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このことは、回転座標系においても相対性原理が成り立つことを示しています。これは非常に重要なことなのです。異説相対論では回転座標系においても相対性原理が成り立ちます。しかし、アインシュタイン相対論では回転座標系においては相対性原理が成り立たないのです。GPSの運行実績から、衛星の座標を静止座標系、地球を運動座標系とした場合と、地球を静止座標系、衛星を運動座標系にした場合とで測距の計算結果が異なるのです(前者はサニャック効果、後者は相対論効果と呼ばれている。)。異説相対論はサニャック効果と実用上は同じ結果を与えるため、回転座標系でも確かな理論として適用することができることが確認できました。

 さらに【解説4】に、vrtvRtを記します(式1、式2)。これより地球の回転角ωtからvrtvRtが求まり、並進慣性系で求めた時間変化式【解説1】式3がそのまま適用できるようです。ここで注意したいのは運動距離vtとして用いることができるvrtvRtが正弦波であらわされる周期関数であらわされることです。これは人工衛星では、信号の伝達時間での地球の回転角ωtが小さいためあまり意識しないでよいことであります。天体の場合には地球の自転や公転から、太陽系や銀河系などの大規模な回転運動にいたるまで地球の回転角ωtがきわめて大きいのでvtを周期的に変動させます。このため光時間にたいへん大きな影響を及ぼすことが予想されます。

次に、光や信号の軌跡について考えてみました。光源や衛星から発信された光や信号は、光源や衛星の座標で見ると当然のごとく直進します。しかし、伝達時間でちょうど地球を1回転する恒星を思い浮かべてみるとわかるように、地上の観測者から見るとその軌跡はあたかも曲がっているように見え、多くの科学雑誌でも光が曲がっているイラストが描かれています。この現象は、回転慣性系の運動に伴って見かけ上、光源が回転することで光が曲がったかのように思えますが、これは見かけ上の話であります。実際に光や信号が曲がっているのではないことに注意しなければならないと思います。

   こうした現象をすこし数学的に考えてみると、並進慣性系の光の伝達は線形の問題として扱うことができましたが、回転慣性系の光伝達は非線形の問題として扱わなくてはならないことのようです。特に時間が公転周期に比べて非常に小さい場合を除くと、きわめて強い非線形の現象が生じていると考えています。



 さて、たいへんお待たせしました。ここからがクライマックスです。ようやく【解説24】で回転座標系での光伝達のメカニズムが明らかになったので、いよいよ恒星から届く光のメカニズムに適用してみましょう【解説5】。

ここでは身近に感じられる地球の公転運動にしぼって適用してみましょう。これは基本的には人工衛星の信号伝達のメカニズムと同じですが、異なるのは恒星と地球との距離の違いであります。人工衛星と地球との距離に比べて恒星と地球との距離は桁違いに大きいことです。そのために遥か離れた恒星から地球に光が届くまでに地球が太陽の周りを何千回何万回もまわります。この計算も異説相対論では、前章のGPSとまったく同じ式で記述できると考えられます。

ここで注目したいのは運動距離vtが【解説4】式1と式2に示す周期関数で表されることです。恒星から光が伝わる間の観測者の回転角ωtが2πの整数倍になった場合を想定すると、距離残差δが0になり運動距離vt0になります。つまり運動座標系でも静止座標系とまったく同じ方向に同じ周波数の光が見えるということをあらわします(図5b)。ところがωt0でないと距離残差δが0でない値を持つようになりv0でない値を持ちます。すると図25cのように恒星の見える方向や周波数は変化してしまいます。つまり、距離残差δの値によって運動距離vt の値が異なってくるので周波数変化はばらつきを持つことがわかりました。

 さらに、光の方向が、昼に見える方向か夜に見える方向かを考えてみましょう。ここで注目すべきことは、昼に見える方向は光時間の進行に伴い周波数が大きくなり、波長が短くなることです。そのために青方偏移するのですが、太陽の方向と一致し昼空になるので観測することはできません。逆に夜に見える方向は光時間の遅れに伴い周波数が小さくなり波長が長くなります。そのために赤方偏移するのですが、これは夜空になるので観測することはできます。つまり、昼に見える方向、つまり青方偏移、は太陽の光で見えなくなり、夜に見える方向、つまり赤方偏移のみが見えるようになります【解説6】。



これによって赤方偏移の傾向が出て、距離残差の値によってばらつきが大きくなるというメカニズムだとの結論に達しました。逆に言えば、赤方偏移とそのばらつきは異説相対論を証明するものだと考えました。この理論によると、日食のさなかでの太陽に近い方向の恒星の観測や極地での観測で、青方偏移が観測できるかもしれないと考えています。稀なケースのようですが、アンドロメダ銀河では、青方偏移が観測されています。また、クエーサーと呼ばれる天体の中には1.3億光年という遠くの天体でも青方偏移が実際に観測されているようです。赤方偏移は膨張宇宙論のよりどころになっている極めて重要な観測結果とされています。しかし、赤方偏移のばらつきの大きさや青方偏移が観測されている事実をアインシュタイン相対論や膨張宇宙論で説明することには無理があります。異説相対論では地球の公転などの回転運動で赤方偏移とそのばらつきが生じているとの結果が得られました。宇宙は膨張しなくてもよく、地球が公転などの回転運動をするだけでも良いということになります。こうした観測事実もアインシュタイン相対論や現在の宇宙論では説明でききないが、異説相対論では説明できると考えています。



また、地球から見て同じ方向に二つの恒星が見えたとしても、地球との距離が異なればそれらの恒星は別の方向に実在し、赤方偏移の度合いも異なることもあるのではないかと考えます。つまり、複雑な相対運動を考慮すると宇宙の星たちは目にみえている姿と異なる位置に存在している可能性が高いのです。このことは、宇宙には、ある座標上で天体や素粒子などの物質の運動を記述できる普遍宇宙なるものが実在し、地球などの特定の慣性系から観測すると、みかけの宇宙である可視宇宙を観測できるということを示しているのだと思います。見ている慣性系が異なる別の惑星から宇宙を見ると別の可視宇宙を観測できるということになります。可視宇宙から観測される宇宙の出来事は光時間の伸び縮みによって、物理現象が実際の普遍宇宙で生じている出来事と異なって観測されることが明らかになりました。

  この例では地球の公転のみを例にとって説明してきましたが、地球の自転によっても、また、太陽系や銀河系の運動、さらには恒星自身の運動によっても周波数は変化するものと考えられます。したがって、もっと複雑で大規模な実際の宇宙の構造を把握すること、従来から注目されている膨張方向の運動だけにとらわれるのではなく回転方向の運動を把握することも特に重要であるとの結論に達しました。

 第3部では回転慣性系での光伝達のメカニズムを中心に、普遍宇宙と可視宇宙の概念を示しました。宇宙の星たちは、複雑な相対運動により見ている方向と別の方向に実在している可能性が高いようなのです。恒星と地球との距離によって、光時間が周期的に拡縮し赤方偏移や青方偏移するようですが、太陽の影響で光時間が遅れる赤方偏移が主に観測され、赤方偏移にばらつきを生じることを示しました。アインシュタイン相対論では宇宙が膨張しているから赤方偏移をするとされていますが、異説相対論では地球の公転などの回転運動でも赤方偏移とそのばらつきを生じることを示しました。次回はいよいよ最終回です。「異説相対論」から説明できる「異説:宇宙のメカニズム」について話を展開します。


【第4部】宇宙のメカニズムを解き明かそう!  

1部では、異説相対論で説明する並進慣性系の光と相対運動の関係を説明し【解説1】、①黒色星とクエーサー②高エネルギー宇宙線UHECRの仮説を提唱しました。

2部では、異説相対論を理論的に説明し、ローレンツ変換やアインシュタイン相対論の適用限界が光速のおよそ1/10の速度域に限られることを示しました。異説相対論によると③時間は観測者によらず共通のものであり、宇宙は無限の時を経て現在に至り、宇宙も無限の広さを持つことを説明しました。第3部では、回転慣性系の光伝達のメカニズムを解明し、④アインシュタイン相対論では成り立たないGPS相対性を異説相対論では成り立つことを示しました。この理論を恒星からの光伝達に適用すると、⑤定説のアインシュタイン相対論では説明できない、赤方偏移とそのばらつきを説明が可能なこと、を示しました。そして、⑥宇宙の星たちは我々が見ている方向に、必ずしもそれぞれの星があるわけではなく、星たちとの距離や運動と地球の公転周期の関係から星が見える方向と赤方偏移の度合いが決まっていること、を示しました。さらに、⑦可視宇宙で観測される宇宙の出来事は光時間の伸び縮みによって、実際に普遍宇宙でおこっている物理現象と異なって観測されることを明らかにしました。最終回の第4部ではこれらの考察をさらに進めて「異説:宇宙のメカニズム」を展開したいと思います。




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