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被害加害者


 

わたし、被害者です
わたし、加害者です

 


その人、被害者です
その人、加害者です

 


君、被害者です
君、加害者です

 


あの子、被害者です
あの子、加害者です

 


俺、被害者です
俺、加害者です

 


この人、被害者です
この人、加害者です

 


あなた、被害者です
あなた、加害者です

 


その子、被害者です
その子、加害者です

 


僕、被害者です  
僕、加害者です

 


あの人、被害者です
あの人、加害者です

 


あんた、被害者です
あんた、加害者です

 


この子、被害者です
この子、加害者です

 


ワタクシ、被害者です
ワタクシ、加害者です

 


誰か、被害者です
誰か、加害者です

 


何か、被害者です
何か、加害者です

 


「時に」なんて   もんじゃありません
「しょっちゅう」なんて   もんじゃありません

 


毎日   です
毎日   毎日   です

 


わたし、害を被っています
わたし、害を加えています

 


その人、害を被っています
その人、害を加えています

 


君、害を被っています
君、害を加えています

 


あの子、害を被っています
あの子、害を加えています

 


俺、害を被っています
俺、害を加えています

 


この人、害を被っています
この人、害を加えています

 


あなた、害を被っています
あなた、害を加えています

 


その子、害を被っています
その子、害を加えています

 


僕、害を被っています
僕、害を加えています

 


あの人、害を被っています
あの人、害を加えています

 


あんた、害を被っています
あんた、害を加えています

 


この子、害を被っています
この子、害を加えています

 


ワタクシ、害を被っています
ワタクシ、害を加えています

 


誰か、害を被っています
誰か、害を加えています

 


何か、害を被っています
何か、害を加えています

 


「そんなに」なんて   もんじゃありません
「とんでもない」なんて   もんじゃありません

 


絶大   です
絶大   絶大   です

 


意識なんてありません
無意識なんてありません
偶然なんてありません
意図なんてありません

 


自分、被害者です
他人、加害者です

 


他人、被害者です
自分、加害者です

 


害を被りながら、害を加え
害を加えながら、害を被り

 


誰もが、被害者です
誰もが、加害者です

 


毎日、被害者です
毎日、加害者です

 


善であろうとなかろうと、被害者です
悪であろうとなかろうと、加害者です

 


一瞬一瞬、被害者です
一瞬一瞬、加害者です

 


主観であろうとなかろうと、被害者です
対象であろうとなかろうと、加害者です

 


どうしようもないくらい 被害者です
どうしようもないくらい 加害者です

 


自分であろうとなかろうと、被害加害者です
他人であろうとなかろうと、加害被害者です


判決が出ました。死刑です!死刑です!!


 

レポーターは叫んだ。
僕は何だか悲しくなった。
その絶叫振りに。 世の中全体の 安堵の 見えないため息に。

 


初めてその事件を知ったのは数年前。
彼女は5人殺った。
盛大にやった。
性差は無縁だった。
5人殺った。
堂々とやった。
週刊誌は書きたてた。
「連続殺人美少女の素顔」
「美少女」という形容がはびこった。
なんら違和感はなかった。
彼女はとうに成人を迎えていたが、かなりの童顔だったから。
僕と同い年といっても、誰も疑わないくらいの。

 


彼女はちょっとしたヒロインになった。
週刊誌は売れた。ネットオークションで写真は高値で取引された。
堅物コメンテーターも触れずにいられないほどのルックスの良さ。
まことしやかに広がる隠れた経歴の華麗さ。
バランスをとるように、道徳的側面からの中傷も過熱していった。

 

僕は夢中だった。
彼女はアイドルに等しかった。
そう、青春の1ページに色濃く飛び込んできた。
おそらく、僕と同年代のみんなが彼女に惹かれていた。程度の差はあれ。
1ヶ月くらいは学校でも彼女の話題で持ちきりだった。

 


そんな彼女に判決が下った。
そうそうたる弁護団に囲まれながら。
根強い草の根ファン達に囲まれながら。
12年の歳月が経っていた。

 


彼女は美しかった。
作品を慎重に見極め、確実にコンスタントに成功に導く。
トップ女優と並んでも引けをとらないくらい。

 

彼女はたくましかった。
海外の展覧会で火がつき、津々浦々でワークショップを通じて伝播していく。
国際的映像作家と並んでも引けをとらないくらい。

 


みんなわかっていた。
弁護側も検察側も。ファンもアンチも。
でも、世の中全体がどこかで別の答えを期待している節もあった。

 


彼女は死んだ。
「終身刑」という制度が導入に至る大きな口火として。


僕じゃなくても君じゃなくても


 

無理しなくていいよ これ以上
ふいに切り出した積年の想い   それでもなお、ぶれないナチュラル

 

 

「何を言ってるの?」 的な微笑みを称えて
何一つとして揺れていないような表情

 

 

もういいんだよ
わかっていたんだ  ずっと

 

僕じゃなくてもよかったんだ
いいんだ  もう、隠すことなんかない

 

 

 

変わらずに称える微笑
あまりにも器用すぎるね  それを感じさせないところも含めて

 

 

 

僕じゃなくてもよかったんだ
僕も一緒さ

 

君じゃなくてもよかったんだ
最初から、ずっと拭えないままだったんだ   

 

 

 

一緒だったんだ  互いに

 

君は、始めから僕じゃなくてもよかった
僕は、始めから君じゃなくてもよかった

 

故に、掛け違えても違えても違えても すべては他愛もないこと
故に、すれ違っても違っても違っても すべては他愛もないこと

 

 

 

君は、僕じゃなくてもよかった
僕は、君じゃなくてもよかった

 

故に、合わせなくてもなくてもなくても すべては他愛もないこと
故に、重ならなくてもなくてもなくても すべては他愛もないこと

 

 

 

君は、それを拭いきることができなかった
僕は、それを拭いきることができなかった

 

故に、築き上げても上げても上げても すべては他愛もないこと
故に、崩れ落ちても落ちても落ちても すべては他愛もないこと

 

 

 

君は、最初からそれを拭いきれるとも思ってなかった
僕は、最初からそれを拭いきれるとも思ってなかった

 

君は、最初からそれを拭いきるつもりもなかった
僕は、最初からそれを拭いきるつもりもなかった

 

 


君は、最初から最後まで  僕じゃなくてもよかった
僕は、最初から最後まで  君じゃなくてもよかった


未確認樹形図


 

狂おしさついで胸を掴む
あとは流れとリズムに委ねて

 

 


本能は記憶さえも曖昧にしていく
本性は感覚さえも幻想に丸め込む

 

 


ここから始まるここに戻る
しばしの恍惚はまるでそう    
出来すぎたプログラムのようで戦慄さえ過ぎる  毎回毎回これもよくできたデジャビュのよう

 

 


ここから始まりどこにもいけない
ここから始まりあそこにも着けない
ここから始まりいつかを辿る

 

 


刺激とも癒しとも隔絶されたのは誰のせいだ   
俺自身だけか  それとも俺の見る目がないだけか

 

 

 

もっと素敵なものだと  もっとすばらしいものだと
信じていた過去に自分に  
どう折り合いをつけていけばいいのかはまだまだ見えそうになくて 1人笑いが込み上げてくる

 

 

 


エクスタシー
  オランダの売春宿
    赤い照明
      麻薬公認バー
        整えられたシーツ
          合法ドラッグ
            延長料金
              ツーショットダイヤル
                ティッシュ
                  知り尽くした猫なで声
                    逆指名
                      シャワーを先に進める少女
                        覗き穴
                          そつがないボーイの対応
                            革張りのソファー
                              個室
                                安っぽいミラーボール
                                  from kiss to kiss
                                AVなぞり
                              求める声
                            歪む叫び
                          応えようとする息遣い
                        器用で不器用なアクトレス

 

 

 


淡々と巻き戻していく背中が
妙にいじらしくて衝動は再び    身勝手な本性はこれからを本章ぶって茶番リフレクション

 

 


艶やかな温もりを手にすればするほど意識する
この身の時と併合した張り具合

 

 


窓からこぼれる摩天楼だけが普遍を物語る  そんな馬鹿な
テクノロジーの帰結は永遠だと誰もが暗黙の了解だ     


そうだろ    今さら倫理とかはなしだろ

 

 


火照る脳でどうでもいい連想ゲームは続いている
揺るがした指に絡むいつも通り

 

 


根幹が揺らぐ それで日常は平静を保つ


誰もに根づく衝動の炎
誰もが迷う選択の宝庫

新手は出尽くしたかと思われても
平々凡々な市井の現状を国勢調査レベルで把握するのは  未だに 夢のまた夢


バタフライエフェクト ポエム


 

生まれ変わりたい
何度願ってきたことだろう

 

 


見つめることをなおざりにして
そうこうしているうちに現実はモノクロとセピアに呑み込まれていって

 

 


どうしようもない現在進行形へと変貌
どうかしようともしない現在退行形へと変造

 

 


想像性を現実に当てはめず 二の足ばかり研ぎ澄まし
創造性を現実に当てはめず 浮き足ばかり研ぎ澄まし

 

 

 

それでも この瞬間もどこかで決定的に連関している
まったくの孤独のワンルームの独り言であろうとも

 

 


たとえば 僕が今こうして 
部屋でこの詩を綴って 路上で詩の朗読を始めるとする

 

 


その姿を見て誰か独りでも
あんなのでも詩として発表していいんだ
あんな程度でも路上で朗読していいんだ

 

 


そう思ってくれないとは限らないでしょ?
絶対にあり得ないとは言いきれないでしょ?   0%とは限らないでしょ?

 

 


その後に、この詩を聞いていた人が詩を書き始めたり、朗読をし始めるかもしれない
そして、その人の書いた詩が高く広く評価されるようになって、遠い国にまで渡って翻訳されて

 

 


また、違う誰かが独りでもその姿を見て
こんなのでも詩として発表していいんだ
こんな程度でも詩人として成立するんだって

 

 


そう思ってくれないとは限らないでしょ?
絶対に起こりえないとは言いきれないでしょ?   0%とは限らないでしょ?

 

 

 

まったくの孤独のワンルームの独り言であろうとも     いつかに連なっている ちゃんと
まったくの孤独のワンルームのこの瞬間であろうとも    どこかに連なっている ちゃんと



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