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どこでもドア

世界中の「どこでもドア」が故障した。目的地以外に飛ばされ、会社に辿り着けない人が続出、電話が殺到してケータイもストップ。仕方がないから僕は、海岸線沿いの駅のホームで、二時間後の列車を待ってる。カモメが空を漂い、白い砂浜に波が打ち寄せる。とても清々しい朝だ。

帰り道

友達と話し込んだり、図書室に寄ったり、気まぐれな彼のために下校時間を調整している。偶然を装って話しかけるわけでも、帰宅道を外れて後をつけるわけでもなく、唯一同じ道のりを歩く100mで彼を追い抜くために。そのときだけは、彼は私を見てくれる。たとえ、後ろ姿だけでも。

帰り道2

友達と話し込んだり、図書室に寄ったり、気まぐれな彼女のために下校時間を調整している。偶然を装って話しかけるわけでも、帰宅道を外れて後をつけるわけでもなく、唯一の同じ道のりを歩く100mで彼女を追い抜くために。そのときだけは、彼女は俺を見てくれるだろうから。

通り雨

うたた寝から目覚めると、外は暗くなっていた。雨が降っているのだ。慌ててサンダルを突っ掛け、傘を二本持って駅に走った。改札を出てきた夫は、わたしを見て吹き出した。「珍しいね。迎えに来るなんて」わたしは傘を身体の後ろに隠して家路を歩いた。その日は珍しく星が出ていた。

通り雨2

授業中に手紙が回ってきた。『三浦があんたのこと好きなんだって』「ねぇねぇ、どうする?」「どうもしないし、用事あるし帰る」校舎を出た瞬間、地面が濡れてるのに気づいた。「雨降ったんだ」「ホントだ、気付かなかった」三浦だ。彼は水溜りの道を走って行った。振り返らずに。

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