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月。

月。

 

 

 

 

今日わたし

お船に乗るの

 

おめかしして

 

髪も少し毛先を

     クルン

と巻いて

 

お気に入りの 

ひまわり柄のワンピース着て

 

サンダルはいて

 

モチロン脚の爪には

ペニキュア塗って~

 

 

今日わたし

お船に乗るの

 

太陽の光一杯浴びて

 

負けないくらいな大きな笑顔で

 

 

今日わたし

船に乗るの

 

潮風を頬にかんじながら

 

少し甘くなりすぎた

わたしのハートが

 

これ以上

甘くならないように

 

潮風に当たりにいくのよ。

 

 

今日わたし

お船に乗るの

 

悪戯に近寄ってくるカモメと戯れに

 

 

今日わたし

お船に乗るの

 

あなたを想い過ぎて

甘くなり過ぎた 私のハートに

 

     少し休みなよ

 

ってスパイスの塩ふりかけて

 

また あなたに恋ができるように~

 

 

そして太陽が手を振って

海の向こうに沈んだら~

 

少し熱くなり過ぎた

わたしの身体と心は

一直線に あなたへ向かう

 

寄せては返す波ではなく

 

ただ激しく流れる川を遡る鯉のように

 

あぁ・・・。

いつからなんだろう

 

月に抱かれれば冷たくひえてゆく身体と心に

幸せを感じ始めたのは・・・

 

もう海には還れないみたいだ

わたし・・・。

 

 

 

 


嫉妬

嫉妬

 

 

 

 

俺と目があった瞬間に

お前の赤く鮮やかに彩られた口元が

妖しげに笑みを浮かべた

 

 

こんなドラマみたいな偶然な茶番に俺は

ただぼんやりと お前を見ていた・・・。

 

あぁ・・・

最近お前が妙におしゃべりになったのは

そういうコトか・・・。

 

今の時代に流行らない煙草(こどうぐ)に

俺は少し気取って火をつけた

 

 

まるであったことのないような女(おまえ)

 

服装も

化粧も違う。

 

隣にいる いかにも今風の男と腕を絡め

お前はゆっくりと俺に近づいてくる

 

     ぞっ!

とする何かが俺の中に芽生えたと同時に今までとは違う感情が沸き起こる

 

 

顔色ひとつ変えず

口元だけが まるで勝ち誇ったように笑う。

 

俺は俺で小さな手をつないだまんま

ただ お前をぼんやりとみていた

煙草の灰が落ちそうになるのも忘れて

 

 

     パパ~

という声も もう俺の耳には只の雑音にしか過ぎなかった。

 

 

俺の知らない女(おまえ)

まるで別の生命体。

俺とは違う男と腕を絡めあい笑いながら

何事もなかったように通り過ぎるお前

 

 

     パパ~。次は あれにママと三人で乗りたいなぁ~

雑音に似た

声だか何だかわからない音がする・・・。

 

お前に何か激しい感情を植えつけられた俺には

この場から走り去り

お前の肩を掴んで

    その男はだれなんだ!!!

と言うコトはできなかった

 

 

今度の水曜日

お前はいつものホテルにくるのだろうか?

 

何だかわからない感情を抱えたまま

俺は軽く煙草の煙と共に焦りと怒りを吐き出し

 

家庭(にちじょう)へと還っていく・・・。

 

 

 

 

 


甘い拷問

甘い拷問

 

 

 

 

あなたとの連絡は

いつも秘密めいた携帯の中・・・。

 

お互いの時間の許す瞬間

 

想う気持ちが溢れ出した時の

スパイなみの連絡手段。

 

 

わざと私は会議の時間を狙い

 

何でもない日常の戯言を~

無理ムリの理由つけて

 

発信!!!

   

 

ほら!

あなたの胸ポケットの携帯が

静まりかえった会議室で

マナーモードのブルブル音。

 

クールなあなたの顔色が

チョッピリ曇るくらいに響きわたってるんでしょうねぇ~

 

 

わざと意地悪したくなる私・・・。

 

 

仕事を終えたあなたからのラブレター

 

      コラ!

      全く君って人はぁ~

      放っておくと何をしでかすか わからない人だなぁ~。    

                 僕はいつも君を想うしかないじゃないかぁ~

 

 

そう!!!

私は普段は決してみせない あなたの素顔を

唯一知ってる訓練された女スパイ!

 

そんな素顔を独り占めしするための今回の計画!!!

成功かなっ!?

 

 

本当は

いつも あなたに見破られ

今日も罠にかかったスパイ。

 

ねぇ~

今夜はどんな甘い拷問が私を待ちうけているのかしらぁ~

 

 

 


 

 

 

 

何がきっかけで

こんな話をしたんだろう・・・

 

自分が死んだ後のコト。

 

      いい音楽におくられたいなぁ~

 

共通の友人の葬儀の帰り道

こんな あなたの小さな呟きからだったしょうな気がする

 

 

      うん・・・。

とだけ

いつもは とてもおしゃべり好きな 私は答えた。

 

 

      私ね~

      骨葬に決めてるの。

 

 

真っすぐにあなたに向けられた視線を

不思議そうに あなたは覗きこんだ。

 

      死んだ顔とか見てもらいたくないしぃ~

      先に大好きな人に 最後のキスしてもらって

      骨になるの・・・。

 

      後は何本かのキレイな花と明るい音楽

      そしてお気に入りの写真が あればいいの。

 

そんな私の発言を

いつものように軽くうけながして あなたは話を別の方へと導いた~

 

       なぁ~

       そんな先の話しより現実(いま)の話しをしよう

 

 

そうだね

そうだったは・・・

 

瞬間(いま)の話をしなくちゃね・・・

私には もう・・・

時間がないの

 

      ねぇ・・・

          神様。

      後どのくららいの時間がありますか?

 

小さく囁いた声は

都会の雑踏の沢山の呟きの中に消えた。

 

      さぁ~て!

      明日からもがんばりますかぁ~

 

あなたは

少しおどけて笑う私の手を握り

一気に赤から青にかわった横断歩道を駆け抜けた

 

 

私は少し苦しくなって

左胸に抱えてる爆弾のタイマーが確実に進んでるのを感じながら

あなたとふたり雑踏の中に溶けこんでいった・・・

 

 


夏休み

夏休み

 

 

 

 

子供の頃

 

決まって始業式前になって慌てて書いた絵日記。

 

 

記憶を少しだけ

過去にタイムスリップして

 

その日の天気をあらゆる手段で調べたり

写真を頼りに書きあげた~

 

 

私のハートのダイヤリー

週末は何時も空白

あなたからの誘いが入るのを待っている

 

 

週末の日記は何時も空白・・・

記憶をたどろうにも何もない・・・

 

ポケットに忍ばせ いつも気にしているのに

ブルブルとも鳴らない携帯に

 

あなたの前では何故か おしゃべりな私に

たじたじで無口になる あなたを想いだす・・・

 

 

ねぇ~

楽しげに今頃話してるの?

 

誰に触れているの・・・

 

 

あぁ・・・

考えるのはよそう・・・

 

 

壊れそうだから

崩れそうだから・・・

 

 

だから許されているのね

週末の自由。

欲しくない自由。

 

 

もう少ししたら

この自由な快楽から抜け出せなくなりそうよ・・・

 

始業式がないのなら

日記を一気に書きあげて

このまま住み家をかえましょか?

 

 

 



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