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きつねとすてきなおばけランプ

 
おばけ「どうしたんだい? 仮装も すんでないじゃない!」
 
---男の子は、部屋の隅で ひざを抱えたまま。
 
おばけ「今日はハロウィンじゃないかっ」
 
男の子「だって…。」
 
 
おばけ「お菓子が欲しくないのかい?」
 
男の子「怖いんだもん。暗いお外…、」
 
おばけ「だったらボクを、つれていけばいいよ」
 
おばけ「ランプ代わりに、からだを光らせてあげる!」

 
 
男の子「そんな! キミを見たら 大人は驚いちゃうよ…。」
 
おばけ「なに言ってるんだい?! その為のハロウィンじゃないかっ!」
 
---そう言って、おばけクンは 杖の先にぶら下がると、
   人形のふりをしました。
 
 
おわり

                       文:かりん 絵:curamix     

魔女はカボチャランタンの夢を見るか?


    
    
「ねえ。カボチャランタン」
「なんでげしょ」
「ハロウィンに見るとおめでたい夢って知ってる?」
「はて?聞いた事がありませんな」
「一魔女二蝠(ふく)三カボチャっていうらしいんだけど」
「それはなんでげすか?」
「一魔女はあたし。ハロウィンからあたしの夢を見るなんてみんな当然幸せ者だわ」
「はあ、で、蝠ってなんでげすか?」
ポカッ!
「わ、いきなり痛いでやんす」
「魔女の話しをサラッと流すからよ!ま、いいわ」
(立ち直りが早いでやんす)
「蝠ってのはね、コウモリの事よ『コ・ウ・モ・リ』。蝙蝠って漢字に入ってるでしょ?中国語で福と発音が同じなのでおめでたいってアジア圏で絶対的に人気だわ」
「ほー。そうなんでげすかー。流石魔女ですなー。知識が深い」
「ふっふーん。見直した?」
「へい」
「それはそうとして、問題はなんで三番目におめでたいのがカボチャのあんたなのかよね」
「それをあっしに訊かれても・・・」
「それに夕べ見ちゃったのよ」
「へ??」
「あんたの夢」
「・・・」
                               絵 : ぼたん 文 : Leo  

え、去年?知らないよ、そんなの


   
魔女「ふっふっふー、今年もたーっくさんお菓子かっぱらってくとするか!」
魔女弍「去年って、収穫0だった覚えがあるんだけど」
魔女「………。私はなーんにも覚えてないよーぅ?気のせい気のせい!!」
魔女弍「…巻き込まれるこっちの身にもなってほしいよ、全く」
  

                    絵:退部沢梶由紀 文:77881
  

あの子はだあれ

  
  
ハイクむらの ハロウィンは いつも お菓子が 一つ多い
子供が 六人 お菓子の袋は 7つある 
子供が 四人 お菓子の袋は 5ついる 
いつから? むかしから
今年の子供は 三人だけど 村人たちは お菓子の袋を4つ用意 
なんのため? 
むかしむかしの子供のため あしたのあしたの子供のため 
お菓子くれなきゃ いたずらするぞ 
いまのいまの子供達と いつかのいつかの子供が一人
夜道を一緒に歩いてきたよ
 
   
              
文:depthoffield・絵:tsukikusa4513

わたしのドレス

  
「どうしてこのドレスじゃダメなの?」
ママはリングに上がったプロレスラーみたいに腰に手を当ててため息をついた。
「とっても似合うと思うわよ。この間の発表会のドレスみたいじゃない」
わたしはふくれっ面のまま黙ってうつむいていた。
蝉の羽根のように薄く淡い色の妖精のドレスは、確かにバレエのドレスと似ていた。
おばあちゃまとおじいちゃまはセンスがいい。とってもすてきだと思う。でも。
「・・・黒い魔女になりたいの」
思い切って言ってみた。
「黒い魔女の子なんていっぱいいるわよ? きっと誰が誰だかわからないくらいだわ」
「でも、魔女がいいの」
「こんなに手の込んだ衣装なんて、誰も着てないわよ。ちょっと着てみたら?」
着てみたい気持ちはあるけれど、ここで袖を通したらママの思うつぼだ。
わたしは唇を噛んで首を振った。

パパの暗室から持って来た黒いシーツを広げてわたしは考える。
これを自分で縫えたらな。魔女の帽子と魔女のマント。黒いぶかぶかワンピース。
そして誰にも気付かれずに、こっそりあのこの後ろを歩けたらいいのに。
長い髪を帽子に隠して。
 
     

                  文:くたびれはてこさん 絵:papaさん



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