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プロフィール-万太郎

名前:キン肉万太郎

出身地: キン肉星

現住所:東京都美波理(ビバリー)公園

身長体重:176cm 83kg

超人強度:93万パワー

年齢:15歳

好きな物: カルビ丼、ギャル、星座

嫌いな物: 風呂、こんにゃく

必殺技:キン肉バスター、ターンオーバーキン肉バスター、キン肉ドライバー、万太郎一番絞り、マッスルミレニアム

備考:キン肉星の王子でお坊ちゃん。現在は日本(の一部)を防衛。超人オリンピック決勝まで駒を進める。


1

うさぎが首をかしげる。

…おや…、nのフィールドに異変が…。……ふふ、やってくれましたね…。…たゆたうは束の間の灯火…。…揺れ動くは運命の影…。

…これもまた…、薔薇乙女に課せられた責務なのかもしれません…。

…交差する影は…、何を映すか…。
実に興味深い…。


深い深い霧の中、うさぎは消えた。



名だたる超人達が集い、その頂点を決める祭典。その名は、超人オリンピック。

そして超人オリンピックは準決勝まで進み、試合はクライマックスを向かえていた。

「大渦(メイルストローム)パワー!!」

男は背中合わせに相手の体に飛び乗り、両腕をキャッチした。
男の技が、敵の両腕に莫大な負荷をかけている。

「グギャオァ!」

「あ~~っと、ケビンのフェイバリット、オラップがイリューヒンの腕を締め上げる~!」

ケビンのオラップは華麗に決まっていた。
脱出は不可。イリューヒンは断末魔の叫び声を上げてしまう。

「大腿骨、腰骨、上腕筋のホールドが見事に決まってます! これは逃げられませんよ~!」

解説は興奮した面持ちで実況している。
ケビンのセコンドであるクロエも、この激戦に思わず身を乗り出した。

「情けなどかけるな!  二度と自分に挑ませないように捻じ伏せろ!」

「言われずともそのつもりだ!」

クロエの言葉に反応したのか、ケビンはさらに身体をのけぞり、イリューヒンの腕を締め上げる。


2

ケビンの体が黄金色に強く輝きだす。

「はぁああっ!!」

 

生々しい音が響く。イリューヒンの腕は、破壊された。

「うひゃぁ! イ、イリュ―ヒンの腕がぁ~」

決勝進出を決めていた万太郎も、これには顔を逸らしてしまう。

「何ということだ~~! イリュ―ヒンの腕が、オラップに耐えられずにもげてしまった~!」

「ウギャアアァアア!!」

イリューヒンの叫び声が、場内に飛び散る。
それと同時に、甲高い金属音が鳴り響いた。

「ここでゴングが鳴る! ケビンマスク、ロシア代表イリューヒンを打ち破り、 決勝進出~!」

観客、実況の騒然とした中、ケビンは高らかに腕を上げ、勝利宣言をした。

「ロシア人サポーターの消沈ぶりとは裏腹に、イギリス人サポーターは大歓声をあげて…」

「あ、リングを見てください! ケビンがイリューヒンを担いでいます!」

解説がケビンを指差す。
ケビンはイリューヒンを肩に担ぎ、遥か下の観客達を見下ろしていた。

「本当です。真剣勝負をしたライバルへの情けなのでしょうか?」

「ケビン。万太郎に凍てつく恐怖を与えてやれ」

「ふん、救助の担架なんざいらねぇ。俺が下に落としてやる!」

ケビンは、意識定かでないイリューヒンを遥か上空のリングから投げ落とした。

「あ~~っと! ケビン、天高いリングの上からイリュ―ヒンを叩き落した!!」

「う、イリューヒン!!」


3

イリューヒンの危機に駆け出したのは、万太郎のセコンドであるミートであった。
ミートは、ギリギリの所でイリューヒンを救いだす。
だがその時、ミートの足から鈍い音が響き渡った。

「うっあぁ!」

「ミっ、ミート!」

万太郎は直ぐに駆け寄った。

「だ、大丈夫かミート!」

キッドやセイウチンも急いで駆けつける。

「おい、見ろ! さっきの衝撃でミートの両アキレス腱が切れてやがる」

キッドが悲痛な面持ちで声を上げる。

「も、申し訳ございません、二世」

万太郎に抱えられたミートがゆっくりと口を開けた。

「ミート…。大丈夫!ミートのしたことは正しいよ…!後は僕に任せなって」

「二世…。…本当に、申し訳ありません…」

急いで駆けつけた救護班が二つの担架を持ってきて、イリューヒン、ミートを乗せた。

ミートが運ばれるのを見送ると、万太郎は鋭い目付きでリングを見上げた。

「ケビン!! 僕はお前を許さない!!」

万太郎はケビンを指さして糾弾した。

だが、ケビンは悠然と構えている。

「ふん、そういうものは拳で語るもんだ。最も、ミートのいなくなった貴様に、語れる程の力があるとは思えんがな」

「な、何を~!」

万太郎は怒りを露にしている。
すると、ケビンのセコンドであるクロエが、ケビンと同じくリングの上に立った。

「万太郎よ、断言してやる。ミートのいないお前など、ケビンと私のコンビに一分と持たん!」

「う、うぅ…!」

「次に破壊されるのは、お前だ…!」

「うぅ……あぁあ…!」

イリューヒンの無惨な姿が脳裏によぎる。万太郎の顔は、みるみる青ざめていった。

胸は抉られ、両腕がもがれたイリューヒンの光景は、戦歴の浅い万太郎に深い絶望を与えた。

4

「そこまでよ。続きは決勝のリングで行いなさい!」

超人オリンピック委員会の一人であるジャクリーンが間に入ってきた。
二人の争いが収まると、ジャクリーンはマイクを手に取った。

「それでは、超人オリンピック・ザ・レザレクション、グランドファイナルは一週間後の10月23日。東京国立競技場にて16:00にゴングとなります!皆さまのご来場を心よりお待ちしておりま~す!」

ジャクリーンが手仕舞をかけると、ケビンは悠々と退場した。

万太郎も、キッド達に励まされながら帰っていった。

会場を出ると、万太郎は仲間達の練習の誘いを断り、キン肉ハウスに籠ってしまった。

その理由は言わずもがな、ケビンに臆したためである。

実際、万太郎の性格は基本的に陽気である。
だが、同時にネガティブな面を持つ。

万太郎の今までの戦歴は無敗であるが、同時に臆病風に吹かれた回数も同等である。

臆病風に吹かれる度にミートや仲間達に支えられ、何とかリングの上に上がってきたのだ。

その闘いが嫌いである万太郎が、ケビンの残虐ファイトに恐怖してしまうのは無理からぬ話しであった。


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