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登場人物紹介

五人戦記 登場人物紹介(簡易)


日記   織田の若武者。王の器を持つ。本田三郎を名乗る。
藍海   怪しげな術を使う僧。青の字とも言われる。時代を超えるほどの力を持つ。
落ち武者 井村晩次郎。優れた回復力を持つ。呼吸が合わない。
桃の字  桃山雪乃丞。桃太郎や鬼の末裔。派手な技を使う。
文無し  佐々木一平太。才覚溢れる剣士。戦術家でもある。
小雪   桃山小雪。雪乃丞が女性に化けた姿。

オキヌ  藍海を慕う村娘。
虎信   三郎の側近。

総一朗  目黒総一朗。代議士。なかなかの名士である。
絹恵   目黒絹恵。総一朗の姪。銃の名手。
老人   放浪の翁。


第壱部第壱場 謗法の青い僧とマントの赤い若武者

五人戦記 第壱部「五神」


      幕、上がる
      
日記   時は戦国の世!
     突如現われたもののけに各国大名の軍勢がこぞって戦いをいどんだ!
     何千何万の武士が次々と命を落としていった!

      照明変わると、背景は夕空のよう、落日は確実に夜を招く。
      遠くにざわめき。藍海がその方向を見つめる。ムムと目をかすめる。
      そでから娘が現われる。

オキヌ  和尚様、和尚さま!お逃げになって下さい。
藍海   何事じゃ、ただならぬさわぎじゃが。
オキヌ  峰を超えた里にもののけが現われました。早駆けがふれまわっております!
藍海   もののふどもは何をしておる!戦などしておる暇があったら国くらい護れ。
オキヌ  和尚様!のんびりしている場合ではございません。
     和尚様にもしものことがあれば、この村に明日はありませぬ。
藍海   たわけい!民あっての村じゃ、腐れ坊主のひとりやふたりくたばろうとどってことないわい。
オキヌ  何をおっしゃるのです。いいから逃げましょう。
藍海   逃げるじゃと?逃げるのはうぬらだけでよいわ。拙僧は妖かしで戦う。
オキヌ  なりませぬ。和尚さまはお逃げください!
藍海   優しい娘よのう!

      藍海、オキヌの頭に手のひらをのせる。

藍海   行け!
オキヌ  和尚様!

      オキヌ、駆け出す!

藍海   山を降りて幾星霜。
     教えを求め、東へ東へと旅したものの、よる先よる先貧しい村々!
     救えど救えどきりはなし。富士の景色に住むという法華経の行者に出会うこともかなわず。
     妖かしばかりおぼえたこの破戒坊主。これが仏罰ならばあえて受けよう!
     国士(こくし)なきこの島でみごと散ってみせよう!

      藍海、構える。怪しげな九字。
      そこへ突如、数人の侍、そしてマントをつけた将が現われる。

日記   威勢のいい坊主がいたものじゃ!
藍海   織田のうつけか。
日記   ・・・わしもいれろ!
侍ども  殿!
侍ども  殿!

      藍海、振り向く!
      照明、変わる。


第壱部第弐場 新緑の落ち武者と娘に化けた桃太郎の末裔

      照明、変わる。

      武士たちの敗残姿。
      死体かと思われた武士が一体、のそりと動き出す。

落武者  ・・・く!・・・くうううう。一たちもいれずじまいでこの有様。
     主にも先立たれ!なにゆえ拙者だけ生き残ったあああ!
     殿。殿。天におわす殿よ。拙者も後を追いまする!
     殿より先に死なぬ武士じゃ。この恥じ。腹を切って詫びまするううううう!

      膝立ちになり、腹を出す。刀を持ち替え、腹に狙いをつける。
      さあ、斬らんといった表情のまん前。小雪が通り過ぎる。
      落武者、目で追う。
      小雪、気付くが流す。武士たちの骸から何か学びとろうとしているらしい。
      落武者、少し考え、助平な顔をする。うなずき、そして。

落武者  娘!こっちへこい。
小雪   ・・・。
落武者  こっちへ来いと言っている。
小雪   余を呼んでおるのかえ。
落武者  他にいるか。
小雪   元気そうじゃのう。
落武者  そういえばずたずたに切り裂かれた記憶があるような。
小雪   なにやら阿呆のようじゃな。
落武者  武士にむかって何を申す!ええい、てごめにしてくれるわ。
小雪   阿呆は何を考えても阿呆じゃのう。

      落武者、襲いかかる。ああん、なんか野獣って感じ!
      小雪、さらりとよける。襲う、よけるの関係が繰り返され、すげえ早くなる。
      なんかのひょうしに落武者が優位に、で、ぱっくりいきそうな瞬間。
      桃の字が黒布をかぶってダッシュしてくる。落武者に蹴りゃ!
      落武者、こける。
      桃の字、小雪に黒布をかける。小雪掃ける。(方法はなんでもいいが、小雪と桃のチェンジ)

桃の字  どうしてこう武士って奴あ、品がないかね。

      落武者、ちょっとゾンビ気味に桃の字に相対し、構える!

落武者  おう!人様の恋路に横槍いれるたあてえした度胸だ!
桃の字  かああっ!気色悪い!あの、どこが恋路だっての。
落武者  言うかああ!

      二人の殺陣。
      照明!ガっと変わる!バっと掃ける!
      曲が派手になる。そうさオープニングさ。
      あっちこっちからかけ声!「でっやあ!」とか「ふりゃあ!」とか。
      「(劇団名)」「(分類)」「(何回とか)公演」
      そして揃えて「五人戦記」
      出せるようならタイトルロールを出す。


第壱部第三場 黄金色の剣士とその主

      明転後、ある大名の屋敷。

大名   そうであったか。佐々木一平太、そなたを、例のもののけ討伐の先鋒とする。
文無し  は。ありがたく引き受けさせていただきます。
大名   思えば、出世したものだな、一平太。
文無し  全ては殿のおかげでございます。
大名   いや、ソナタの剣の腕前ゆえじゃ。見よ。各国の大名ものどから手が出る程欲しがっておる。
     武士は強ければそれでよい。
文無し  私のような、下級武士に厚いお情け、有り難く存じます。
大名   今は乱世じゃ。強うなければ意も通せぬ。
     しかも、今度のもののけ騒ぎじゃ。
     次から次へとなぜ、この島ばかり。
     のう、一平太。平和はいつ来るのじゃろうな。
文無し  恐れながらも。殿が天下を治めれば丸く収まるかと。
大名   なかなか嬉しいことを言う。
     じゃがのう、一平太。高い玉座につくほどなにか大事なことを忘れるものなのじゃ。
     わしも油断すれば容易に地に墜ちる。そんな時代じゃ。
     一平太。勝ってくるのじゃぞ。
文無し  命に変えても。
大名   命は持って帰れ。そのときは褒美をやる。
文無し  かしこまってござる。

      暗転。


第壱部第四場 若武者と影武者

      日記と虎信がいる。

虎信   殿、本気でござるか。
日記   ああ、本気じゃ。
虎信   なんと、いつもまあ、突飛なことを。
日記   許せ虎信。どうせ、わしなど各国ではものの数にも入っておらぬ。
     突然消えても、誰も驚きやせんわ。
     そこでじゃ。
     そなた。拙者の影武者にならぬか?
虎信   何をおっしゃいまするか?殿の真似など真でもいやです。
日記   そう、あせるな。何も儂になりきれというわけではない。
     おぬしがおぬしなりに、儂を名乗ればよいのじゃ。
虎信   との。殿は何を考えておるのですか!
日記   戦じゃ。
虎信   !
日記   戦と言っても人間じゃあない。
     例のもののけじゃ。
     あやつがおっては何も生まれぬ。何も栄えぬ。わしもそろそろぷらぷらしてはおれんからなあ。
     近頃、家臣の何人かは余を疑って、城を下っておる。
     そのうち数が減りに減ったら、挙兵しよう。
     そなた、密かに精鋭を集め、森の奥で修行させよ。
     他国に気付かれないよう、ひっそりとな。
     そうすれば、その武士達はお前にならついてくる。
     儂は、家を継ぐよりも大事な仕事がある。
     おぬしには、才覚も実力も決断力もある。ないのは家柄だけじゃ。
     織田家まるごとくれてやるわ。
虎信   しかし。
日記   気にするな、考えは全て巡らせてある。

      暗転。



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