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帰れる夏があれば

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帰れる夏があれば

 

 

 


帰れる夏など
あるはずがない
あるはずがない夏へ
だから帰る
われた背なかをのぞいてみるかい
のぞいた顔をうつすだけだよ
むかしむかしの時代の水が
いまなお さざめく
われていなかったころの
背なかをだれかにやさしく
たたかれるみたいに
だからいたたまれず
いつでも帰る
われた背なかを固くとじて
あるはずのない夏へ

 

 

 

作曲・編曲:としたん うた:三輪みどり

この作品は、現代詩に曲をつけたものです。

 

 

 

 


兇状持ちの唄

 

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兇状持ちの唄

 


あたまを撃つよないかずちきいて
兇状持ちがすくむ

はたごの二階でひる酒あおる 関所破りのたびの果て ああ まるで八方ふさがりの 闇から逃れられたら 雨が降り出すまえに 雨雲あつめてうず巻く風に 鳥が飛びたつ よろめいて飛ぶ ああ 情けなや わが身みる思い いそぎもどれ 森へ 雨が降り出すまえに ああ あんどんに キセル雁首 くぐらせて 火をつけ のろい酒 ……きょうも

作曲:soulbox

うた:辛鐘生・将太

 

 

 

 

 

 


暗闇半兵衛

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暗闇半兵衛

 


よしずを透かしてうかがえば
通りをひよっこ引かれ者
馬上 後ろ手 緊縛の
からだをぐいっと立て直す
どんな沙汰やら ぶざまをさらし
わが身に覚えの半兵衛も
怖気づくわな 鈴が森

十手(じって)で背を掻く不細工が
そのうえあくびの岡っ引き
境の橋行く商人(あきんど)を
呼びとめ えらそにさぐり顔
ふいと目が合い 小皿を鳴らし
するめをちぎった半兵衛の
にわか変化(へんげ)の草芝居

長居は無用 品川も
あしたは丸子か 御酢(おす)街道
今晩かぎりの世迷い言
聞いてりゃ女はもと賊徒(ぞくと)
二十日鼠と名乗って笑う
たたみ目むしりの差し向かい
月が邪魔するさされ酒

 *御酢街道:中原街道の別称 

 

作曲・編曲:SOULBOX

 

 

 

 


素浪人残夢抄


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素浪人残夢抄 
 
 
男のせなかをやさしくはたく
女の手なら小雨なら
ふらりと町屋へ参ろうものを
空見りゃ黒雲 重たくたれて
銭なし やむなし ごろ寝の
草双紙 草双紙

目ざめりゃいずこへ枕は飛んで
はだけた胸に鳥の羽
だれぞに追われる夢さえのこる
手すきの身なれど喰わねばならぬ
刀をたずさえ めし屋へ
傘もなし 傘もなし

掛売無用の木札をにらみ
ビタ銭拝む素浪人
ひや酒ひとつもふところ勘定
ひさしをポツポツ雨打ちはじめ
めし屋を出るなり 小癪な
犬が吠え 犬が吠え

 

作曲・編曲:SOULBOX

うた:Secret M

 

 

 

 


おわり岬

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おわり岬
 
 
 
無意味なことを 意味あるふりで
生きてたぼくでも きみへの思い
つたないけれど うそではなかったよ
 ああ 風の右手 クルクルまわし
 雲に告げた 「さようなら」は
あわい夢の おわり岬

はやりの歌をデュットしたり
たのしく過ごした わずかな日々が
ぼくにはきっと 励みになるだろう
 ああ 青い海を ただようさまに
 白い雲の にじむままに
ゆれてむせぶ おわり岬

軽くはないが 重たくもなく
心にしまった おもいで小函
きみにもいつか 宝になればいい
 ああ 船の影が 陽射しに溶けて
 ひとりめぐる おわり岬
あるきだせば はじめ岬

 ああ 船の影が 陽射しに溶けて
 ひとりめぐる おわり岬
あるきだせば はじめ岬
 
作曲・編曲:SOULBOX 

 
 
 
 


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