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ハロウィンの日-秘封倶楽部-

「トリック・オア・トリート!」
グリコみたいなポーズと共に現れたメリーは唐突にそんなことを口走った。
「……どうしたのメリー?」
「あら蓮子知らないの?ハロウィンよ、ハロウィン」
「そんなこと知ってるわよ。というか、その衣装はどこから持ってきたのよ?」
そう言ってメリーが着ている黒くてとんがった帽子と黒いマントを眺める。
「確かに日本では珍しいでしょうけど、ステイツでは当たり前のように家にあるわよ?」
「……あなた今敢えてステイツって言ったでしょう?そもそもあなたアメリカ生まれじゃないじゃない!」
そう言われたメリーは図星だったのかわざわざ「テヘッ」と声を出して舌を出した。
恐らく今日のこの時の為だけに雑貨屋あたりで買ってきたのだろう。
「いいじゃない私だってやってみたかったのよ!」
頬を膨らませながら言うメリーはまるで子供のようだった。
……いや、実際まだまだ子供か。
今でこそ私たちは「成人」扱いだけど、少し遡れば私たちは未成年なのだ。まぁもっと遡れば今と同じように成人だけれど。
「あっ」
私はメリーから帽子を奪い去ると、自分の頭に載せた。
「お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ!」
こんな時くらい子供に戻ってもいいかもしれない。

この本の内容は以上です。


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