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2012/08/16(甲府記2)

 
二日目、朝。
駅前にレンタサイクルのあることを知っていれば、
9時の開店時間を待つべく、駅前ドトールで、コーヒー、サンドイッチの朝食をとりつつ、
長編の第三章を構想する。

レンタサイクル、電動の、真っ赤な自転車なり。
武田の赤備え。自転車まで真っ赤である。
武田通りをまっすぐ北上し、武田神社へ。
甲府の町を南北に貫く道なれど、存外狭い。
山梨大学、もと武家町のあたりを通って、神社へ。
神社は、躑躅ヶ崎館の跡地に、明治年間に成立したものらしい、武田信玄を祀る。
宝物館のおばさんに聞けば、神社の正面、右側の狛犬のあたりより、富士山が見えるとのこと。
ただしこの日は天気悪く、見えず。

昇仙峡を目指す。
十キロばかり北にある、絶景の土地とのこと。
レンタサイクルのスタッフへ聞けば、
「楽勝で行けますよ」
とのこと。しかるに、
「途中でバッテリーが切れたら、ただの自転車だから」
と脅されて、戦々恐々と進むうち、股関節が痛くなって閉口する。

途中、オギノなる、地元有力スーパーで、おにぎりと水、安倍川餅を購入する。
この地は、お盆に安倍川餅を食う由。
さらに進んで、途中に八幡社、和菓子屋二軒に立ち寄る。
和菓子屋ではやはり安倍川餅を売る。
おはぎと、煎餅をそれぞれ購入して、先へ進む。

昇仙峡までは、ひたすら山道。
電動自転車とはいえ、自らこがなければ進まないため、汗ずく、
しかも日差しのきつい一本道で、焦げる。
一時間も進んで、もうこれ以上は無理だ、と思った頃に何とか到着。

夏期自動車進入禁止、観光馬車だけ通れる――とあるが、
乗用車が次々と侵入する。
いずれも品川、横浜など遠方より来た車で、ぴかぴかに磨き込まれた、
自慢の車だと思われた。

自動車は禁止、馬車は許可、さて自転車はどうなのだろう、と思いつつ、
掲示も無し、とりあえず馬車は軽車両であり、自転車も軽車両であるからにはと、
傍若無人に侵入する自動車の尻について、我が赤備えの電動自転車も侵入する。

快適きわまりなし。

渓谷の木陰を、電動自転車で進むことほどの愉悦はほかに知らない。
陸奥、奥入瀬渓谷に比べれば、谷川沿いの道は高く、
水辺より離れて進む点で、やや魅力に欠けるが、
大仏岩など、進むにつれて左右に見える奇岩の数々は、実におもしろい。
岩の大きさ、外観、全体的に武張っている印象である。
羅漢寺あり。
すべて小説に使い得る。

奥へ進むにつれて人が増えてくれば、最奥のロープウェイは断念。
中国人が写真を撮りまくる姿を眺めながらおにぎりを食うて、下山する。
下り自転車の爽快さは、筆舌に尽くせぬ。
奇声を発して下りに下れば、往路の三分の一くらいで下界へ着く。

レンタサイクルに一度戻り、バッテリーを交換してもらって、
甲斐善光寺へ。
ちなみに昇仙峡往復に、バッテリーは充分であった。
こんなことなら、エコモードばかりでなく、パワーモードで登れば良かったと、
丸太のような足を撫でながら愚痴る。

甲斐善光寺は、存外小さい。
茶店が一軒。
東日本最大の木造建築とのことだが、それより、周囲の葡萄畑がまことに印象的。
青々とした葡萄棚の中に寺がある。
それは、東光寺という、甲府五山筆頭の寺へ詣でたとき、いっそう感ずる。
すがすがしい。

スイスで見ていた葡萄畑は、ワインのための木が並んでいるものだが、
こちらはそのまま食うものを収穫する、葡萄棚が多い。
今は、小粒のデラウェアが最盛期とのこと。一軒の直売所へ入り、家へ送る。
試食、うましうまし。

返却時間まで小一時間あれば、
市街地を周り、甲州印伝を見て土産に購入し、
また甲府城へのぼる。
工事中であり、雨もぱらつきだしたため、もはや人はいないだろうと、
頂上で市街を見渡しながら安倍川餅を食っていたら、人が来て恐縮する。
この安倍川餅は、ふつうの餅である。
一切れで腹がふくれるというものが五つもあり、
どうしてくれようと、途方に暮れる。
結局、二つ食って袋へ戻す。

夜は、名物の鳥もつ煮を求めて、
これまた駅前、小作のすぐ近くの、奥藤本店へ。
ここが、B1グランプリへ参加した店とのこと。そば屋である。
鳥もつ煮は、そば屋の一品料理が発祥。
味の濃い、醤油からいたれに、鳥のレバーやらハツなどが煮込んであり、
美味なれど、奥深くはなし。
定番メニュを頼めば、盛りそばに、白飯、鳥もつ煮、冷や奴が出てきて腹一杯である。
餅を食うたせいである。

 

2012/08/16(甲府記3)

 
三日目、八月十四日火曜日。
この日は朝早くの身延線で、富士宮を目指す。
7時19分発。
この時間であるし、お盆期間だから混雑することはあるまい、と予想したところ、
やはりガラガラであった。

朝食に、駅構内のパン屋で、サンドイッチとコーヒーを求め、
安倍川餅とともに車内で食う。
客少なければ、平気である。

石川淳選集、夷齊筆談というような随筆を読み始めるが、
これは時代が違って閉口。読めなかった。

外は次第に雨、激しくなれば、昨日でなくて良かったと思いつつ、
身延を過ぎ、富士宮で下車するころには、土砂降りになっており、
富士山浅間神社へ詣でようという心づもり、
さてどうしようかと、駅舎より大雨の外を見て茫然。
しかるに、東海道線が浜松あたりで不通になっており、新幹線まで止ったと、
掲示されていたため、富士宮やきそばくらいは食わねばと、
大雨の中、小さな折りたたみ傘でとぼとぼと歩いて行く。

富士宮には、浅間大社と、もう一つ、大石寺という名所がある。
日蓮宗の古刹である。
というより、創価学会がもと属していたところ、と言った方が分りやすい。
日蓮宗は、前述したとおりまことに積極的、攻撃的な宗派であり、
このせいであろう、内部対立も時に激烈。

付け焼き刃ながら、wikipedia等で読んだところによれば、
日蓮の高弟の一人が、師の亡き後、内部対立によって身延を出て(追い出されて)、
富士宮付近へ下り、大石寺を拓いたとか。
戦前、創価学会の前身なる、法華講の一つが熱心に活動、
戦後やがて莫大な財貨を寄付したため、大石寺の日蓮正宗は一時、大いに賑わうも、
やがて創価学会の法華講と、大石寺の法主側と仲違いして、正宗から破門、
一気に金づるを失った上に、別の一派もこのころ分離独立、
これに加えて、従来より身延に残っていた弟子の系統と、大石寺派との対立もある、
と、日蓮宗は一朝一夕には、読み解くのすら出来ないほどに複雑に入り乱れている。

で、大石寺には過去、創価学会の寄付による、広壮な建造物が幾つもあり、
偉容を誇っていたのだけれど、破門した奴らの建物なぞ残しておくな、
とばかりに破却、解体して別の建物を建てるなど、
傍目には平安時代の僧兵騒動と変らぬ有為転変がある由、これは是非見ておきたい――、
と、のんきな物見遊山詣でしようと思うたら、
お盆休みは、バスが一日一往復。
熱心な日蓮宗徒が休む折に、とても私などが行ってられぬと、
あきらめて、富士宮やきそばを食うて帰りつく。
美味なれど、ふつうの焼きそば。

電車は割とわりと早く復旧していたようだが、遅延あり、本数減少につき、
乗り心地最悪。
ぎゅうぎゅう満員の、立ちっぱなしで帰着して、疲労困憊。

懲りた山梨。
そういえば、毎度風土女性の美を見るに、
これも武田騎馬隊のごとしと、苦笑する。
お盆観光客かもしれず、美人も多いだろうが、まあ、勝手な印象。
 
その他、余事ながら。
山梨の人、富士山は山梨のものとする。
東海道の人間、富士山は海側から見るものなので、甲府駅にて、
山稜の上に富士山を配するモザイク画を見て、なるほどと思う。

武田の武将祭における、武者行列は世界一とのこと。
赤備えの一行。
これもまた、武田武田。

干しぶどうは、国産のもの稀なり。
物産センターのようなところへ行くと、
「高温多湿の日本では、国産の干しぶどうは作れません」云々と掲示。

武田軍記は、江戸初期から盛んになる。
今有名な記録、絵図などの大半は、江戸時代のもの。
空想の産物でもあるまいが、戦国・武田信玄直接の遺物は、存外少ない由。
それゆえ、多分に理想化されている。 
 

2012/08/10

気づけば8月10日。
オリンピックやってます。

わあわあ騒がしい、特に陸上競技を見ていると、
「バキ」に出てくる範馬勇次郎が思い出されて仕方がありません。
ぼんやりした記憶ですが、
「技術・鍛錬など弱者のすることだ」
「強者とは常に強者なのだ」
というような台詞(実際、こんなこと言ってないのかもしれません)。
徹底的に鍛えた技の極致が、
オーガという最強生物の、技術もない、ただのぶん殴りに粉砕される。。。的な。

TV取材の品の無いことは、あちこちで言われていますが、
あたくしのメモ:
選手インタビューで「そうですね」が多いのは、同じ質問が繰り返されるせいかもしれない。
勝利者インタビューを受け、あっちのTV局へ出た3分後にこっちのTV局へ出て、
「すばらしい試合でした!」と、またまた褒められたら、
「ソーデスネ」
と言うしかない、のかもしれません。

「4年後を見据えている」
日本国内には、彼のために代表候補を逃して臥薪嘗胆、
4年後を期している人がたくさんいると思われます。

だいたい柔道の終盤で、飽きる。
「おお、オリンピック始まった!」
と、わくわくして柔道を最初の数日見て、
だんだん太った人が出てくるうち、まだやってる、、、と思うようになって、
後半、陸上が始まるころには、日本人が情けないこともあって、
まー、どっちでも良いや、と思いはじめる。

結局、一番の気合が入っている人が、一番を取ってるような。
柔道で唯一金を取った人なんて、範馬勇次郎でしたし。


というわけで、長編は第二章が終了したところで放置。
若干、
「何だか気乗りしないぞ」
という懸念も出てるのですが、
間もなく山梨へ行くので、その往復で、さっさと書き上げることができたらと思います。
 

2012/07/30

 
めでたく「熊太郎社由緒」初稿が書き終ったので、
昨日はいそいそと、信長の野望をやろうとして気が乗らず、
太閤立志伝を始めたら楽しくて、日付が変ってもやめることができませんでした。

というわけで、「熊太郎」のやつは、どうせ言葉直しに時間を費やすので、
とうぶん放置。
で完成したら一度、熊太郎社へ参詣、
ぺこぺこ頭を下げておかないと、たいへんなことになるかもしれません、
と昨日祖母宅を詣でておいて、熊太郎社前を素通りしてしまった。

2ヶ月後にはPS3を買っているので、
ゲーム売場などを見て回るのが楽しい今日この頃、
おっもしろそうなゲームがたくさんあって、すごいなあと感心しております。
金に窮しているわけでもなく、
さっさと買ってしまっても全然構わんのですが、
いやいや、
あと1ヶ月余、このわくわくもどかしい感じを楽しもうと思います。

で、長編も続けてまして。
しかし「学園ミステリ」をやっているのですが、
何ちゅか、チャンバラが無いと、今ひとつ、作者的に盛り上がれず、
うまい感じに、格闘場面を入れられないかなあと思案。

書いたように書かれるのですから、何だって良いのです。


2012/07/27

 
というわけで長く苦しかった、「熊太郎神社由緒」も今週末終りそう。
長く、といっても一ヶ月に満たない期間ですけど、
何ちゅか、20枚ばかりの短編に、これほど時間を要したことは無いので、
とにかく疲労感。

疲労ちゅか、徒労感。
「現代語→古語」の辞典を寄越せと内心何度も叫びつつ(あるのか?)、
自分の宇治拾遺ブログ内を検索して何とかお茶を濁すばかり。

実際のところ、中高生古語辞典なぞは、あんまり役に立たず、
宇治拾遺に出てくる用法が載っていなかったり、解釈が物足りなかったりするのですが、
まー、とりあえず、やった甲斐だけはあるだろうと、ぼんやり。

そんなこんなで、昨日、「電撃PS」の最新号を購入。
PS3を買うと決めているので、何ちゅか、そのための前準備。
何かを手に入れるに際して、そういう事前の昂奮は、良いものです。

幼少時、あるいはそれ以前を思えば、
貧乏、というほどでないにしても、万、易々と購入できるものはなかったので、
ファミコンにしても家電にしても、
「これを買う! それで買ったら、あれして、これして……」
と、買う前は、やたらと、わくわくしていた気がします。

で、今時は、貧乏というほどでないが金は無い、という状況は変らぬものの、
家電にしても何にしても、相当に安くなっているので買いやすく、
また、だいたいのものはすでに揃っているので、新製品に買い替えるにせよ、
「これを、とうとう、買うのだ!」
などという、むやみ昂奮は起きにくい気がします。

ノートにすごろくを書いていたところへ、ファミコン様が入来される昂奮と、
PS1やら、Wiiも楽しんだ後で、PS3が増える、ちょっとした変化。

まー、なるべく事前にわくわくしておきたいと思います。
(さもなくば、びっくりするくらい早々に飽きてしまうので……)
 


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