2014/05/22
花粉による鼻づまりがひどいので、一日も早い梅雨の訪れが望まれます。
窓の外は、まことに良い日よりで、風に揺れる若枝は見るだけで心地よくなりますが、
もういい、花粉沈めろ。梅雨入りしろ、
と、日々願っておる次第であります。
そんなもうろうとする頭で、長編をひねってもなかなか先へ進んで行かぬのですが、
どうも、あたくしは、プロットをひねる方法は使えないような気がしており、
というのも、ブレインストーミングの、mind map を使って、
あれこれ考えていたこともあるのですが、それでさくさく思いつく程度のことでは、
どうも、爆発力が生まれないような気がするのです。
といって、書きながら勢いに任せる方法も、結局は凡化まっしぐらにしかならず、
そりゃそれで勢い込んで書いていれば楽しいのですが、
やっぱりそれじゃ、大当りをとるものにはならない。
いくつかKDPの無料小説なんかも読ませてもらうのですが、
いずれも、ぼちぼちは上手で、ぼちぼちはおもしろいのです。。。
けれどなあ。
と、そこで逆接に感嘆詞がくっつくような言葉が浮かぶようでは、
あたくしには、おもしろくない。
――といった気分で、あたくしが前に並べておいたKDP小説3つ、
公開停止にしたのでした。
SF長編ロボットは、そんなわけで、
「秘密の勇者のドリル」ほどの、楽しさは作者にもたらさないのですが、
展開を考え、おもしろくなるよう工夫し、苦労して、完成させたいと思います。
そうして、土曜日はちと大阪へ、日帰り。
ちょと、キリシタン遺物を見てくる。
2014/05/19
放送大学で東京へ。
折しも浅草で三社祭があって、そのせいか、週末の宿が取れず。
今回は、いつもの宿よりちょと駅に近い、HIKARIという安宿を選択したのですが、
こちらの方がさらに良い感じでしたので、以後はこちらを使いたいと思いました。
さて放送大学ゼミ。
相変らず、研究論文のタイトルは定まらんのですが、まー、だいたい順調。
調べに調べているうちに、「結論に向けて」の案が出てきているので、
そこへ向けて、中味を絞り込み、それでタイトルも決まるだろう。。。と、
考えてみれば、本来の論文執筆とはまったく逆の過程を行っており、
まことに迂遠。。
その後は22時の新幹線に乗るつもりだったので、
時間をかけて神保町と、秋葉原を歩きました。
神保町、改めて地図をもらい、あたくしが今まで「ここが神田の古書街だぜ」と思うていたところの、
反対側にも古書店がずらっと並んでいることに気づかされて、
いやはや、今まで以上に歩き疲れることになりました。
放送大学できちんと日本史研究をしてるおかげで、
だんだんと、資料の探し方が変ってきており、ちゅか「分かってきた」感じで、
小説の材料・資料探しが効率化、高度化できている気がしてます。
使えない資料の多さよ。。
結局、古書店を巡って大した収穫はなし。
三田村鳶魚編の、未完随筆集が安くばら売りしていたので、4,5巻。
岩波文庫の天台小止観。
個人的なおみやげに、新潮文学アルバム「吉川英治」。。
キリスト教書籍専門の友愛書店で、井出勝美「キリシタン思想史研究序説」を買おうか迷い、
やめる。
8000円也。。。買っとけば良かったかなあ。。。むむむ。
神保町はだめだ、時間と財布と腕の筋肉が殺される。
その後秋葉原にて、メモリカードを安く買い、買おうと思うPCの実物を見る。
案外大きくて、それならもっと小さいのがあるよと言われ、
掌サイズの、その小ささに感心ちゅか、あきれた。
ところで今回は珍しく往復新幹線。
その車内で、Star Driverを11話分くらい、見まくる。
素敵におもしろい。
……それも踏まえて、あたくしの書いているSFロボットものの、テンポや筋書きの作法、
よくよく考えねばなりません。
今回の往復で、ようやく書き直し部分がおわり。
テンポ、密度、興味、特長、且つ、おもしろみ。
100枚超えたところなので、あと250枚くらい、せっせと爆発させねばなりません。
2014/05/12
わたくし版「宇治拾遺物語」現代語訳の第4巻を、
amazon KDPに並べました。
禅5冊がずらーっと並んだら壮観だろうなと、わくわくしてきました。
ところで、amazon KDP は、PC画面上では、普通には閲覧できないと、
今さら知りまして、
アメリカのKDPでは普通にPCリーダがあるようで、
今さら技術的な問題もくそもあるまい、規制か何か、おもしろからぬ事情があるのだろうと、
憤っていたら、楽天KoboならPCで見られるよと教えられて、
見ればなるほど、PC用リーダがある。
よし、Koboで電子出版をやってみようと思いつき、
Kobo WritingLife というやつで作業を開始しようとしたら、
こちらにも、楽天のおもしろからぬ思惑があるようで、
たやすくアクセスできない、仕様はすべて英語と来た。
(検索したページに行くと、即座に楽天日本のページへ強制転送される)
なめるなとイライラしつつ、あれこれ検索しまして、
ここからログインすればよろしい、と。
http://writinglife.kobobooks.com/dashboard
書かれている英語の内容は、大したこと無いので、
さっさと登録して(Amazon Kdpより簡素)、
さて、amazonKDPに使ったEpubをアップロードしようとしたら、うまく行かぬ。
何かの形式が違っているみたいだけれど、
アップロードできねえよと言われるだけで、埒が明かぬ。
mobiファイルでも可とあるので、amazonKDPに使ったものを、
そのまま使ってみると、こちらは、
アップロードできても、変換がうまく行かぬ。
腹を立てて、今度はもとの一太郎ファイルをワード形式で保存し、
アップロードしたら、成功。
審査待つこと24時間。
「登録できたよ!」の通知も何もなしに、
登録が完了しておりました。。
総じて、Kobo Writing Lifeの方が、簡単。
しかし、不親切。
そんな印象でございます。
2014/05/07
来週末のゼミに持参する修士論文に、ちょっと区切りがついたので、
さて連休は小説をやろうとして、
でも時代劇はもうちと調べてからにしようと思い、
前に「イマイチ」だとして放擲していた、SFロボットものを読み返してみると、
やはり序章は、抜群に良い。
それが、本編に入ると途端によろしくない感じになる。
そこはどのようにでも書き直せますが、肝心なことは、「爆発力」ちゅか、
「普通感」を如何に打倒するか、ちゅーことで。
最初、巨大ロボットものでミステリーを、とか考えてたのです。
でも、それって無理っぽい。
「技術者が殺された!」
「犯人は、味方のパイロットだ!」
「ロボット出てこねえ!」
……おもしろけりゃ良いのです。
以下感想
「それでも日は昇る 12 years a slave」
映画のただ券というか、本当は、「かぐや姫」を見ようがために買っておいた、
鑑賞チケットの、使用期限が今月末だったので、
何か見なくては。しかし「雪の女王」は混雑してるし、邦画はつまんなそうだし、
スパイダーマンは吹き替えだし、こうなればクレヨンしんちゃんしかないか。。
と思うていたところ、ちょうど良い昼の回で、
南北戦争前、奴隷制が維持されている頃の話がやっているとあり、
ブラピも出てるから良いものに違いない――と、揚々と出かけたところ、まー、重い。
自由権を得ている黒人音楽家が、悪い白人2名に騙され、
ワシントン興業中に泥酔したところを、「南部から逃げてきた奴隷」ということで、
逮捕、強制送致、売却。
一応は知的階級にいたので、奴隷としてもある程度活躍して、主人に気に入られたりするのだけど、
それが気にくわない、白人の管理人と喧嘩。
そこを追い出されて、より悪辣な環境の綿花畑で働かされる。
そこで働いているうち、「俺は正義を愛するぞ」と豪語する白人青年がアルバイトにやって来たので、
こいつに「俺は自由黒人なんだ。通報してくれ」と、小銭ながら全財産を渡し、依願したところ、
裏切られ、もうボロクソ。
主人公は、農場夫人に一応目をかけられるのだけど、
そこの農場では、主人が黒人奴隷の女に懸想しており、
夫人はそれが憎くてならぬ。よって常にギスギスした空気が漂っていて、
黒人奴隷女から「私を殺して」と頼まれるも、できないと断ったところ、
しばらくして、些細なことでこの女を鞭打ち刑に、主人公が処さにゃならんくなる始末。
……と、まあ。
絶望と陰惨の中、青年バイト、カナダ人のブラピがふらっと現れて、
「奴隷制はもう廃止されるべきだよ」
なんてことを口走って、農場主と口論になる――のを主人公見て、
「俺は本当は自由黒人なんだ。助けてくれ」
と再度頼み、今度こそ救われて、家族と再会。。。めでたしめでたし。
「どうせ、感動の押し売りなんだろうけど!」
とか思うておりましたが、済みません。徹頭徹尾、陰惨でした。
陰湿でした。
酒を飲もうとしておりましたが、とてもそんな気分になれませんでした。
ズシーン、ズズーン、ドーンという感じ。
個人的には、制度として是認されている奴隷にしても、
あそこまで非道に扱えるものかという疑問が、ずっとぐるぐるしておりまして、
たとえば、「売るなら母子一緒に」と懇願する「商品」を見て、
顧客の白人紳士が「一緒にはできないか。かわいそうじゃないか」と尋ねてましたし、
「こら、うちの財産を返せ!」と、紳士が連れ去られそうになる奴隷を取り戻し、抱擁をかわしたりするのですが、
せめてそういう人が大多数じゃなくては、制度として持たないのじゃないかと思うのです。
無論、悪魔のごとき非道な奴はいたのでしょうが、
あそこまで極悪陰惨な奴ばかりじゃなかったんじゃないのと、思いたくなるのです。
映画の中で、白人の子を産み、無事に「自由黒人」となった女性も出てきましたし、
そこは公正に描かれていた気がしますが、
それにしても、人間、あそこまで人間じゃない感じになれたのですか。。。とおそろしく、
いやはや、ヘヴィー、ヘヴィー。
ガンダム「ポケットの中の戦争」個人的にはジオン方で一番好きなケンプファーが、あっさりやられたのが意外。
これもズーン、ズシーンとヘヴィーな一本。
ビデオカメラが大きいとか、公衆電話が並んでるところとか、時代を感じつつ、
こんな地味なやつを、よくつくったなあと感心しきり。
2014/05/01
ディズニー映画が人気らしいですね。
前に「プリキュア」を見に行った際に、この「雪の女王」で行列ができてて、
それがまだ話題になってるのですから、いやはや、まったくもって大人気です。
あたくしはたぶん見に行かないので、
あらすじをがっつり聞きまして、いくつか、ほほうと感心しております。
又聞き梗概。
ちがうかもしれませんが、聞いた限りを全部書きますので、
これから見るんだという人は、読まん方が良いですよ。。
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アナとエルサの姉妹がいて、姉のエルサは、触れるものを凍らせてしまうという特殊能力を持っていた。
幼い頃は仲良く遊んでいたけど、あるとき姉の特殊能力が発動して、危うくアナを殺しそうになったので、それ以降、姉は妹をつき放して一緒に遊ばない。
妹の方は、記憶障害を起こして、姉がどうして自分に冷たくなったのかが分からない。
それから何年かして、姉20歳のとき、
戴冠式をしなくちゃならんというので、引き籠もりの姉も仕方なしに外へ出てきたが、妹が通りすがりの王子様に求婚されるのを見て動揺。
隠していた特殊能力が発動して、参列者たちから「魔女だ魔女だ」と指差されて逆ギレ。
王国全部を氷に閉ざして、山に引きこもってしまう。
――この雪山への逃避の際に、有名な主題歌LET IT GO を歌う。
妹、寒いから姉を迎えに行くが、その途中で、お城出入りの御用商人と行き会って、彼とともに姉のもとへ行く。
けど姉は頑固なので妹を突き放したところ、そこで例の特殊能力が発動して、妹の胸に氷が突き刺さってしまう。
「このままじゃ妹は死ぬ。真実の愛で氷を溶かすんだ」
と言われるので、姉があたふたとお城へ戻ってみると、妹に求婚していた王子様は、王国乗っ取りを企む小悪党だったので役に立たない。
仕方なしに姉が妹のもとへ戻り、抱きしめたら真実の姉妹愛が発動して、妹復活。
王国にも春が訪れて、めでたしめでたし。
……といった感じだと聞いたのですが、
さて、いろいろ興味深い点があります。
ディズニー初のダブルヒロインとかは割と言われていますが、あたくしがおもしろいなーと思うたのは、
1)主題歌の位置
美女と野獣とか、アラジンとか、ディズニーが歌に金を惜しまないのは、毎回感心してるのですが、
この歌が、「引き籠もりはやめて、これより我は、ありのまま、雪の女王として生きるのだ!」と、
逆ギレした姉の心情を歌ってる点が、不思議だなあと思うたのです。
美女と野獣、アラジン。
どちらも、主人公たちの心が交流する、言わば一番の主題ポイントで、主題歌が流れると思うのですが、
これは、中盤の盛り上がり部分での歌。
レ・ミゼラブルでいえば、抜群に盛り上がる One Day Moreと同じ。
良いも悪いも、人気になってるので良いに決まってるわけですが、
案外、制作陣が意図した以上の、すごい歌ができてきたので、
これが主題歌になったちゅー事情があったんじゃないかなあとか思いました。
2)姉妹愛と脇役の御用商人
普通のディズニーだったら、妹を助けた御用商人が真実の愛パワーを発動させようなものですが、
姉妹愛が世界を救うた点は、まー、これは割と言われている気がしますが、不思議な気がしました。
身分違いもありますが、ここもあるいは、
製作して行く中で、案外姉妹の造形が優秀に仕上がったので、
こりゃ姉妹愛を主題にした方が良くね? とかいうので、結末が変更されたんじゃまいか、
とか思ったりしました。
3)姉の特殊能力について、解説なし
別に良いのですが、姉がどうしてこんな能力を身につけたかについては、解説が無かった模様。
というわけで、ストーリー構成としては、大穴が空いているわけです。
姉の特殊能力がもたらした災禍は、結局のところ、原因が解明されておらず、
根本的な解決は先送りにされたに過ぎない。
そんなことはおとぎ話ですし、ディズニーですし、良いのですが、
そういうものが含まれた筋書きだからこそ、上記の1も2も、
当初の方針を遙かに超える良いものが浮かび上がってきたんだろうなあと感じさせるのです。
……とまあ、実際に見ればもっといろいろ思うこともあるでしょうが、
あたくしはあの手の絵がどうも嫌いなので、人から話を聞いて、満足しておくのでした。
繰り返しますが、人気があるちゅーことは、おもしろいちゅーことで、それで良いのです。
揚げ足を取ろうが俺は嫌いだとひねくれようが、そんなものは見苦しいだけです。
ちゅーことで、あたくしの興味は、おもしろさや特色はどこじゃろな。参考になる箇所はあるかいな。
というところに尽きます。
考え込んで、作り込んで、練りに練って成形したものというのは、
案外、凡百のつまらんものにしかならないのだなあと、ふと「銀色の髪のアギト」を思い出しました。