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パーフェクトスパイダー



空を見上げた
ボクはどこから来たのだろうか?と
ココデハナイドコカ
ココデハナイドコカ
声がするんだ
ボクは探さなければならない
ボクは見つけなければならない
ボクにだけ
ピッタリとあう
完璧に欠けた存在を

なぜこんなにも
キミとボクとは違うのだろうか?
ボクデハナイダレカ
ボクデハナイダレカ
笑っているよ
気がつかなければ幸せだったろうか
分からないことは不幸せだったろうか
ボクはほら
どこから見ても
完璧に欠けた存在

いらないなら捨ててしまえばいい
くだらないなら笑い飛ばせばいい
乾いているなら飲み干せばいい
まだ足りないのなら奪い取ればいい
そうして夜になる
そうして夜が明ける
そうして明日になる
そうして昨日になる
でもね
ボクはもう身動ぎもできない
キミをみつけた

パーフェクトスパイダー キミにとらえられ動けない
パーフェクトスパイダー ボクはキミの影
パーフェクトスパイダー キミにとらえられ動けない
パーフェクトスパイダー キミはボクの鏡
パーフェクトスパイダー ボクはキミの光

不完全なのはボクのほうさ
とキミが言う
マダハヤスギタンダ
モウオソスギルンダ
泣いているのかい?
つらいのはイタミのせいなのか
伝わるのはイタミだけなのか
永遠に乾いていくだけのボクらは
完璧に欠けたままの存在

パーフェクトスパイダー キミにとらえられ動けない
パーフェクトスパイダー ボクはキミの影
パーフェクトスパイダー キミにとらえられ動けない
パーフェクトスパイダー キミはボクの鏡
パーフェクトスパイダー ボクはキミの光




螺旋


明るい未来を積み残して
バスは走り始めた
僕の中の君を見つけるために
偽物のラバーブーツの底に
へばりついてくる
真っ黒な影を踏みにじりにして
高速回転

正気か?
狂気か?

君のために回る世界を左手に持ち
僕は落としてしまったナイフをとろうと必至だった

バランスは崩されるために在るんだ
光のために影が在るんだ
今日のために明日が在るんだ

飛散するグラスを停止させたくて
左腕を差し出したのに
裏切られたのは

運命なのか?
人生なのか?

僕は苦手なウィンクをして
できるだけ正確に世界を切り取ろうとした

グラシヤス
 シニョール

アングルを変えよう
いきすぎてしまった全てのスナップのために
たがいちがいの段階を経て
上昇する螺旋を下りながら
マフラーのようにからみついてくる
腕をふりはらうとき

ねえ
君にも見えただろ?
君の中の僕は善人
僕の中の僕は、、、、?



Rainy Days


そのとき
初めての雨が降った
頬つたう冷めきった雫
その日
はじめてウソをついた
生まれついてのペテン師のみたいに

うまく言えたハズなのにナゼか悲しくて
見透かされてるだけだとは気づけやしなくて
「どこにいますか?」
せめてもう一度だけでも逢いたくて (逢えなくて)
乾いていく川底にただ沈んでいくだけ
嗚呼

震えを隠すように夢中で走った
かきむしるように手を伸ばした
無くしたものをかき集めるように
「ここには無いよ」とは
言ってほしくなかったのに
「うまくできたでしょ?」
って自慢してたけど
ホントはうまくなんてなりたくなかった

「聞こえていますか?」
せめてもう一度だけでも逢いたくて (逢えなくて)
ひからびてく川の底にただ流れていくだけ
嗚呼

「うまくできたでしょ?」
「よく似合うでしょう?」
ホントの自分を見失えるくらいに

「ほら見えるでしょう?」
せめてもう一度だけでも逢いたくて (逢えなくて)
乾いていく川底にただ沈んでいくだけ
嗚呼





ドライブ


プップー
シューッ

「どこまでですか?」

分かってるくせに毎回聞きやがって
そんな風に君は思うのだろうか?

いや、そんなはずはないさ

乗り込むと
きまって窓側の一番前の席に座って

本を読むでもなく
音楽を聴くでもない

ほんの少し微笑んで
走り去る風景を眺めているんだ

「発車しまーす」

山あいを抜け
田園を抜け
川を渡り
街へ
僕らを乗せたバスは進んでいく
僕らの大切な時間は進んでいく

「わたしバスが好き」

いつか君がつぶやいたセリフ
なんだか嬉しくなって
あぶなくバス停をひとつとばすところだった

でも
なにかあったのかい?
今日はなんだか落ち着かないみたい
大好きな景色もうわの空なんだね

プシュー
シュッシュー

短い旅の終わり

バス停に着くと
すぐにかけだした君

「発車しまーす」

ああ
好きな人ができたんだね
窓越しにふたつの影を見送ると
やがてバスは折り返し地点

つぎのドライブの始まりだ



愛の真実


なあ
君がどんなリアリストだとしたって
信じるしかないんだぜ?

科学か非科学か
テレパシーかシンパシーか
分からないけど

愛は現実

オカルトなんかじゃない
疑うなんて愚かなことさ

これこそ真実の愛!
だなんて
言わないけれど

ほら
僕を見る君の瞳
まだ気づかぬふりをつづけるのかい?

いずれにしたって

愛は現実

信じるしかないのさ





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