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幸せのありか

 それを聞いて、猫は思いました。
 ぼくも、本当は女王さまのとこになんかいきたくないんだ。
 ずっと団長のそばにいたい。一緒にいるだけで、すごく幸せなんだ。大きくて優しい手になでてもらうだけで、うれしいんだ。
 団長もぼくにそばにいてくれるだけでいいんだよ、って言ってくれたのに。
同じ気持ちだったのに。
 どうして、わからなかったんだろう。
 どうして、愛されてるって信じられなかったんだろう。

『ぼくも団長も子猫ちゃんも大好きだよ。ずっと一緒にいたいよ』

 子猫はとてもうれしそうに頷きました。

 猫が戻ると、団長は変わらず笑顔で迎えてくれました。

『おかえり』
『ただいま…ぼく、もうネズミとりやめるんだ』
『やめるのかい?あんなに楽しそうにしてたのに』
『ぼくがネズミつかまえなくなったら……嫌いになる?』

 猫の言葉に団長はびっくりしましたが、ゆっくり首を振りました。
 そして、不安そうに団長を見上げている猫を抱き上げました。

『嫌いになるもんか。ネズミとりが上手い猫がいいなら、もっと腕利きの猫を雇ってるところだ』

『うん』
 それから、猫がネズミをとることはなくなりました。
 捨てられた猫は、ようやく幸せを見つけたのです。

この本の内容は以上です。


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