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【第3部】星の見方が分かってきた!   

 前回までは、異説相対性理論とその結果を説明してきました。いよいよ天体の見え方に進みたいと思いますが、そのまえにGPS衛星の話をしましょう。人工衛星から発信される信号も光と同じ電磁波であり、電磁波の波長が異なるだけです。電磁波は、真空中を光速で伝達し、最短距離を進むとされています。この性質は光の直進性と呼ばれています。さて、なぜ人工衛星かというと地球の周りをほぼ円軌道で回転していること、地球からの距離が短いので考えやすいこと、データや検証結果があること、の三つの理由があるからです。そのためにはこれまでに解明した並進慣性系における光と相対運動の関係【解説1】だけではなく、回転慣性系における光と相対運動の関係も明らかにしておく必要があります。

そこで第1部と第2部で紹介した光行差思考実験(1)で記述した並進慣性系での光伝達のベクトル図を参考に、まずはより単純な人工衛星を想定した回転慣性系での信号伝達のベクトル図を描き、解明することを考えました。【解説2】は衛星静止条件、つまり衛星の座標を静止座標系、地球を運動座標系とした場合の信号伝達の様子を描いたものです。



また、【解説3】は同じく、地球静止条件、つまり地球を静止座標系、衛星を運動座標系にして信号伝達の様子を描いたものです。



【解説2】と【解説3】で同じ結果が得られれば、相対性原理にかなっていて理論的に正しいことの一つの証明になると考えられます。

  【解説2】の衛星静止条件では、運動座標系の地球は、静止座標系の衛星に対し、地球の中心を回転中心とする角速度ωの回転運動をしています。ここで衛星の軌道は完全な円軌道を想定し、地球は球を想定しています。aは送信時、つまり時刻0で、衛星の位置Aから信号を地表のO点に向けて発信した時点の図です。このとき地上の受信者O'は受信地点Oから地球の回転分だけ時間を遡った図の位置O'にいます。bは受信時、つまり時刻tの状態で、AからOに信号が到達すると同時に地上の受信者O'Oに到達した様子を示しています。この図から地上の受信者O'が受信したときの衛星と受信者O'の距離はctであり、発信したときの衛星と受信者O'の距離はct'であることがわかります。また受信時の信号を受信する方向は衛星の位置Aではなく、A'の方向である。この方向は信号発信時の地上の観測者から見た衛星の方向です。

   また、【解説3】の地球静止条件では、aは、送信時、つまり時刻0で衛星の位置Aから信号を地表のO点に向けて発信した時点の図です。この位置から衛星は信号を発し、相対運動を考えると信号も衛星の慣性系と共に回転します。bは、受信時、つまり時刻tの状態で、AからOに信号が到達すると同時に、地上の受信者O'のもとにOが到達した様子を示しています。この図からも地上の受信者O'が受信したときの衛星と受信者O'の距離はctであり、信号を発信したときの衛星と受信者O'の距離はct'であることがわかります。また受信時の信号を受信する方向は衛星の位置Aではなく、A'の方向です。この方向は信号発信時の地上の観測者から見た衛星の方向です。

【解説2】と【解説3】から、衛星静止条件としても、地球静止条件にしてもまったく同じ結果が得られることがわかりました【解説4】。



このことは、回転座標系においても相対性原理が成り立つことを示しています。これは非常に重要なことなのです。異説相対論では回転座標系においても相対性原理が成り立ちます。しかし、アインシュタイン相対論では回転座標系においては相対性原理が成り立たないのです。GPSの運行実績から、衛星の座標を静止座標系、地球を運動座標系とした場合と、地球を静止座標系、衛星を運動座標系にした場合とで測距の計算結果が異なるのです(前者はサニャック効果、後者は相対論効果と呼ばれている。)。異説相対論はサニャック効果と実用上は同じ結果を与えるため、回転座標系でも確かな理論として適用することができることが確認できました。

 さらに【解説4】に、vrtvRtを記します(式1、式2)。これより地球の回転角ωtからvrtvRtが求まり、並進慣性系で求めた時間変化式【解説1】式3がそのまま適用できるようです。ここで注意したいのは運動距離vtとして用いることができるvrtvRtが正弦波であらわされる周期関数であらわされることです。これは人工衛星では、信号の伝達時間での地球の回転角ωtが小さいためあまり意識しないでよいことであります。天体の場合には地球の自転や公転から、太陽系や銀河系などの大規模な回転運動にいたるまで地球の回転角ωtがきわめて大きいのでvtを周期的に変動させます。このため光時間にたいへん大きな影響を及ぼすことが予想されます。

次に、光や信号の軌跡について考えてみました。光源や衛星から発信された光や信号は、光源や衛星の座標で見ると当然のごとく直進します。しかし、伝達時間でちょうど地球を1回転する恒星を思い浮かべてみるとわかるように、地上の観測者から見るとその軌跡はあたかも曲がっているように見え、多くの科学雑誌でも光が曲がっているイラストが描かれています。この現象は、回転慣性系の運動に伴って見かけ上、光源が回転することで光が曲がったかのように思えますが、これは見かけ上の話であります。実際に光や信号が曲がっているのではないことに注意しなければならないと思います。

   こうした現象をすこし数学的に考えてみると、並進慣性系の光の伝達は線形の問題として扱うことができましたが、回転慣性系の光伝達は非線形の問題として扱わなくてはならないことのようです。特に時間が公転周期に比べて非常に小さい場合を除くと、きわめて強い非線形の現象が生じていると考えています。



 さて、たいへんお待たせしました。ここからがクライマックスです。ようやく【解説24】で回転座標系での光伝達のメカニズムが明らかになったので、いよいよ恒星から届く光のメカニズムに適用してみましょう【解説5】。

ここでは身近に感じられる地球の公転運動にしぼって適用してみましょう。これは基本的には人工衛星の信号伝達のメカニズムと同じですが、異なるのは恒星と地球との距離の違いであります。人工衛星と地球との距離に比べて恒星と地球との距離は桁違いに大きいことです。そのために遥か離れた恒星から地球に光が届くまでに地球が太陽の周りを何千回何万回もまわります。この計算も異説相対論では、前章のGPSとまったく同じ式で記述できると考えられます。

ここで注目したいのは運動距離vtが【解説4】式1と式2に示す周期関数で表されることです。恒星から光が伝わる間の観測者の回転角ωtが2πの整数倍になった場合を想定すると、距離残差δが0になり運動距離vt0になります。つまり運動座標系でも静止座標系とまったく同じ方向に同じ周波数の光が見えるということをあらわします(図5b)。ところがωt0でないと距離残差δが0でない値を持つようになりv0でない値を持ちます。すると図25cのように恒星の見える方向や周波数は変化してしまいます。つまり、距離残差δの値によって運動距離vt の値が異なってくるので周波数変化はばらつきを持つことがわかりました。

 さらに、光の方向が、昼に見える方向か夜に見える方向かを考えてみましょう。ここで注目すべきことは、昼に見える方向は光時間の進行に伴い周波数が大きくなり、波長が短くなることです。そのために青方偏移するのですが、太陽の方向と一致し昼空になるので観測することはできません。逆に夜に見える方向は光時間の遅れに伴い周波数が小さくなり波長が長くなります。そのために赤方偏移するのですが、これは夜空になるので観測することはできます。つまり、昼に見える方向、つまり青方偏移、は太陽の光で見えなくなり、夜に見える方向、つまり赤方偏移のみが見えるようになります【解説6】。




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