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ラプンツェル

ラプンツェル1

ラプンツェル、ラプンツェル、お前の髪をさげとくれ。と呼びかけると、塔の窓からそれぞれ五本のおさげが降ってきた。金茶赤黒白の髪――顔は見えない。金髪が一般的だが、トラップかも。とりあえず、キューティクルの傷んでいないのにしよう、途中で切れたら嫌だしと男は思った

ラプンツェル2

ラプンツェル、ラプンツェル、お前の髪をさげとくれ。するすると降りてきた髪に掴まり、塔の壁面を登り始める。窓まであと二頭身ほどに迫ったとき、窓から鬼の形相で顔を突き出す女に気づいた。この世のものと思えない悲鳴とともに女が窓から飛び出し、二人は地面に叩きつけられた。

ラプンツェル3

ラプンツェル、ラプンツェル、お前の髪をさげとくれ。若い男の呼び声に、喜びいさんで髪の根本に近い方をベッドの支柱に縛り付け、その先を窓から投げ下ろす。だが、待てど暮らせど誰も登って来ない。手繰り寄せてみると髪の先2mばかりがばっさりと切り取られ持ち去られていた。

ラプンツェル4

ラプンツェル、ラプンツェル、お前の髪をさげとくれ! 長さ200m、重さ1トンもの髪が雪崩をうって落下し、男は圧死した。

ラプンツェル5

貞子、貞子、お前の髪を投げとくれ。呼び掛けた途端、ドタッと井戸の縁に先を幾重にも縛って重い玉を作った黒髪が投げ上げられる。宙吊りの痛みに暴れ、壁にぶつかり引きずる感触を無視して力一杯引き上げる。やがて爪の剥がれた手が井戸の縁を掴む。