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スカートめくれ


 

風が強い、強い
今にも浮いてしまいそうなくらい
街頭ビジョンの天気予報   文字も跳ねる、跳ねる  
意気揚々と  台風のようなとてつもない風速

 

 

 

スカートめくれそう
右2つ隣のその耳に  聴こえるように呟く赤信号スクランブル

 

スカートめくれそう
左2つ隣のその無邪気に  知られないように鼓動を抑える赤信号スクランブル

 

 

 

ちょっとでも、振り向かせたくて
ちょっとでも、ちゃんと視線交差したくて

 

ちょっとでも、今日中に詰めておきたくて
ちょっとでも、今日中にリードしておきたくて仕方がなくて

 

 

 

風よ もっと、もっと
このまま重力をいなしてしまいそうなくらい
スカートだけを程よく淡く 揺ら揺ら揺らめかせて

 

 

 

スカートめくれそう
右2つ隣のその耳に  突き刺さるように仕掛ける赤信号スクランブル

 

スカートめくれそう
左2つ隣のその無邪気に  惑わされないように冷静を着込む赤信号スクランブル

 

 

 

ちょっとだけ振り向きたくなって
ちょっとだけちゃんと視線交差したくなって

 

ちょっとだけ・・・  だけど、今日はまだ名前を知ったばかりで
ちょっとだけ・・・  だけど、今日はまだ初めての感慨に浸りたくて

 

 

 

風よ  そっと、そっと
このまま重力をいなしてしまいそうなくらい
鼓動だけを程よく淡く 揺ら揺ら揺らめかせて

 

 

 

スカートめくれそう
左隣のそのしたたかな台詞に  思わずハッとさせられる  同性でありながら、あるがゆえに 

 

スカートめくれそう
右隣のそのそわそわした瞳に   思わず笑いがこみ上げてくる  いつかのあなたが重なり

 

 

 

弾け始めるスクランブル
君たちは今、世界の中で誰よりも季節の中心

 

巡り始めるスクランブル
君たちは今、世界の中で何よりも季節の中心    

 

 

 

スカートめくれそう
右2つ隣のその耳に  突き刺さってくれるように込める青信号スクランブル

 

スカートめくれそう
左2つ隣のその無邪気に  惑わしてくれるように期待を込める青信号スクランブル

 

 

 

弾け始めるスクランブル
私たちは今、世界の中で誰よりも季節の中心    
幼さも残しつつ 妙に成熟しつつあるこの季節特有の住人

 

 

巡り始めるスクランブル
私たちは今、世界の中で何よりも季節の中心    
美しさを磨きつつ 妙に残酷を極めつつあるこの季節特有の住人

 

 

 

スカートめくれそう
右隣のその不器用な姿に   思わずハッとさせられ   
その純粋に 異性も捨てたもんじゃないなって思わされる

 

 

スカートめくれそう
左隣のその艶やかな台詞に   思わずハッとさせられ   
その無邪気に この性に生まれた醍醐味を見る


微笑み命法


 

やさしくなれる
わけもなく

その笑顔   浮かべるだけで  

 

 

 

 

可笑しいでしょ
夢中なんだよ

特別なんだ    誰よりも
とびきりなんだ  なによりも

 

 

 

 

たくましくなれる
その笑顔   浮かべるだけで

 

 

 

 

可笑しいでしょ
夢中なんだよ

わけもなく

特別なんだ    あの人よりも
とびきりなんだ  向日葵よりも

 

 

 

 


やさしくなれる
わけもなく

たくましくなれる
わけもなく

 

 


その笑顔   
浮かべるだけで   理性は “ しゃん” とする


咲いては散りゆく式


 

見下ろしていた
窓からノスタルジアになる前の   笑み と 涙

 

 

 

 

眺めていた
改めて見ると、目新しくも見えた   見慣れた すべて  

 

 

 

 

 


グラウンド
向かいの校舎
職員室
屋上のタンク
雲のない空
伊吹おろし

 

 

 

 

 

 


見惚れていた
その存在感   最後の最後まで多くの心に咲き続けていたその雰囲気

 

 

 

呼ばれて降りていく
いつもと変わらぬ無邪気     後輩に囲まれる姿が 誰よりも眩しかった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

いつのまにこんなとこまで来てしまったの
あっという間の別れの日

 

 

 

 

 

 

 

 


君と逢えたことで    何もないことの虚無を知った

君と逢えたことで    努力の重みを知った

君と逢えたことで    表現の楽しみを知った

君と逢えたことで    積み重ねていく夢を知った

君と逢えたことで    時の尊さを知った

君と逢えたことで    心の底から喜びを知った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

思えば
素直になろうとすればするほど    離れていったこの素直

 

 

 


思えば
返しきれなかった心象画が渦巻いたまま     応えきれなかった風景画が巡ったまま

 

 

 

 

 

 

 

 


君と逢えたことで     心   色づいた
君と逢えたことに     涙   溢れた
君と逢えたことで     夢   芽吹いた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もしか 
いつかでまた逢えるのなら・・・   甘く苦く予感を契ろう    この日だからこそ

 

 


きっと
どこかでまた逢えるのかな・・・   強く深く希望を描こう    もっと輝いていくため

 

 

 

 

 

 

 

 


いつかでまた逢えたときには もう少し素直になっていて魅せるから
どこかでまた逢えたときには その変わらぬ笑みで包んでくれたら

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さよなら     今日でみんな  さよなら
さよなら     今日ですべて  さよなら

  

 

 

 

 

 

 


寂しさも
 清々しさも
  儚さも
   愛しさも
    虚しさも
        騒々しさも
             切なさも
              嬉しさも
               悔しさも       
                美しさも
                 醜さも
                    たくましさも
                          もどかしさも
                           静けさも    
                            やさしさも
                             素晴らしさも    

 

 

 

 

 

 


今日でさよなら
とりあえず、さよなら  

 

 

 

 

 

 

また、いつかで     きっと きっと こんにちは        
また、どこかで      きっと きっと こんにちは    みんなでこんにちは


当たり前≠当たり前


 

あたりまえ、アタリマエ、当たり前
あたりまえ、アタリマエ、当たり前

 


君にとっての当たり前、ときに僕にとっての羨望
僕にとっての当たり前、ときに君にとっての羨望

 


君にとっての当たり前、ときに僕にとっての非常識
僕にとっての当たり前、ときに君にとっての非常識

 


君にとっての当たり前、ときに僕にとっての桃源郷
僕にとっての当たり前、ときに君にとっての桃源郷

 


君にとっての当たり前、ときに僕にとっての不条理
僕にとっての当たり前、ときに君にとっての不条理

 

 


君にとっての当たり前、単なる右へ倣えに過ぎないのかもしれない
僕にとっての当たり前も、単なる右へ倣えに過ぎないのかもしれない

 


君にとっての当たり前、単なる時代の趨勢に過ぎないのかもしれない
僕にとっての当たり前も、単なる時代の趨勢に過ぎないのかもしれない

 


君にとっての当たり前、単なる年齢的な感慨に過ぎないのかもしれない
僕にとっての当たり前も、単なる年齢的な感慨に過ぎないのかもしれない

 


君にとっての当たり前、単なる世代的な価値観に過ぎないのかもしれない
僕にとっての当たり前も、単なる世代的な価値観に過ぎないなのかもしれない

 

 


あたりまえ、アタリマエ、当たり前    それは、ときに君と多数にとってだけの当たり前
あたりまえ、アタリマエ、当たり前    それは、ときに僕と少数にとってだけの当たり前

 


あたりまえ、アタリマエ、当たり前    それは、ときに君と少数にとってだけの当たり前
あたりまえ、アタリマエ、当たり前    それは、ときに僕と多数にとってだけの当たり前

 


あたりまえ、アタリマエ、当たり前    それは、ときに君と仲間にとってだけの当たり前
あたりまえ、アタリマエ、当たり前    それは、ときに僕と身内にとってだけの当たり前

 


あたりまえ、アタリマエ、当たり前    それは、ときに君と身内にとってだけの当たり前
あたりまえ、アタリマエ、当たり前    それは、ときに僕と仲間にとってだけの当たり前

 


あたりまえ、アタリマエ、当たり前    それは、ときに君と僕にとってだけの当たり前
あたりまえ、アタリマエ、当たり前    それは、ときに君と僕以外にとってだけの当たり前

 


あたりまえ、アタリマエ、当たり前    それは、ときに君と誰かにとってだけの当たり前
あたりまえ、アタリマエ、当たり前    それは、ときに僕と誰かにとってだけの当たり前

 


あたりまえ、アタリマエ、当たり前    それは、ときに君にとってだけの当たり前
あたりまえ、アタリマエ、当たり前    それは、ときに僕にとってだけの当たり前


幾筋の陽光に寄り添う観覧車


 

雲の切れ間から神々しいほどの射し具合で零れる太陽光線
4限前の屋上伝いで思わず見惚れ
この景色を切り取りたいと 心の底から想う

 

 

 

絵画のような場面  
そのままスケッチし始めたくなるような美しき構成     スケッチは大の苦手でも

 

 


降り注ぐような幾筋もの光の帯があまりにも印象的で
適度に重層めいた雲の群れがあまりにも絶妙的で   僕は、ただただ感嘆を漏らすばかり

 

 

 

 

なんて綺麗なんだろう   
こんなに綺麗な景色がこんな身近に隠れていたなんて
なんなんだろう  こんな一瞬で変わってしまうものなのかな    
もう、何を背負い込んでいるのかなんてどうでもよくなっていくようで

 


なんて鮮やかなんだろう  
こんなに鮮やかな景色にこんな風に偶然出逢えるなんて
なんなんだろう  こんな一瞬で吹き飛んでいってしまうものなのかな    
もう、何を迷っているのかなんてどうでもよくなっていくようで

 

 

 

見惚れつつ歩き続けて向かった売店
イマイチ進捗具合の悪い  
ここ数週間 まともに手がつけられていない卒論用のファイルを購入
自分から自分へ発破をかけるように購入

 


売店から外に出て再び眺めた空
雲とその切れ間から射し込む陽光の神々しいまでの風景はここでも続いている
向こうから1つ、2つ・・・・   こんなにも連なっている
向こうから1つ、2つ・・・・   こんなに素晴らしい風景がここにあったなんて

 

 

ふと、そのとき駆け巡った

 

 

あと何度、こんな素晴らしい空をこの屋上伝いの高さから眺められるのだろう と     
ありがちな話だけど、あまりにも当たり前のように捉えすぎていた

 

あと何度、こんな素晴らしい夕暮れをこの屋上伝いの高さで迎えられるのだろう と    
ありがちな話だけど、落ち着いてきてようやく細部まで見えてきたんだ

 

 

 

もう、残りは少ないけれど
少しでも多くしっかりとじっくりとこんな素晴らしい空を一つでも多く眺めてみたい

 

もう、残りは少ないけれど
少しでも長くしっかりとじっくりとこんな素晴らしい景色を少しでも長く焼きつけておきたい

 

 

 

 

穏かにぼんやりと

だけど、くっきりと  
幾筋の陽光
滲む橙  
棚引くように 重なるように雲たち
連なる山脈
添える名残の観覧車
ジオラマみたいな町並み
霞む4限間近

 

 

 

 

こんなに綺麗に包んでいてくれた景色たちを決して決して忘れない
こんなに鮮やかに包み込んでくれていた景色たちを何かしらの形で活かしたい

      
そんなロマンチックな高揚を齧りながら、大講義室へといつもより早歩き



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