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首輪

首輪

 

 

 

 

気がついた時から私

ずっと首輪が つけられてたから

 

それを変だと思うコトなどなかったの・・・。

 

いつもつけられていたのに

 

他の猫は違うの?

 

お外に行く時も首輪はリールで

あなたと繋がってたから

 

道に迷うコトもなく

 

怖い思いもしないで

 

ちゃんと お家に連れ帰ってこれたは・・・。

 

 

お気に入りの首輪

 

黒い皮でできた首輪

 

その先は

赤いリールで あなたへと繋がっていた。

 

なのに

どうして今日はそれを外すの?

 

    たまには自由に外の世界を

        見てきてごらん。

 

どうして そんなコトを言うの?

 

 

どうして。 

 

どうして。

 

どうして・・・。

 

 

自由きままな猫だけど

 

急に不安になるじゃない

 

外された首輪。

 

私の首にずっと ずっと

つけられていた首輪

 

あなたの膝は

私だけの指定席だったのに

 

今は見たことのない

綺麗な人の白く長い指が

あなたの膝に そっと添えられている

 

私は猫だから

 

その白い指に爪をたてるコトは得意なのよ。

 

あぁ・・・

 

でもやめとこう

 

ねぇ~

 

その首輪

どうしても外さなきゃだめなの?

 

いっその事

首輪に空いてる穴を緩めるのではなく

 

ゆっくり

ゆっくり締め上げてよ。

 

私は猫だから

化けてでるのは お得意かもだけど・・・・

 

 


君。

君。

 

 

 

 

夜空を彩る夏の花火

 

地上から空高く高く舞い上がる

 

     ヒュ~ッ

 

  パァ~ン!パァ~ン!!!

 

一瞬に鮮やかに咲く大輪の華。

 

     まるで君のようだなぁ~

と僕は小さく呟いた

 

    キレイだねぇ~

と君は大きな瞳を子供のように輝かせ

   

    首が痛くなっちゃあったぁ~

と言って少し肩をすくめて笑う。

 

 

鮮やかに咲く大輪の華。

 

後のコトも先のコトも考えずに

僕の胸に飛び込んできた あの日の君。

 

線香花火の頼りなげな静かな火花に

僕は少し退屈を覚えた頃だった。

 

幼い君。

 

僕には守らなきゃならないモノが多すぎるのに

 

    私 あなたを どうしようもなく好きになったみたい・・・。

    影になるから・・・

と消え入りそうな声で言ったね。

 

大勢の人混みでさえ離れて歩かなきゃいけない二人

 

僕の束の間の愛によって

美しく華開いた君。

 

 

君もやがて消えてしまうんだろうか・・・。

 

あの夜空に溶け込んで跡形もなく消えてゆく

 

花火のように

 

僕の心に美しく大人びた横顔だけを鮮やかに残して・・・

 

 

 

 

 

 

 


月。

月。

 

 

 

 

今日わたし

お船に乗るの

 

おめかしして

 

髪も少し毛先を

     クルン

と巻いて

 

お気に入りの 

ひまわり柄のワンピース着て

 

サンダルはいて

 

モチロン脚の爪には

ペニキュア塗って~

 

 

今日わたし

お船に乗るの

 

太陽の光一杯浴びて

 

負けないくらいな大きな笑顔で

 

 

今日わたし

船に乗るの

 

潮風を頬にかんじながら

 

少し甘くなりすぎた

わたしのハートが

 

これ以上

甘くならないように

 

潮風に当たりにいくのよ。

 

 

今日わたし

お船に乗るの

 

悪戯に近寄ってくるカモメと戯れに

 

 

今日わたし

お船に乗るの

 

あなたを想い過ぎて

甘くなり過ぎた 私のハートに

 

     少し休みなよ

 

ってスパイスの塩ふりかけて

 

また あなたに恋ができるように~

 

 

そして太陽が手を振って

海の向こうに沈んだら~

 

少し熱くなり過ぎた

わたしの身体と心は

一直線に あなたへ向かう

 

寄せては返す波ではなく

 

ただ激しく流れる川を遡る鯉のように

 

あぁ・・・。

いつからなんだろう

 

月に抱かれれば冷たくひえてゆく身体と心に

幸せを感じ始めたのは・・・

 

もう海には還れないみたいだ

わたし・・・。

 

 

 

 


嫉妬

嫉妬

 

 

 

 

俺と目があった瞬間に

お前の赤く鮮やかに彩られた口元が

妖しげに笑みを浮かべた

 

 

こんなドラマみたいな偶然な茶番に俺は

ただぼんやりと お前を見ていた・・・。

 

あぁ・・・

最近お前が妙におしゃべりになったのは

そういうコトか・・・。

 

今の時代に流行らない煙草(こどうぐ)に

俺は少し気取って火をつけた

 

 

まるであったことのないような女(おまえ)

 

服装も

化粧も違う。

 

隣にいる いかにも今風の男と腕を絡め

お前はゆっくりと俺に近づいてくる

 

     ぞっ!

とする何かが俺の中に芽生えたと同時に今までとは違う感情が沸き起こる

 

 

顔色ひとつ変えず

口元だけが まるで勝ち誇ったように笑う。

 

俺は俺で小さな手をつないだまんま

ただ お前をぼんやりとみていた

煙草の灰が落ちそうになるのも忘れて

 

 

     パパ~

という声も もう俺の耳には只の雑音にしか過ぎなかった。

 

 

俺の知らない女(おまえ)

まるで別の生命体。

俺とは違う男と腕を絡めあい笑いながら

何事もなかったように通り過ぎるお前

 

 

     パパ~。次は あれにママと三人で乗りたいなぁ~

雑音に似た

声だか何だかわからない音がする・・・。

 

お前に何か激しい感情を植えつけられた俺には

この場から走り去り

お前の肩を掴んで

    その男はだれなんだ!!!

と言うコトはできなかった

 

 

今度の水曜日

お前はいつものホテルにくるのだろうか?

 

何だかわからない感情を抱えたまま

俺は軽く煙草の煙と共に焦りと怒りを吐き出し

 

家庭(にちじょう)へと還っていく・・・。

 

 

 

 

 


甘い拷問

甘い拷問

 

 

 

 

あなたとの連絡は

いつも秘密めいた携帯の中・・・。

 

お互いの時間の許す瞬間

 

想う気持ちが溢れ出した時の

スパイなみの連絡手段。

 

 

わざと私は会議の時間を狙い

 

何でもない日常の戯言を~

無理ムリの理由つけて

 

発信!!!

   

 

ほら!

あなたの胸ポケットの携帯が

静まりかえった会議室で

マナーモードのブルブル音。

 

クールなあなたの顔色が

チョッピリ曇るくらいに響きわたってるんでしょうねぇ~

 

 

わざと意地悪したくなる私・・・。

 

 

仕事を終えたあなたからのラブレター

 

      コラ!

      全く君って人はぁ~

      放っておくと何をしでかすか わからない人だなぁ~。    

                 僕はいつも君を想うしかないじゃないかぁ~

 

 

そう!!!

私は普段は決してみせない あなたの素顔を

唯一知ってる訓練された女スパイ!

 

そんな素顔を独り占めしするための今回の計画!!!

成功かなっ!?

 

 

本当は

いつも あなたに見破られ

今日も罠にかかったスパイ。

 

ねぇ~

今夜はどんな甘い拷問が私を待ちうけているのかしらぁ~

 

 

 



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