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株式会社paperboy&co.(以下、ペパボ)は沢山のウェブサービスを運営しています。そして当然、その数々のサービスを支えるエンジニアがたくさんいます。
ペパボは、光栄なことに大勢の方に「おもしろい会社」と言っていただけるのですが、それを作り出しているエンジニアたちがどういった人なのかは、あまり知られていません。

今回はみなさんに、ペパボの裏側を少しでも知っていただけるように、ペパボの中でも大量のデータを扱うサービスである30days Albumの運営についての現場の話を、パブーのスタッフが編集し、この『inside 30days Album~30days Albumの現場~』という電子書籍にまとめました。

これを読んで、ペパボに興味を持っていただけた方は、ぜひ採用ページをご覧ください。エンジニアの求人募集をおこなっています。

―2011年10月12日 渋谷セルリアンタワーにて

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最終更新日 : 2011-10-13 16:09:10

『ペパボのエンジニア力を高めたい』30days Albumインタビュー


今回インタビューをおこなった30days Albumは、写真を共有・管理できるフォトクラウドサービスです。
ペパボの技術責任者mizzyさんと30days Albumのメインエンジニア刺身さんが、過去のYAPCでも30days Albumについての取り組みを何度か話させていただいていますが、今回はエンジニア刺身さんに加えて、30days Albumのプロデューサーをつとめるとしやさんにも加わってもらって、サービス運営の裏側を語ってもらいました。

「ペパボとエンジニア」というテーマで語り始めた刺身さんの情熱があふれすぎて、予定時間の1時間を大幅にオーバーしてしまった白熱のロングインタビューを、ギュっと凝縮してお送りします。

過去のYAPCその他でmizzyさん、刺身さんが発表した内容は、下記のスライドでご覧いただけます。
30days Albumの表側+裏側(http://www.slideshare.net/kyanny/30days-album
ペパボでのPerlの使い方(http://www.slideshare.net/hiboma/yapc-asia-2009-perl



ー30days Albumの会員数は、どれくらいの規模なんでしょうか?

プロデューサーのとしやさん

としや:
今年(2011年)の夏ぐらいで、10万人を突破しました。そろそろ12万人に届きそうです。
ユーザーがアップロードする写真の枚数は月に約600万枚です。
一日に20万枚ぐらいアップされていますが、多い日は30万枚アップされます。
日曜の夜にPVが上がって、みんなが仕事をする月曜日にPVが落ち着くという流れを、サービス開始以来ずっと繰り返しています。
リア充向けのサービスです(笑)

土日に行楽や結婚式とかで撮影して、日曜の夜にアップして、メールを送って月曜日にみんな見るのでPVが上がるという感じになります。
実は、土曜日がPVの底なんですよね。

ー30days Albumが出来た経緯を教えてください

としや:
サービスは2008年の4月から始まって、もともと「P-1グランプリ」っていう社内プレゼン大会でプレゼンした企画になります。
元々、同僚の女性エンジニアが知り合いとキャンプに行った時に、参加者全員で写真を共有するのが面倒だという話になったんです。それで、ちょうどP-1グランプリの時期だったので、それで提出しました。
(※P-1グランプリは年に1度開催されるペパボの社内イベント。新しい企画や既存サービスの改善策をスタッフが考え、みんなの前でプレゼンする。)

ーサービスの立ち上げメンバーは何人ぐらいですか?


としや:
立ち上げ当初は、フロントのエンジニアが1人、裏側のエンジニアとしてペパボの技術責任者であるmizzyさん、そしてひろやんさん、という開発陣でした。あと、僕がデザインと企画として入っていました。

裏側は、画像を一杯保存しているサーバ群をmizzyさんが担当し、画像のサイズを変換したり回転したりする部分をひろやんさんが担当していました。

ー現在の体制は?

としや:
現在は、僕はデザインから離れてマネジメントのほうにシフトして、刺身さんがメインの開発者、メインのデザイナーとしてデミさん、という3人体制のチーム編成で作っています。
ひろやんさん、mizzyさんは、完全に離れたわけではなく、要所要所で開発に携わっています。

-裏側の仕組みはリリース時からあまり変わっていないのですか?


刺身:
最初に作ったときから、画像の部分は分離して分散して、どんどんサーバを増やせば大丈夫な仕組みになっていて、画像や動画の変換部分もどんどん、あとから機能を追加してバリエーションを増やせるようになっています。その上でなおかつサーバを追加すれば処理能力が上がるような仕組みになっているので、リリース当初の仕組みが大 きく変わったことはないですね。

ー30days AlbumはRuby on Railsで作られていますよね?

刺身:
なぜ、フロントがRuby on Railsなのかというと、サービス立ち上げ当時、担当エンジニアに「せっかくだから、好きな言語で作ったらいいんじゃない?」とmizzyさんがアドバイスして、その担当者が選んだRuby on Railsで作ったのが理由みたいです。
結果、理想的な『エンジニアが作りたいもので作った』という感じになったらしいです。

ーRuby on Railsの良い点は?

としや:
刺身さん、語るよー(笑)

刺身:
Ruby on Railsって一定のスキルがある人が、普通に作れば、セキュリティを考慮しなくて良い風にお膳立てされているんですよね。
で、Ruby on Railsはラピュタみたいな感じで、きっちり考えて作り上げられてるものなので、調和がとれているんですよね。


ー刺身さんは2010年2月の入社ですが、入った時の印象はどうでしたか?

刺身:
外からペパボを見ていて、「仲良さそう」「楽しそう」って雰囲気なのは知っていて、YAPC2009で、mizzyさんとひろやんさんのプレゼンを聞いて面白そうだなって思って、懇親会で二人から話を聞いたら、前職よりも仕事の幅が広がりそうだなって思ったんですよね。
その時にちょうど転職を考えていたので、ちょっと色々と動き始めていたんですが、たまたまペパボのサイトみたら、30days Albumのエンジニアを募集していたので、応募しました。
30days Albumはリリース時から知っていて、かっこいいなぁと思ってたサービスだし、mizzyさんも関わっているので一緒に働けるなら良いなと思いました。
元々、Rubyにも興味があったし、裏側もPerlで動いている。興味がある分野だったので、これは!……と思って受けました。

としや:
この話、聞いた聞いた(笑)採用面接で1時間半語ってたんですよね。


刺身:
PerlとRuby両方さわるんだと思って入社したんですけど、実際の現場では既にアーキテクチャも分離しているし、担当もきれいに分担が決まっているし、何より僕よりPerlが得意な人がたくさんいて、出る幕がなかったですね(笑)
新しいサービスを作る場合は、早く作って稚拙に作ってしまって後で苦労するパターンがありますし、逆に最初から気合を入れすぎて大掛かりになってしまったりするパターンもありえるんですよね。
そういうのって、すごい手間をかけてつくったのに、半年後には閑古鳥……ってなったりしたら悲しいんですけど……
それでいうと30days Albumの裏側は良いバランスでできていて、将来を見据えてスケールできるように作りつつも、最初の導入の時には本当に最小限で作っているという風になっていました。
システム設計もキレイですし、力の配分もすごくよかったんじゃないかなっておもっています。


ーやはり、そういうものを現場で見れるというのは勉強になりますか?

刺身:
なりますねー。
特に、画像のストレージはフロントはRubyで書いてあって、後ろ側はPerlで書いてるので、間にAPIを挟まないといけないんですね。同じ言語で書くと、APIを挟む必要もないんですが、そこをあえて分離してAPIを噛ますことで、変更作業が容易になっているんですね。
設計をきれいにわけて、運用もできてるという現場を見られるので、勉強になります。
あと、API自体の実装とかも勉強になります。「こういうのが必要なんだ」「これは別に切り捨てて問題ないんだ」ってのが見てわかるので。

ーちなみに、YAPCで何度か30days Albumの裏側の仕組みについては話をされていますが、反応はどうですか?

YAPCに限っては、いろんなすごい人たちが集まるので、形は違えど、似たような仕組みに落ち着くみたいで、「あーあ〜あ〜あー!うちもおんなじようになってる」という反応が多いですね。

ーペパボってエンジニアにとってどういう会社ですか?


刺身:
ペパボってデザインが強くて、なんか変な会社ってイメージが強いと思うんですよ。
逆に言うと、多くのサービスをPHPで開発をしているというのを僕も知らなかったぐらい、技術的な印象が薄いみたいなんですよね。
社外の人と話していても、『PerlやRubyの会社じゃなかったんですね?!』って言われることがあります。
デザインに強いペパボっていうイメージだけじゃなくて、サービスの中ではどういった技術が使われているのかを、もっとアピールしていけたらなって思っています。

-ペパボにいて、面白いところは?

刺身さん、自慢の縦長ディスプレイ

刺身:
少ない人数で、話せばその場で、どんどん決めていけるというスピード感がありますね。
朝、話をしたら、夕方にはできてる、みたいな感じです。
あと、会議ですね。30days Albumチームでは、ミーティング前にあらかじめWikiにアジェンダを書いておいて、決まった議題に沿ってどんどん進めていくという感じですね。
それで、早く終わって余った時間で今後どうするかなど先の話とか、ブレストをするんですよね。
そこは、プロデューサーであるとしやさんの腕がいいんですね。

としや:
会議が嫌いなだけです(笑)

刺身:
あと、mizzyさんが、ちゃんと社内のツール(WikiやTrac)を整備してくれてるし、仕事がやりやすいですね。

ーどんなエンジニアと一緒に働きたいですか?

刺身:
僕はRubyとPerlが好きな人だったら(笑)
あと、多少ペパボっぽさとは違うんですが、多少ガツガツしててどんどん前に出てくる人が増えるといいのかなって思います。
これからは外から見られたときに、技術の会社としてもっと強くアピールしていきたいんですよね。現状はmizzyさん一人に集中してて一人の肩に乗るのも大変なので、イキのいい他のエンジニアがどんどん出ていけば、「外に出ていってもアリな会社なんだ!」って思ってもらえるかなって。

ー仕事環境の部分でいいなって思う所はありますか?

刺身:
食べ物・飲み物が無料の社員食堂はよく使っていますね。
あと、何か嬉しいことがあったときにスタッフみんなで拍手したり、新しい機能やサービスがローンチした時はくす玉割ってお祝いしたり、オフィス引っ越しの時にはスタッフ全員に蕎麦が振る舞われたり、そういうのが当たり前にある文化がいいなぁと思います。
こういうのって、トップダウンですぐ根付くものではないので、そういうことが好きな人たちが集まってみんなで作った、かけがえのない文化だと思います。

ー最後に、プロデューサーから一言お願いします

としや:
自分はもともとデザイナーなんですが、技術的な話も好きなので、技術的にまとめてあるWikiだったり、Tracだったりをチェックしたり、たとえば刺身さんとか誰かがコミットしたものを見るのが好きなんです。

刺身:
丸裸です(笑)

としや:
自分は、そういう技術のことがもっとわかるマネージャーになりたいんですね。
まったくわからなくなると、お互いに疎遠になるじゃないですか。
人数の少ないチームなので、少し踏み込んだ組織を作りたいんです。それが僕の理想なんです。
今は3人体制なので、それが実現しやすいなとおもっています。
人数が増えても、こういった形の半歩踏み込んだ組織ができるのかってのは、やってみたいですね。
もっと開発者のモチベーションを上げたいなって思っていて、ペパボのエンジニア力をどんどん高めていきたいです。


―― 2011年10月4日 paperboy&co.会議室<音楽室>にて収録__

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最終更新日 : 2011-10-13 16:49:11

奥付



inside 30days Album

~30days Albumの現場~


http://p.booklog.jp/book/35978


著者 : パブー
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最終更新日 : 2011-10-13 12:30:56

この本の内容は以上です。


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