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真名

「貴様の真名は調べがついている。いかに強大な魔法使いといえども、真名を知られては手出しできまい」「ほう…」「お前の真名は、チチンポイポイグラマラサイダー――」「遅ぉい!」ズガ!! 「物理攻撃、とか……ガク」

宝珠

村に祀られた大事な宝珠を、ある日子供が砂利石に混ぜて無くしてしまった。そんなはずはない、一番美しい石だと大人たちは探した。見つからずに困っていると、誰かがこれだと言って台座に乗せた。以後こんなことがないよう覆いをし石造りの室に封じた。そして変わらず祈りを捧げた。

朝露に沈む街

朝靄に沈む街の景色を、僕はどこかでみたことがあると思う。例えば、山頂の雲間から覗く空中庭園。例えば、住んだ湖面の水底に沈む朽ちた神殿。そこでは亡霊たちが彷徨い歩き、寒々とした目で僕を見つめる。そこでは視線が欠けているという点で、この場所に似ている。

石畳

幾何学模様の石畳が、歩く端から分離していく。半ば駆け足で結束を弱めた足場を飛び移り、やっと階段に辿り着く。下落していく階段を延々と駆け上がっていく。眼下には黒い淵が広がり、落ちていく石畳がまるで天の川のようにきらきらと瞬いている。

脱皮

会社の女の子が一週間程休んだ後、別人のように綺麗になった。「その顔どうした?」「脱皮したんです」「いや、整形だろ」「本当は、羽化したんですけど。だから今日は辞表を」窓の外で沢山の天使たちが空を登っていく。別の種族だと気づくのに時間がかった。同性愛者は正しかった。

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