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初めに~

 

弥馬都_YAMATOです

 

ちょうど今から13日前に『月の裏で逢いましょう』という本に

ただ想いのままに書き留めた詩だか 呟きだか 希望だか 絶望だか

一言で言い表すには難しい気持ちを毎日 綴ってきました。

 

 

公には一切宣伝してないにも関わらず覗いて下さる人がいるコトに感謝しています

 

 

男とか女とか性別も 年齢も 何も明かしていないのは 

私の詩集を覗いて下さった人がそれぞれに 

思い浮かべてくださったのが私そのものだというコトで

想像の中の人物としてとらえていただきたいからです

 

 

今回二冊目に当たる『青の炎』は 

ある人から贈られた題材をそのまま使わせていただいたものです

 

私は月が好きです

 

愛しているのかわからないけど 月に恋しています

 

太陽と月は決して交わるコトなどないのだけど・・・

 

 

本作りも構成も何もわからないまま

ただ本当に想いのままに書いてます

 

この本は何か言葉や題材的な台詞 

決められた登場人物などのお題をいただいて

私なりに書いていこうと考えています。

 

それから『月の裏で逢いましょう』に綴っている

詩への想いなども書くかもしれません

 

もし良ければ何か私に言葉を下さい

メッセ欄にでも『死』『空』『華』や

たとえそれがあなたの愛する人の名前でもかまわない・・・。

 

私の想いを交えた 

詩だかなんだかわからない文面に その言葉と

あなたの想い綴らせてくださいませんか?

 

 

 

覗いてくれて ありがとう。

 

この瞬間にだけ

私は自分の存在を感じます・・・

 

 

        


青い炎~其の一

青い炎~其の一

 

 

 

私の場合

 

 

 

 

 

少し渋めの藍色の呂の着物に

お気にいりの帯を

     キリッ!

と結んで

下ろしたての真っさらの白い足袋を履いた。

 

 

待ち合わせの場所には

いつもは15分以上も遅れてくる あなたが

腕時計を何度も何度も覗きこみながら

 

私の姿を探しているのかと

勘違いしたくなる程の強い視線を

人混みに向けているのが見えた

 

 

そう・・・

あなたが気にしてるのは

      うっかり知り合いにでも会いやしないか・・・

 

という

つまらない理由からね

 

私は小さく手を挙げて 周りを気にするコトもなく

あなたに近づいた。

 

着物を羽織っていても

相変わらず私は おしゃべりで

今日くらいは大人な女を思い切り気取ってやろう

という私の中の小さな計画は

既に失敗だなぁ~と感じていた。

 

少し離れて後ろに立つ私

順番がきてタクシー乗り込んだ

 

乗り込んですぐ私は

また いつもの皮肉めいた口調であなたに

     

     タクシーの順番は あっ!という間にまわってくるのにね~

 

私はワザと明るくおどけて言った

 

 

いつもそうだ。

 

いつだって そう・・・

 

聞いてるんだか

 

聞こえないフリしてんだか・・・

 

あなたは表情一つも変えやしない

 

 

     まっ!いいかぁ~

     私も可愛くない言いかたしちゃったしなぁ~

 

と また私は明るく幸せそうな笑顔を隣のあなたに向けた

 

タクシーは目的地に向けて走りだしている

 

 

 

 

                                                                                           

                                                 2011/08/09  13:30記                                               

 

 

 

俺の場合

 

 

 

 

 

家を出るのは比較的簡単だった。

いつものように普通の会話に

変わり映えのしない パンと卵の朝食

 

変わったといえば

       コーヒーが

       インスタントになったコトくらいだなぁ~

 

そんなどうでもいコトを考えながら

何時もより不味く感じるコーヒーを流し込んだ。

 

      別に隠すようなコトじゃない・・・

 

そう自分に言い訳するかのように何度も心の中で呟いた。

 

      今日は接待があるから遅くなる

 

そう言ってスーツ姿で玄関に向かい家を出た

 

待ち合わせまでの夕刻時間までには

十分すぎるくらいの時間と暇を持て余した俺は

まさかこの年になって行くコトになろうとは思いもしなかった

漫画喫茶に足を止めた

 

     今頃、君は何をしているんだろうか・・・

 

そう頭の片隅でぼんやり考えながら

やがて俺は座り心地のいい漫画喫茶の個室の中で

眠りについた・・・。

 

 

 

 

      少し早く着き過ぎたかなぁ・・・。

俺は自分が何故か少年に戻ったような気さえしていた

 

      そうか・・・

      あんな今時の若者が行くような場所にいたからかな。

と自分でも少し笑いそうになりながら

大勢の人が行き交う流れの中に君の姿を探した

 

きゃしゃでいて

まるで血管まで透けるような白い肌を持つ君は

藍色の着物を 

まるでワンピースでも着るような感覚で着こなし

一際目立つ存在として俺の眼の前に現れた

 

       黙っていれば大人の色気さえ感じるのに

 

相変わらず挨拶もそこそこに楽しげに話しだす

 

タクシーに乗り込むと君はまた僕を困らせるような台詞を

何の躊躇いもなく口にするんだね・・・

 

僕はいつも答えに困って

今日も聞こえないフリをした。

 

タクシーは目的地に向かっている

 

                                                 2011/08/09 18:55記                             

 

 

 

             其の二に続く


青い炎~其の二

青い炎~其の二

 

 

 

間もなくタクシーは目的地に着いた

 

      わぁ~

      人が大勢いるわねぇ~

わたしは思わず声をあげた。

 

 

      本当だ。こんな不景気な時代なのになぁ・・・

そう言った言葉の中にも何だか年を感じるなぁ~

と ふと 俺は寂しさがよぎった。

 

 

二人は屋形船に乗り込み

差し詰め小一時間の幻想的な小さな旅に漕ぎだした。

 

 

其の三に続く

                           2011/08/15 17:45記


青い炎~其の三

青い炎~其の三

 

 

 

嵐山をバックに

間もなく鵜飼は始まった

 

それは千年の昔から続く

京の夏の風物詩。

 

かがり火が焚かれる中

中型の屋形船に乗り込み

嵐山の夜景と鵜飼漁を楽しむ

ちょっとした 大人だけに許された

夏の日の贅沢。

 

川岸からの見物客は

若いカップルから 近所の子供まで様々だ

 

 

 

 

 

私の場合

 

 

今日、迷った末に着物を選んだ。

 

本当は二週間前に京都に誘われた時から

準備していた着物。

夜の闇に溶け込むような深い藍の色

 

帯結びも 髪を軽く結いあげるのも

私は日常の中で慣れていた

 

そう・・・

だから鎧のように私を包む この衣が

肌から剥ぎ取られたとしても

差し詰め困るコトはないのを承知していた。

 

 

                               2011/08/17/ 21:15記

 

 

其の四~俺の場合に続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


青い炎~其の四 俺の場合

青い炎~其の四 俺の場合

 

 

 

 

俺の場合

 

やはり誘って正解だったな・・・。

とても楽しげな無邪気な顔で

鵜飼の様子を眺める君を見ながら

俺は満足だった。

 

着物で来られたら

予期せぬ

いや本心では期待している

この先の逢瀬を考え

普通の男なら眉の一つも しかめたかもしれない。

 

でも俺にはそんなコトはどうでも良かったんだ

ただ君とこうして過ごす時間が

俺の平凡で退屈な時間の中に存在するだけで・・・。

 

 

鵜船の横を櫂で叩く

       バーン バーン

という派手で強い音を合図に鵜は一斉に川に潜る

 

鵜の 喉には紐が巻かれている

紐の巻き方により

その鵜の吐き出す鮎の大きさが変わる。

 

その決められた大きさよりも小さい鮎は

鵜の胃の中に落ちる寸法になっている。

 

その説明を聞いた時に

 

      トリと言えども何か報酬がなければ

      あんなに必死に 魚を追わぬものなんだな・・・

      ゆくゆくは君を手に入れようとしている 俺に似ているなあ

 

と馬鹿げたコトを 少し自分と鵜を重ね感じていた

 

それと同時に

恐ろしいくらいに美しい君の横顔を眺めている

 

こんな大人びた表情は 今までになかったな

 

かがり火に照らされているせいなのか?

 

少しの酒がそうさせているのか・・・。

 

                                2011/08/20 11:05 記

 

其の五~に続く                                

 



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