閉じる


百枚のガラス

あなたを癒したい
何も出来ない自分が辛いよ

 

 

何故あなただけがそんな目に遭うのだろう
私が笑っているあいだに
今日もどこかで窓ガラスが割れる

 

 

気楽に生きてきたから 励まし方のひとつもわからない
つまらない自分
気の利いた言葉さえあげられない
20何年も生きてきて
機械の歌声よりもっと
私は誰ひとり変えられない

 

 

あなたに届け
たいして力になれないけど
あなたに登る朝日が
今日と少しでも違うものでありますように

 

現状を変えたい
このまま終われない
一日に百枚のガラスが割れるなら
私は一枚のガラスを拾い集めよう
そのために指を切ってもいいよ


 

 

世界中の人を癒してあげたい
焼け野原に種を配って歩きたい
心の中のあの人が いつかしてくれたように

 

いつでもいいよ
これからでも絶対遅くない
人生は強く願った時 初めて変えられるんだ…

 


真昼の流星

ゆっくり走る 真昼の流星のような飛行機を
いつまでも見つめていた
街路樹の向こう 秋の気配が顔を出す

 

何事もないけれど 一日が終わってゆく
何事もないのが一番と人は言う


 

 

山の端が オレンジ色に染まる 日没後の空
何てことないけれど いつまでも見ていたい
ありふれたもの 普通のものこそが
一番美しいのかも

 

 

ありふれた毎日 普通の毎日に
現れた真昼の流星
どうしても私達は夢見てしまう
もう一度現れないかと

 

 

 


桜の葉がオレンジ色になって 土の上に落ちる
薄紫色の名もない花が咲いてる
あの流星がもう一度見れますように
風の中で 西の空を いつまでも見上げてる

 

 

ありふれた毎日 普通の毎日に
焦る気持ちもあるけど
それもまた包み込んでくれる
普通でありふれたものたちの美しさ


 

 

特別はすぐに終わってしまうけど
ありふれたものはいつも変わらない
君に私にとっての普通になってほしい
手を振るたびそう思うよ


 

 

いつの間にか 外は真っ暗
優しい色の三日月が浮かんでる

 

ありふれた毎日 普通の毎日に
現れた真昼の流星
特別なものはいつも美しいけど
あんなふうに消えたりしないで
ありふれた景色 繰り返す毎日のようにさりげなく

そばにいてほしい


ジャケット

買ったばかりのジャケットを羽織った
ひんやりしたデニムが気持ちいい
秋になって変わったことは
君に新しい彼氏ができたこと

 

どうして僕は嫌われるのだろう
平地に住んでるのに
人は特定の人にばかり集まって 僕はひとり

 

 

このジャケットは僕を受け入れてくれた
感覚でなんとなくわかる
このジャケットを着て外へ行ったら
誰か振り向いてくれるかな

 

 

 

どうして僕は嫌われるのだろう
君がいてくれて本当に良かった
新しいジャケットを買っても
見せる相手がいないと余計悲しくなるから


泣いたことがないわけじゃない
でも泣いてる場合じゃない
見たい秋の景色 出会いたい人
この世界にはまだたくさんいるから

あきらめたくない
新しいジャケットに願った
孤独な一本道から僕を連れ出して…


 

 

このジャケットを着ていったら
君は「変わった」って言ってくれるかな
変わりたい
どんな小さな変化であっても

 

このジャケットを着て外に行ったら
誰か受け入れてくれるかな
乾いた襟が「大丈夫」って言ってくれた気がした
ドアを開けたときの風に吹かれて

 

 

このジャケットと出会えて良かった

 

君がいてくれて 本当に良かった


パズル

絵にサッカーボールをぶつけて 壊してしまった子供達
でもすぐに忘れて帰ってしまった
どこにでもある風景

 

子供ほど卑怯な存在はないんだ
年のせいにして何もかも許されるから

 

絵は壊れてしまったら もう元には戻らない
張り合わせてもそれはパズルにしかならないのに
またすぐに壊れてしまうのに
誰もが気付かないふりで忘れようとする
「もう治っただろ」って僕を責める


 

忘れないで
僕はもう壊れたようにしか生きられない
僕の身体はひとつしか無いんだ
あなたにはわからない
僕の怒りがどんなものか…

 

 

 


壊れたパズルは動かせない
動くと簡単に崩れてしまう
動かないと何もできない
就職も、学校へ行くこともできない

 

心にふたをして 将来の事を考えないようにした
そうしなければ、集めたパズルが
また粉々になってしまいそうだから
いつものようにずっと寝てた

 

 

生きてるだけマシだよ
なんとかなるさ
全ての重荷を引きずって、前を向いて生きていく
壊れたパズルらしい生き方がきっとある


 

 

この怒りを 記憶の中のあのガキに思い知らせてやりたい
あのとき割った絵がそのあとどうなったか…
子供の頃の事を思い出してみてほしい

 

気付かないだけ
あなただけが部外者じゃないってことを

 


運命からの逃亡

運命が迫ってくるのが怖くて 後ろを見ないフリをした
走ってどこまでも逃げろ
あんな運命 ありえないぜ
俺がホームレスなんて永久にありえない
なかったことにしてやる

 

 

俺にはまだ能力があるんだ
無駄に過ごした時間だって 何もしてなかったわけじゃない
ただ失敗をしてきただけさ
まさかここで本を閉じるなんて言わないよな?
話はまだ終わってなんかいない
運命に捕まるのは今だけだ
運命が俺に手錠をかける
絶対に脱走してやる…

 

それまで待ってろ
いつかそこで笑ってるお前らを見返してやるのさ


 

ハッピーエンド以外は認めないさ
俺が孤独死なんて永久にありえない
さなぎが蝶になるようにここから飛び立って
運命から逃げ切って いつかお前らをがっかりさせてやる
それまで何とか生き延びるんだ
運命にどこへ連れて行かれても…

 

いつか必ず

運命を変えてみせる



読者登録

あめのこやみ(おけちよ)さんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について