目次
坂本竜馬の言説(6)
現代の日本人よ(6)
開明の士
― その1 ―  毛色の異なる上士・後藤象二郎
― その2 ―  横井小楠の夷虜応接大意
― その3 ―  英才・橋本左内
河田小竜の使命
― その1 ―  雄藩連合
― その2 ―  確認し合う互いの心
― その3 ―  小竜の願い
吉田東洋の誘い
― その1 ―  新おこぜ組
― その2 ―  威圧する双眸
― その3 ―  交易の才
― その4 ―  白羽の矢
郷士の業
― その1 ―  疑いの心
― その2 ―  心の叫び
― その3 ―  一角の意地
水戸藩士来訪
― その1 ―  入国斡旋依頼
― その2 ―  住谷寅之介の訴え
― その3 ―  土佐辛口の酒
― その4 ―  土佐人として
― その5 ―  半平太の生き方
東洋と半平太
― その1 ―  新藩主・山内豊範の誕生
― その2 ―  敵視する目
― その3 ―  反目
大獄の闇
― その1 ―  諸悪の根源
― その2 ―  西郷の悲劇
狂なる松陰
― その1 ―  盲目の勤王僧・黙霖
― その2 ―  諌幕から討幕へ
― その3 ―  真の教育者
― その4 ―  志士よ行け
― その5 ―  松陰の逆鱗
― その6 ―  孤独の中の松陰
― その7 ―  草莽崛起論
― その8 ―  松陰の覚悟
立て、草莽の坂本竜馬よ
― その1 ―  松陰からの最期の手紙
― その2 ―  血脈と誇りと決意と
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現代の日本人よ(6)

 「覚悟するというのは難しいもんじゃ。

  それが無ければサムライだって刀を振るえん。

  でも、誰だって死を覚悟する時が来る、必ず来る。

  それが遅いか早いかで、人の生き様は変わるがよ。

 

  金はあの世に持って行けん。

  だから肉体という最高の乗り物が壊れててしまう前に、覚悟を決めてしまうんじゃ。

  人は弱い。

  でも心は限りなく強く出来る。

  それが肉体に勝った時に覚悟が出来るんじゃ。

  覚悟しろ!

  それが人として生まれた魂の宿命なんじゃから」


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― その1 ―  毛色の異なる上士・後藤象二郎

  秋が深まった・・・。

  いつものように借りていた書物を返すべく墨雲洞を訪ねると、先客が居た。

  参政・吉田東洋の甥っ子、後藤象二郎(しょうじろう)である。彼も河田小竜の下に通い詰めて、西洋事情を学んでいたのだ。

  「坂本か、上がれ」

  小竜はそう言ってくれたが、

  「上士と同席は出来ん」

  とばかりに竜馬は踵を返す。

  すると、

  「構わぬではないか」

  と中から象二郎の声がした。郷士と同席する事にも拘りはないと言いたげだった。

 

  後藤象二郎は他の上士とは毛色の異なる男なのだ。

  若いながらも中々の度量を持ち合わせているから、小竜も気に入っていた。

  嘗て土佐教授館でジョン万次郎からアメリカ文化を学んだ際には、身分の低い万次郎に対しても傲慢ごうまんな態度を取らず、象二郎だけが熱心に取り組んだ。その講聴ぶりに感心した万次郎から万国地図を与えられた事もあった。

  ・・・叔父の吉田東洋と同様、身分制度への拘りは薄い。

  中々の大物なのだ。

  後に竜馬とは身分を越えて手を結び、大政奉還の大仕事に携わる人物なのだが、今の竜馬には上士・後藤家の息子を受け入れようという気持ちは皆無だった。

 

  声が届いているはずだと、象二郎は竜馬の出方を見ている。

  しかし河田小竜が何と言おうとも、竜馬は言う事を聞こうとはしなかった。

  「やはり、な」

  象二郎とて下士の抱える恩讐の強さを知っている。でも江戸で名を上げた坂本竜馬と膝を突き合わせてもみたかったのだ。

  「上士と顔を合わせるのは嫌じゃ」

  と言い張り、竜馬は頑として同席を拒否している。

  「もう良いぞ、河田殿」

  象二郎は諦めた。

 

  「ならば、これを持って行け、読んでみるがいい」

  小竜はある写本を竜馬に手渡した。・・・それは熊本藩士・横井小楠(しょうなん)の書『夷虜応接大意(いりょおうせつたいい)』であった。


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竜馬外伝i-21 安政の大獄


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著者 : 中祭邦乙
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