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      雨

 
 

雨はどこを降る
ひだりの耳のひろがりを
ついに鳴らぬ鍵穴を
闇のなかでの挨拶を降る


雨はなぜたたく
ひふの記憶を
めくれあがる高さを
うしろ手の火を
なぜまたたたく


雨はいつぬらす
立ち去るばかりの宣告を
儀礼と棒のあわいを
いまつかみあう
自由をぬらす

スライドつき演奏・うたはこちら

 
作曲・編曲:辛 鐘生
うた:辛 鐘生
◆CD:辛鐘生『悪い夢』(全8曲/KON企画 2001年)所収
 
 
 
 
 
    

          


帰れる夏があれば

●インストルメンタル版はこちら ●うた入りはこちら

 

 

 

帰れる夏があれば

 

 

 


帰れる夏など
あるはずがない
あるはずがない夏へ
だから帰る
われた背なかをのぞいてみるかい
のぞいた顔をうつすだけだよ
むかしむかしの時代の水が
いまなお さざめく
われていなかったころの
背なかをだれかにやさしく
たたかれるみたいに
だからいたたまれず
いつでも帰る
われた背なかを固くとじて
あるはずのない夏へ

 

 

 

作曲・編曲:としたん うた:三輪みどり

この作品は、現代詩に曲をつけたものです。

 

 

 

 


兇状持ちの唄

 

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兇状持ちの唄

 


あたまを撃つよないかずちきいて
兇状持ちがすくむ

はたごの二階でひる酒あおる 関所破りのたびの果て ああ まるで八方ふさがりの 闇から逃れられたら 雨が降り出すまえに 雨雲あつめてうず巻く風に 鳥が飛びたつ よろめいて飛ぶ ああ 情けなや わが身みる思い いそぎもどれ 森へ 雨が降り出すまえに ああ あんどんに キセル雁首 くぐらせて 火をつけ のろい酒 ……きょうも

作曲:soulbox

うた:辛鐘生・将太

 

 

 

 

 

 


暗闇半兵衛

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暗闇半兵衛

 


よしずを透かしてうかがえば
通りをひよっこ引かれ者
馬上 後ろ手 緊縛の
からだをぐいっと立て直す
どんな沙汰やら ぶざまをさらし
わが身に覚えの半兵衛も
怖気づくわな 鈴が森

十手(じって)で背を掻く不細工が
そのうえあくびの岡っ引き
境の橋行く商人(あきんど)を
呼びとめ えらそにさぐり顔
ふいと目が合い 小皿を鳴らし
するめをちぎった半兵衛の
にわか変化(へんげ)の草芝居

長居は無用 品川も
あしたは丸子か 御酢(おす)街道
今晩かぎりの世迷い言
聞いてりゃ女はもと賊徒(ぞくと)
二十日鼠と名乗って笑う
たたみ目むしりの差し向かい
月が邪魔するさされ酒

 *御酢街道:中原街道の別称 

 

作曲・編曲:SOULBOX

 

 

 

 


素浪人残夢抄


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素浪人残夢抄 
 
 
男のせなかをやさしくはたく
女の手なら小雨なら
ふらりと町屋へ参ろうものを
空見りゃ黒雲 重たくたれて
銭なし やむなし ごろ寝の
草双紙 草双紙

目ざめりゃいずこへ枕は飛んで
はだけた胸に鳥の羽
だれぞに追われる夢さえのこる
手すきの身なれど喰わねばならぬ
刀をたずさえ めし屋へ
傘もなし 傘もなし

掛売無用の木札をにらみ
ビタ銭拝む素浪人
ひや酒ひとつもふところ勘定
ひさしをポツポツ雨打ちはじめ
めし屋を出るなり 小癪な
犬が吠え 犬が吠え

 

作曲・編曲:SOULBOX

うた:Secret M

 

 

 

 



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