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はじめに

この本は19世紀後半にイギリスで出版された、"Language of Flower (花言葉)" の翻訳です。


19世紀後半のイギリス、いわゆる "Victorian England" (ヴィクトリア朝イングランド)では花言葉」が盛んでした。花言葉とは、花がもつとされた象徴的な意味のことで、バラは「清純な愛」、月桂冠は「栄光」などが代表的なものです。


当時は物事をはっきり言う代わりに花にメッセージを渡して送るのがエレガントとされ、ロンドンの街角では花屋が繁盛を極めましたが、花言葉のルーツは古代ギリシャの「寓意」だと言われています。


古代ギリシャでは神話や伝説が現実的に解釈されましたが、これを寓意と呼びました。たとえば天秤の寓意は「公正」ですが、これはギリシャでは公平を司る女神は、天秤を手にしていたことにちなみます(これが「天秤座」の由来でもあります)。


これにならって中世ヨーロッパでは、聖書や聖人録によって、動植物や道具類に象徴的な意味をつける習慣が生まれ、さまざまな寓意が生み出されました。(狐は「狡猾」、蛇は「邪悪」、天秤は「公正」、魚は「生命」など)


そのような寓意は中世が終わると廃れたのですが、18世紀になるとトルコから新たに花言葉が伝えられます。当時のトルコは華やかなイスラム文明の中心地で、ソファを初めとした様々な文物がヨーロッパにもたらされましたが、花言葉もその一つでした。


トルコの花言葉は寓意という枠組みを越え、花だけでメッセージを伝えられるほど完成度の高いものであり、駐トルコ大使モンテギューの夫人が帰国したさい、イギリスに紹介したと言います。


その後イギリスではいったん下火になりますが、ヴィクトリア時代になってこの絵本が出版されると、爆発的に流行。その中で花言葉は市民権を獲得していきます。そしてその花言葉の多くは、今でもなお、広く使われているのです。


それでは詩情豊かな「花言葉の世界」をお楽しみください。


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