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8日目

昨日は、あのあと
なんだかけっこう話が盛り上がっちゃって
気がついたら日が落ちてて
ウェッデルちゃんを
うちに泊めてあげることにした。

俺もウェッデルちゃんも
話し疲れてバク睡だった。


ウェッデルちゃんが言ってた「アイドル」ってのは
つまり「水族館の人気者」のことだった。

その話は、長くなるから
また明日にするよ。

ついさっき、俺はウェッデルちゃんを見送った。
ウェッデルちゃんは
元気いっぱいに泳いで帰った。


子供の頃、母さんに
「相手の姿が見えなくなるまで見送るのが礼儀よ」と
しつけられたけど
ウェッデルちゃんの頭はちょっと大きくて
いつまでたっても見えていた。

ちょっと困った。

9日目

ウェッデルちゃんの話をまとめると
こんなかんじだ。

ここから、太陽が沈む方角にまっすぐ進むと
「イイトコ島」という
ニンゲンが暮らしている島がある。


ウェッデルちゃんは、実は
そこの水族館で生まれたんだそうだ。

生後一年にも満たない頃
島が大洪水に襲われ
ウェッデルちゃんは流されて海に出てしまい
気付いたらここに着いてたらしい。

漂着した海岸に
たまたま同種のアザラシが大勢いて
拾われたのはラッキーだった。

で。
ウェッデルちゃんのママは
たくさんの芸ができるアザラシで
イイトコ島水族館のアイドルだったらしい。


生まれた時からママの活躍ぶりを見ていたウェッデルちゃんは
自分も大人になったらママのように芸をして
たくさんのニンゲンに拍手されるアイドルになろうと
心に決めていたらしい。

なのに、運命のイタズラでウェッデルちゃんは今
ニンゲンが一人もいない野生の世界にいる。

ウェッデルちゃんは
いつか必ず水族館に戻ってアイドルになるんだ!という
夢をいだいている。

が、周りのアザラシに話しても相手にされないらしい。



ウェッデルちゃんの話をそこまで聞いてから
俺達は眠った。

起きてから俺は
ウェッデルちゃんの話についていろいろ考えた。
その話はまた明日。


ちなみに俺も子供の頃はフワフワでかわいかったよ。
群れの中で一番かわいいって大評判だったんだ。
なっ?ペンサク!





なっ?(怒)

10日目

だいたいさ
アイドル云々以前に
イイトコ島に戻ること自体が不可能だよな。
遠すぎてワタリドリさんぐらいしか行けないもんな。

でも俺は考えた。


赤ちゃんアザラシが
遠い遠いイイトコ島水族館から流されて
無事にここに辿り着いたという
とんでもないラッキーについて。
(大抵は他の動物に食べられるか
力尽きて死ぬよね。)
ウェッデルちゃんはもしかしたら
超ラッキーな女の子なのかもしれない。

辿り着いたとこが
たまたま同種の仲間のたまり場だったってのが
その証拠のような気がする。

だとしたら、夢の実現もあながち
無謀とは言えないような気がしてきた。

うん。俺はそう思うよ。

ま、俺の「飛ぶ」っていう夢のほうが
実現すんの早いと思うけどね。
だって俺
鳥だもん。




なんだよ!
この前はたまたま失敗しただけだよ!
こんな写真載せんなよペンサク!

11日目

また一晩考えて、ついに俺は確信した。


ウェッデルちゃんの夢は
実現不可能なんかじゃない!

だってイイトコ島に行く方法はあるんだよ!
俺、考えついちゃったもん!


=イイトコ島に行く方法=
1・ウェッデルちゃんがすっごく頑張って泳ぐ
2・大きなお魚さんにつかまって運んでもらう
3・ニンゲンに連れていってもらう


どうだ!いい案ばっかりだろ?
俺って頭いいなぁ。
さっそく明日ウェッデルちゃんに報告に行こう!



ん?
何か言ったか?ペンサク。
え?
どの案も無理っぽい?
なんでだよ


=ペンサクの反論=
1・泳いで行くには遠すぎる。
  すっごく頑張るとかいう問題じゃなくて。
2・大きな魚はみんな遠くの沖にいるから
頼みに行けない。
3・ここにはニンゲンがいないし
ニンゲンが来たのも見たことない。
  (オオタハカセ除く)


なんだよ全否定かよ!
否定するんならおまえも何か1個ぐらい
いい案だせよ!


=ペンサクの案=
「すっごく大きなワタリドリさんの背中に乗って運んでもらう」


鳥?
ウェッデルちゃんを乗せることができる鳥?



どんだけでかい鳥だよ!
いたらすげーよ!
バカッ!


12日目(前半)



こ、これはっ!

伝説の怪鳥・デカワタリ!?





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