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これらの例は、仮想物理実験の結果からは確かに同時の出来事であることがわかります。どうやら、ローレンツ、フィッツジェラルド、アインシュタイン、ミンコフスキーといった「知の巨人」たちもこの難問にひっかかってしまったようです。

さらに振動数の変化、波長の変化にも注目しました(9)

振動数の変化を調べるためにレーザー光をイメージした単一周波数の連続光を用いた思考実験を考えました。光速は、静止座標系の観測者にとっても運動座標系の観測者にとっても一定という仮定のもとでは、光の波長や振動数が図9に示すように変化します。振動数の変化は光時間変化率と一致することも明らかになりました。



ここでアインシュタイン相対論と異説相対論の周波数変化式の違いを見てみましょう(2)

これを見ると振動数変化式自体は異なりますが、直交条件の式5と式6は全く同じ式になっています。並進条件の式3、式4と対向条件の式7、式8は、式は異なるものの、一見して非常に近い値をとることがわかります。これらのことからドップラー変化式1は異説相対論の式2の近似方程式のようです。したがって、ローレンツ変換は異説相対論の【解説1】式3の近似方程式であることが判明しました。

ではローレンツ変換の精度を検証してみましょう。図12は並進方向の周波数変化式1と式2からローレンツ変換式の精度を計算したものです。

グラフを見ると、光速の1/10以下の相対速度では1%以下の誤差になり、アインシュタイン相対論と異説相対論ではほとんど差を生じません。このことにより、アインシュタイン相対論で検証された実験結果は光速の1/10以下の相対速度では異説相対論でも検証可能、つまり、相反しないと考えられます。速度計測などで使用されるドップラー効果は通常の速度域では誤差を生じないわけです。ところが光速の1/10を超えるとこの誤差は無視できなくなります。特に光速に近くなると、誤差は莫大になります。たとえば光速の99%の速度では600%を超える誤差を生じます。つまり精度をおよそ1%以下にするには、光速の1/10の相対速度までに限られるということです(図13)。



今の宇宙論は光速に近い速さを扱っている場合が多いので、これらは適用範囲を超えたところで議論されているということです。ここに大きな誤解が存在する可能性が高いと考えています。ブラックホールや膨張宇宙論などの今の宇宙論は、恐ろしいことにこんな莫大な誤差の中で考えられているようです。

 もしも、アインシュタイン相対論の適用範囲が光速の1/10以下の相対速度に限られ、光速に近い相対速度では異説相対論を採用することになると、有限の宇宙の概念はなくなり、宇宙は無限であることになります。時間は唯一のもので万物に共通であり、無限の時を経て現在に至っていると考えるのが自然であります。

 今回は理論が中心のやや硬い話になってしまいました。さて、次回は【第3部】星の見方が分かってきた!です。回転慣性系での光伝達の理論から、星の見方を考察してみましょう。



【第3部】星の見方が分かってきた!   

 前回までは、異説相対性理論とその結果を説明してきました。いよいよ天体の見え方に進みたいと思いますが、そのまえにGPS衛星の話をしましょう。人工衛星から発信される信号も光と同じ電磁波であり、電磁波の波長が異なるだけです。電磁波は、真空中を光速で伝達し、最短距離を進むとされています。この性質は光の直進性と呼ばれています。さて、なぜ人工衛星かというと地球の周りをほぼ円軌道で回転していること、地球からの距離が短いので考えやすいこと、データや検証結果があること、の三つの理由があるからです。そのためにはこれまでに解明した並進慣性系における光と相対運動の関係【解説1】だけではなく、回転慣性系における光と相対運動の関係も明らかにしておく必要があります。

そこで第1部と第2部で紹介した光行差思考実験(1)で記述した並進慣性系での光伝達のベクトル図を参考に、まずはより単純な人工衛星を想定した回転慣性系での信号伝達のベクトル図を描き、解明することを考えました。【解説2】は衛星静止条件、つまり衛星の座標を静止座標系、地球を運動座標系とした場合の信号伝達の様子を描いたものです。



また、【解説3】は同じく、地球静止条件、つまり地球を静止座標系、衛星を運動座標系にして信号伝達の様子を描いたものです。




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