目次
坂本竜馬の言説(4)
現代の日本人よ(4)
竜馬対小五郎
― その1 ―  好男子・桂小五郎
― その2 ―  潮目
― その3 ―  北辰の星
― その4 ―  強固なる矜持
― その5 ―  竜馬の弱点
― その6 ―  肋一寸
― その7 ―  辛口の酒
ハリス将軍謁見と天皇復権
― その1 ―  米国総領事の江戸入り
― その2 ―  最高権威を投げ出した幕府
― その3 ―  天皇復権
佐那との縁談
― その1 ―  婚約の証
― その2 ―  弱り顔
大老・井伊直弼
― その1 ―  通商問題と将軍継嗣問題
― その2 ―  直弼の決意
― その3 ―  日米修好通商条約調印
― その4 ―  激怒する天皇
将軍家定死す
― その1 ―  権力者という者
― その2 ―  松陰の飛耳長目
水戸の怒り
― その1 ―  訃報
― その2 ―  水戸神道無念流との一戦
― その3 ―  攘夷運動への誘い
― その4 ―  荒れる水戸藩士
― その5 ―  水戸過激派の巨魁・住谷虎之助
修行期間終了
― その1 ―  絆と涙
― その2 ―  小五郎、萩へ
― その3 ―  故郷土佐へ
島津斉彬の決意
雄藩革命へ薩摩動く
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現代の日本人よ(4)

  「若者を犠牲にして日本に未来があると思うのか?  本当に日本を善くしようと思うなら、若者が希望を持てるように世を戻せ。

  しかし、それに異を唱えているのは年長者ぜよ。

  それが悪い!

  わしらの時代だったなら、そんな見苦しい人間は追放されちょった。

  そんな人間は要らんという事。

  日本を愛するならば、真剣に子々孫々の事を考える大人であってくれ」


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― その1 ―  好男子・桂小五郎

  桂小五郎は花を愛めでるのが好きだった。

  美しいものを傷付けるのを好まず、決して枝を折って持ち帰ろうとは思わない。その美しさが儚(はかな)いものだと知っているからである。

  そして人の命も短く、自らの命も儚いと知っているから、武士として安易に死を覚悟するよりも、石に齧(かじ)り付いても生き抜く事を選択する男だった。

  だからであろう。

  (小五郎の剣に殺気はない)

  竜馬はそう見抜いていたのである。

 

  「始め!」

  小五郎は正眼に構え、静謐さに隠されたままの気魄きはくを竜馬に向けた。

 

  ・・・だが竜馬は、目を伏せたくなるような恐怖感を感じない。ただ無駄の無い美しさを兼ね備えた小五郎の速剣には注意が必要だった。

  (勝負は目線を外した一瞬に喫する)

  それを分かっているから、互いに瞬まばたきすら出来ず、向き合ったまま動けない。

  ・・・ジリジリと空気が焦げるような視線の刺殺。

  そんな空気を嫌って、

  剣技に優る小五郎が打ち込んできた。

  ビシ、ビシ、ビシ、ビシ、ビシ! バシ、バシ、バシ、バシ、バシッ!

  気鋭に任せて圧倒的に押し捲る。

  (手数てかずと正確さは小五郎に分がある)

  千葉定吉はそれを感じた。

  (・・・このままではいかん!)

  そう悟った竜馬は、状況打破を図り、得意技の片手突きを繰り出した!

  ビシュッ!

  竜馬の突きが小五郎の喉元を貫く、かに見えたが、小五郎は柳やなぎのようにしなやかな体捌きを見せ、紙一重でかわしていた。

  「ぬっ!」

  そして、逸そらした体勢のまま竜馬の篭手を痛烈に叩いた。

  ピシッ!

  「篭手一本!」

  見惚れてしまうような小技のキレだった。

  「おー!」

  「さすがだ、桂だ」

  桃井春蔵道場士学館は感嘆の声に包まれた。

  好男子・桂は勝ち所を見付けると無駄なく確実に決めてしまうのだ。一か八かの大技を繰り出しはせず、危険を冒おかさず、負けない剣。・・・それは彼の性格を現すような剣であった。

 

  その後も小五郎の流れのまま、忽ち五本を連取した。

  「あと一本だ。もう桂さんの勝ちは揺るがない!」

  天才・仏生寺(ぶっしょうじ)弥助は小五郎の勝利を確信していた。

 

  ・・・撃剣会は終演前の盛り上がりの時を迎えようとしていた。


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竜馬外伝i-19 対決・桂小五郎


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著者 : 中祭邦乙
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