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第3回紫雲荘ワークショップ概要

かつて、藤子・F・不二雄、藤子不二雄A、鈴木伸一、石森章太郎など、マンガやアニメの名匠たちが暮らしたトキワ荘。
そのすぐそばに立つ紫雲荘は、トキワ荘と同じように古い二階建てのアパートで、赤塚不二夫の仕事場としても使われていました。

この度、この紫雲荘で、コミPo!や手塚治虫さんのパロディ漫画でおなじみ田中圭一さんと、弊社吉田健吾でワークショップを開催されました!

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第3回紫雲荘ワークショップ
『新時代の「トキワ荘」・「紫雲荘」作家の作品は「コミPo!」から生まれるのか!?』

<講師>
田中圭一(漫画家 マンガ制作ソフト「コミPo!」プロデューサー)
吉田健吾(株式会社paperboy&co.副社長 電子書籍サイト「パブー」プロデューサー)
<進行>
桐木憲一(漫画家 「トキワ荘通り協働プロジェクト」)

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第3回紫雲荘ワークショップは、この2人のトークショー。
コミpo!の話、電子書籍の話などなど...当日のトークショーの内容をまとめました。どうぞ、お楽しみください!

イベント開始前の様子

イベント会場は紫雲荘。写真も交えて、当日の様子を紹介していきたいと思います。


紫雲荘の入り口です。素敵な佇まいですね。

たくさんのお客さんが集まっています!

いよいよ始まります。どんなトークが繰り広げられるのでしょうか。

次のページから、トークショーが始まります。

「田中圭一×吉田健吾」ワークショップ@紫雲荘 ==前半==

トキワ荘通り協働プロジェクト「田中圭一×吉田健吾」ワークショップ@紫雲荘

(進行:桐木)
最初にコミPo!について説明をお願いします。


(田中圭一:以下田中)
言葉で説明するよりも、直接操作してお見せしたほうが早いですね。
(と、PCとモニタを用意する田中さん)


▲人力でモニタを支えております。

=コミPo!のデモ開始=

コミPo!は、全く絵が描けなくてもマンガが描けるソフトです。
コミPo!のキャラクターは絵に見えますが、これは3Dでできています。
顔の表情もたくさんのバリエーションがあります。

この中から表情を選んだり、アングルを決めたり、吹き出しのなかにセリフを打ち込んだりすることでマンガを描くことができます。パワーポイントが使えるくらいのスキルがあれば、誰でもマンガを描くことができます。

キャラクターを編集できますので、服を変えたり、顔のタイプ、髪型、髪の色を変えたりしてオリジナルのキャラクターをつくることもできます。いわゆるアバターのような感じですね。

▼マンガ作成ツール「コミPo!


背景やアイテムも豊富に用意しています。ユーザーが撮影した写真を背景にすることもできます。ネットの素材もメタセコイアという3Dモデリングツールで作ったデータで、かつ版権に問題がなければ、インポートして使うことができます。

出来上がったマンガは、画像データファイルとして出力します。もちろんカラーと白黒を選ぶことができます。
目指したのは、デスクトップミュージックのマンガ版です。つまりデスクトップだけでマンガを描くことができます。
出来上がった作品の著作権はユーザーさんにあります。

今後は、色んなメーカーさんなどとコラボして、キャラクターを増やして、池上遼一さんタッチなどいろんな作家さんのタッチを組み込めたりできると面白いですね。


(お客さん) 
キャラクターは有料で買うんですか?


(田中) 
無料と有料とあります。年末までには有料でおじさんキャラをつくろうと思っています。
マンガにはやはり中年のおじさんキャラが欠かせないので。

年末には、ビジネスマンガ用のセットをだして、オフィスアイテムと男女のビジネススーツをだすつもりです。
本当は、ファンタジーセットを出したかったんですが、企業でイベントの説明や商品の説明に使っているところが思いの外多かったんですね。
まちおこしで、地域の萌えキャラを作っていたり、カラオケの折込チラシなどで作われたりもしていますね。
なので、まずはビジネス用からつくります。

(吉田健吾:以下吉田) 
弊社の勉強会の資料にもよく使いますよ。「マーケティング勉強会」では、コミPo!ちゃんが先生になって「twitterとは何か?」を説明する資料が使われました。

(田中) 
ありがとうございます。分かりやすそうですね。


(桐木)
コミPo!さんはパブーさんと一緒にイベントも開催されたんですよね?


(田中) 
「こんな部活はいやだ!」というお題でコンテストをやりましたね。
だるまは、コンテスト限定アイテムとして作りました。それを使って、だるま落とし部とか、みなさん変な部活を考えてくださいましたね。

▼パブー×コミPo!の初めてのコラボコンテスト「こんな部活はイヤだ」

(桐木)
(コミPo!漫画家として初のプロ作家となった)ダヴィンチ恐山さんが参加されたのもこのコンテストですよね。

(田中) 
そうですね。「無礼部ストーリー」という作品で応募されてて、青年誌に載っていてもおかしくないくらいの面白さだと思いました。恐山さんはツイッターのつぶやきが面白いということでフォロワーが4万人くらいいらっしゃるんですね。コミPo!を使うまではマンガを描いたことはなかったそうなんですが、持ち前のギャグセンスを発揮して、今ではガンガンオンラインで連載を持つなど人気の漫画家さんです。

▼見事優秀賞を受賞したダヴィンチ恐山さんの応募作品「無礼部ストーリー


(桐木)
応募作品はギャグ系が多かったんでしょうか?


(吉田)
不条理系のギャグが多かったですね。


(桐木)
コミPo!でギャグって意外だったんですが・・・


(田中)
表情のあまり崩れていないキャラに変なことをしゃべらせたりすると面白いんですね。恐山さんと話したときも、できるだけ顔を崩さないといってました。

(顔の表情を台詞と合わせたい場合は)一旦顔をのっぺらぼうにして、その上にパーツを載せて表情を作ることもできるので、正統派のギャグマンガはそのほうがいいかもですね。


(吉田)
実は僕、コンテストの時にコミPo!でマンガを描こうとしたんですけど、描けませんでした。「絵が描けてもマンガが描けるわけではないんだな」ということを、そのとき感じましたね。構成とか難しいです。


(田中)
初めての人は4コマがいいと思うんですが、4コマ目で落とすというのも難しいですよね。

(吉田)
(大きくうなずいて)難しいです。

(田中)
竹熊健太郎さんが精華大学のマンガの授業で使おうとしてくださったそうなんですが、生徒さんから反発も多かったようで。絵を勉強したいのにって。
でも、アングルやコマ割りの勉強にはコミPo!は有効ですよね。
たとえばキャラクターが視線を合わせるのと合わせないのではこんなに変わるでしょ、ということをすぐに実践して教えられますからね。

(吉田)
なるほど、そうですね。

(桐木)
田中先生が描かれる、手塚先生のパロディマンガも、キャラクターを記号化するという部分でコミPo!と共通するところがあるように思うのですが。


(田中)
恐山さんの手法と僕のマンガは基本的に同じなんですね。僕は、手塚さんがこんなマンガを描くはずがない、というマンガを描いてた。この絵柄・キャラクターでこんな台詞を言うわけないという、思い込みのギャップを狙ったんです。

もともと僕は、自分の絵柄を変えようと思って、いろんな絵を描いていたんですね。ちょうどその頃、今では考えられませんが、手塚さんの絵柄って過去の遺物のような感じで完全に消え失せていまして。そこで、もしかしたら今、手塚キャラが一番新鮮なんじゃないか?と思って一生懸命描いてみたんです。
色んなアメコミも真似したし、萌えキャラも描いてみたんですけど、好きになれなくて。
手塚さんの絵柄を描いたときに、これだ!これは新鮮だ!と思ったんです。



「田中圭一×吉田健吾」ワークショップ@紫雲荘  ==後半==

==後半==


▲休憩時間中の一幕。ソ・ミジさんの絵本『ニコニコしょうてんがい』をご紹介しています。

(桐木)
後半は、まずパブーについてお話ししていただければと思います。
パブーでは、高齢者の方も作家として参加されてるんですよね。


(吉田)
ブログと同じユーザー、10代20代を想定していたんですが高齢の方にも使っていただいてます。
例えば、この「昭和の初期の写真集」は、75歳の方が出されたんですが、昔の写真をスキャンして、アップしていらっしゃいます。このかたは、近所のパソコン教室の先生に教えてもらって作ったそうです。


(桐木)
プロの方も使ってるんですか?


(吉田)
プロの漫画家さんにも使っていただいてます。『東京トイボックス』のうめさんは、iPhoneアプリとしてつくったのにAppleに却下されてしまったという『スティーブズ』というマンガも公開されていらっしゃいます。

鈴木みそさんが公開された「放射線の正しい測り方」は、「ガイガーカウンター」の正しい使い方を教える講座に参加された時の様子をマンガとしてまとめられたもので、ツイッターで口コミが広まり、すでに4万以上ダウンロードされました。

うめさんも鈴木みそさんも、スピーディーに公開できる点がすごくよかったとおっしゃってました。
電子書籍はおもしろいと言っていただいた。

時事的なネタを扱うにはちょうどいいです。

また、紙の本にするにはページ数が足りないような、そういう読み切り単位で公開できることもメリットです。
マンガは、小説の作家さんに比べてプロの方の参加が多いような気がします。
皆さんもよかったら是非使ってみてください。


(桐木)
人気作品になるには、何かポイントのようなものはあるんですか?


(吉田)
今のところ、自分の発表するメディア、ツイッターなりメルマガなり定期的に読者の方との接点を持ってる方は強いです。
反応がはやいですよね。うまくインターネットを使っているなあということが感じられます。


(桐木)
漫画onWebさんやJコミさんなど、他の会社も電子書籍にたくさん参入されてますがどう思ってらっしゃいますか?


(吉田)
漫画onWebさんとは、目指しているところなども含めて、そんなに遠いところにいるとは思ってないです。Jコミさんは、紙で出版された絶版作品の電子化だと思うんですが、僕らはコンテンツを持っているわけではなくて、言ってしまえば殆どの作品が新作なので、その辺で違うと思っています。最前線さんは、インターネットのことをよく知っていらっしゃって、一読者として読んでいても面白いなと思います。


(桐木)
パブーは同人誌出版に近いと感じましたが、たとえばこれから編集プロを入れて、こちらから精力的に新作を作っていったりは考えてますか。


(吉田)
自分たちがやるかどうかは置いておいて、編集者の役割は重要だ思っています。
今のところ作家の人が個人で作成して、という形ですが、表紙のデザインをする方・編集する方などと協力する仕組みができて、パブーの中でいくつか編集部があるような形になると楽しいと思いますよ。
まずは小さいコミュニティがたくさん形成されて、それぞれがちゃんと回るようにして、その輪を徐々に大きくしていけたらと思います。

(桐木)
吉田さんは、田中さんに質問はありますか?


(吉田)
コミPo!をつくるのに、ボーカロイドは意識されましたか?


(田中)
実はボーカロイドが出てきた時、既にコミPo!の開発をしていたんです。
開発途中で初音ミクが出てきて、これがいけるならコミポもいけると思いました。

(桐木)
電子書籍元年と言われていたが、まだあまり普及していないのはなぜでしょう?

(田中)
一番ネックになっているのは、デバイスの決定版が出てきていないことですよね。紙の印刷にまだまだ勝てない。
でも、今後は、スマホや電子デバイスに合った表現方法が生まれてくると思いますよ。
見開きの形もなくなっていくかもしれないですし。まずカラーありきになっていく可能性もある。

コミPo!もそこを考えて、カラーで作れるようにしたんです。カラーで作るときの作業効率を上げるツールは今後重要になっていくと思います。

▲アットホームな雰囲気の紫雲荘。お客さんとの距離もとても近いです。

(お客さん)
パブーでつくる電子書籍はどのくらいの時間でできますか?

(吉田)
ファイルをリネームしてZipで圧縮してアップロードしていただければすぐにできます。画像があれば、10分くらいでできます。

(お客さん)
無名からスタートしたパブーの作家さんで、有名になった方はいますか?

(吉田)
まだ世間に広く知られるほどのスターが生まれたというところまではもって行けていないので、今後出てくるような仕組みやら盛り上げやらを作らなければいけないと思っています、サイトのリピーターを増やして、そこで自分の読みたい作家さんを探してもらって、かつちゃんと出会えるようにしていきたいです。その上で、スター作家が生まれてくるようにしたいですね。

(お客さん)
コミPo!で、アニメのようなものまで作れるようになりますか?

(田中)
コミPo!によって、アニメに近いところまでは持っていけるかもしれません。アニメーターさんが描くちょっとしたイラストなら、コミPo!で足りてしまうということも出てくる。便利になる反面、一部お仕事を奪ってしまうことにもなりかねないので、そういう意味では怖いですよね。ただ、これまでも、そういうことはありましたし、新しい時代にあった技術がこれからも開発されていくと思います。



田中圭一先生の即興イラスト

最後に、田中先生がその場で、マンガイラストを描いてくださりました!

▲目の前で描いていただけるなんて感激です!さらさらと流暢なペンタッチに会場からため息が。

▲手塚先生の特徴をとらえた絵は、紫雲荘に飾られました。田中先生のサイン入りです!
田中の”中”は、治虫の”虫”のパロディになってます。
ありがとうございました!



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