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11月5日のおはなし「コミュニケーション・ブレーク・ダウン」

A「おい。聞こえるか猿真似野郎」
   間。
「シカトぶっこいてんじゃねーよ」
   間。
「見えないところで、こそこそこそこそ俺の真似ばっかしやがってよ。気分わりーんだよ」
B「うるさいな!」
「おめーじゃねーよ」
「静かにしろ! 考え事をしているんだ!」
「ンだよ。割り込んでんじゃねーよ」
「黙れ。そっちこそ黙れ」
「偉そうに何様のつもりだ」
「誰なんだおまえは」
「だからおめーは関係ねーんだよ、すっこんでろよオカマ野郎」
「オカマ野郎とは何だ。訂正しろ! 謝れ!」
「オカマ野郎だからオカマ野郎だっつーんだよ。友達と喧嘩したくらいでメソメソしやがって」
「メソメソなんかしていない!」
「じゃあウジウジだ」
「ウジウジもしていない!」
「だからおめーなんかの相手をする気はねーんだって」
「だいたいおまえは誰なんだ。なんでゴーギャンとの喧嘩のことを知っている!」
「なんだ、あいつはおまえの恋人なのかよ。恋人に振られたみたいによ! おホモダチってわけかい?」
「無礼な。決闘だ決闘しろ」
「っつーか、おめーと話してる暇はねーんだよ。おめーは引っ込んであいつを出せよ」
「あいつって誰だ」
「だからさっきから言ってんじゃねーか。おれの猿真似をしてるあいつだよ」
「あいつじゃわからない」
「ああ、うぜーな。右耳だよ右耳」
「右耳?」
「出せよ。右耳」
 間。
「ンだよ。右耳出せってんだよタコ。へっぽこ絵かき。貧乏人。能なし。色弱。絵の具の無駄づかい」
「……おまえ左耳か」
「いまごろ気づいてンじゃねーよ、すっとこどっこい、画布撫で野郎
「おれの耳か」
「ああ?」
「ゴッホの耳かと聞いているんだ」
「右耳とひとまとめにしてんじゃねーよ。左耳だよ左耳」
「だからいつも左から聞こえて来たんだ!」
「何言ってンだ」
「幻聴なんかじゃなかったんだ!」
「ああもう、おめーはいいから右耳出せって……おい。何をする」
「うるさいのはおまえだったんだな」
「やめろ。何すんだよバカ。危ねーから片付けろ、そんなも……や、やめろって!」
「おまえさえいなくなればもううるさいこえはきこえなくなるんだ」
「やめろやめろやめろ!」
「わあああッ」
 間。
「どうだ。切り取ったぞ。もうおまえに煩わされることはない!」
C「ちょ!マジかよ」 
「だっ誰だ?」 
「本気で左耳、切り取っちまったんだ」 
「まだいるのか。声の正体は左耳じゃなかったのか」 
「ってか、おれ、右耳なんすけど」

(「ゴッホの耳」ordered by RAFT-san/text by TAKASHINA, Tsunehiro a.k.a.hiro)

感謝の言葉と、お願い&お誘い

 Sudden Fiction Project(以下SFP)作品を読んでいただきありがとうございます。お楽しみいただけましたでしょうか? もしも気に入っていただけたならぜひ「コメントする」のボタンをクリックして、コメントをお寄せください。ブクログへの登録(無料)が必要になりますが、この機会にぜひ。


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5つで、お気に入り度を示すこともできるようですが、面と向かって星をつけるのはひょっとしたら難しいかも知れませんね。すごく気に入ったら星5つつける、くらいの感じでご利用いただければ幸いです。


 現在、連日作品を発表中です。201171日から2012630日までの366日(2012年はうるう年)に対して、毎日「11篇のSFP作品がある」という状態をめざし、全作品を無料で大公開しています。公開中の作品一覧


 SFP作品は、元作品のクレジットをきちんと表記していただければ、転載や朗読などの上演、劇団の稽古場でのテキスト、舞台化や映像化などにも自由にご活用いただけます。詳しくは「Sudden Fiction Project Guide」というガイドブックにまとめておきました。使用時には、コメント欄で結構ですので一声おかけくださいね。


 ちょっと楽屋話をすると、71日にこのプロジェクトを開始して以来、日を追うごとにつくづく思い知らされているのですが、これ、かなり大変なんです(笑)。毎日1篇、作品に手を入れてアップして、告知して、Facebookページなどに整理して……って、始める前に予想していたよりも遥かに手間がかかるんですね。みなさんからのコメント、ツイート(RT)、「いいね!」を励みにがんばっていますので、ぜひご協力お願いいたします。


 読んでくださる方が増えるというのもとても嬉しい元気の素なので、気に入った作品を人に紹介して広めていただけるのも大歓迎です。上記Facebookページも、徐々に充実させてまいりますので、興味のある方はリンク先を訪れて、ページそのものに対して「いいね!」ボタンを押してご参加ください。


 10月からは「11篇新作発表」の荒行(笑)を開始し、55作品ばかり書き上げる予定です。「急募!お題 この秋Sudden Fiction Project開催します」のコメント欄を使って、読者のみなさんからのお題を募集中です。自分の出したお題でおはなしがひとつ生まれるのって、ぼくも体験済みですが、かなり楽しいですよ! はじめての方も、どうぞ気軽に遠慮なくご注文ください(お題は頂戴しても、お代は頂戴しないシステムでやっています。ご安心を)。


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奥付



コミュニケーション・ブレーク・ダウン


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著者 : hirotakashina
著者プロフィール:http://p.booklog.jp/users/hirotakashina/profile


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