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その1 はじめに

 私の営んでいる横浜心身健康センター心理療法室には心から来るさまざまな問題で悩んでいる方がその解決のために来談されています。そしてその中にはあがり症やスピーチ恐怖症で悩んでいる方もかなりの数にのぼります。


 人前であらたまってスピーチをしたりすると、ひどく緊張して、動悸が強くなり、体が震えたり、頭が真っ白になったりして、人前でこうありたいと思う理想の半分くらいもできない。そしてその後は穴があったら入りたいような恥ずかしさにおそわれたりしてしまう。そのためにもう人前が恐怖になってしまって想像するだけでも動悸がしてくなど。このような問題で苦しんでいる人は実際はとても多いのです。


 この悩みは他人に気軽には相談しにくくて一人で長年悩んで来たという人も少なくありません。そしてこんなふうにあがってしまうのは自分だけではないかと思い込んで強い劣等感にまで陥り自信喪失している場合もあるのです。


 そのような問題で悩んでいる方々と長年、個別の心理面接でその解決に取り組んできたのですが、そんな中から次第にあがり症やスピーチ恐怖に共通の心のパターンやその特徴として見えてきたところがあります。


 実は、この見えてきたものは、あがり症やスピーチ恐怖症に限らず、人が行為するときには全てにおいて陥りやすい問題でもある、といえるのです。それは神経症的な問題の根本にもある、心とからだが切れてしまっているために起こってくる問題なのです。


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