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4日目

決めた。



俺は世界初の「空を飛ぶペンギン」になってやる。

モテるぞ絶対。

5日目

今日から飛ぶ特訓だ。

やり方はわかってる。
飛んでる鳥を見てたらすぐわかっちゃったよ。

翼をすごく早くバタつかせればいいんだ。











死んだかと思った。

6日目



ふん。まぁいいや。
飛べたからってモテるとは限らないしな。

ヒマだから「しゃしん」してみた。



またボケた。
ちっ

7日目

突然お客さんが来た。



顔見知りじゃないな。
誰だろう。
アザラシだってこと以外は何もわからない。

「こんにちは!
私、ウェッデルっていいます!
よろしくね!」


ウェッデルちゃんはメスのアザラシで
オレより大きいけど
まだ大人じゃないんだそうだ。

ウェッデルちゃんは
飛びたがってるペンギンがいるというウワサを聞いて
「なんて夢のあるペンギンさん!」と思い
会ってみたくなって
西の海岸からはるばるここへ
やって来たらしい。

「私も夢があるんだけど
誰に話しても無理無理!って言われて
いっつも悲しい思いをしててね。
でも、あなたとなら
無理な夢を追う者同士
話が合うんじゃないかな、って思って
会いに来てみたのっ!」

え?
俺の他にも
無謀な夢にチャレンジしてるヤツがいたんだ!
なんだか心強いなぁ。
仲良くなれそうかも。

で、キミの夢ってなに?




なにそれ。

8日目

昨日は、あのあと
なんだかけっこう話が盛り上がっちゃって
気がついたら日が落ちてて
ウェッデルちゃんを
うちに泊めてあげることにした。

俺もウェッデルちゃんも
話し疲れてバク睡だった。


ウェッデルちゃんが言ってた「アイドル」ってのは
つまり「水族館の人気者」のことだった。

その話は、長くなるから
また明日にするよ。

ついさっき、俺はウェッデルちゃんを見送った。
ウェッデルちゃんは
元気いっぱいに泳いで帰った。


子供の頃、母さんに
「相手の姿が見えなくなるまで見送るのが礼儀よ」と
しつけられたけど
ウェッデルちゃんの頭はちょっと大きくて
いつまでたっても見えていた。

ちょっと困った。


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