閉じる


<<最初から読む

38 / 39ページ

33日目



アニキの疲れがなかなか取れないから
(そりゃそうだよな…無理させちゃったもんな)
帰りはアニキの友達のクジラさんの
背中に乗せてもらうことになった。

ありがとうクジラさん!



…たしかにアニキの友達だ。
間違いない…。



でもウェッデルちゃん、本当にこれでいいの?
せっかくイイトコ島に帰れたのに。

頑張れば、夢だった水族館のアイドルにだって
なれるかもしんないのに。
お母さんにも会わずに帰っちゃって本当にいいの?



「なんかニンゲンこわくなっちゃったし…
ママに会いたい気持ちもあったけど
私もうとっくに親離れしてる歳だから
会ってもママは私のこと、きっとわからないと思うし

それに
私が世間知らずだったせいでこんなことになっちゃったのに
みんなで助けに来てくれて…
本当に嬉しかったの。みんな本当にありがとう!

こんなに優しくてあったかい仲間は
イイトコ島にはいないわ。
私、夢よりも大事なものを見つけたのよ!


でも、だからって
『夢なんてやっぱり叶わない』なんて
思ったりはしてないのよ。
夢は願えば叶うっていうのは本当だと思ったわ。
だって
飛んだもん、ペンゾー君」

え?
あ、あれは飛んだっていうより
落ちたっていうか…

「ううん、飛んだよ。」



ウェッデルちゃんがそう言って笑ってくれたから
俺はジーンときちゃって
なんだかまた泣きそうになっちゃったよ。

かっこわるいからガマンしたけど。







ウェッデルちゃんが「飛んだ」って言ってくれるなら
飛んだことにしておこう。

俺は夢を叶えたんだ。

ほらね、夢はいつかきっと叶うんだよ。
だからウェッデルちゃん
今回のショックは大きいだろうけど
また何か違う夢を見つけて
また前みたいに、笑顔で夢の話をしてよ。

そしたら今度は俺が
キミの夢が叶えてあげるよ。

だって俺の夢は
キミが叶えてくれたようなもんだから。



でも本音言うとさ
俺が本当に飛べたのかどうかなんて
どっちでもいいんだ。

ウェッデルちゃんが無事に生きてて
俺のとなりにいて
笑ってくれてるから

飛べても飛べなくても俺は今
世界一しあわせなペンギンだよ。
それだけでもう十分だよ。
他に何もいらないよ。


そんなことを考えながら
俺はウェッデルちゃんの横顔を見た。
あんな大変な出来事があったばっかなのに
ウェッデルちゃんはなんだかしあわせそうに見えた。
気のせいかな。

「あのねペンゾー君」
と、ウェッデルちゃんが小さい声で言った。
「私じつは、新しい夢ができたんだ」

えっ?そうなのっ?それはよかった!
で、どんな夢?



ウェッデルちゃん。
そんなの夢って言わないよ 。



だってもう

叶うに決まってるんだから









====================================
これで俺の話はおしまい。
ちゃんと全部ニンゲン語に翻訳できたか?ペンサク。

きっと後でどっかのニンゲンが読むんだろうから
最後にちゃんとご挨拶しなくちゃな。

よし、じゃあ、ご挨拶用に「しゃしん」しようぜペンサク!
みんなも呼んでこよう!












おまけ

その後のふたり



この本の内容は以上です。


読者登録

ゴハチさんの更新情報・新作情報をメールで受取りますか?(読者登録について