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あとがき〜立ち尽くす身体と心に〜

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この作品は東北地方太平洋沖地震 チャリティ作品」に参加しており、
ご購入いただいた金額の全額が寄付されました。2012年1月末の企画終了後は、
高階への入金分(311円の70%の218円だそうです)を「ふんばろう東日本支援プロジェクト」に寄付しました。
チャリティ企画は終了しましたが、ご協力ありがとうございました。
この作品が東北への支援へのささやかな一助となることを願っています。
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あとがき 〜立ち尽くす身体と心に〜
 
本文を読んでいただいた方、ありがとうございます。
まだの方は、「チャリティのついで」で結構ですので、ぜひお買い上げの上、読んでやってください。以下は、読んだことを前提にネタバレ的に書かせていただきます。ご了承ください。
 
     *     *     *
 
2011年1月にSudden Fiction Project(以下、SFP)は既に第3期300篇に到達していた。けれどもお題はまだ10近く余っていた。そこで300を超えたお題に対しては、ペースダウンしつつも順番に書いてお届けしていた。3月の頭には残すお題は6つ。どんなに遅くとも3月中には全てを書き上げるつもりでいた。
 
そして3月11日を迎えた。ご多分に洩れずぼくの頭は大地震と大津波の被害と、これによって引き起こされた原発の事故や放射能汚染へと向かわないわけに行かなかった。混乱した状況を自分なりにとらえようとし、自分はどうすべきなのか、目の前の問題をどうすべきかということと、もっと先のことを見据えてどうすべきかということと、考えなければならないことは次から次に出てきて、おまけにそれはどれもすぐに答の出るようなものではなく、翻弄され続けた。
 
そんな状態だったので、SFPにも向き合えない状態になってしまった。自分の想像力を遥かに超える出来事が起こり、それ以前にはカタストロフィ物のSFの中でしか起こらない出来事のように思っていた世界にいきなり現実の自分が放り込まれていることに気づかされた。とてもじゃないがフィクションを書くような心境にはなれなかった。
 
表面上、淡々と生活をしていたものの、来る日も来る日もとらえようのない不安や無力感にさいなまれ、じわじわとダメージを受けていることはわかっていた。そして3月も終わり頃になって、外見とは裏腹に、自分は心の奥底で怯えてすくみあがり、声にならない悲鳴を上げて続けているのだと確信した。同じように、立ち尽くす人は、身も心も立ち尽くしてどうすることもできない人は、被災地はもちろんのこと、日本中にいるはずだ、とも思った。
 
4月になって気持を切り替えるため2篇ほど書き、5月に入って誕生日を迎える前日に残す4作品を一気に書き上げることにした。本当は誕生日を迎える前に書き上げたくて、前日の朝から書き始めたが、結局2篇までは書き上げ、3篇目の大部分を書いたところで日付が変わりいったん就寝。翌朝起きると3篇目を仕上げ、いよいよ最後の作品に向かうことにした。
 
まったくの偶然だったのだが、それは通し番号にして311番目の作品だった。
 
震災以降まるで書けなくなっていた自分が、誕生日の朝に、311番目の作品を書く。そこには何か意味があるように感じた。だから、それまで無意識に避けていた震災そのものをテーマにした話を、それも鎮魂の話を書こうと思い立った。そうして書き上げたのがこの作品、「ぼくが今ここにいる意味」だ。現実に被災し、いまなお苛酷な生活を強いられている多くの方々からすれば、こんなのは「ただのことば」に過ぎないだろう。
 
だから「これは東日本大震災の状況を描いた話です」などとは畏れ多くて言えない。せいぜいぼくに言えるのは「いつかどこかで起こったかもしれない天災を乗り越えようとする人の話です」と紹介するくらいのものだろう。けれども、あの震災がなければ、この作品は生まれなかった。それは間違いない。
 
起こってしまった出来事を変えることはできないけれど、この先をどう生きていくかを選ぶことはできる。それは実際に被災した方々もそうだし、遠く離れた場所で胸を痛める人もそうだろう。作中の男は祈ることを選んだけれど、もちろん答はそれだけではない。選ぶ道は人それぞれだろうし、また、一つだけとも限らないだろう。でも、もしも、そういうものを見つけられたら、うまくすれば、ぼくらは状況を乗り越えられるのではないだろうか。そんな祈りを込めて、この作品を贈ります。311で(あるいは思いがけない天災や人災で)立ち尽くしてしまったすべての人に。
 
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この作品は東北地方太平洋沖地震 チャリティ作品」に参加しており、
ご購入いただいた金額の全額が寄付されました。2012年1月末の企画終了後は、
高階への入金分(311円の70%の218円だそうです)を「ふんばろう東日本支援プロジェクト」に寄付しました。
チャリティ企画は終了しましたが、ご協力ありがとうございました。
この作品が東北への支援へのささやかな一助となることを願っています。
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奥付



ぼくが今ここにいる意味[SFP0311]


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著者 : hirotakashina
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