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孤独

「こうして毎日ツイッターでやり取りしているけど、きみたちが本当は存在しないことは知ってる。僕はこの惑星に機械たちとひとりきり。同じような人間が何億光年もの間に散らばってるなんておかしいだろ」「いや今まで黙ってたけど、存在してるの俺だけだから」「いや俺が」「私が」

出会い

駅のホームで人波に押されて荷物をぶちまける。「きゃっ」「大丈夫ですか?」よろける私を支えてくれる筋肉質な腕。涼しげな目元が私を見下ろし、白い歯を見せてニコッとする。ななんてイケメン! 私が男だったら惚れてたなと思いながら、私は彼が拾ってくれた薄い本を受け取った。

赤い実

悪気はなかったわ。ただお婆さんの庭のルビーの木の実があまりに美味しそうだから、ひとつ取って食べただけなの。なのに毒を塗るなんて酷いわ、ねえお母さん? お婆さんはわたしが悪いというの。お前が若くて美しいから。お前の頬があまりに赤く瑞々しいから。毒を塗ったというの。

この部屋に窓は一つしかない。それも目がやっと見える程度の細長い覗き穴だ。外では家を持たない者たちが、暑さと寒さに曝されながら助け合う様子が見える。向かいには大きな窓越しに涙を流す者がおり、かと思えば小さな窓から手だけを出して石を投げる者もいる。扉は見当たらない。

叔母さん

叔母さんはいつも麦藁帽にTシャツショーパンで帰ってくる。僕は小学生みたいだとバカにしていたけど、或る年真っ白なワンピースでお見合いをした。結果は散々。お膳立てした両親とも喧嘩別れ。綺麗な足を隠したからだと教えるために、今年の夏は貯めたお金で僕が訪ねるつもりだ。

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