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たろうのなやみ

たろうにとっては おおきな なやみでした。
それは、とくいな げーむで ともだちに まけるよりも こころの おくに おもい 「おもい」 でした。
がっこうから いえにかえるまで どのみちを とおったのか おもいでせない、くらい ふかい おもいです。
だれにも このなやみは はなせません。おとうさんやおかあさん、おねえさんにもはなせないのです。

それは、がっこうのことでした。
それは、おなじかっこうの おんなのこのことです。


たろうのなやみは そのおんなのこが きになることです。そのこ と はなしたい、ちかづきたいというきもちなのですが、なぜか、そばにいけないのです。
ともだちのいう、すきだ、というきもちでないとおもいます。
というのは、そのおんなのこは たろうからみると、とても あかるくて、なんでも しっていそうで。いちばん、たろうと ちがうのは、こえが やさしいのです。

こえは おかあさんでも おねえさんでもない こえです。きくと、すっと かぜが とおりすぎたような きがするのです。


1
最終更新日 : 2011-08-30 17:50:16

おもいで

「・・・もうだめだ」とたろうはおもいました。ここ、New York の SOHO Areaを 1 block South。どこにでもある、deep townで よなかの2じには めつきの わるい おとこたちが こえをあげてちかづいてくるのでした。
たろうは、ほどうに たおれていたのでした。かおのちかくには ちが たまりはじめました。
めが きゅうに かすんできて、おとが とおくなってきました。
「ここで、おしまいなのか・・・」

 

とおのく けしきのなかで たろうは こえを ききました。そうです。あの おもいでのこえです。
「・・・ きこえますか?きこえますか?・・・」
そのこえに うながされるように たろうは、
「ええ、きこえる・・・」
といったときに、すべてが みえなくなりました。

 

すべては おもいでから めが さめました。
こえと そのときの かのじょの め。
でも、それは ゆめのようでも あり、realなものでもあり、たろうには どちらとも わかりません。

さめた めには、 しろい てんじょうが うつりました。
かすかに、 かぜが あるので、もう よるではない けはいです。
からだは やわらかな bedの うえに あるのでした。

そして、あのおもいでのこえがしたのでした。


2
最終更新日 : 2011-08-30 17:51:23

わすれたいもの

Agatha Gallo は、 Boston Commonの ちかくの officeに いました。Agathaは、いま この officeでは、 とけいが すでに 10じを まわっていることからも わかりました。
Typingするようなおとですが、ときどき、「・・・まあ、どうして」という Agathaのこえには どこか きんちょうが あるのでした。
「・・・また、できてない・・・、でも、おかしい。さっきはOKがでたのに・・・」
Agathaにとって、computerは おおきな black holeの ようなもので、いちど はいりこむと でられないものでした。じじつ、きょうは その black holeに ひきこまれたのです。

 

Agathaのblack holeは、どこまでも みえないのではなく、ときどき はんのうが あるのでした。でも、きょうは そのはんのうも ないのです。
「あれが のこると、たいへんな ことになる・・・」
Agathaには、このofficeの まわりの ようすも すでに いしきを こえています。もう、じぶんの こえしか きこえず、officeに だれかが いたとしても、 computer screenだけを みている かのじょには なにも みえないのでした。

「・・・あった、でも、さっき deleteを したはずなのに・・・」
Agathaは、ちょっと、あんしんして、[delete]を clickしたのでした。
「・・・」
なにも、おこらないのです。そう、[delete]をclickしても なにも おこらない。かのじょが みているのは fileのなかみは、building planの 1つのおおきなroomを えがいたものでした。

 


たろうの そばには あのおもいでの こえの もちぬしが いました。

「もう、だいじょうぶですよ。にほんじんですよね。」
「・・・ええ。」
「すこし、あたまを うった ようなので、このびょういんで けんさを しておきました。」と、ちょっと ふあんな かおした かのじょですが、すぐに えがおになって、
「けんさの けっかは あしたわかります。でも、このじょういんに きたときは いしきが なくて。それに 2にちも ねむった ままでしたから。」

たろうは、ようやく、ここが びょういんで、じぶんは けがを して はこばれてきたことが わかったのでした。
「ありがとうございます。わたしは、こやま たろうといいます。おせわになりました。」
「あ、わたし、じぶんを しょうかいせずに いきなり、いろんな ことを いったみたいですね。」
「Mass Bay Area Hospitalの doctorをしている いずみ かなといいます。たまたま、New Yorkに conferenceにきていて、あなたのじけんを みたものですから。」
「このびょういんも わたしの BSAHの かんれんのところです。」

たろうには、おもいでにあるあの やさしいこえの ひとに あえたのです。


たろうは、こえのあいてが、「いずみ かな」ときいたあと、きゅうに sleepyに なってしまいました。
「すみません、もうすこし ねむらせてください・・・」
そうつげるかいなや、たろうは ねむりました。

「・・・たろうさん、たろうさん、きこえますか?」
まだ、ゆめのつづき?ではない。
「はい。きこえます。」
「ずいぶん、よくねむっていましたね」と、いずみせんせいが えがおで はなしています。
「もう、だいじょうぶでしょう。あさって、くらいには このびょういんから たいいんできます。あとで、じむのことを おしらせしますね。」
「ところで、New Yorkの あそこで ぼくは どうなっていたのですか?きぜつしたとおもったあと、おぼえていないのです。」

「わたしが、みかけたときは、かなり、しゅっけつしていて、みちに たおれていました。だれかに おそわれたというよりも、きゅうに たおれたようです。だから、けんさも しんちょうに したのです。」
「けっかてきには いじょうは ありませんでした。」

きゅうに たおれた、とたろうは、これまで そんなけいけんが ないことを いずみせんせいに つたえました。

このときの しょうじょうが じつは おおきな まえぶれであったのは あとで わかったことです。



3
最終更新日 : 2011-08-30 17:57:40

Research Lab

Agatha Galloの deleteしようとしていたbig roomは、radio studioのような へやを しめしたものでした。ほかのへやは、3にんがはいれるような ちいさな roomが そのまわりに いくつも あります。English as a second language schoolのようにも みえます。

Agathaが とても きにしているのは、そのspecial roomが、ひとにしられてはいけないもののようでした。Radio studioなら、Agathaが はたらいている この architect studio(けんちくじむしょ)でも、いくつかの drawingsが あります。でも、このないようが secretな りゆうは、ちいさな へやと このおおきなへやの あいだにある、computer roomに あるようでした。

「・・・なにも はんのうがないわ。」
「そうだ。ちがうdrawを overwriteすればいいのかも。」
ようやく、いいかんがえがあったとばかり、Agathaは、ほかのfilesを しらべて、べつの radio studioを しゅうせいして、overwriteしました。
「どう?・・・いまくいったわ。」
もういちど、fileを openすると、Agathaが いれかえた ものに かわっていました。
 ようやく、このさぎょうが おわったのが、よあけまえでした。


Agatha Galloは、だれにも みられないように officeを でるしたくをしはじめました。Early timeだと guardianが くるかのうせいがあるので、であったら、overworkというつもりでした。
 さいわいなことに だれにも あわずに、undergroundのparking lotsに いけました。すばやく、じぶんの Firebirdに のりこみました。いつもと ちがって、ゆっくりと、しっているひととすれちがわないように、parkingから でるためです。
 ようやく、downtownを はずれて、Watertownに ついたころには、あさひが でてきました。それとともに Agathaも さくばんあった ことが べつの せかいのことにように ちいさく なっていくのを かんじました。

ちいさなgardenのある Agathaの いえは、ひとりぐらしには ふつりあいなものがありました。それは おおきな garageです。すくなくとも、くるまは、3つははいります。
そのgarageを remote controlで あけて、Firebirdのengineをとめました。そのparkingしたよこには、それは、あのradio studioにあったものににたcomputer roomがあったのです。

 


4
最終更新日 : 2011-08-30 17:59:14

ききとること

いずみせんせいのせつめいを ききながら、ふと、ながいあいだ、かいしゃやりょうしんに びょういんにいたことを せつめいしていないことに きがつきました。
 せんせいが びょうしつからでて、こんどは lobbyにある telephoneで かいしゃにでんわをして、いままでのあったじこのことを せつめいました。また、しんぱいは かけたくなかったのですが、にほんの りょうしんにも でんわを しました。
 「もしもし、ぼくだけど・・・、」
 「たろうかい。ずいぶん、ごぶさただね、」と、いくぶん、こえを きくことを たのしみにしていた たろうの ははが こたえました。
 「うんまあ、しんぱいかけてごめんなさい。みんなげんきにしてる?」
 「こっちは、おとうさんもわたしもみんな いつもとおなじでがんきだよ。なにかあったのかい?」
 「いや、たいしたことはないんだけれど、ちょっと びょういんにいったから・・」

 「びょういんって。じこでもあったのかい?それでいまはだいじょうぶなの?」
 「うん、だいじょうぶだから、こうしてでんわをかけてる。New Yorkで よる あるいていたところ、たおれたんだ。え、そう、だれかに おされてたおれたのではなく、ふっと たおれたみたいで、すこしあたまを うったから、たまたま とおりかかった にほんじんのせんせいが ぼくを びょういんに はこんでくれたわけ。」
 「だいじょうぶであんしんしたけど、きゅうにたおれたのもしんぱいだわ。そのせんせいに おれいをしなくちゃね。あめりか だから、わたしは どうしていいかわからないけれど、なにか そのせんせいに おれいをしなさいよ。」
 「わかった。そのせんせい、いずみ かなっていうんだ。そう、おんなのせんせいでとてもゆうしゅうで きれいなひと。」
 「たおれた げんいんは しらべておきなさいね。・・・でも、へんね。まえも たろうが しょうがくせいのときに たおれて きゅうきゅうしゃで はこばれたことを おもいだしたわ。・・・」
 「それに おどろいたことは、そのせんせいのなまえ。たしか、そのときも いっしょに いた おんなのこが かなちゃんといってたようなきがするんだけど。」
 「え。ほんとう?かなちゃんといずみせんせいは おなじひとなのかな?しょうがっこうで どうきゅうせいだったのかな?」

そのとき、じゅわきのむこうの おかあさんのこえが きこえなくなったのでした。

 


 

Agathaにとって、このLabはわずらわしいものでした。 どちらかというと、このようなものをつくりたくもなく、つかいたくもないものだったのです。つまり、ownerでもなく、しじされた とおりに けっかを だすことだけでした。でも、けっかが でないことはしっぱいで、かのじょの いのちをうばうことをいみしていました。
こんかいの しじは、とてもかんたんなものでした。しかし、かのじょが、かんがえたことより、じかんがかかりました。しじがあったのも、あらかじめ じかんがかかることを ownerはしっていたかのようでした。
Agathaが このしごとを するようになったのは、Firebirdも、いえも てにいれられるような incomeが やくそくされたことと、どくしんであったことです。どくしんであれば、いつでも しごとを やめられると おもったからなのです。

いのちをうばうというのは、ほんとうのことです。というのは、このしごとを はじめたころ、Agathaのめのまえで、いくにんかが しんだ (ほんとうは、newsでみただけですが) からです。しごとの いらいにんは いつも すがたを みせません。ただ、かのじょの PCに emailを おくってきて、しじを まもると、かのじょのbank accountに feeが やくそくしたがくだけ chargeされているのです。ないようも かのじょの jobやeducation levelを しらべたあとでのorderになっていました。
 いつでも やめることができるし、orderのないようが とてもたいへんなら skipすることもOKです。でも、つづけてorderを すすめていくと feeも おおくなっていくのでした。


Agathaは、parking lotのよこにある computer roomには ちかづきません。とくしゅな orderをだす ownerが なにも いわないからです。ちかづくと、なにか わるいことが おこるようで、こわいのです。
これまでの しごとは、officeに かくした labの designを しじされたとおりに つくることでした。ほんとうの しごとを するよりも たかい しゅうにゅうが ありましたし、Agathaには はじめての audio boothのdesignは excitingでも ありました。
Ownerは とても このぶんやに くわしいということが、そのしじからもわかりました。

Agathaは、きのうの よるおそくまで design printsを deleteすること(originalは すでに、emailで ownerに おくってありました。)にてまどったことは、すこしきになりました。
Showerを あびて、breakfastを ゆっくりたべて、CNNを みるころには、いつもの day-off(おやすみ)があるだけでした。

「…、つぎはInternational newsです。まず、こちらをごらんください。 これは、にほんの high-techには めづらしく、ひとの てさぎょうで、 baking accountのちょうさを しているところです。Computerのしゃかいでどうしてでしょうか?」

「…、ええ、さくじつまで、computer systemは、せいじょうでした。ところが、けさ、bankに いくと long quesです。Systemが downしたようで、おかねもおろせません。」

「『にほんのぎんこうかくしゃは、このじこは、computer system and networkが おこしたもので、げんざい、げんいんを たんさくちゅうです』とほうくしていますが、ふっきゅうはいまのところわかりません。」

というこえが きこえたしゅんかんに CNNのがぞうは きえました。



5
最終更新日 : 2011-08-30 18:00:40


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