閉じる


はじめに

最近、脳科学の発達によって脳の働きはずいぶんと解明されてきているようです。それに伴って、脳を鍛えるパソコンソフトや脳科学の本などもいろいろと出回るようになりました。これを読んでいるあなたも自分の脳の働きがどうなっているか興味があるからこの本を買ったのではないかと思います。また、脳科学の発達によって以前は全く治療の方法がなかった心の病気にも解決の方法が出来てきました。それだけでなく病気まで行かなくても辛い状態を緩和する方法本当等もいろいろと考え出されるようになっています。本当に科学の発達はすばらしいと思います。しかし、肝心の心や精神についてその本質は何なのか、と言ったことについては全くの白紙状態と言っていいと思います。自分自身の心が何であるか、について考えるときになぜ壁に突き当たってしまうのか。それは、皆が思い違いをしてしまっているのではないでしょうか。この本では、心とは?精神とは?と言う事について私の考えを書きました。私の考えは現状の心理学や脳科学とはいろいろな部分で違いがあります。この違いについてどちらが正解かは私には判りません。従って間違いも多々あると思います。しかし細かい部分にとらわれるのではなく、考え方全体の方向性がどうなのかについて考えて貰えればと思います。そして、この本が間違いだらけであると思ったとしてもこういう考え方があると言う事を知って貰いたいのです。そしてこの本を読んだ人たちに十分な検討、議論をしていただき、その結果どういう結論になるかについて知りたいと思っています。

本題に入ります。
まず心とは現在どう考えられているのかウィキペデアで調べてみました。

 

心(こころ)、この言葉は非常に多義的・抽象的であり、話者や文脈に応じて多様な意味をもつ。

 

となっています。これではよくわかりませんが、その後の文面を読むと、”「こころ」は、「意思などが宿る何か」”と言った所ではないかと言う事のようです。このまま話を進めても”心”について別々の事を思い浮かべてしまっていたら話になりません。そこで一応この本の中での心を定義しておきます。

 

心とは本人が自覚し制御できる脳の活動

 

であると言う事にします。しかし、脳の活動は自覚できる事だけではありません。皆さんも知っている潜在意識があるからです。そこで、潜在意識を含めた脳の活動を”精神”と呼ぶ事にします。イメージと違うと思われる方もいると思いますが、この本の中ではそういう事にしてください。

また、この本では人間の本能についても私の考えをいろいろ書いています。しかし本能もいろいろな解釈が出来る言葉ですのでこれも定義を決めておきます。通常、本能とは生物が種として生まれつき持っているある行動へ駆り立てる性質のことを言いますが、ここでは”一つの種が持っている”性質ではなく、個人がその人固有に持っている”ある行動に駆り立てる性質”と考えて下さい。その人の遺伝子が発動することによって生まれた"性質”です。つまり、人が種として持っている本能ではなく、一人一人が自分の遺伝子の影響によって心や行動に与える影響のことを本能と呼ぶことにします。
あなたが人間の心についてどう思っているのか私には判りません。しかしこの本を読んで少しでもそのヒントになる何かを掴んでもらえれば、私にとっても嬉しいことです。


« 前の章