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等速直線運動を記述するのに質点(力学上の概念で質量のみを有する物体)を用い、質点に対して反発係数が1の剛体壁を組み合わせて往復運動を記述することにしました。光が鏡で反射するタイミングと質点運動の衝突のタイミングを一致させれば、本来の光と運動の関係を解明することができると考えました。この構想どおりに運動を反発する剛体壁をX軸上に設置し、運動座標系の観測者とみなす質点をこの剛体壁に衝突させることにしました。質点も剛体で、剛体壁に衝突すると反発係数1で反発します。つまり、完全弾性反発をします。その結果、剛体壁に衝突する前後で速度は同じで運動の方向が反転します。かくして、質点の運動量と運動エネルギーは保存されます。いっぽう光は2次元の場合は円筒鏡、3次元の場合は球面鏡で反射し、鏡の中心から各方向に放射した光は鏡で反射して必ず中心に戻るように配置することにしました。

この光時間計測装置を用いて、仮想物理実験(思考実験)を行いました【解説3】。光と運動の関係が往路でも復路でも式1のように単純なベクトルで求まりました。光源が存在する慣性系では光速cに伝達時間tをかけた距離ctを光が進むが、光源に対して速度vで相対運動している慣性系では光の進む距離がct’に変化するという当たり前の結果になりました。ここで光速を一定とすると、運動座標系では時間が変化するということになります。式1をスカラーで表すと式3のようになります。この時間は光跡を示す時間であるので、いわゆる時間とは別に光時間と名づけることにしました。図7に代表的な光跡を、表1にその光時間変化率を示します。



1回に示した結果【解説1】と完全に一致することが確認できました。

このパルス光を全方向(360°)に同時に放射すると静止座標系の観測者は、当然のことながら図8aの等方の光を時刻2tで同時に受光します。しかし運動座標系の観測者は図8bに示すような不等方の光を同じく時刻2tで同時に受光することが推測されました。

相対運動をする観測者から見た光の見え方がわかってきたのです。つまり光時間計測装置を用いれば静止座標系の観測者も運動座標系の観測者も同時に同地点で全方向に反射した光を見ることができるのです。受光時に同地点にいて速度が異なる二人の観測者にとっての見え方が異なってくるのがわかりました。

 この思考実験から、静止座標系の観測者にとっての反射や受光の時刻は、運動座標系の観測者にとっての反射や受光の時刻と同じであることが明らかになりました。これは、静止座標系の観測者にとっての出来事と運動座標系の観測者にとっての出来事が同時に起きていることを示しています。つまり、異説相対論では相対運動をしていても同時性が確保されるということです。しかし、これらの出来事はアインシュタイン相対論では同時ではありません。これらのことから、アインシュタイン相対論では光時間計測装置による仮想物理実験を説明できないことが明白となりました。大変なことがわかってきました。アインシュタイン相対論の解説書には、同時性が崩れることの証明に宇宙船の思考実験【解説4】、または列車の思考実験がよくとりあげられています。



これらの例は、仮想物理実験の結果からは確かに同時の出来事であることがわかります。どうやら、ローレンツ、フィッツジェラルド、アインシュタイン、ミンコフスキーといった「知の巨人」たちもこの難問にひっかかってしまったようです。

さらに振動数の変化、波長の変化にも注目しました(9)

振動数の変化を調べるためにレーザー光をイメージした単一周波数の連続光を用いた思考実験を考えました。光速は、静止座標系の観測者にとっても運動座標系の観測者にとっても一定という仮定のもとでは、光の波長や振動数が図9に示すように変化します。振動数の変化は光時間変化率と一致することも明らかになりました。



ここでアインシュタイン相対論と異説相対論の周波数変化式の違いを見てみましょう(2)

これを見ると振動数変化式自体は異なりますが、直交条件の式5と式6は全く同じ式になっています。並進条件の式3、式4と対向条件の式7、式8は、式は異なるものの、一見して非常に近い値をとることがわかります。これらのことからドップラー変化式1は異説相対論の式2の近似方程式のようです。したがって、ローレンツ変換は異説相対論の【解説1】式3の近似方程式であることが判明しました。

ではローレンツ変換の精度を検証してみましょう。図12は並進方向の周波数変化式1と式2からローレンツ変換式の精度を計算したものです。

グラフを見ると、光速の1/10以下の相対速度では1%以下の誤差になり、アインシュタイン相対論と異説相対論ではほとんど差を生じません。このことにより、アインシュタイン相対論で検証された実験結果は光速の1/10以下の相対速度では異説相対論でも検証可能、つまり、相反しないと考えられます。速度計測などで使用されるドップラー効果は通常の速度域では誤差を生じないわけです。ところが光速の1/10を超えるとこの誤差は無視できなくなります。特に光速に近くなると、誤差は莫大になります。たとえば光速の99%の速度では600%を超える誤差を生じます。つまり精度をおよそ1%以下にするには、光速の1/10の相対速度までに限られるということです(図13)。



今の宇宙論は光速に近い速さを扱っている場合が多いので、これらは適用範囲を超えたところで議論されているということです。ここに大きな誤解が存在する可能性が高いと考えています。ブラックホールや膨張宇宙論などの今の宇宙論は、恐ろしいことにこんな莫大な誤差の中で考えられているようです。

 もしも、アインシュタイン相対論の適用範囲が光速の1/10以下の相対速度に限られ、光速に近い相対速度では異説相対論を採用することになると、有限の宇宙の概念はなくなり、宇宙は無限であることになります。時間は唯一のもので万物に共通であり、無限の時を経て現在に至っていると考えるのが自然であります。

 今回は理論が中心のやや硬い話になってしまいました。さて、次回は【第3部】星の見方が分かってきた!です。回転慣性系での光伝達の理論から、星の見方を考察してみましょう。




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