄を持ち、頬を染め、俯く。
「………………行ってくる」
 その瞬間。
 ジョンは後ろからぎゅうっと響を抱き締めた。
「行っておいで。そしてまたここへ帰っておいで。私の元へ。愛しい響」
「…………ひ、暇な時にな」
「うん」
「……愛してる、ジョン」
「愛してるよ、響」
 二人は少しの間、唇を重ねた。
 とても色っぽい瞳で、響がジョンを見上げる。重なる二人の視線。
「……お前とのセックス、最高に良かった」
 言った瞬間、響は真っ赤になり、行ってくる! と言い放つと、愛の部屋から出て行った。
 ジョンはしばし呆然として、それからくっくっくっ、と笑った。
「言うねぇ。響も大人になったもんだ」
「そうでございますね」
 バトラーが静かに微笑む。
「昨日はお前、よく響の誘惑に負けなかったな。褒めてやる」
「ありがとうございます。私共ならともかく、ハウスキーパー達ではころっと響様の誘惑に負けてしまいますよ」
「そうだな。本当に淫乱な子で困る。一応昨夜、響には釘を刺しておいたのだがね。あの子、自分が淫乱な自覚があまりないからな。
 ……またここに戻ってきてくれるだろうか」
「来て下さいますよ。今回はマスターがいなくても、響様はこの部屋の主人として帰って来てくださったではありませんか」
「……そうだな。一歩前進だ」
 ジョンはぐっと手を握り、にっと笑った。
「さて支度をして、伊藤苑の社食へ昼ご飯を食べに行ってくるか」
「かしこまりました。スケジュールを変更しておきます」
 カーテンがするすると自動的に開く。
「覗き魔の伊藤ちゃんにも挨拶をして来なくちゃね」
 ジョンはコーヒーを飲みながら、朝日に照らされた伊藤苑本社ビルを見つめるのだった。

(終り 2012/07/14 脱稿)


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