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6 かわいい ワンコちゃん

 えっ、 そんなワンコちゃんには みえないって? でもほら、 いまは アリスのほうが ちっちゃくなっちゃったから。 そういうわけで ワンコが おっきく みえる。 しろウサギの おうちで みつけた ちいさな ふしぎな パンケーキ、 それを ひとつ たべた アリスは ぐんぐん ちいさくなって そのまま ドアを とおれるようになってね。 そうでないと もう おうちから そとへ でられないところだった。 かわいそう、 じゃない? だって これから はなす へんてこな ことなんて ゆめにも おもってなかったんだもん。
 とにかく ほんとは ちいさな ワンコ、 ね。 かわいい ペットじゃ なあい? なら ちょっと このようすを みて、 アリスの さしだした ぼうきれに ほえてるよね! ほら アリスも ちょっと こわがってる、 ずーっと。 だって でっかい アザミの かげに かくれてるし、 こっちに とびかかってくると いけないからね。 そうなったら 4とうだての ばしゃに ひかれたのと おんなじくらい アリスが ひどいことに なっちゃう!
 ペットの ワンコちゃん きみの おうちでも かってる? いるなら いつも イヌに やさしく、 ちゃんとした えさを あげてると いいんだけど。
 むかしむかし あるところに ぼくの しりあいの こどもたちが おりました。 せのたけは きみと おなじくらい。 ペットに ワンコを かっておりました。 なまえは ダッシュ。 これは そのこどもたちから きいた、 たんじょうびの ごちそうを あげたときの おはなし。
「しってる? あるひね、 そういえば きょう ダッシュの たんびょうびだって なって、 いったの。『ダッシュに たんじょうびの ごちそうを あげようよ。 あたしたちも たんじょうびに もらうでしょお?』 でね、 いっぱい かんがえて 『じゃあ なにが いちばん いいかな、 じぶんたちの たんじょうびなら?』 でね、 また いっぱい かんがえて さいごに みんなで ひとつに きめたの。『じゃあ オートミールの おかゆだね、 ぜったい!』 だからね、 ダッシュも ぜったい きにいるって おもったの。
 おてつだいさんの とこに いって、 ひとさら おかゆを つくってって いってね、 それから ダッシュを おうちに よんできて いったの。『さあ ダッシュ、 おたんじょうびの ごちそう あげる!』 ダッシュが よろこんで とびはねるって おもったのに、 なのに かみついてきて!
 だから まえに おさらを おいて、 いったの。『もう ダッシュ、 がっつかないの! いいこだから おとなしく たべて!』
 で、 ダッシュ ぺろぺろって したを つけたんだけど、 そうしたら、 その、 とんでもない かおに なっちゃって! でね、 あのね、 だいきらいだって、 もう ちっとだって たべるもんかって! だから あたしたち スプーンで ぜんぶ のどに ながしいれなきゃいけなくって!」
 アリスも この ワンコに おかゆを あげるのかな? するとは おもえないけどね。 そんなの どこにも もってなかったし、 さしえにも おさらが ないしね。

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最終更新日 : 2011-09-17 18:08:58

7 あおムシ

 ワンコから にげだしたあと、 アリスが どうなったか しりたい? ほら じゃれるには ほんと おおきすぎる どうぶつだったからね(たとえば カバの こども。 いっしょに たのしく じゃれられる? むりだよね、 きっと でっかい あしで ずどんと パンケーキみたく ぺしゃんこに されちゃう!)。 だから きづかれずに にげだせたとき アリスは ほっとしたんだ。
 で、 あちこち うろついたんだけど、 なにを したら もとの おおきさに もどれるのか さっぱりで。 そりゃあ なにかを のみくいすれば いいんだろうけど。 これまでも そうだったしね。 でも それが なんなのか おもいも つかなくって。
 そんなとき ふと あらわれたのが でっかい キノコ。 せたけが たかくて つまさきだち しないと てっぺんに あるものなんて みえなくって。 で なにが みえたと おもう? こんなの ぜったいに いいあてらんないね!
 なんと おっきな あおムシ。
 いまから はじまるのが アリスと あおムシの おはなしなんだけど、 まずは このさしえを よく みてね。
 あおムシの まんまえに おいてある へんてこなのは みずギセル。 けむりを すうために つかうんだ。 ながい くだを とおって けむりが、 へびみたく うねうね やってくるってわけ。
 で、 あおムシの ながっぱな、 しゃくれあご、 わかる? というより、 はなみたいな あごみたいなもの、 が ただしいかな? ほんとは あしのうちの ふたつなんだけど。 ほら イモムシは あしが たくさん あるよね。 そのしたを みてくと どんどん ついてるし。
 きっと めんどうだと おもうんだけど、 あおムシは まいばん なくなってないか あんなに たくさんの あしを かぞえるんだって!
 それに すっごく めんどうだと おもうんだけど、 どのあしから うごかしたらいいか きめなきゃいけないんだってさ。 なんせ 40も 50も あしが あるから、 ちょっと あるくにしても どのあしから うごかしたらいいか きめるだけで それなりの じかんが かかって、 もう あるくどころじゃないよ!
 ともかく アリスと あおムシ いったい なにを おはなししたんだろうね?
 その、 アリスは いったんだ、 おおきさが いろいろ かわって もう わけが わからないって。
 すると あおムシが、 ちょうど いまの おおきさ、 これを どう おもうって きいてきてね。
 アリスの へんじは、 もうちょっとくらい おおきくなりたい ―― 8センチじゃあ あんまりな おおきさだって!(8センチを はかってみるとしたら なかゆびくらいの おおきさかな、 ほら このときの アリスが それくらい。)
 そこで あおムシが おしえてくれて。 キノコの かたはしを たべると おっきくなって、 もうかたはしを たべると ちっちゃくなれるぞって。
 なので アリスが ふたきれ ちぎって おそるおそる くちに いれると、 まあ けっこう いいかんじの せかっこうに なんとか なれてさ! ようやく ごぜんさまのところへ むかったんだ。

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最終更新日 : 2011-09-17 18:08:58

8 ブタの あかちゃん

 アリスが ごぜんさまのところへ うかがった おはなし、 ききたい? ほんとに おもしろい おうかがいに なってね。 きたいして いいよ。
 もちろん はじまりは ドアの ノック。 でも だっれも でてこなくって。 だから じぶんで あけることに。
 さあて さしえに めをやると、 なかに はいった アリスの めに とびこんだものが ちょうど わかる。
 ドアが まっすぐ だいどころに つづいていてね。 ごぜんさまは おへやの まんなかに すわって あかちゃんを あやしてる。 あかちゃんは わんわん。 スープは ぐつぐつ。 コックさんが スープを まぜまぜ。 ネコ ―― チェシアネコが ―― にやにや、 チェシアネコは いっつも そうなんだ。 アリスが はいってきたときは ぜんぶが こんなぐあい。
 ごぜんさまは すてきな ぼうしと ガウンを みにつけてる、 よね? でも ざんねんながら かおは あんまり すてきじゃあなくって。
 あかちゃんは ―― まあ きみだって もっと かわいいこ みたこと あると おもうんだけど、 その、 もっと おとなしいこ、 ね。 でもね いま よおく みておいてね、 つぎ でてきたときに わかるかどうか たしかめるから!
 コックは ―― まあ もっと うでききの コック ひとりふたり あったこと あるかもね。
 でもでも きっと これより ものすごい ネコは みたこと ないはず! だよね? ちょっと こんなネコちゃん かってみたくない? みどりの めが あいらしくって、 えがおも とっても かわいくて。
 ごぜんさま アリスには ひどく ぶしつけで。 まあ しょうがない。 その、 じぶんの あかちゃんなのに 「ブタ!」とか よぶくらいだし。 ブタじゃない、 よね? あと コックに アリスの くびを たたっきれって いいつけたんだけど、 もちろん そんなこと コックは しなくて。 さいごには あかちゃんを こっちに なげつけてきてさ! だから アリスは あかちゃんを うけとめて、 つれだしたんだ。 そうするしか なかったと おもう。
 というわけで おうちから はなれて、 もりを ぬけて、 かわいくない そのあかちゃんを かかえていってね。 すごい じたばたしてたから つかまえておくのも ほんとに たいへんで。 でも さいごには ひだりあしと みぎみみを ぐっと つかめば いいって きづいたんだ。
 でも ふつうの あかちゃんを こんなふうに つかんでみちゃあ いけないよ、 めっ! こんなふうに あやされたい あかちゃんなんて あんまり いないからね!
 さて、 あかちゃんは ぶーぶー いいつづけてるわけで。 だから アリスも まがおで いわなきゃいけない。「もし ブタに なっちゃうんなら もう なんにも してあげなくてよ、 いいこと!」
 って おわりに かおを のぞいてみたんだけど、 いったい どんなことに なってたと おもう? さしえを ごらん、 こたえあわせ。
「えっ、 アリスが あやしてるの、 あのあかちゃんじゃ ないよ?」
 ほおら、 やっぱり わかんなかった。 だから よく みておいてって いったのに! うん、 これが あのあかちゃん。 こブタに かわっちゃったんだ!
 なので、 アリスは したに おろして、 もりのなかへ はなしてね。 そこで ひとりごと。「ほんっと かわいくない あかちゃん! でも ブタに なったら ちょっとは ましかも。」
 そのとおりだと おもわない?

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最終更新日 : 2011-09-17 18:08:58

9 チェシアネコ

 ひとりぼっち、 ひとりぼっち! かわいそうな アリス! あかちゃんどころか ブタも もう いっしょじゃない!
 そんなとき チェシアネコが あたまのうえの きに やどってたもんだから、 とっても うれしかったこと わかるよね。
 たしかに ネコは とっても すてきな えがおなんだけど、 ちょっと みて、 はが ぎっしり! アリス すこしだけ ひいてない?
 うん、 まあ、 すこし。 でも やっぱり ネコだって はは いるわけで。 それに いらいらしてたら なるべく にやにやは しないしね。 だから それなりに アリスも うれしくって。
 アリス とっても おすまししてなあい? あたまを すっくと もたげて、 りょうてを うしろに まわして、 まるで ネコに ものを おしえてるみたい。
 そういえば おしえておきたいことが ちょっと あるんだ。 アリスと ネコの このさしえを みておいてね。 さあて へそを まげないでね、 おねがい! ほんの まめちしきだから!
 きの そばに、 キツネノテブクロが あるの わかる? これ、 どうして キツネノテブクロって いうか しってる? もしかして キツネと かかわりあるとか おもってる? まちがい! キツネは てぶくろ はめないよ!
 もともとは 「こびとの てぶくろ」って いったんだ。 でも 「こび」って きつねの ばけものでも あるからね。
 ここで まめちしきは おしまい。 いらいらが おさまるまで ちょっと まってるね。
 どう? すっかり おちついた? もう だいじょうぶ? くちの すみも ひんまがってない? じゃあ つづきを。
「チェッシャにゃん!」って、 アリスが よんでね。(ネコにしては すてきな なまえじゃなあい?)「おしえてちょうだい、 ここから どちらに いったほうが よくって?」
 すると ネコは、 ぼうしやの ところへ いきたきゃ こっちの みち、 やよいウサギだったら あっちの みち、 って おしえてくれてね。「どっちも へんにゃ やつ!」って ネコは いうんだけど。
 そのあと ネコが きえちゃって! まるで ロウソクの ひが きえるみたいに!
 まあ アリスは やよいウサギのほうへ あるきだすんだけど、 すすんでいくと また そこに ネコが いてさ! そんなに すぐ でたり きえたりは いやだって いってやったんだ。
 すると こんどは ネコも きえるのが すっごく ゆっくりになって、 はじめが しっぽ、 さいごが にやにや。 へんてこじゃあない? ネコが いなくなってるのに、 にやにやが あるなんて。 みてみたい?
 このページの すみを めくってみたら、 にやにやを みてる アリスが でてくるよ。 ネコを みてたときよりも、 ちょっとだけ びくびくしてない、 かな?

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最終更新日 : 2011-09-17 18:08:58

10 おかしな おちゃかい

 これは おかしな おちゃかい。 チェシアネコと わかれたあと、 アリスは チェシアネコの おしえてくれたとおり、 やよいウサギと ぼうしやに あいにいったわけ。 みつけたとき そいつらは おおきな きのしたで おちゃかいをしていてね。 あいだには ヤマネも すわっていて。
 テーブルに ついてたのは この3にんだけだったんだけど、 そのまわりには ずらりと ティーカップが ならんでてね。 テーブル ぜんたいは みえないけど、 ほら さしえの ぶぶんだけでも カップが 9こも あるよね、 やよいウサギの てにあるのも くわえると。
 そいつが やよいウサギ。 みみが ながくて、 かみに わらが ぐちゃぐちゃ からまってる。 わらが あるって あたまが おかしい しるしだからね ―― なぜかは わからないけど。 ぜったいに かみのけに くくりつけちゃ だめだよ。 ひとに あいつの あたまは おかしいって おもわれるからね!
 それから テーブルの はしに すてきな みどりの アームチェアが あったんだけど、 それが まるで アリスの せきみたいに みえてね。 だから そこへ いって こしを おろしたんだ。
 そうして やよいウサギと ぼうしやと ながなが おはなしを して。 ヤマネは あんまり しゃべらなかった。 ほら いつも ぐっすり ねむってるからね、 たまに ちょっと おきたりするだけで。
 ねむってるぶんには やよいウサギにも ぼうしやにも つかいがってが いいんだよ、 だって あたまが まるくて ふかふかだから、 まくらみたいで。 ひじを ついても、 もたれかかっても、 きがねなく はなしを しても いいんだ。 ふつうは あたまを まくらがわりに されるのなんて いやだよね? でも ヤマネみたく ぐっすり ねむってたら、 きづかないよ。 だから きにならないんじゃ ないかな。
 ざんねんながら アリスは のみもの たべものを すこしも もらえなくって。 でも しばらくしたら おちゃも バタートーストも ごじゆうに どうぞ ってことに なって。 ただ いったい どのせきで たべたんだろうね、 そもそも おさらじたいが ないし。 おさらが あるのは ぼうしやだけで。 いや、 きっと やよいウサギにも あったかも。 だって みんなで じゅんぐり せきを かえたら(それが このへんてこな おちゃかいの きまりだからね)、 つぎに アリスが すわるのは やよいウサギの せきだし、 そのとき ウサギが じぶんの おさらに ミルクつぼを ひっくりかえしてるって きづいたみたいだし。 きっと おさらと ミルクつぼは おっきな ティーポットの うらに かくれてたんだよ。
 このぼうしやは いつも うりものの ぼうしを もちあるいていてね。 あたまに のっかってるのも そもそも うりもの。 ほら、 ねだんが ついてるよね ――「10」と 「6」―― これは 「ぎんか10まい どうか6まい」ってこと。 こんなの へんな うりかたじゃない? あと きれいな ネクタイをつけてない? ほら いいかんじの きいろい ネクタイ、 あかの みずたまいり。
 そいつが たちあがって アリスに ひとこと。「かみを きりたまえ!」 おおきな おせわ、 だよね? アリスの かみって きらなきゃいけないかな? とっても かわいらしい ながさだと ―― ちょうど いい ながさだと おもうんだけど。

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最終更新日 : 2011-09-17 18:08:59


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