目次
●実況中継! 同和と在日がゆく「部落解放研究第45回全国集会」レポート
「インターネット上の差別事件を考える」を一緒に考えよう
定番の差別事例紹介から人権啓発ビデオが流れる
鳥取ループの登場に同盟員「同じ空気を吸いたくない!」
理解、批判、ガン飛ばし、有益だった集会終了後
●「鳥取県内の同和地区(被差別部落)」を掲載した理由
隠すという行為そのものが「情報を公開」する場合
グーグルマップに掲載するというアイデアの源
同和地区マップを消す方法とは
●特集・「橋下徹」新潮―文春報道を考える
スペシャルインタビュー「地元の解放運動家はどう見たか?」(前編)
スペシャルインタビュー「地元の解放運動家はどう見たか?」(後編)
●ワイド特集「人権擁護法案クライマックスシリーズ5回戦」
ワイド特集「人権擁護法案クライマックスシリーズ5回戦」
野田首相も推進派! 来期が最終章? 人権侵害救済法案の裏側
組坂氏激白「野中さんが人権擁護法案で“糾弾”を抑え込もうとした」
人権オジサン平岡法相、リンチ死遺族にお忍び謝罪
ナゼか差別禁止法を訴え始めた元朝日新聞編集委員の無節操
学会員もいる救済法の“別働隊”「反差別国際運動」
啓発・学習は弁護士無しの欠席裁判! 差別発言で退職に追い込まれた隣保館員
●耐震工事もできない 朝鮮学校の厳しい財政事情
耐震工事もできない 朝鮮学校の厳しい財政事情
●滋賀県同和行政バトル日記⑫
本誌が草津市の審議会で採りあげられる
第7回口頭弁論 いよいよ結審か!?

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「インターネット上の差別事件を考える」を一緒に考えよう

「インターネット上の差別事件を考える」を一緒に考えよう

11月10日早朝のJR岐阜駅。本誌「同和と在日」取材班が合流した。今回の目的は岐阜市内で開催されている「部落解放研究第45回全国集会」の取材である。同集会は各県で定期的に開かれるもので、本岐阜大会は9日から11日までの開催だ。同会では初日に全体講演を行った後、各分科会に分かれ人権問題についての講演会や学習会、フィールドワークを行う。

さすがに3日間もこの行事につき合えるわけでもなく、今回は10日だけの参加だ。実を言うと時間の都合というよりももともと10日の第5分科会「インターネット上の差別事件を考える」にターゲットを定めていた。というのは昨年11月、新潟で開催された44回全国集会でインターネット上の差別の実例としてブログ「鳥取ループ」が紹介され、やり玉に挙げられたからだ。当時、鳥取ループ上では「大阪の同和地区一覧」「鳥取県内の同和地区施設の一覧」などが公開されており、それが「差別」だとして批判されたという。

当時、この報告に関わったのは鳥取県|倉吉《くらよし》市の職員で部落解放同盟倉吉市協議会の下吉《しもよし》真二《しんじ》副執行委員長だった。当時、鳥取ループはこの件について下吉氏に連絡したが、応じてもらえず変わって著者が下吉氏にアポイントを取って、同和地区掲載の意図の説明と氏へのインタビューをお願いした。これが今年の6月頃。

この時の下吉氏の回答としては「忙しいし、今は難しい」とこんなものだった。鳥取ループとしては「もし差別ならなぜ自分に言ってこないのか?」こんな疑問を抱いていた。確かにこの間、下吉氏から例えば掲載削除の依頼や注意といった連絡があったわけでもなく、また部落解放同盟鳥取県連からもただの一度も連絡はなかった。確かに「要請」とか「指導」らしきものがなかったわけではない。ただそれはあくまで法務局や自治体からのもので解放同盟鳥取県連や下吉氏からのものではなかった。

ただ一方で機関誌や集会ではただひたすら「差別事件」として扱われるのみ。そして今大会でも下吉氏は第5分科会の講師を務め、再び鳥取ループを非難するとの情報が入った。それならば直接、鳥取ループが現場に出向き、説明をしようというのが狙いである。また後述することになると思うが、同盟員からは「わざわざこんなところまで来て、ちょっと考えられへんわ」と言われた。違う。直接、下吉氏らにただひたすら「差別者」として指弾される一方で説明の機会が全くない。彼らが差別者と言うなら説明する、至極簡単な話である。

同和事業になじみが薄い岐阜県が開催地

本題に入る前に少し岐阜県の同和地区の概況と研究集会の特徴について説明しておこう。岐阜出身者として、この地で解放集会をやるのはとても興味があった。以前、県内の自治体職員から「木曽《きそ》三川を越えると童話は同和になる」とこんな話をされたことがある。同和問題がないわけではないが、活発な地域ではない。その木曽三川とは木曽川、長良《ながら》川、揖斐《いび》川の3つの川のこと。その昔、木曽山脈から雪解け水が流れるとこの3つの川の合流地点は恐ろしい暴れ川となった。このため岐阜県|海津《かいづ》市、安八《あんぱち》郡|安八町《あんぱちちょう》といった地域から三重県|桑名《くわな》市、愛知県|愛西《あいさい》市辺りまで「輪中《わじゅう》」といった独特の構造の堤防で集落を守ってきた。江戸時代は尾張藩を守るためにこの木曽川左岸に「御囲堤《おかこいつつみ》」が作られたが、美濃側の治水工事は十分ではなかった。

そこで当時、江戸幕府は薩摩藩に「お手伝い普請《ふしん》」で治水事業を命じた。いわゆる「宝暦《ほうれき》治水事件」である。多くの薩摩藩士の犠牲によって堤防が作られるが、実際に有効な治水事業は明治に入るまで待たねばならなかった。県内にはこんな地域を抱えてきた。本当に余談で申し訳ないが、本誌の発行元「示現舎」の命名のルーツもこの薩摩藩士の流儀とする剣法「示現流」にちなんだもので、宝暦治水のエピソードは胸を打つものがある。

もちろん地域によって同和事業を実施しており、海津市では「学校人権同和教育」「社会人権同和教育」や同和問題啓発事業がある。岐阜と言えばもう一つ「養老《ようろう》」についてもふれておきたい。養老郡養老町、親孝行な息子がある日、酒が湧き出る滝を見つけ父を喜ばせた「養老の滝伝説」の養老である。この地域、かつて「2ちゃんねる」の人権問題板でも話題になった地域で、この手の同和話の話題になると必ず「Y老」と持ち出す住民が多かった。「Y老」と連呼すると「知ったかぶり」と言われてしまい、さらに応用として養老町|三神《みかみ》を持ち出すケースもあった。ここには隣保館があり、現在は福祉センター・児童館という名称だ。同館では同和関係の啓発事業を実施しているものの、他地域で発生するような巨大なトラブルや不祥事はほとんど聞かない。町内には通称、「養老焼肉街道」と呼ばれる人気スポットがあり、とにかく焼肉が旨い。地元の人気長寿番組「PS」やグルメ番組、旅番組でもよく取り上げられる。県内では同和問題というよりはむしろ「焼肉の本場」の印象が強いだろう。

もちろん同和事業もあり、指定を受けた地域もあるが、本来、指定を受けても不思議ではない地域が未指定だったりする。つい最近でも突然、住宅街から湧水が出てきた、家が陥没したそういったトラブルは県内でよくある。同和事業が盛んな大阪や京都よりもある意味では厳しい土地柄かもしれない。隣には『破戒』の故郷である長野県と、同和事業が盛んで本誌でも定番の滋賀県、そして同和行政の権化のような三重県に囲まれた土地だが、県全体を見ると「同和事業」は根付かなかった。それは保守性が強い風土も影響しているかもしれないが、とにかく同和にはあまり馴染がない。大阪、福岡、広島などでありがちな同和をめぐる教育現場のトラブルと言っても岐阜市|下鵜飼《しもうかい》、以前は「黒野《くろの》」と呼ばれた地域でわずかに話題になった程度である。

森永《もりなが》卓郎《たくろう》氏の鉄板ギャグが滑る!? 部落解放研究集会の様相

さて部落解放研究集会についてだ。同種のイベントに参加するのは2009年の「第23回人権啓発研究集会・部落解放研究第16回滋賀県集会」以来である。集会では決まって地元の県知事、組坂《くみさか》繁之《しげゆき》部落解放同盟中央本部執行委員長らが挨拶に立つ。組坂氏の場合、「人権救済法」の実現が主なスピーチの内容で、不祥事が起きた時は「解放運動の点検を」といった文言を加える。もっともその「点検」がどう実行されたかは不明だ。一方、知事はというと社交辞令のような話が続く中で、最後にたいていこんな文言を付け加える。

例えば「当地は自然に恵まれ、温泉などもございます。どうぞお立ち寄りください」とこんな具合に。

集会の参加者はたいがい5千人以上集まる。地方都市にとってこれだけの人を呼び込めるのは“オイシイ”のだ。だから受付で配布されるパンフレットには必ず地元の観光パンフレットの類が同封されている。今回は書類一式の中に「岐阜・柳ヶ瀬《やながせ》の夜は安心!楽しい!優良店!」と書いた割引チラシもあった。柳ヶ瀬とは市内にある有名な歓楽街で美川《みかわ》憲一《けんいち》の代表曲『柳ヶ瀬ブルース』のそれである。解放同盟関係の物々しい資料の中に柳ヶ瀬案内という不釣り合いな組み合わせが面白かった。なんせたくさんの人が訪れるから地元も嬉しいのだろう。解放集会が開催されるのは県にとってもありがたい話なのだ。

いわば解放運動の祭典でもあり、それから各地の同盟員たちの再会の場でもある。会場では「ヨっ!久しぶり」と歓談する姿もあり、中にはパンチパーマ風の髪型で恰幅《かっぷく》の良い中年男性たちが喫煙しながら談笑する姿は圧巻。そして全体集会が開かれ全国集会の幕開けだ。今回は参加できなかったが全体集会は初日に行われる。岐阜大会の会場は岐阜メモリアルセンター内の「で愛ドーム」という長良川近くの施設で、市内では最も大きな施設である。いずれの大会でも数千人が集まるため会場内の光景は壮観だ。

ところで読者の方は人が放つ「オーラ」というものを信じるだろうか。私は「活動家」「運動家」に限っては「オーラ」の存在を信じる。正確に言うとオーラというよりか、彼らが発する特有の「自我」「自己顕示欲」、俗っぽく言えば「上から目線」的な雰囲気だ。会場でもこのムーンとした「何か」がメラメラと陽炎か活火山の噴煙のように立ち込め伝わってくる。

だがその一方で、この集会には自治体職員、協賛する企業関係者、教職員などいわゆる「動員」で参加するグループもある。中には「割り当てできました」とまるで顔に書いてあるような参加者もいる。集会に対してモチベーションも高くなさそう。彼ら「動員組」の発するどこか無気力でグダグダな空気と熱気がほとばしる運動家の情念が交わり、なにやらこう言いようもない悶々とした空気が籠っている。

組坂氏は「ギャグ」が好きだ。講演もユーモアを交えた語り口で話す。普通の講演会や分科会のような規模ではよくギャグを言う。しかしさすがに全体集会や基調講演などではたいてい厳かな態度でおられる。そしてもう一つ期待するのが記念講演でゲストスピーカーが何を話すかだ。今回の岐阜大会は「ダイバーシティ研究所」の田村太郎氏が「社会的企業・コミュニティビジネスの可能性」と題した講演を行った。ずいぶんと専門性が高そうなテーマでいわゆるタレント文化人ではなかった。時にはTVに出るような著名人が講演に立つこともある。例えば先の滋賀大会では経済評論家の森永卓郎氏だった。当時、森永氏はこう話を切り出した。

「私もテレビではよく攻撃されます。特にハマコー(浜田幸一氏)、あの人はヤクザのような議員ではなくてヤクザがバッチをつけているんです」

実はこの話、森永氏が講演会で使ういわゆる“鉄板ネタ”というやつだ。市民集会ではこれはいわゆる“つかみトーク”でたいていドカーンと笑いが起きる。ところがなぜか解放集会では「…シーン」という反応だった。滑り知らずのはずのこのネタもここで通用しないのはなぜだろうか。この点については今後、「同和と在日」の著者陣がさらに調査をしていかなければならないだろう。



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隠すという行為そのものが「情報を公開」する場合

2008年、インターネット上で全国各地の路上から撮影した映像を手軽に見ることができるサービス「グーグル・ストリートビュー」が話題となり、それがプライバシー侵害であり、規制すべきであるという批判が各所から出てきて論争になっていた。この問題についての私のスタンスは、規制はできないし規制するべきではないということだ。例えばゼンリン等の既存の地図会社が、現地の表札や土地の登記簿などで調べた個人名を住宅地図上に表記して販売していることは周知の事実で、これは「個人情報」に他ならない。しかし、行政自身が住宅地図会社の最大の顧客であり、民間企業にとっても業種によっては住宅地図は必須のものだから規制することができるわけがない。その一方でネットに道路上から撮影した写真は「プライバシー侵害」だから規制するというのであれば、ただの既得権益の保護である。

しかし、各地の地方議会にはストリートビューのサービスを提供している米国グーグル社に対して懸念を示す請願が出され、議決されていた。インターネット上のサービスを管轄する総務省にも、規制すべきだという意見が寄せられていた。

私がこの問題に注目したのは、その背後に「同和」の影がちらついていたことだ。実際、総務省が公開しているパブリックコメントを見ると、部落解放同盟香川県連合会や財団法人反差別・人権研究所みえの名前でストリートビューは部落差別に使われるといった意見が繰り返し寄せられていた。実際、ストリートビューは同和地区も“無差別”に撮影している。2ちゃんねるなどでは、それを利用して家にいながら「部落探訪」ができるということが話題になった。

しかし、ストリートビューが部落探訪のために特別に強力なツールかというと、そうでもない。実際は、部落解放運動団体の出版物、住宅地区、電話帳の方が、そこに掲載された地名や個人名を手がかりに、同和地区の場所や“部落特有の苗字”を特定できるので、はるかに便利である。

また、率直なところ、何かと規制されることが嫌いで、なおかつ“情報公開”を推進している私としては、そのような臭いものにフタをするような人々というのが気に入らなかったわけである。

さて、そのような時期であった2008年11月10日のこと、「部落問題の解決を願う・ねっとわーく」代表の清見《せいみ》久夫《ひさお》氏が開設した電子掲示板、「太陽の村」にこんな書き込みがあった(原文ママ)。

清見です。
以前から、グーグルストリートビューの個人情報の流出問題が指摘されていましたが、私の中での問題整理がつかないうちに、また新しい問題(私にとっては・・・です)、グーグルマップによる個人情報の流出問題が指摘されています。まさしく電子版の「部落地名総監」が社会を駆け巡っています。
グーグルが得意とする「ダイナミックな検索」が得意気に、社会の歓迎を受けているという誤解のもとに、統合化されようとしている。それ以前のグーグルアースもそうでしたが、今更ながら、技術の進化に驚かされるとともに、はて、私たちの生活にとって、これがどう影響するのだろう、と考えあぐねています。「そんなつもりではなかった」では遅い事態

情報関連技術、発想、研究と結果、その先にある成果。
私たちは、何を求めるのだろうと考えてしまいます。

問題提起のサイト
紹介させていただきます。

http://nostreet.exblog.jp/

この中で私がひっかかったのは、『電子版の「部落地名総監」』という言葉である。部落地名総鑑というのは、1970年代に企業に販売されていたという全国の同和地区名の一覧のことである。企業が部落出身者を排除するために使われていたとされ、購入していた多くの企業が部落解放同盟から糾弾された。

電子版の部落地名総鑑と言えば、当時私は1つの疑惑に注目していた。自治体が設置しているあるカテゴリーの施設の設置場所は、ほとんど同和地区ではないかということだ。鳥取市の下味野《しもあじの》、国安《くにやす》、西品治《にしほんじ》といったの同和地区名をインターネットで検索しているうちに見つけたのだが、鳥取市には「地区会館」という施設があり、その名称と位置が市の規則として列挙され、公開されている。その設置場所の地名を見ると、私が知る同和地区にはことごとく「地区会館」があるのだ。当時、私は鳥取市内の同和地区名は4つか5つくらいしか知らなかったのだが、それらすべてに地区会館があるのは果たして偶然なのかどうか疑問に感じていた。

規則によれば、地区会館は同和地区住民のために設置された施設である(現在は鳥取市の規則は改正されて、同和という文言はなくなっている)。ということは、おそらく設置場所の地名は全て同和地区なんだろうなということは薄々気付いてはいたが、100%の確証というものがなかった。そこで、2008年22日、「太陽の村」に、鳥取市が公開しているインターネット例規集の「鳥取市地区会館管理規則」のアドレスを書きこんでみたのである。

電子版の「部落地名総監」
鳥取市のウェブサイトにもありますね。

http://www.city.tottori.lg.jp/reiki/reiki_honbun/m0020857001.html

すると、すぐに書き込みが消されてしまい、再掲載されたときにはリンクURLの部分が伏せられてしまった。そして、同時に清見氏がこう返信したのである(原文ママ)。

管理人の清見です。

鳥取ループさんより書き込みをいただきました。
投稿意図についてのお話を進めることは可能かと思いますが、冒頭の「鳥取市のウェブサイトにもありますね」に続くURLをクリックすると、「鳥取市AAA管理規則」にリンクされます。ここには規則に併せて、市内の同和地区に関わるAAAの一覧及び住所が掲載されています。鳥取市WEBで公開されることへの異論はありませんが、鳥取県内でも、今だに結婚時等の身元調査、聞き合わせがされている現実を考えると、鳥取ループさんの論旨とは別に、ここで無作為にリンクされ、不必要に同和地区が羅列されることに躊躇いを覚えます。従って、鳥取ループさんの論旨を損なわない程度に訂正をさせていただいて再掲載させていただきます。ご了解ください。尚、何ヶ月前、WIKIPEDIAにおいても類似した掲載があり、修正、再修正の意見の違いが生じましたが、私がした方法にて終結した経緯があります。

鳥取ループさんから「これでは投稿意図と違う」ということであれば、私の方で削除いたしますが、元の投稿内容での復活には応じかねますので、これもご了解ください。

清見氏と言えば鳥取では有名な部落解放活動家である。ということは、清見氏は鳥取県内の同和地区の場所をほとんど把握しているはずだ。これで筆者は確信した。「鳥取市地区会館の設置場所は全て同和地区なのだ」と。試しに、これも設置場所は同和地区ではないかと疑っていた「隣保館」「児童館」の設置条例のURLを書きこんでみたら、同じように伏せられてしまった。

もうこうなってしまえばバカの一つ覚えとでも言うべきか、同和地区に設置された施設の場所書かれた規則や条例の存在は、私にとっては格好の「ネタ」になってしまったのである。それまでの私は同和地区名を公言することを後ろめたく感じているところがあった。鳥取市のある職員に対して「どこが同和地区といったことは墓場まで持っていく」なんてことを言ったりもした。しかし、そんな私をして「なんだ、“寝た子を起こす”で正しいじゃないか」と180度考えを転換させてしまうくらい、この1件のインパクトは大きかった。

そして、非常に大きな欺瞞《ぎまん》が明らかになった瞬間でもあった。同和関係施設の設置条例・規則が「部落地名総鑑」と呼べるようなものであれば、ネットとは無関係に昔から行政自身が部落地名総鑑を公開してきたということになる。そのことが、皮肉とも情報を隠そうとした清見氏の行いから露見したわけである。「隠せないものを無理に隠そうとすると、隠す行為自体が情報を公開することになる」というのは、情報公開制度について研究していた私にとっても、非常に興味深い発見であった。そう、清見氏は「地区会館の設置場所は同和地区である」という情報を公開してしまったのである。

現在掲載中の「鳥取県内の同和地区(被差別部落)」。「鳥取県 同和地区」でグーグル検索すると出てくる。


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