閉じる


試し読みできます

前書き

 これは夢の解釈法を中心に、付随して霊と人間の真相について述べたものである。

 

 筆者の夢に対する考え方は一般に流布している説とは異なるので先ずそれを明らかにしておきたい。一言でいうと、夢は「霊体が体験した霊的現象」である。科学の面からは様々な説があるのは承知しているが、霊の存在を認めないままの夢の研究では永遠の謎に終わるだろう。

 

 人は肉体の外に霊体という身体を有している。この体を普通の状態で認識できないのは、我々の関心が肉体や物質に集中し過ぎているからで生来、霊的素養に恵まれた人はそれを駆使し何かに役立てているのではないかと思う。 一般に、というのは霊的素養に恵まれていない人は、肉体が仮死状態に陥いっている睡眠中に霊体が目を覚まし、活動する。その最中に守護霊による通信、指導もあるが、と同時に憑依霊やら周囲をさまよう浮遊霊が関わってきてさまざまに絡み合い、夢物語はご存知のとおりの複雑怪奇なものになる。 

 

 夢を霊的現象と捉え、それに基づく解釈の方法を述べた本書は従来の夢占い等の書とは一線を画すものである。

 

 霊と人間についても覚悟を決めて書いたことがある。見聞したことのない説に読者は慄然とするだろうが、これが人間の真実である。読む側にも覚悟が必要かも知れないし、人類皆兄弟などの掛け声を信じる善人であればあるほど衝撃を受けると思う。地球の命が果てるかもしれない今、遠慮しないで筆者の知る真相の一部を公にした。

 

  取り上げている夢は筆者の知人、友人、その他の人々が実際に見たままを記しているが、その奇怪さ、的確さに創作を疑う向きもあると予想される。それができるほど筆者は創作の能力に長けてもいなければ、また、夢の創造力は人知の及ぶところではない。書かれている夢の数々を読んで戴ければ納得できるはずだ。

 

  霊的な面からの夢解釈法に精通した後は、夢が心の糧となり、人生の支えになるものと確信する。

 

        2011年 4月吉日

                                                 花蔵 静人




















                                  

                            

 

                                                     

                                                      

 

                           


試し読みできます

一の夢  右の手が勝手に魚をつかむ

 印象深い夢を見た後で目を覚ますとそれが何を伝えているのか、そもそも大事な何かが含まれているのかを知りたくなるものだ。他人に話して助言を得ようとすることもあれば夢占いの本を紐解いたりするが、ほとんどは五里”夢”中という結果に終わる。

 夢に現れる光景は霊的世界のそれである。この世のものとは意味が違うので悲劇的内容だからといって不安に思うこともない代わり、逆のこともあり得るのである。

  

  本書の考えに基づいて解釈を試みれば解読不可能に思えた夢という暗号が、有益な意義深い伝言であると知ることになるだろう。

 霊と人間の真相を織り交ぜて語って行くつもりだが、まず簡単なAさんの夢から。


< 魚屋の店先でAさんが魚を物色していた。そこへちょうど、密かに思いを寄せている同僚の奥さんが買い物籠を携えてやってきた。Aさんは奥さんの傍へ行き、精一杯の笑顔で話しかけたのだが、そのとき右の手がAさんの意思に関係なく勝手に動き始め、他の客の背中を通り、するすると魚の方へ延びて行った。そして、一匹の魚を人目に付かないように素早くつかんだ。途端に「ドロボーッ!」という大きな声がした。Aさんは慌ててその場から逃げ去ったが、その声は間違いなく奥さんの夫である同僚のものだった。>

 

  冷や汗をかいて目を覚ましたAさんは全てを悟った。

 

  さんが密かに好意を寄せている女性は同僚の妻である。しかし、Aさんもそれほど本気ではない。多くの魚の中から気軽に選んだ相手なのだ。魚は水の中で生きるもの、水は陽と陰に分けると陰であり従って女性とかそれに類するものを表している。

  

  だが、Aさんにとっては単なる遊びだが、夫には耐えがたいことである。もし、交際し始めたら泥棒呼ばわりされ、大騒ぎになるがそれでもいいのか? という警告の夢である。尻尾を巻いて逃げ出したところをみるとAさんもそれほど執着心はないようだが。

 

 もともとさんの気持ちは全てが本人自身から出たものではない。右手がさんの意思とは関係なく勝手に動いている点がそれを示している。右手が表すものに女性関係があるが、さんにはそのような因縁があると思われる。因縁とは霊的な災いが、過ちを犯した本人のみならずその家族や一族に何代にも渡って続くことである。

 今、Aさんの守護霊はそれに負けるとさらに悪い影響を家族に及ぼすことになるが、それでも良いのかと諭しているのである。

 

 「我思うゆえに我在り」という誤った思想が広まったために人の心はその持ち主だけが動かしているとか、心の中は持ち主しか知らないという誤解が蔓延しているが、真相は地球という大きな心に一人ひとりの心がつながり、その地球を通して人と人の心が結ばれてている、そんな具合なのだが話してもほとんどの人は理解しないか、できないのが普通である。

  つながっているために人の心は生者、死者を問わず他人に左右され、覗かれるのである。そのために人は守護霊からの通信を受け取れる反面、他人の霊や怨念に影響されるのだ。

  誰でも体験していることなのだが、認識できないだけである。

 


試し読みできます

二の夢  地面から湧き上がる黒雲

  別荘を建てるために土地を探していたさんに、不動産屋から広く眺めのよい土地が見つかったとの連絡があった。その土地の下見に行く準備を進めていた矢先に見た夢である。

 

 < Bさんはある場所に立って景色を眺めていた。都会では想像できないほど広く静かな場所だった。眺めの良さに見とれていると少しずつ地面から黒い雲のようなものが湧き出てきた。目をこらすとそれは無数のカラスの死骸だった。間もなく地面はカラスの死骸で真っ黒になった。 Bさんはその光景に唖然とした。>

 

 これも警告の夢である。土地には死んだ後もあの世に行けない強い怨念を持つ人か動物の魂がうごめいている。地縛霊と言われるものだが、そんな土地に別荘を建て、訪れたり、宿泊するのはほとんど自殺行為である。

  

 Bさんはこの夢が気になり土地購入の話を打ち切った。

 

 それで難を逃れたのだが、別荘建築をきっかけに築き上げた財産や幸福を失うところだった。なぜ事前にこの夢を見て危険を避けられたのかというと、それはBさんの優れた人格ににある。事業であれ、人間関係であれ、利益云々の前に誠実とか親切を心がけてきたBさんの霊魂が守護霊に導かれ、土地を霊体で視察した結果がこの夢である。

  それに素直に従った態度にも感心させられる。人は裕福になるととかく金の力を頼り、思うがまま強引にしたがるものだが、Bさんはそういう行動に出なかった。

 


試し読みできます

三の夢  ピンクの恐竜

 失業中であったさんは,派遣社員として女性従業員の多い食品加工会社で働けることになった。出勤の日を心待ちにしていた頃の早朝に見た夢である。

 

 < 天気の良い日だった。さんは小石を敷き詰めた山道を歩いていた。右には山頂へ続く雑木林が続き、左は逆に谷のような斜面でそこには背の高い雑草が生い茂っていた。

 しばらく歩いて行くと突然、前方の地面の下からピンク色の小さな恐竜が飛び出してきた。Cさんは驚いて立ちすくんだ。しかし恐竜はCさんに危害を加える様子はなく黙ってこちらを見ていた。

 少し安心したCさんも恐竜を真直ぐに見た。目と目が合った時の恐竜の目は明らかにCさんをあざ笑っていた。>

 

  恐竜も山道も普段のCさんにはまったく関係が無く、「変な夢を見た」で終わってしまいそうな内容だが、キーワードを通して解釈を試みると意外に重要である。

  先ず、ピンクが表しているのは男女関係のこと。昔、ピンク映画というのがあり成人指定であったが、その色である。

 

 恐竜とは怖いものではあるが小さいのだから影響は大きくない、しかし奇怪という意味。

 恐竜が地面の下から現れたのは、過去の出来事が今の境遇の源になっているということ。異性関係の過ちがさんの知らないかなり以前に一族の中の誰かにあったのだ。前方に飛び出してきたのは将来、その影響を受けて不幸な何かが起こるという暗示である。

 

 山道は一言で言えば歩きにくい茨の道。さんの歩む道が整っていないことを示している。

 左右の斜面は登るのも降りるのも難しく、前には恐竜となれば引き返す他に道はない。せっかく前へ進もうとしたのだが、無理だと語っているのだ。

  恐竜の目は、「あんたが望むような幸せはないよ。俺が邪魔してやるから」と嘲笑している。

  さんがせっかく見つけた職場も本人あるいは家族、または先祖の男女関係の因縁が災いして希望通りにはならないことを伝える夢である。

 

 Cさんとは無関係に見えたが舞台装置や登場するものを一つずつ解いて行くとCさんの知らなかった運命の秘密を伝える重要な内容となっている。

  実際、さんはその職場へ勤めたものの間もなく辞めることにした。働いている女性のほとんどどが異性関係に問題を抱えていて、休憩時間の話題ももっぱらその話ばかりだった。その中にいるとCさんは自分もそれに染まりそうで我慢ならなかったのだ。

 

 

 辞めて良かったのである。ピンクの渦の中にいてはますます因縁の影響が強まり、さんもいずれはそれでつまづくことになる。夢に出てくる全ての人物、事物は象徴なので恐竜なんて今は存在していないとか、山へ行く予定はないので関係ないとか、そう考えると守護霊からの警告を無駄にすることになる。

  

  

 誠実で実直者ばかりの家系だと信じていたCさんにはそれが少し自慢だったのだが「誰が何をしたのだろう」と、家族の過去に興味が湧いてきた。

  もし、Cさんがそれが発見できなかったとしても霊的関心を深めていけば人生の秘密を知るという成果が待っているだろう。

 

  自分の犯した過ちではないのになぜ苦しむのかと不思議に思う方もいるだろうが、人と人の心がつながっているために止むを得ないのである。まして親族ともなれば影響は大きい。だから家族が手を取り合い、親族にも気を配らなければならない、などと言うと古い考えだと一蹴されそうだが、家族及び親族は運勢の上では一体である。

  

  適切な夢を見せるのは霊格の高い守護霊である。自戒を込めて言うのだが、そのような守護霊と縁を結びたければ自分がそれにふさわしい人間になる以外に方法はない。また、有意義な霊夢は必ずと言っていいほど明け方に見るので、その時間の夢には注意を払うべきである。

 

 この際、守護霊とは何かを簡単に述べておく。守護霊は絶対に自分の祖父母とかの家族がなりえないことは知っておくべきである。それは生まれる前から人の魂を持った者に割り当てられ優れた能力と資格が必要とされる霊魂でなければならない。また人の魂を持たないものに守護霊は存在しないし憑依霊くらいが関の山である。

 

 

 そもそも祖父母が死後、子や孫の守護霊になれないのは理屈の面から言っても分かることだ。それが正しいとすると祖父母が亡くなる前に子や孫に守護霊がいなかったことになる。

 守護霊は魂の指導者である。指導を受ける側よりも遥かに高い人格と能力を要求される。亡くなったばかりの魂が縁が深いからといったところで能力と経験不足のために仕事にならない。

 

  


試し読みできます

四の夢  ふくれあがった子供

 < D子さんは家族が寝静まった深夜、一人で浴室へ行った。戸を開けると中に驚くほど背の高い子供が立っていた。天井へ頭が届くほどの巨大な、見たことのない子供だった。腰を抜かしたD子さんは、その場から動けなくなった。

 すると今度はそこに年相応の体格をした子供が数人現れ、倒れている子さんの体を無理に引いて庭へ連れて行った。

 庭では子供たちがが数十人に膨れあがっていた。子供たちが何かを求めていると直感した子さんは怖いのを我慢して言った。

 「分かりました。私が買ってあげましょう。自分の名前と欲しい物を言いなさい」

 子供たちは我先にと名前を言い、菓子やおもちゃをねだった。子さんはひとつひとつメモしていった。

 最後に色とりどりの蝶も集まって来た> 

 

 D子さんの嫁いだ家は旧家である。旧家は長く続いている分、他人に言えない秘密を多く抱えているものだ。

  

 D子さんが連れていかれた場所で昔、不幸な死に方をした子供がいたのである。巨大な子供はその子の悲しさや恨みが膨れあがっているという意味。数人の子供は、同じ運命にあった他家の子供たちが大きな子供に引っ張られるように集まってきたのであり、外にいた大勢の子供も同様だ。

 子供達がねだったのは菓子や品物ではない。自分たちを思い出し供養してほしいと訴えているのだ。D子さんならばそれを叶えてくれると思い、動物の霊まで寄ってきた。それがむせかえるような蝶の群れである。

 

 これらの霊魂は長い間、供養してくれる人を待ち続けていたのだが、やっと心根の優しいD子さんが嫁いできたのを機会に訴えたのがこの夢である。

 後日、夢について或る人に相談し、子供たちの気持ちを理解したD子さんは家族に隠れ、線香と菓子を用意してささやかな供養を執り行った。

 

 供養が済んだ翌日、あの大きかった子供が歳相応の体格になって再び夢に現れた。そして丁寧に礼を言い、去って行った。しかし、それは供養をしたD子さんにではなく、そのことを相談したある人物の夢の中にだった。家族の冷たい念が邪魔をして子供の霊魂がD子さんに近づけなかったのである。



読者登録

七ツ星書店さんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について