閉じる


<<最初から読む

4 / 17ページ

3 なみだまり

 もしかして アリスが たのしんでるとか おもってる? ちいさい パンケーキを たべて きづいたら とんでもなく おっきくなってたからって。 そりゃあ なんなく ガラステーブルから かぎを ひろえるし、 ちっちゃな ドアも あけられるけど。
 うん そりゃあ できるとも。 でもね、 とおれないのに ドアを あけて どうなるって いうの? ひどいってもんじゃないよ、 かわいそうに! あたまを ゆかちかくまで ひくくすれば、 かためで なんとか のぞけるくらいなんだ! でも できるのは それだけ。 こう おおきくなってしまうと、 すわりこんで、 むねが さけそうなくらい おおごえで なくのも むりない はなしさ。
 えーん えーん ないて。 そのうち なみだが ひろまの まんまんなかに こぼれていって、 かわが ながれるみたいに なって。 あっというまに おおきな なみだまりが できて、 ひろまの はんぶんが ひたっちゃった。
 もう どうしようもないとこだったんだけど、 そこへなんと たまたま しろウサギが ごぜんさまのもとへ むかうところ このひろまを とおりがかったんだ。 めいっぱい めかしこんでて、 かたてには しろの かわてぶくろ ひとくみ、 もう かたてには ちいさな おうぎ。 ぶつぶつ ひとりごとを いっててね、「あいや、 ごぜんさま、 ごぜんさま! おまたせして かんかんだなんて いやでおじゃる!」
 なのにさ アリスに めもくれずで。 そこで くちを あけて 「もし、 よろしくって ――」 なんていうと てんじょうから こえが してるみたいで。 なにせ あたまが たかーいところに あったからね。 すると ウサギは ものすっごく おびえて。 てぶくろと おうぎを とりおとして、 ぜんそくりょくで にげてった。
 そこで ほんっと へんてこなことに なって。 アリスが おうぎを とりあげて じぶんで あおぎだしたんだ。 すると ごらんあれ、 みるみる ちいさくなって、 1ぷんも したら ネズミくらいの おっきさに!
 ここで さしえを みてね。 つぎに おこったこと もう わかるよね? ほんとに うみみたい、 ね? でも まちがいなく これは さっきの なみだの いけ ―― ぜんぶ アリスのなみだで できたものなんだ!
 そういうわけで アリスは いけに ぼちゃん。 ネズミも ぼちゃん。 いろんなのが いっしょになって およいでる。
 このえの およいでる アリス、 かわいくなあい? みなもの したあたり、 アリスの あおい くつした みえるよね?
 でも このネズミ どうして こんなに あわてて およいで アリスから はなれようとするのか。 はて そのわけは、 アリスが イヌネコについて はなしだしたからなんだ。 ネズミは いつだって イヌネコの はなしなんか いやだからね!
 きみが じぶんの なみだで できた いけを およいでるとして、 そこで だれかが おべんきょうとか おくすりのことを はなしだしたら、 やっぱり めいっぱい およいで どこか いっちゃいたくならない?

4
最終更新日 : 2011-09-19 22:29:20

4 どーどーめぐり

 アリスと ネズミが なみだの いけから あがると、 やっぱり ずぶぬれで。 たくさんいた へんてこ いきものたちも おんなじで、 みんな いっしょに おっこちててね。 そこにいたのは ドードー(まんまえに いる おおきな とりで、 つえに よっかかってるね)、 それと アヒルに インコ(アヒルの まうしろで あたまごしに みてる やつね)、 あと こどもワシ(インコの ひだりがわに いる やつ)とか そのほか いろいろ。
 さてところで そのみんなだけど どうやって からだを かわかしたものか さっぱり わからなくって。 けれども ドードーが ―― あたまの いい とりだから ―― どーどーめぐりを するのが よろしい なんて いってね。 いったい なんのことだと おもう?
 わからない? だったら きみは まだまだ こどもだね! じゃあ よおく きいてね、 すぐに ちゃんと わかるから!
 まずは はしる コースを つくること。 そのかたちは まるなんだけど とりあえず ちゃんと まるになって ひとつに つながってれば なんでもいい。
 とにかく やるひとは コースの あちこちに たって、 くっつきすぎなければ なんでもよくて。
 しかも 「いちについて よーいどん!」なんて かけごえも いらなくて、 みんな すきなときに はしりだせばいいし、 すきなときに やめていい。
 そこにいた いきもの、 アリスと みんなは ぐるぐる はしりっぱなしで それを かわききるまで つづけたんだ。 で、 さいごに ドードーが みんなの かちって いって、 みんな ごほうびが もらえることに!
 もちろん アリスが ごほうびを あげる やく。 とはいえ あげるほどのものも なくってね、 たまたま ポケットに ドライフルーツが あったもんだから、 ひとりひとつずつ みんなに わけた。 すると アリスのぶんの ごほうびが たりなくって!
 そこで どうなったと おもう? あと アリスが もってたのは、 おさいほうの ゆびぬきだけ。 ほら さしえを みて、 どうなったか わかるよね。
「こっちへ かしなされ。」って ドードーが いった。
 で、 ドードーは ゆびぬきを うけとって、 また アリスに かえして、 こんなことば。「みごとな このゆびぬきを われらより おうけとりくだされ!」 というわけで そのばの いきものが ぱちぱち わーわー。
 こんな へんてこな おくりものって ある? かんがえてもみてよ、 おたんじょうびプレゼントを くれるってひとが、 きみの おもちゃばこのところへ いって、 そこの きれいな おにんぎょうを とりだして 「はい、 いいこだから このすてきな おたんじょうびプレゼントを あげよう!」なんて いうのと、 まだ もってない あたらしいものを くれるのと、 どっちが いい?

5
最終更新日 : 2011-09-17 18:08:58

5 トカゲの ビル

 さあて つぎの おはなしは、 しろウサギの おうちで アリスが どうしたか。
 おぼえてる? ウサギが てぶくろと おうぎを おとしたときのこと。 アリスの こえが そらから きこえてきたのかって びっくりしたんだよね。 だから てぶくろも おうぎも ないままじゃあ そりゃあ ごぜんさまのところへも おうかがいできない。 そこで ちょっとしてから さがすために ひきかえしたんだ。
 ドードーと へんてこどうぶつたちが どこかへ いっちゃうころには、 アリスも ひとりきりで あたりを うろついててね。
 で、 ウサギさん どうしたと おもう? なんと アリスを じぶんちの メイドさんと かんちがいして、 あれこれ いいつけだしたんだ! 「メリアン! いますぐ うちに いって、 てぶくろと おうぎを とってくるでおじゃる! いそぐでおじゃる!」
 ひょっとすると あかい おめめは まえが あんまり みえないのかも。 だって アリスと メイドさんは にてもにつかないんだよ? それでも とっても いいこだったから、 ちっとも きをわるくせずに ぜんそくりょくで ウサギの おうちへ むかってね。
 つごうよく ドアは あいてて。 だって ちりんちりん やることになったら、 きっと ほんものの メリアンが ドアを あけにくるからね。 そうしたら アリスは なかに いれてもらえない。 それから うんよく ほんものの メリアンには あわないまま かいだんを とことこ のぼれて。 アリスが どろぼうだって つかまえられたら たいへんだからね!
 あがって すすんで ウサギの おへやに はいると、 そこの テーブルのうえに てぶくろが おいてあったから、 さっと とって でていこうとした そのとき、 たまたま めにはいったんだ。 テーブルのうえの こびんが。 もちろん あのことば 「ノンデ!」って ラベルつき。 そりゃあ アリスも のむよね!
 まったく、 よかった よかった。 じゃない? だって ここで のまなかったら、 これから はなす すてきな おはなしも おこらなかったんだから。 そうなると やっぱり ざんねんだよね?
 もう アリスの おはなしにも なれてきたから、 つぎに どうなるか わかるよね? むりなら きいてて。
 おっきく おっきーくなったんだ。 ほんの あっというまに おへやは アリスで ぎゅうぎゅう、 まるっこい びんに ジャムが ぎっしり つまってる、 ちょうど ああいう かんじ! てんじょうまで ずっと アリスで、 おへやの どのすみにも アリス!
 ドアは うちがわに ひらくものだったから、 やっぱり どうやっても あく すきまが ないわけで。 そのとき ウサギが まちくたびれて じぶんで てぶくろを とりにかえってきたんだけど、 もちろん なかに はいれなくって。
 で、 どうしたと おもう?(さあて ここで さしえ。) トカゲの ビルを おうちの やねに のぼらせて、 えんとつを おりてけって いいつけたんだ。 ところが たまたま アリスの かたあしが だんろに つっこんでてね。 ビルが えんとつを おりてくる ものおとが したとき、 かるく ちょこんと けりあげちゃったから、 ビルは はじきとばされて、 おそらへ ぴょーんと でっちゃったんだ。
 かわいそうな ビルくん! そう おもわない? きっと ものすごく ふるえてたよ!

6
最終更新日 : 2011-09-17 18:08:58

6 かわいい ワンコちゃん

 えっ、 そんなワンコちゃんには みえないって? でもほら、 いまは アリスのほうが ちっちゃくなっちゃったから。 そういうわけで ワンコが おっきく みえる。 しろウサギの おうちで みつけた ちいさな ふしぎな パンケーキ、 それを ひとつ たべた アリスは ぐんぐん ちいさくなって そのまま ドアを とおれるようになってね。 そうでないと もう おうちから そとへ でられないところだった。 かわいそう、 じゃない? だって これから はなす へんてこな ことなんて ゆめにも おもってなかったんだもん。
 とにかく ほんとは ちいさな ワンコ、 ね。 かわいい ペットじゃ なあい? なら ちょっと このようすを みて、 アリスの さしだした ぼうきれに ほえてるよね! ほら アリスも ちょっと こわがってる、 ずーっと。 だって でっかい アザミの かげに かくれてるし、 こっちに とびかかってくると いけないからね。 そうなったら 4とうだての ばしゃに ひかれたのと おんなじくらい アリスが ひどいことに なっちゃう!
 ペットの ワンコちゃん きみの おうちでも かってる? いるなら いつも イヌに やさしく、 ちゃんとした えさを あげてると いいんだけど。
 むかしむかし あるところに ぼくの しりあいの こどもたちが おりました。 せのたけは きみと おなじくらい。 ペットに ワンコを かっておりました。 なまえは ダッシュ。 これは そのこどもたちから きいた、 たんじょうびの ごちそうを あげたときの おはなし。
「しってる? あるひね、 そういえば きょう ダッシュの たんびょうびだって なって、 いったの。『ダッシュに たんじょうびの ごちそうを あげようよ。 あたしたちも たんじょうびに もらうでしょお?』 でね、 いっぱい かんがえて 『じゃあ なにが いちばん いいかな、 じぶんたちの たんじょうびなら?』 でね、 また いっぱい かんがえて さいごに みんなで ひとつに きめたの。『じゃあ オートミールの おかゆだね、 ぜったい!』 だからね、 ダッシュも ぜったい きにいるって おもったの。
 おてつだいさんの とこに いって、 ひとさら おかゆを つくってって いってね、 それから ダッシュを おうちに よんできて いったの。『さあ ダッシュ、 おたんじょうびの ごちそう あげる!』 ダッシュが よろこんで とびはねるって おもったのに、 なのに かみついてきて!
 だから まえに おさらを おいて、 いったの。『もう ダッシュ、 がっつかないの! いいこだから おとなしく たべて!』
 で、 ダッシュ ぺろぺろって したを つけたんだけど、 そうしたら、 その、 とんでもない かおに なっちゃって! でね、 あのね、 だいきらいだって、 もう ちっとだって たべるもんかって! だから あたしたち スプーンで ぜんぶ のどに ながしいれなきゃいけなくって!」
 アリスも この ワンコに おかゆを あげるのかな? するとは おもえないけどね。 そんなの どこにも もってなかったし、 さしえにも おさらが ないしね。

7
最終更新日 : 2011-09-17 18:08:58

7 あおムシ

 ワンコから にげだしたあと、 アリスが どうなったか しりたい? ほら じゃれるには ほんと おおきすぎる どうぶつだったからね(たとえば カバの こども。 いっしょに たのしく じゃれられる? むりだよね、 きっと でっかい あしで ずどんと パンケーキみたく ぺしゃんこに されちゃう!)。 だから きづかれずに にげだせたとき アリスは ほっとしたんだ。
 で、 あちこち うろついたんだけど、 なにを したら もとの おおきさに もどれるのか さっぱりで。 そりゃあ なにかを のみくいすれば いいんだろうけど。 これまでも そうだったしね。 でも それが なんなのか おもいも つかなくって。
 そんなとき ふと あらわれたのが でっかい キノコ。 せたけが たかくて つまさきだち しないと てっぺんに あるものなんて みえなくって。 で なにが みえたと おもう? こんなの ぜったいに いいあてらんないね!
 なんと おっきな あおムシ。
 いまから はじまるのが アリスと あおムシの おはなしなんだけど、 まずは このさしえを よく みてね。
 あおムシの まんまえに おいてある へんてこなのは みずギセル。 けむりを すうために つかうんだ。 ながい くだを とおって けむりが、 へびみたく うねうね やってくるってわけ。
 で、 あおムシの ながっぱな、 しゃくれあご、 わかる? というより、 はなみたいな あごみたいなもの、 が ただしいかな? ほんとは あしのうちの ふたつなんだけど。 ほら イモムシは あしが たくさん あるよね。 そのしたを みてくと どんどん ついてるし。
 きっと めんどうだと おもうんだけど、 あおムシは まいばん なくなってないか あんなに たくさんの あしを かぞえるんだって!
 それに すっごく めんどうだと おもうんだけど、 どのあしから うごかしたらいいか きめなきゃいけないんだってさ。 なんせ 40も 50も あしが あるから、 ちょっと あるくにしても どのあしから うごかしたらいいか きめるだけで それなりの じかんが かかって、 もう あるくどころじゃないよ!
 ともかく アリスと あおムシ いったい なにを おはなししたんだろうね?
 その、 アリスは いったんだ、 おおきさが いろいろ かわって もう わけが わからないって。
 すると あおムシが、 ちょうど いまの おおきさ、 これを どう おもうって きいてきてね。
 アリスの へんじは、 もうちょっとくらい おおきくなりたい ―― 8センチじゃあ あんまりな おおきさだって!(8センチを はかってみるとしたら なかゆびくらいの おおきさかな、 ほら このときの アリスが それくらい。)
 そこで あおムシが おしえてくれて。 キノコの かたはしを たべると おっきくなって、 もうかたはしを たべると ちっちゃくなれるぞって。
 なので アリスが ふたきれ ちぎって おそるおそる くちに いれると、 まあ けっこう いいかんじの せかっこうに なんとか なれてさ! ようやく ごぜんさまのところへ むかったんだ。

8
最終更新日 : 2011-09-17 18:08:58


読者登録

biwanomiさんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について