閉じる


<<最初から読む

3 / 21ページ

試し読みできます

 緩やかに流れる黒く艶やかな髪に

紅をひいた赤い唇。

 

 ほんのりと香る香水に、

切れ長の目。


 綺麗な女だと思った。

戯れに声をかけた。

 

 女は、優しげな笑みを浮かべて、


「貴方は、私を愛してくれるのですか?」
と、聞いた。


 

 無論のこと、
「愛するのだ」

そう、答えた。


 私は、罪を重ね続け、

罰を受け続けた。

 

 被害者にして、加害者。

永遠に救われない魂を持つ愚かな男。


 それでも、

女を綺麗だと思ったことに偽りはない。

 

 後悔をし続ける自らを嗤うのは、醜いからだ。


「愛している」
 愛している。


試し読みできます

森のこねこは踊ります。

 

尻尾は可愛い鍵尻尾。
お腹は茶色い三毛ねこさん。
瞳は森と同じ緑。

 

にゃあにゃあにゃあと、
歌います。

 

小さな子どもを
森へ、森へ。

 

毎日、毎日、誘います。

 

今宵、誘われたはこいぬの兄弟。
黒いクロと白いシロです。

 

森のこねこは笑います。

 

「ようこそ!可愛いこいぬさん!
わたしとたくさん遊びましょう!」

 

二ひきのこいぬは大喜び。
母いぬにいいつけられた、
お買い物を忘れてしまいました。

 

黒いクロと白いシロは
おうちに帰るのを忘れてしまいました。

 

時間を忘れてしまいました。
名前を忘れてしまいました。
自分を忘れてしまいました。

 

でも、黒いクロは白いシロ、
白いシロは黒いクロのことを
決して忘れたりしません。

 

森のこねこに尋ねます。


「あのこはどうして帰らないの?」

 

森のこねこは言いました。

 

「きみが帰らないからさ。
わたしはきみたちをとめないよ。
森のこねこは森にあり」

 

二ひきのこいぬは慌てました。
「お買い物に行かなくちゃ!」

 

母いぬに言われたとおりに林檎を買って、
おうちでいっぱい叱られました。


そして、母いぬに言いました。

 

「森のこねこに会ったんだ」

 

母いぬは、

「ひとつ大きくなったのね」

 

と、言いました。


試し読みはここまでです。続きは購入後にお読みいただけます。

この本は有料です。閲覧するには購入する必要があります。
購入するにはしてください。
有料本の購入に関しては、こちらのマニュアルをご確認ください。
販売価格150円(税込)

読者登録

月花さんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について