目次
第1章(実習マニュアル編) その1 インターン実習攻略マニュアル
その1 インターン実習成功の鍵は評価計画にあり
その2 初期評価と再評価の比較対象の設定が第2の鍵
その3 初回評価の面接・長谷川式スケール
その4 下位検査項目の模範的な流れ
その5 ADL(日常生活活動)のとらえかた
その6 ROM(関節可動域)テスト
その7 MMT(徒手筋力テスト)
その8 ブルンストロームステージ
その9 表在感覚・深部感覚検査
その10 筋緊張や錘体路・錘体外路障害の検査
その11 高次脳神経機能検査
その12 失行について
その13 失語症について
その14 既往歴、現病歴などの見直し
その15 社会性や意欲、興味・関心、抑うつなどのとらえかた
その16 不随意運動の評価
その17 麻痺の回復予後予測の考え方
その18(最後) 廃用性症候群(生活不活発病)を理解する
その2 レポート作成マニュアル
その1 毎日の記録でレポートは簡単に作成可能
その2 レポート整理術(評価のまとめまで)
その3 線画(棒人間)を描いて好感度アップ
その4 ICF整理法の一考
その5 評価のまとめと考察の書き分け方
その6 課題の焦点化と考察
その7 短期目標、長期目標の設定
その8 レポートにおける治療経過の書き方
その9 治療計画の作成について
その10 治療計画の詳細(最終回)
第2章(ブログ編) その1 関節可動域関連
片麻痺リハビリの評価(関節可動域)
関節可動域の方法論
関節可動域の方法論その2
関節可動域制限って実は起こるはずがないものです!
関節可動域の測定について
関節可動域測定の留意点ですけどね
間違いだらけの関節可動域評価
可動域、、実は評価が不十分です。
関節可動域測定の決定的な間違いとは?
その2 筋緊張関連
筋緊張という概念について
筋緊張や痙性というものが落とせる理由ってなに?
筋緊張を評価するということの真の意味とは?
見かけ上の筋緊張 その原因と緩和手段とは?(前編)
見かけ上の筋緊張 その原因と緩和手段とは?(中編)
見かけ上の筋緊張 その原因と緩和手段とは?(後編)
その3 ブルンストロームステージ関連
ブルンストロームステージについて
矛盾ばかりのステージの考え方
その4 感覚障害関連
感覚障害においてみられる矛盾?
見かけ上の感覚障害は必ず改善するはず!
その5 姿勢不良(不良姿勢構築)関連
姿勢不良はなぜ起こるのか?(その1)
姿勢不良はなぜ起こるのか?(その2)
姿勢不良はなぜ起こるのか?(その3)
その6 筋力関連
片麻痺に関する筋力測定1
片麻痺に関する筋力測定2
片麻痺に関する筋力測定3
その7 その他項目
最も基本的な変化は何か?
上肢はなぜ屈曲が優位なのか?
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その1 インターン実習成功の鍵は評価計画にあり

理学療法士(PT)や作業療法士(OT)を目指している学生さんへ
 
学校でのカリキュラムのほかに、皆さんが通らなければならない関門が実習です。
現在の4年生の学校ではほとんどが2年次、または3年次に評価実習
4年次にはインターン(総合)実習があり
医療機関や介護保険施設などでのリハビリテーションの実際
その他を体験することになります。
そして、課題としては症例報告や文献抄読、手術見学などのレポートなど
非常に多くの課題をこなさなければなりません。
 
私は作業療法士として20数年になりますが
25年間で約100人近くの学生(実習生)を指導しています。
特にこの2年間では20数名の学生を指導しました。
また、非常勤でありますが、大学や専門学校での講師もしてきました。
そして、今回、皆さんからの質問などがあれば
できるだけお答えしたいと考えています。
また、他の記事にもありますが
できるだけいろいろな症状でお悩みの方へも現場で培った情報を
発信することにしましたので
皆さんの口コミなどでできるだけ広げていただければと考えています。
 
今回は
評価実習やインターン実習にあたっての心構えや
実際の現場での動きの一部を紹介します。
 
これは、昨年11月某大学で講義をしたことでもありますが
実習での最大のポイント
すなわち
初期評価をいかに短期間にスムースに
レポートとして作成できるかという内容です。
ここでは、必要な項目を箇条書きにしておきます。
 
評価計画とは何か?
評価計画とは学生の症例が決定してからの
一連の評価項目を処理するスケジュールのことではなく

情報収集や場面観察を同時に計画することである。
細かな下位検査の予定だけでは、どんどん時間を消化してしまうことに
なってしまうからです。
 
情報収集
まずはカルテを
すみからすみまで読むこと
(どんなに時間がかかっても最初のページから最後までみること)、
そして必要な情報を転記させてもらうこと
次に、できるだけ主治医からの情報を先にいただくようにし
さらに
情報収集のアポイントをとれる職種(担当者)を
スーパーバイザーから
指示、指導を受け、職種によって聞くことを明確に書き出しておくこと
他の職種も非常に多忙であるため
積極的に短い時間の中で必要な情報を得るようにすること
 
場面観察
いわゆる訓練場面だけでなく
病棟や居室、その他の環境での様子(ADL)を
積極的にみれるように
時間を設定すること(もちろん指導者の許可が必要です)
 
以上の内容を
実習1週目中に(私は初期評価には2週間設定していますが)
予定表を作成するようにしてください。
評価内容の優先順位
リハビリテーション評価は非常に多くのカテゴリがあり
どれから先に行えば効率的なのかということは
学生の永遠のテーマともいえます。
しかし、学生の皆さんには自分自身が
仮に受け持たれる症例の立場になってほしいと思います。
つまり、互いに不安なくできる検査・測定から実施するのがセオリーです。
大まかにいえば次のようになります。
 
面接
長谷川スケール
(これはまたオリエンテーションにコツがあります。近々別に記事にします)
痛みの確認(VASなど)
四肢長、周径などの計測
ランドマークの触診
筋緊張などの軽い動きで可能な検査
腱反射 病的反射 脳神経
などのあまり身体的な動きの要求されないものを先に行えるようにすると
それらの期間にさらに
徐々に受け持ちの方の
全身の動きやトランスファーなどの状態がみえてきますので
不用意に受け持ちの症例に
苦痛を与えるような危険性が少なくなってきます。
そして
自動運動(ROM)から他動運動のチェック
ブルンストロームステージ
筋力
協調性
などのようにやや関節の複合的な動きをともなう事象
さらに
 
バランスを要求される部分から移動、歩行などの
流れでみていくことが自然です。
できればこのように計画して
おそらく許可は得られやすいと思います。
また
ADLについては
訓練場面の評価のみでは不可です。
病室や居室での状況を確認するだけでもだめです。
最終的に
受け持ちの方の生活拠点ということを意識してください。
たとえ、自宅での生活が困難な方でも
いつ外出したり外泊することがあるかも知れません。
そのときの状況にふれてなければ、多くの場合は、ダメだしされます。
 
したがって
場面観察が非常に重要なことであり
その際には、自宅の環境などとも比較して
施設や病院の中での自立度をチェックするだけでは
意味がないことを承知しておいてください。
 
なお次回は
比較の対象を作る(評価における初期設定の重要性)などを予定しています。

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最終更新日 : 2012-02-23 22:38:39

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その2 初期評価と再評価の比較対象の設定が第2の鍵

初めての方は、その(1)からお読みいただくようにするのが良いと思いますが

前回の続きです。

 
初期評価における設定の重要性(比較の対象を作ること)
 
何をいっているのかと怒られる方もおありと思いますが、ごめんなさい。
リハビリの評価実習は、概ね2~3週間の設定となっています。
最近は3週間での実習が主流となってきたようです。
この期間に、学生さんは1症例の評価を行い
2年次の場合は目標の設定まで
3年次の場合は
プログラム作成までがレポートの課題になることがほとんどです。
では
評価実習と4年次のインターン実習(総合実習)では何が違うのでしょうか?
治療の実際が入ることはもちろん皆さん承知と思いますが
実はそれはほとんど問題にはなりません。
 
何が違うかというと、
中間評価や最終評価を行うという
複数回の評価実施が要求されること
これが決定的な違いになります。
 
すなわち
同じ場面設定での
評価を実施しなければならないということになり
初期の設定が極めて曖昧なものであれば
すでに実習が成立しないことになってしまいます。
なぜかといいますと
初期評価と中間評価で評価方法が
まったく同じで対応したとしても
検査測定自体の信頼性や妥当性という部分では
とても教科書的な対応を
学生が実施できるとは言い切れず
仮にそれがパーフェクトであったとしても
もう一つクリアできていなければならない事象があるからです。
 
それは
検査時の対象者の姿勢の設定です。
このブログの他の記事にも触れてありますが
人間の姿勢は重力の影響を受けています。
そして随意性や麻痺の状況にかかわらず
いろいろな反応が起こっているのです。
特に
作業療法の学生に考えてもらいたいのは、
直接的に上肢や手指の動きを
よくしてあげたいと思っていても
身体の姿勢緊張や
バランス反応によって起こる筋肉の同時収縮
(また別の記事にてゆっくりと紹介します)が
相当の確率(ほぼ100%)で認められること
 
すなわち
健常であっても平均台の上を歩きながら
りんごの皮をむくことは大変困難であるというような現象が
対象者の身体に持続的に起こっていることを
理解して対応しない限り
 
教科書的な治療方法を忠実に行ったとしても
永遠に改善させることは困難なのです。
ただ
これはすぐに理解できなくても構わないことですので読み流してください。
 
これに対応できる唯一の手段は
いかに対象者の身体の左右バランスを保ち
バランス反応や同時収縮を抑える姿勢を
とらせることかということになります。
ということで、学生が検査測定を設定する場合に
安易に
車椅子上で崩れた座り方のままで実施する
ベッドに寝ている状態で検査する
ということは、私たち指導側は
よほどの事情がない限り
そのような評価方法については、却下せざるを得ないことが多くなります。
 
では、どのように姿勢を設定するかということですが
基本的には、学生の皆さんが学習された
基本姿勢の定義に準じて
 
仰臥位
側臥位
端座位(これが重要)
立位
ということを
 
できれば治療訓練台
治療用ベッド
椅子
あるいは平行棒
 
などを活用して設定していただきたいのです。
そして、その際の重要なポイントは
姿勢の定義にしたがって対象者の姿勢を矯正してみることと
そのときにランドマークを確認し
棒人間(線画)を描いてみるということになります。
 
もう一度確認します。
いろいろな検査測定の際には
対象者の姿勢は
基本姿勢に準じてとってもらうようにすること
(この姿勢が一番リラックスした状態になります)。
そして、基本姿勢については
できるだけ
検査の早い時点で確認するようにして
対象者のランドマークをチェックし
線画を描いておくことが必要です。
 
このようにすることで、
中間評価や最終評価の際にも
同じ場面設定で検査測定が可能となり
そのデータをきちんと比較することができますので
その結果に応じて
目標やプログラムの軌道修正を実施してもよいということになります。
 
いかがでしたでしょうか?
特に評価実習の際には
評価は1回のみの、出たとこ勝負となっていますので
評価自体は実施できていればよく
合否上の課題として問われることは少ないのですが
学生さんには
4年次のインターン実習で
再評価を要求すると、初期評価自体の問題に気づき
はじめてその時点で、化けの皮がはがれたようになってしまうのです。
実習の延長などもできないことも多いですし
対象者に負担を強いることにもなりますので
これでは、合格できるはずの実力を持っていても
相当の確率でふるいにかけられてしまうことになるのです。
本当に大切なのは、評価実習で
このことに気づくということなのです。
 
ですから
初期評価にも時間をかけられない状況の中で
前回紹介した評価計画と
評価の際の場面設定をまずは早い時期に処理し
さらに検査測定を効率良く
手際よく実施することが
インターン自習では要求されてくるのです。
 
では、次回は
検査測定の実際(おそらくこれも数回シリーズになると思います)に入っていきます。

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最終更新日 : 2012-02-23 22:38:39

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その3 初回評価の面接・長谷川式スケール

おはようございます。
前回は、場面設定について書きましたが
今回は、面接や長谷川式についてお話します。
評価レポートについては、
書庫を変えて投稿していますので参考にしてくださいね。
 
早速ですが
実習評価では第一印象という記載が必要となります。
その際
第一印象が
まずもって
初回面接でのことだけではないということを
理解しておいてください。
 
すなわち
たとえば
対象者さんについて
実際には、どこでお見掛けするかはわからないからですし
逆に学生が、病室や居室にいくこともあるからです。
 
したがって
たとえば
布団をかけて寝ていたところを見た場合にも
熟睡していて
まったく様子が確認できない場合を除き
たとえわずかでも対象者の機能や能力
姿勢などが確認できるのであれば
そのときの様子を書き表せばよいのです。
 
これを整理すると
姿勢や四肢に変形や異常所見が見られないか?
痛みなどの状況があるかどうか?
動作上の支障や介助の状況はどうか?
周囲の環境上、何か調整されていたりしないか?
コミュニケーションの状態に異常はないか?
などが確認できればよく
特に
対象者の表情や性格の印象などを
記載する必要はないと思います。
なぜならば
雑談やら会話が進んでいくうちに
学生の中で個人的な解釈が生じてしまい
どんどんと
固定観念(先入観)に支配された情報となってしまうからです。
そして
性格や対人関係
意欲などの項目は他に設定するわけですので
第一印象に記述すると、
その時点で
対象者のイメージが誤解を生じてしまう可能性が高くなってしまいます。
これはレポートとかで考えてみればいいわけですけど
読み手に対して相当の影響を与えますので
極力避けるべき状況と考えます。
 
さて、前置きはともかく
面接については
あらかじめ聞くべき事柄は書き出し整理する
(当然カルテの情報などを熟知しておくことが前提です)ようにし
指導者の確認を仰いでください。
場合によっては
聞いてはいけないような項目が含まれている可能性がありますので
注意が必要です。
また
面接などに不安を抱えている場合には
できるだけ
指導者や他のスタッフが
新規利用者に対応している場面(評価場面)を
見学できるようにするのも一つの方法です。
 
ただ
本来はこのようなことは評価実習で体験することが望ましく
インターン実習では実際的には少ないと思います。
 
次に、長谷川式スケールについてですが
私は次のようにいつも思っています。
評価は、長谷川に始まり、長谷川に終わる。
 
もう一つ、
 
たかが長谷川、されど長谷川。
ということです。
 
すなわち
長谷川式スケールをまずもって実施していない場合に
下位検査において
学生の意図することが対象者に正確に伝わっていないことがあっても
長谷川式を実施しない限り
得られたデータを信用することができないからです。
 
したがって、
長谷川式スケールを面接の際に行ってしまうことが
非常に大切な事項となります。
その際の導入の仕方としては、次のように行います。
 
これから
簡単な質問をさせていただきますが
これは特別な検査ではなく
リハビリを受けられる方皆さんにお願いしている質問ですので
ご協力をお願いします。
 
ただし、あまり気がすすまないようでしたら
途中でも終了しますので、おっしゃってください。
できるだけ、ご協力をお願いします。
 
などのように依頼することが大切です。
はっきりと認知症の検査などということは
言語道断になりますので気をつけてください。
 
さて、ここで一つ長谷川式の問題を提示します。
長谷川式スケールは
認知症のスクリーニングテストです。
すなわち
認知症の方が長谷川式の質問の意味を理解できていれば
その方は
相当の確率で認知症の可能性は低くなるはずです。
では、認知症が重度になってくれば
質問の意味を理解できにくいことになります。
それでは
正しい答えが得られないということになってしまいます。
大変な矛盾をもった検査であることは
間違いないと思っているわけです。
 
それから
今日の最後ですが
特に見当識についてですが
例を出しますね。
 
あなたが、夜逃げ屋本舗ではありませんけど
たとえば
急に誰かにさらわれてどこかに閉じこめられてしまい
携帯もなければ時間もわからない状況で
何日も経ったときに
正確な時間や場所などをいうことができますか?
これが答えられる人は、
美輪さんや江原さんの番組にレギュラー出演できると思います。
わかるはずがないのです。
 
もし
仮に認知症の人が日付や場所などを
何もインプットされていない状況で
学生であるあなたが質問をしたとします。
場所や時間についてその質問の意味を理解できている方が
わからない
と答えた場合
その人は
はっきりいって認知症ではないと思います。
 
こういう状況は
どこでも確認することができる事象です。
そして
日付や時間がわからないと判断された人でも
たとえば
今日はお風呂の日だとか
自分のお部屋の位置が
しっかりわかっている人が非常にたくさんおられます。
これをどのように説明したらよいのでしょうか?
 
つまり
日常的に見当識に関するインプットが
非常に少ないためとすれば説明できるのです。
このようなことを理解し
長谷川式スケールに関しては、
答えのデータを見るだけでなく
いかに私たちの質問を理解できているのかということを
とらえるようにしなければなりません。
 
補足ですが
下位検査で私たちがお客様に
何々をしてくださいといっても
そのことをお客様が本当に理解していなければ
私たちは
そのときのお客様の反応を
それが、本当に指示を理解できているかどうかに関わらず
もっとも良い状態として認識せざるを得なくなります。
 
これでは
お客様の真の実力
つまり、検査に対しての本当の答えは
学生が求めているお客様の実際の状態は
永久的に評価することができないのです。
私たちが欲しいデータは
できるだけ精度の高い、お客様の状態なのですから。
かなりごちゃごちゃとしてしまいましたが
いずれ整理してさらにわかりやすくしたいと思っています。
是非参考にしてください。
なお、次回(4)は
もう一度
検査項目の流れと精度の高いデータを得るための検査法の
確認について述べたいと思います。


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その4 下位検査項目の模範的な流れ

さて、リハビリ実習マニュアルも4回目となりましたが
どんどんと評価のことについて説明します。
 
前回は
長谷川式スケールについて若干ふれましたが
いずれにしましても
対象者の方の認知面がデータとして表されれば
できるだけ
対象者にわかりやすく
下位検査項目の説明を実施したうえで
また随時、認知面(理解面)の確認をしながら
検査を進めていくことしかありません。
 
しかし、学生さんの多くは
どのような下位検査項目を選択すればよいのかわからない。
また、どのような順序で実施するのがよいのかわからない。
と悩むことがほとんどのように思います。
できれば、学院での指導を徹底してほしいのですが
一般的には、
学生が学んできた下位検査項目はすべてリストアップし
落ちているものがあるかどうかを確認する。
実習指導者と相談し
その施設での実習において
実際にどのように評価を行うのが望ましいのかを確認する
(指導者の考え方を理解するようにする)
また、必要な下位検査項目の不備がないか確認する。
検査項目の優先順位(またはスケジュール)を作成する。
その流れでよいか、さらに確認する。
という感じで
一連の評価終了までの流れを作成し
 
さらに
一日ごとに
当日の検査項目についての
場面設定や方法
(場合によっては教科書的な検査方法が成立しないことがあり
そのような場合に変法を実施するか
あるいは評価不可とするかなどの判断を求められますので)
を予習計画することが必要。
 
つまり、行き当たりばったりで
当日の検査を行わないようにしてください。
だから、最初(評価計画立案)は非常に大変なのです。
 
また、できるだけ
誰かに監督してもらい
学生だけで検査測定を対応してしまったなどのことは
極力避けるようにしてください。
 
それから、補足ですが
検査がうまくできないのは当たり前。
しかし、インターンに来ているということは
すでに評価実習は通り過ごしてきたことになります。
ただし、これは
評価に自信を持てないといってはいけない。ということはありません。
 
一人や二人の対象者を経験した
そんな評価実習で何ができるというのでしょうか?
そんな気持ちで評価に望まれては、対象者の方に大変失礼です。
評価について
学生は、何かの検査を実施したいけれども
その検査のこと、またそれら以外のことでも
いつでも指導者と相談し
場合によっては
模擬的にデモンストレーションを受けるようにしないと
必ず、初期評価からつまずき
その後、相当のハンデを背負ってしまうことになります。
最初からどんどん指導者に確認をとるようにすることが大事です。
 
さて
長くなってしまいましたが
あらためて
検査の通常、安全に行えるパターンを紹介します。
(ただし、これに準じる必要は一切ありません)
 
痛み(安静時、動作時など)や
大まかな感覚状況については、最初から確認していてください。
まずは
トランスファーなどは
これは慣れた指導者に行ってもらうなどしかありませんが
できれば
プラットホームや評価用のベッド上で
次のように進めるのが無難です。
 
基本姿勢(ランドマークの確認)
四肢周径や四肢長などの測定
皮膚や筋肉の触診
軽い自動運動の状況チェック
などからです。
つまり、学生の指示がほとんど必要なく
対象者の方もあまり力が入らなくても良いものから導入すると
非常にお互いにラクになりますので
コミュニケーションもとりやすいと思います。
 
そして次には
 
軽い他動運動から
関節可動域テスト
筋緊張
腱反射や病的反射
筋力テスト
 
のような流れが望ましく
随意性やバランスなどについては
以上の要素がかなり含まれていますので
先に大まかに見ていたとしても
さらに最終的に確認しないと
結局、二度手間になる可能性が高くなると思います。
 
このようにしながら
徐々に
全身のバランスや全身の動きが要求される課題に移ることが
自然であると考えます。
 
座位などのバランス反応
起き上がりや立ち上がりなどのいわゆる基本動作
立位、歩行などの動作
などですね。
 
さて、
これでもまだ抜け落ちている検査が相当あります。
それらのことについては
次回(5)で説明しますが
 
上肢機能テストや日常生活動作
さらには
基本動作(作業療法学生さんは必読です)などに
 
およんでいきたいと思います。
そのあとに、精度を高めるための評価方法のチェックを書くことにします。

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最終更新日 : 2012-02-23 22:38:39

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その5 ADL(日常生活活動)のとらえかた

今日は、前回検査測定の流れの続きからです。
 
検査測定には、相当の時間を必要とするために
効率よく行っていかないと
にかく、対象者に多大なる心労をもたらしますので
全精力を傾け
できるだけ短期間、短時間で済ませるようにしなければなりません。
決して学生の都合でものを考えないようにしていってください。
 
は、早速ですが
上肢機能テストは
たとえばSTEFFがない場合には
どのように評価するのが良いでしょうか。
これは、なかなか実習先では用いていない
備品としてもないところはたくさんあると思います。
もっとも、私はいつも上肢機能ってなに? 
と考えてしまうタイプですので
おそらく
STEFFのデータを見ても何がなんだか解釈できないように思います。
 
上肢機能では
リーチ グラスプ リリース とよく教わったものです。
また、ピンチ についても触れる必要もあるでしょう。
でも、日常生活動作をもっと考えると
押さえる 引っ張る などの単純な動作から
はさみを使う とか 針仕事をするとか 
あるいは 鍬を使うとか ビンのふた開閉するとか
などのさらに細かな動作という機能のほかに
逆立ちをするなどの身体を支えるということや
身体全体のバランスをとるということ(これは非常に重要な考えです)など
実に様々な要素が含まれています。
あえてここで、このようなことを記載したのは
さらにADLについても示しますが
日常生活動作の評価には
もりこまれていても
定量化、数値化できる検査項目が
相当少なくなってしまうからです。
 
長くなってしまいますが例を挙げます。
たとえば書字動作です。
検査は比較的簡単かもしれません。
何らかの筆記具と紙があればできます。
でも、身体機能面および精神面の問題で字が書けない場合があり
さらに精神面には特に異常が認められなかったとします。
書ける人はあまり問題にはなりません。
では書けない人は、何が理由で書けないのか
これをADLテストでは解明することは困難になります。
そしてSTEFFでもその理由は明らかにならないことが多いと思います。
このような状態では、書けない原因が明らかでないため
言い換えれば根拠のない状態ですから
書字を改善させるための方法を導くことができなくなります。
これではリハビリは成立しません。
 
したがって
このようなこと(すなわち能力障害)を理解していくために
さらに細かな機能検査を
先に実施しなければならないことになります。
このように考えると
上肢機能テストは
明らかにインフォーマルなテストとなってしまっても
対象者の日常生活上問題になっている事象について
実際または擬似的に確認し
その動作を分析するということが要求されるのです。
これだけでは、上肢機能の説明すらできていませんが
いったんここで強制終了とします。
それでは、今のことと関連してADLについて説明します。
一般にADLといえば
BIやFIMで評価することが多いですが
できれば
実習では数値をあらわすだけということは避けてほしいと思います。
さて、ADLの区分では次のような区分が多いと思います。
ベッド周辺動作(起居動作)
食事動作
更衣動作
整容動作
排泄動作
入浴動作
移乗動作
 
ここで何かが抜けているということを指摘できる学生は
相当センスがいいと思いますが、なんだか分かりますか?
答えは簡単です。
すなわち、基本動作です。
基本動作は別項目ではと思う人も多いでしょうね。
では、基本動作を正しく評価しようとしている学生さんは
どの程度いるのでしょうか?
寝返り、起き上がり、立ち上がり、このくらいしか思いつかないのでは
明らかに決定的に不足していると思ってください。
 
また、その理由は一番下にすこしだけ紹介してあります。
理学療法の学生さんであれば
特に、このあたりの検査は難しくないと思いますが
 
困ってしまうのは作業療法の学生さんです。
これはカリキュラムにも問題がありますので
学生さんはあまり気にしないでください。
 
これも一つ例をあげます。
たとえば、ベッド上で寝返りができる状態を確認できたとき
寝返りを自立と判断してしまいがちです。
これははっきりいえば間違いです。
なぜならば
手すり(サイドレール)を使用して寝返りをした場合に
それでもできていると判断してしまっても
まったくといっていいほど
対象者の生活上ではほとんど問題にならないからです。
でも、よく考えてください。
手すりを使って起きられることは
手すりが無かったらどうなの? 
を確認できていればいいのですが
 
もう一つ、こんなことも考えておかなければなりません。
ベッドに使われているマットや布団の状況は
寝返りには影響していないのですか?
場合によっては身体がマットに沈んでいたりして、
あるいは
掛け布団が重くて寝返りができないような方も大勢あるのです。
 
したがって
私たちが起居動作(ベッド周辺動作)として評価していることは
対象者の現在の状態を確かに物語ってはいるのですが
正しい基本動作上での寝返りなどを
評価しないで過ごしてしまっていることが多いのです。
これでは本末転倒になります。
かならず、訓練や評価室でのマットやプラットホーム
評価用のベッドなどを使用しての
検査が求められますので承知しておいてください。
したがって、日常生活動作を正しく評価していくためには
 
特に、作業療法の学生さんには
基本動作
もっといえば基本姿勢から確認することを薦めたいと思います。
 
あとひとつだけ補足して終わりにしたいと思います。
私は、いつもこのようにお客様をとらえようとしています。
どのような状況にお客様がおられても
そのときの姿勢の崩れや
できるだけ大きく身体を動かされているときに
私たちの動きとどこか違和感がないだろうか?とです。
その根拠は次の通りです(これが本日の売りです)
 
対象者の姿勢に
変化(変形などの外観上の異常)が認められる場合に
よく考えてほしいのです。
いつこの人は、このような姿勢になってしまったのか?
発病してすぐに
そのような異常を認める病名はかなり少ないと考えます。
そして
いわゆる廃用症候群も
すぐに重度な状況を認めるわけでもありません。
しかし、基本姿勢の変化や基本動作困難な状況は
その人の身体に起こったすべての症状
(すなわち下位検査であらわせるようなデータ)を
含んだものであるといえます。
 
これを、逆にいえばどうなるか? 
もう察しられた方もあると思います。
基本動作や基本姿勢上の所見を解釈、正しく判断できれば
その人の身体機能としての評価はほぼ成立してしまうのです。
そのくらい大切なこと
ですから基本という言葉がついているのです。
 
では、今日はここまでにしておきます。
次回は、ROMテストの盲点について説明します。お楽しみに。


5
最終更新日 : 2012-02-23 22:38:39


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