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静止系の観測者はctの光を見ますが、運動系の観測者は見かけ上ct’の光を受光しているように見えるというものです。光と相対運動の関係は1式に示すようなきわめて単純なベクトルであらわされます。これをスカラー表示すると式3になります。この考察から明らかなことは、受光時の恒星と運動系の観測者の距離は、光速cに伝達時間tをかけたctです。発光時の恒星と運動系の観測者の距離はct’です。相対運動によって光跡や光路長はct’となり、見かけ上あたかもct'の光をαの方向、つまり発光時の方向から受光するかのように見えるのです。光を見ている延長線上には、光源はないことがわかります。この単純な光と相対運動の基本的なメカニズムを何人かの人に説明したところ、しばらくの議論と熟考の後には、説明した人々の感覚とほぼ合致していました。おそらく読者の方々も、理解されるのではないかと思います。分かりにくいようでしたら静止系の観測者と恒星の位置、運動系の観測者と発光時の恒星の位置を、アニメーションや透明な紙を使って別々に書いて、紙をずらして相対運動をさせてみてください。これが得られた結果なのであります。しかし驚くべきことにすでにこの段階で、アインシュタイン相対論やローレンツ変換と根本的に異なるものになってしまっているのです(3)

そこで今後、この理論を異説相対論と呼ぶことにします。ためしに代表的な受光角に対する時間変化式を表1に示します。



【解説1】に記したローレンツ変換の時間変化式は表中の式2に相当することがすぐにわかります。しかし表1の式1や式4、式5を見ると時間変化式は実数を自由にとることができます。負の値もとることができるうえに、相対速度が光速を越えられないという制限もなくなってしまいます。アインシュタイン相対論では特異点が存在するが、異説の相対論では特異点は存在しない。大変な違いであります。

この詳細な検討や考察も第2部にまわすことにして、表11の条件で相対速度が光速を超えた場合に、星の見え方にどのような変化が起こるか考察をしてみましょう(4)

相対速度が光速を超えて離れていくと、観測者は光源の方向に暗黒の星を見ることになり、光源の反対側に過去に溯る光を見るようになります。この暗黒の星が観測された黒色星(Scientific Amerian October 2009掲載、【解説3】参照)やブラックホールの候補と言われている暗黒の星だと私は考えています。

もしそうだとすると、黒色星とは、まったく別の方向、または、反対側に過去に遡る光を放つ不思議な星が存在するはずです。この星は、観測されているクエーサーと呼ばれる赤方偏移した明るく小さい星の正体なのかもしれないと考えています。

相対運動の速度が光速を超えていることを証明する観測結果が、宇宙から飛来する素粒子の観測からも得られているようです【解説4】。



宇宙から飛来する高エネルギー宇宙線UHECRの中には、そのエネルギーが光速に匹敵するエネルギーよりもはるかに大きなものが存在し、あの有名な質量とエネルギーの等価を表すアインシュタイン相対論の象徴的な式E=mc2をもはるかに超えてしまうというのです。この様なことが、今の物理学では十数年も説明がつかないまま放置されているようです。また、宇宙から飛来する素粒子であるミューオンは、宇宙から地球に飛来する原子核(一次宇宙線)と大気中の原子核との衝突により生成されるとされているようです。この宇宙線ミューオンは2.2μ秒で崩壊することがわかっています。素粒子の速度が仮に光速だったとしても660mしか移動できないことになります。上層大気が地表より約20kmなので地表で観測されることは説明がつきません。アインシュタイン相対論では、「ミューオンが光速に近い速さで運動しているのでミューオンの寿命が数十倍に延びた。」という説明をしているようですが、素粒子の寿命が延びるなどという説明はSFやマンガのようにしか聞こえません。異説の相対論では、「宇宙線の速度が光速の30倍以上だと、地表に2.2μ秒以内で到達する。」というように単純明快に説明できます。ミューオンの速度はシンチレーターという検出器を使って計測されているようです。これらの中には光速を上回る速度で計測されているデータの例もあるようですが、光速を超えた測定データは、通常は測定誤差として扱われているようです。

UHECRや宇宙線ミューオンの観測結果は、黒色星の観測結果とともに、相対運動には速度の制約はないということを如実に表わすと考えています。定説、従来説のアインシュタイン相対論では説明不可能な事象であり、異説の相対論では的確に説明できると思います。

1部はイントロとして問題提起と異説相対論の結果、黒色星とUHECRの説明を書きました。第2部では、異説の相対論のベースとなった思考実験を中心に理論の確かさとローレンツ変換の精度を検証します。第3部では異説の相対論を回転慣性系に適用し、GPS理論を検証し、本題の星の見え方に適用します。そして我々が見ている宇宙がどのように見えているか、そのメカニズムを解明します。第4部では、「異説:宇宙のメカニズム」により、宇宙の構造や宇宙の見え方の新たなを提案してみたいと思っています。



【第2部】宇宙を記述する方程式を見つけよう!   

「第1部 宇宙の理解を促進する理論が必要だ!」では、異説相対論の結果である光行差思考実験【解説1】を説明しました。

また、アインシュタイン相対論では説明できないが異説相対論では説明できる観測結果として、黒色星とクエーサー、高エネルギー宇宙線UHECR、宇宙線ミューオンの3例を説明しました。今回は、異説相対論のもとになった光時間計測装置による仮想物理実験について紹介し、宇宙を記述する方程式を提案したいと思います。その妥当性とアインシュタイン相対論のもとになったローレンツ変換の誤差についても言及します。そこから「第3部 星の見方が分かってきた!」につなげようと思います。

光と相対運動の関係を調べる試みは1800年代後半のマイケルソン-モーリーの実験が有名です(図2)。



この実験は光を伝える媒質であるエーテルを、地球の相対運動によって生じるはずであろう光の干渉縞をとらえることによって検出しようという壮大な試みでした。しかし、度重なる実験にもかかわらず光の干渉縞はとらえられませんでした。この結果を受け、フィッツジェラルドやローレンツが後にローレンツ変換と呼ばれる変換式を生み出し、アインシュタイン相対論に引き継がれました。そして現在の膨張宇宙の概念やビッグバン宇宙論が形成されてきました。ローレンツ変換を中心にしたこうした概念は100年以上も物理学の世界では受け入れられ続けてきました。

ここで、ローレンツ変換の導出を【解説2】に示す単純な思考実験を使っておさらいしましょう。

単純とはいっても変数の取り方が若干異なるだけでアインシュタイン相対論の原著と本質的には同じものです。図3の上段は静止座標系Kから見た光と運動の関係です。下段は運動座標系K’からみた光と運動の関係です。上段の静止座標系Kから見た光と運動の関係は同方向なので並進条件と名付けます。下段の運動座標系K’からみた光と運動の関係は逆方向なので対向条件と名付けます。静止座標系の時間tと運動座標系の時間t’は異なる時間をもつという前提の上で、式1と式2は定式化されています。この二つの式から時間変化を求めると、式3と式4のようになり一致しません。または、両立しません。そこでローレンツ変換係数aを導入し、aを求めると式7になります。これを並進条件の式5に代入しあの有名なローレンツ変換式8を求めています。さらに時間遅れ式9が求まります。このからくりが現在の宇宙論の謎を解く鍵であると考えています。



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