目次
はじめに
1~30
スピーシーズ・種の起源
ゲッタウェイ
悪魔のような女
ウエストサイド物語
アルマゲドン
ジャッジ・ドレッド
模倣犯
心の旅路
エレファントマン
MI2
クリムゾンリバー
エントラップメント
砦なき者
呪怨
ゴッドファーザー
グリース
リーサルウエポン3
破線のマリス
スターウォーズ・帝国の逆襲
ターミネーター
踊る大捜査線THE MOVIE2・レインボーブリッジを封鎖せよ
ナインハーフ
ターミネーター2
動乱
ターミネーター3
少林サッカー
ソドムの市
ダーティハリー
ゴッドファーザーパートⅡ
スターウォーズ
31~60
A.I.
オーシャンズ11
さくや妖怪伝
ダーティハリー2
LAコンフィデンシャル
雲霧仁左衛門
ダブルボーダー
イレイザー
悪魔を憐れむ歌
マキシマム・リスク
黄金の七人
妖怪大戦争
バットマン
バトル・ロワイアル
ザ・ロック
アマデウス
吉原炎上
バットマンリターンズ
ホワイトアウト
12モンキーズ
ザ・ワン
京極夏彦「怪」・七人みさき
バットマンフォーエバー
ロストボーイ
バーティカルリミット
シャークテイル
シックスセンス
シックスデイ
ゾンビ
13日の金曜日
61~90
催眠
オールザットジャズ
ホワイトナイツ/白夜
将軍家光の乱心・激突
あずみ
必殺
オリエント急行殺人事件
そして誰もいなくなった
犬神家の一族
理由
悪魔の手鞠歌
ルームメイト
ウインドトーカーズ
タップ
ナイル殺人事件
里見八犬伝
皇帝のいない八月
情婦
大脱走
ウイロー
半落ち
ブロークン・アロー
燃えよドラゴン
片腕ドラゴン
イヤー・オブ・ザ・ドラゴン
新生トイレの花子さん
ピースメイカー
僕の彼女を紹介します
エンゼルハート
ヒート
91~120
スカーフェース
ミッドナイトクロス
スターウォーズ・ジェダイの復讐
スパイダーマン2
暗殺者
フロム・ダスク・ティル・ドウン
裏窓
ロープ
スネーク・アイズ
エネミー・オブ・アメリカ
メン・イン・ブラック
メン・イン・ブラック 2
ジュラシック・パーク
ロスト・ワールド ジュラシック・パーク
ジュラシックパーク3
少女たちの遺言
ラスト・アクション・ヒーロー
レイダース・失われた聖櫃
ディープブルー
パルプフィクション
ブギーポップは笑わない
パラサイト・イヴ
炎の少女チャーリー
クロスファイア
座頭市
シャイニング
キャリー
女王蜂(ネタバレ注意)
白昼の死角
ウルフェン
121~150
ブレイド
ロミオ・マスト・ダイ
フライトナイト
十二人の怒れる男
狼男アメリカン
トワイライトゾーン・超次元の体験・第一話
E.T.
トワイライトゾーン・超次元の体験・第二話
ハウリング
トワイライトゾーン・超次元の体験・第三話
マッドマックス
トワイライトゾーン・超次元の体験・第四話
ハリー・ポッターと賢者の石
フライトナイト2 バンパイアの逆襲
世にも奇妙な物語 映画の特別編 第一話 雪山
世にも奇妙な物語 映画の特別編 第二話 携帯忠臣蔵
世にも奇妙な物語 映画の特別編 第三話 チェス
世にも奇妙な物語 映画の特別編 第四話 結婚シミュレーター
ブレイド2
ジェイコブス・ラダー
危険な情事
ゲーム
プラトーン
インビジブル
エボリューション
フラットライナーズ
セブン
エイリアン3
パニック・ルーム
サドン・デス
スターウォーズ・エピソード2・クローンの攻撃
ペリカン文書
レッド・サン
シルミド
グレムリン
ダイヤルM
151~180
劇場版ポケットモンスターアドバンスジェネレーション・烈空の訪問者デオキシス
タワーリング・インフェルノ
ブルース・ブラザーズ
ウルトラマンティガ・ファイナルオデッセイ
レインメイカー
海猫
フェイス・オフ
トゥームレイダー
ゴッドファーザー PARTⅢ
ふたり
スターゲイト
ウォータ-ボーイズ
少林寺
スターウォーズ・エピソードⅢ・シスの復讐
キス・オブ・ザ・ドラゴン
親指スターウォーズ
親指タイタニック
タイタニック
ウォール街
スペース・バンパイア
ラストサマー
ダイハード3
火垂るの墓
マトリックス
イージー・ライダー
ラスト・ワルツ
レイジング・ブル
ラストサマー2
仁義なき戦い
仁義なき戦い・広島死闘編
181~210
仁義なき戦い・代理戦争
仁義なき戦い・頂上作戦
仁義なき戦い・完結編
GODZILLA・ゴジラ
その後の仁義なき戦い
機動戦士ガンダム
機動戦士ガンダムⅡ 哀・戦士編
機動戦士ガンダムⅢ めぐりあい宇宙編
ポルターガイスト
ウルフ
ザ・フォッグ
チャイルド・プレイ
ダイナソー
トリック・劇場版
K-19
着信アリ
直撃地獄拳・大逆転
ア・ホーマンス
スパイ・ライク・アス
ブレス・ザ・チャイルド
おこげ
48時間
誘う女
ゴジラVSキングギドラ
ウルトラマンティガ・ウルトラマンダイナ・光の国の戦士たち
アサシン
ニキータ
キンダーガートン・コップ
男たちの挽歌
魔女の宅急便
211~220
8mm
トゥモロー・ネバー・ダイ
黄泉がえり
バック・トゥ・ザ・フューチャー
D.N.A.
ザ・リング
レプリカント
東京タワー
ガメラⅢ・邪神(イリス)覚醒
明日に向かって撃て
インターバル

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61~90

催眠

1999年東宝・TBS作品

監督 落合正幸

主演 稲垣吾郎、菅野美穂、宇津井 健

 

原作は松岡圭祐さまのベストセラー小説。でも原作と映画は似ても似つかぬ内容であると書いておきます。そもそも原作は、催眠術を使って人の心に病を癒す「催眠セラピスト」が、現実にありそうな複数の事件を様々な壁にぶち当たりながら解決していく様子を描いた心温まる作品。映画では主人公と主要キャラと途中の設定だけ残して、全く別の「催眠術を使ったホラー」に仕上がっていました。あの原作がこんな話になるんかいな、と、とても驚いたことを覚えています。

以下の記述はネタバレ注意です。ご了承ください。

 

冒頭からやってくれます。

陸上競技の練習中、自分の限界を超えて走り続け、複雑骨折してしまう選手。絵に描いたような幸せそうな老夫婦がなぜか部屋のガラス窓を破って投身自殺。老刑事宇津井さまは、まったく接点のない、いや「ミドリのサル」という被害者たちが残した言葉だけが頼りの不可解な事件の頻発に頭を痛めています。

一方、催眠セラピスト稲垣さまは不思議な少女菅野さまと出会います。普通に過ごしている少女が、突然、宇宙人に操られたように豹変してしまう。「ワレワレハ、ユウコウテキナ、ウチュウジンデス」なんていい始める。なんじゃこりゃあ、ってな感じです。

警察に「催眠と行動」みたいな講義の講師として招かれた稲垣さまは、宇津井さまと出会います。稲垣さまは、頻発する事件の背景に催眠術、それも後催眠暗示が関わっているのではないかと考えはじめる。事件に協力する稲垣さま。そして彼はそれと並行して不思議な少女と徐々に関わりあいを深めていきます。

こういう展開で菅野美穂さまが事件に関係ないわけないじゃないですか。

菅野美穂さま、実は多重人格障害をわずらっていたことがわかる。そしてその人格の一つが強力な催眠術を使う人格だったことがわかって…てえ話。

後半はほとんどホラー映画。

菅野美穂さま、天井にはりついたりぐにゅうううって身体がねじれたり、とにかく大サービスです。ラストでもう少し怪物キャラしてくれたらもっとうれしかったですが。

サイコスリラーみたいな前半から、ホラーの後半。

二本分楽しめる怪作。最後の最後までやってくれてます

なかなか便利な設定です。後催眠暗示って。

でもこれ以上は使えないだろうな。宮部みゆき様も使ってたし。

 


オールザットジャズ

1979年アメリカ映画

監督・脚本 ボブ・フォッシー

主演 ロイ・シャイダー、ジェシカ・ラング


ロイ・シャイダーさまって俳優さん、けっこう好きです。

「フレンチ・コネクション」「重犯罪特捜班 ザ・セブン・アップス」あたりから注目しておりまして、「ジョーズ」「ジョーズ2」「ブルー・サンダー」と、たて続けにメジャー作品に主演。

渋いオジサマって感じのいい俳優さんです。

この人が歌って踊るっていうだけでこの映画を見るために映画館に足を運び、ビデオを買いました。
高校時代のルーズリーフノートの仕切り紙に、この映画の有名な台詞「イッツ・ショータイム、フォークス(『ショータイムですよ、みなさん』と訳されていました)」っていう落書きを書いたことを覚えているので、高校時代に見た映画なんだろうなあ。
主人公のシャイダーさま(ジョー・ギデオンって役名です)、朝起きて目薬をさし、アルカセルツァーみたいな水で溶かすタイプの発泡性の薬を飲んで、顔を洗って鏡に向かって「イッツ・ショータイム、フォークス」って言います。

これが彼の日課。

彼の人生そのものがショータイムなんだって意味でしょうか。人生そのものがショーなんだって意味なのでしょうか。ショービジネス界で成功した彼の過去と現在が描かれます。

成功したといってもやはり本場は厳しい。彼が振付けするダンスが難解だといってなかなかスポンサーがつかなかったり。ダンスを変えたらスポンサーがつくから振り付けを変えろと言って来るプロデューサーがいたり。

そもそもこの作品は監督ボブ・フォッシーさまの自伝的作品だという予備知識をもって見にいきましたので、ボブ・フォッシーさまみたいなビッグネームでもダンスの舞台つくるって大変なんだ、って思いました。
物語はシャイダーさまが謎の女性と話しながら進みます。

舞台セットのような場所で、舞台衣装のようなかっこをした女性。

この女性の正体はラストで判明します。

クライマックスの歌と踊りは圧巻。歌詞を紹介できないのが辛いなあ。歌詞を紹介するとネタバレになってしまう。

あらすじを肝心なところで止めた意味がないし、女性の正体を伏せた意味がなくなりますです。

ラストの歌とダンスを見るだけで値打ちがある名作であります。
ちなみに。「電話してちょうだい。ピアノ売ってちょうだい」と財津一郎さまが歌う某ピアノ買取専門店のCMで、財津さまのバックで踊るへんてこな衣装のダンサーの元ネタはおそらくこの映画だろうと思います。


ホワイトナイツ/白夜

1985年アメリカ映画

監督 テイラー・ハックフォード

主演 ミハイル・バリシニコフ、グレゴリー・ハインズ、イザベラ・ロッセリーニ

「コーラスライン」って作品のなかで、こんな台詞がありました。

オーディション会場で、出番待ちのダンサーが踊り終わったダンサーに聞く。

「彼(演出家)はどんな奴を求めてるんだ?」

踊り終わったダンサーは一言。

「バリシニコフ」と言います。
ダンス映画ですごいダンサーの象徴として台詞にでてくるようなダンスの達人バリシニコフさま。

ロシアからの亡命者でアメリカンダンスシアターのメインダンサーです。

その人が主演のダンス映画だからすごくないはずがない。

共演はタップダンスの名手グレゴリーハインズさま。

現実のバリシニコフさま同様、亡命したダンサーが主人公。

バリシニコフさまを乗せた飛行機がトラブルでロシアに不時着。

彼はロシアに捕らわれます。

ロシアでもう一度踊れと詰め寄る高官。

彼のダンスパートナー兼監視役は彼とは逆にアメリカからロシアに亡命したタップダンサー、ハインズさま。

二人はアメリカ大使館へ逃げ込む計画をたてますが…
途中のダンスシーンだけでも見る価値ありの佳作です。


将軍家光の乱心・激突

1989年東映作品

監督 降旗康男

主演 緒形 拳、千葉真一、加納みゆき、二宮さよ子、何と織田裕二

 

イチオシの時代劇です。普通ね、時代劇って、話の前半は説明じゃないですか。「享保元年、時の権力者徳川タケミチは…」ってな感じで、そこからあーだこーだがあって、ようやくチャンバラになりますでしょ。普通は。

この映画は違います。いきなりチャンバラ。

ええ?って思いますです。時代劇の冒頭って、いきなり油断しますもんで。
どこぞの温泉地で保養している若君。

その若君に突然襲いかかる謎の集団。

若君を守る家来たちはまたたく間に斬られ、若君の命は風前の灯火、と思いきや、これまた謎の野武士集団が若君を助ける。

若君は三代将軍家光の息子。

その命を狙っているのは父家光。

自分になつかず、自分に似ていない息子の命を狙う乱心将軍を京本さま熱演です。

将軍家内部にもやはり勢力争いがありましてね。

自分の息子を殺そうとする将軍はすでにご乱心あそばしておる、ってことで、若君を将軍にしてしまって、裏で幕府を操ろう、って一派もおりまして。そういう一派が腕のたつ信頼できる野武士を集めて若君を江戸城まで無事に連れてこいと指令を出したわけでございます。

家光派・刺客のリーダーはアクション監督兼任の千葉さま。

若君派・野武士のリーダーは緒形さま。

アクション監督・千葉さま、本気の格闘シーンクリエイト。

これまでの日本映画では見たことのないアクションシーンの連続です。
キャッチコピーの「命がけだから面白れえ」という言葉に負けない命がけアンド面白さ。

戦闘シーンでいきなりアルフィーが流れる斬新さ。

ぜひチェックしていただきたい作品でございます。


あずみ

2003年「あずみ」製作委員会作品

監督 北村龍平

主演 上戸 彩、原田芳雄、オダギリジョー、竹中直人、小橋賢児

戦乱で親を失った少女あずみ=上戸さま。じい=原田さまに拾われて育てられ、九人の少年とともに徳川の天下をおびやかす反乱武将を倒す刺客として育てられます。

やがて修行を終え、下界に下りる彼らに、原田さまから最後の修行を命じられます。

仲のよい者同士がペアを組み、殺しあう。

生き残った上戸さま、小橋さまら五人は、刺客として豊臣の臣下浅野長政(伊武雅刀さま)、加藤清正(竹中さま)らの暗殺に挑むことになるわけです。

なんでこんなに血を流さなければならないのか理解できないほど血が流れます。普通に刀をふってどさっと倒れたら、それは死んだことになるんだけど、そうはしない。うぐぐっとか言って、血をだらだら流しながら死んでいきます。

映画冒頭で十人だった若者たちは「最後の修行」で一気に五人になる。「ドリトル」小栗さまや「金八先生」佐野さま、「ウォーターボーイズ」瑛太さまは開始早々死んでしまいます。
残った「ウォーターボーイズ」金子さまや「ブラッデイマンデイ」成宮さまなんかもガンガン死んでいく。小橋さまなんかもとにかくもうええやろっていうくらいズタズタにされて死んでしまう。
「バトルロワイヤル」の回でも書きましたが、とにかく嫌になるほどの血を流して、残酷な方法で主人公たちが死ぬ。

そうならないとあずみが最後に剣をとり、さらにその後、自分の運命を決める決意の必然性が希薄になる。ドラマの構造上しかたない流血なんだろうな、と思います。

主役、というか、冒頭に登場する十人に関しては、生き残る者を除いてはとにかく悲惨な死に方をします。とってもブルーになる映画でした。

めっけものはオダギリジョーさまのオカマ剣士。ものすごい存在感。とんでもないオーラを出せる怪優に成長しましたね、オダギリさま。

「仮面ライダークウガ」の頃はここまで化けるとは思わなかったです。
もひとつ、クライマックスで見せる縦方向三百六十度旋回カメラ。こんな映像ありかいな、と思えるほど新鮮でした。


必殺

1984年松竹・朝日放送作品

監督 貞永方久

主演 藤田まこと、三田村邦彦、中条きよし、山田五十鈴、菅井きん、白木万理、片岡仁左衛門(片岡孝夫)、中井貴恵、朝岡雪路、芦屋雁之助、ひかる一平、鮎川いずみ、研ナオコ、浜田朱里


私が大学生の頃。ってことは劇団の研究所にいたころです。

とにかく必殺って番組は人気がありましたです。

私が面白がって見始めたのは「必殺からくり人・東海道五十三次殺し旅」の頃だったです。

この頃は、三ヶ月くらいのサイクルで藤田まことさまものとそれ以外のシリーズを交互にやっていました。次に「必殺商売人」(藤田さま・梅宮さま・草笛さま)、次が「必殺からくり人・富獄百景殺し旅」(山田五十鈴さま・芦屋鴈之助さま・沖 雅也さま)、んで伝説の「必殺仕事人」シリーズが始まると、こんな感じだったです。
「仕事人」も最初は藤田さま・三田村さまに伊吹吾郎さまでした。藤田さまも伊吹さまも刀で殺す。三田村さまは最初はノミで殺してたんじゃなかったでしょうか。これはあきらかに全員キャラかぶりです。途中から浪人ものの伊吹さまはマゲを落とし、あんまさんになって悪人の背骨を折って二つに畳む、初期の念仏の鉄(山崎 努さま)系のキャラになり、三田村さまはノミをかんざしに持ち替えて初期の梅安(緒形 拳さま)系のキャラになります。

番組黄金時代は中条きよしさまのレギュラー入りあたりからでしょうね。

この映画版「必殺」は藤田さま・三田村さま・中条さまのレギュラーメンバーの頃の作品。
仕事人とは別の殺し屋組織が現れて、仕事人が一人また一人と殺されていくって話。

殺される仕事人の女元締めが朝岡雪路さま。芦屋鴈之助さま・研ナオコさま・斎藤清六さまなんかも仕事人役で出ておられます

殺し屋組織の謎の女が中井貴恵さま。さすらいの仕事人に片岡仁左衛門さま。片岡孝夫さま時代です。
片岡大先生がとにかくおいしい。ええとこぜんぶかっさらっていくとはこういうことでしょうね。

テレビで慣れ親しんだキャラがスクリーンに出てくるってこういうことなのか、とすごく感動したのを妙に覚えております。いきなり「荒野の果て」なんかが流れて、画面いっぱいに三田村さまとか中条さまとかが出てくるわけですから、そりゃあ感動しまっせ。


オリエント急行殺人事件

1974イギリス映画

監督 シドニー・ルメット

主演 アルバート・フィニー、リチャード・ウィドマーク、ショーン・コネリー、イングリッド・バーグマン、ジョン・ギールガッド、アンソニー・パーキンス、マイケル・ヨーク、ジャクリーン・ビセット、ローレン・バコール、バネッサ・レッドグレーブ


邦画の時代劇が続きました。ちょっと時代劇気分だったんですよ。

ここからは原作ものの推理ものを何本かいきましょうね。
まずはやっぱりこの映画。

「オリエント急行殺人事件」です。

原作者のアガサ・クリスティさまですが、私はコナン・ドイルさまだとかエラリー・クィーンさまだとかディクスン・カーさまとかよりもクリスティ先生を評価しております。

掟破りすれすれのところというか、はっきり掟破りしているところなんかが大好きです。

中でも「アクロイド殺し」「オリエント急行の殺人」「カーテン」はアッと驚く三大小説。

「そして誰もいなくなった」なんかも好きですが。いかん、こう書いてしまうのがいけないんでしたよね。読む人に先入観を与えてしまうから。

実際どうなんやろ。この本読んでいる人って、このへんの小説読まれているのでしょうか。
ま、いいか。

雪で立ち往生した列車の車内で殺人事件が発生。

名探偵ポアロが殺人事件の謎に挑みます。犯人は被害者と同じ寝台車に乗っていた乗客の誰か。容疑者全員に動機があり、全員にアリバイがあった…という推理もの映画の黄金パターンを踏襲した、というかそのパターンの先駆けとなった作品です。オールスターキャスト推理映画の先駆けもこの作品でしょうね。登場俳優の豪華さは半端じゃないです。

大スターたちの演技合戦。受けてたつのはポアロ=アルバート・フィニーさま。

かなり原作を意識したメイクで登場。

私はこの後のシリーズで登場するピーター・ユスチノフさまのほうがポアロ役者としては好きな感じなんですが、原作のポアロってやっぱりフィニーさまですよね。

犯人特定のデータが出揃い、探偵の推理が形になり、容疑者を集めて探偵が「さて…」となるわけです。

それにしてもフィニーさまをとり囲むように周囲の椅子に座った「容疑者役の俳優」たち。すげえメンバー。フィニーさま、やりにくかったかもしれませんね。


そして誰もいなくなった

1974年イギリス映画

監督 ピーター・コリンソン

主演 オリヴァー・リード、リチャード・アッテンボロー、ゲルト・フレーペ、アドルフォ・チェリ、シャルル・アズナブール、ハーバード・ロム


原作ものの推理ものです。

この話はこの話であまりにも有名ですよね。

U・N・オーエンという謎の男から招待状を受け取った十人の男女。

孤島の屋敷に集められます。

しかし肝心の招待主オーエンはいつまでたっても姿を見せない。

やがて屋敷の広間に十人の出席者を告発する声が響く。

この設定はいかにも映像向きですよね。

ひとりひとりを告発する声にあわせてカメラがその人物をアップにする。
「007ゴールドフィンガー」=ゲルト・フレーペさまだったり、「007サンダーボール作戦」のワル=アドルフォ・チェリさまだったり、「狼男」=オリヴァー・リードさまだったり、「大脱走」の脱走兵のボス=リチャード・アッテンボローさまだったり、「ピンクパンサー」の上司~敵役=ハーバード・ロムさまだったり。その十人が、インディアン人形の詩になぞらえて殺されていく。

そして屋敷の居間に置かれたインディアン人形もひとつまたひとつと消えていく。
とにかくキャスティングがいかしてます。

なんかみんな悪そう。

原作版と舞台版(戯曲版ですな)ならびに映画版とでは、結末が違います。

詳細を知りたい方は原作小説を読んで、そのあと舞台戯曲を読むまたは映画を見るってことをしてください。

いくらネタバレ映画感想本でも、推理映画の結末を書く度胸はありませんです。

小説のほうは、本当に誰もいなくなります。

ほな犯人誰やねん。だから原作読んでくださいって。

しかし戯曲版では違う結末が用意されています。

そらそうやろ。

舞台で本当に誰もいなくなったらお客さんが困ります。
でも話としては原作小説のラストのほうがはるかに面白い。
推理小説の映画化ってことで作品いろいろ思い出していたのですが、クリスティ以外ってあまりないですね。

それだけクリスティの小説が映像向きで面白いってことなんでしょうね。

クリスティばっかり書くのも何だから、明日は乱歩か横溝とりあげようかな。


犬神家の一族

1976年東宝・角川映画

監督 市川崑

主演 石坂浩二、高峰三枝子、三条美紀、あおい輝彦、地井武男、草笛光子、加藤 武、島田陽子、大滝秀治、三国連太郎


横溝先生の市川監督版「金田一シリーズ」第一作です。

シリーズはこの後、「悪魔の手鞠歌」「獄門島」「女王蜂」「病院坂の首くくりの家」と、ひたすらおどろおどろしいタイトルの作品が続き、平成・豊川版「八つ墓村」、リメイク版「犬神家の一族」へと続きます。
大財閥、犬神家の当主のおじいさん三国さまが亡くなります。

財産を相続できるのはそれぞれ母親の違う三人の娘、高峰さま・三条さま・草笛さま。役名は松子・竹子・梅子だったかな。

わかりやすい。

財産分割について書かれたおじいさんの遺言状の内容に問題があるということで、石坂さま演ずる金田一が犬神家へ向かう。

遺言状が発表されるや否や遺産相続権物がバンバン殺されていって、石坂さまが犯人を推理するという展開。
有名なこの小説の設定ですが、現実には、犬神老人が亡くなった年が昭和何年だったかがポイントらしい。

財産分割の民法規定が異なり、異議申し立てができるように民法が改正されたので、そもそもこの事件は起こらなかったかもしれないらしいです。

このへんのことについては「金田一さん、あなたの推理は間違いだらけ」という本に詳しいです。
長回しと細かいカット割りを混在させる市川演出が光っています。

突然インサートされるモノクロの回想映像もインパクト十分。

とにかく市川監督の技量が光る一作です。
ちなみにシリーズではこの映画だけが角川映画という扱いになっているはず。

角川映画の輝かしいスタートラインともいえる作品です。


理由

1995年アメリカ映画

監督 アーネ・グリムシャー

主演 ショーン・コネリー、ローレンス・フィッシュバーン、エド・ハリス


ほんますんません。

この映画に関してはネタバレをお許しくだされ。

で、この映画をこれから見ようかななんて思っておられる方は、見てから続きを読んでくださいまし。

くれぐれもよろしくお願い致します。

 

えっと。この映画、かなり早くから期待していた一本でした。

ある本にとりあげられている原作だったから。

書かないとまるで伝わらないから、書いてしまいますが。

「サイコミステリー読本」とかいう本で、サイコミステリーの小説や映画を紹介する本です。

ってことはね、この映画、カテゴリーとしてはサイコミステリーに属する映画です。

でも、「羊たちの沈黙」みたいなわかりやすいサイコミステリーではありません。

映画を見る前に「羊たちの沈黙」がサイコミステリーであることがわかったところで、この映画の面白さは損なわれないですが、この「理由」に関しては原作がサイコミステリーの傑作であることがわかってしまったら、それだけで面白が半減してしまいます。意味わかるかなあ。

 

ここから先は、この映画見ようと思っていてまだ見てない人はマジ読まないでね。
主人公は弁護士ショーン・コネリーさま。

彼の元にある刑事事件被疑者から弁護の依頼が入る。

被疑者は黒人。

「おんや、まあ、おったまげただあ、有名な弁護士の先生がおらのために弁護に来てくださっただかあ?  …私がこんな人間だったら無実の罪でこんなところに閉じ込められることなどなかったのですが。私が無実の罪を着せられているのはひとえに私が黒人であるからです」

なんてすらっと言ってしまうインテリなわけです。
コネリーさまは彼の依頼を受け、彼が裁かれている事件について調べはじめる。
普通の法廷ドラマまたは推理ドラマの香りを漂わせながら物語は進みます。

もう気付きましたでしょうか。

この映画をサイコミステリーだって言ってしまうということは、犯人はサイコさんでなければならないので、そのサイコさんが誰だろうって話になって、そしたらサイコさんでもある犯人ってこいつしかおらんやん、って話になりますよね。

だからこの映画をサイコミステリーであるってブックガイドに印刷しちゃいけません。余談。その本では他にも色々な小説をとりあげておりました。

「黒い薔薇(フィリップ・マーゴリン)」はまだいいとして、R・NのWって小説なんかも「この小説はサイコミステリの傑作だあ」とか書いてました。
でもこんなの書いちゃいけない。

読み終わった今にして思います。

犯人がサイコであったことがラストのドンデン返しなんですよ。

この小説。

返す返すも「あの書評読まなきゃよかった」って思いましたです。


悪魔の手鞠歌

1977東宝作品

監督 市川崑

原作 横溝正史

主演 石坂浩二、岸 恵子、若山富三郎、仁科明子、北 浩二、草笛光子、加藤 武


「うちのうーらのせんざいに、雀が三羽とおまって、一羽の雀のいうことにゃあいうことにゃ」って手鞠唄の歌詞になぞらえて殺人が行われるという、見ていてすんげえディープな気分になる一作です。
市川版・金田一シリーズの最高傑作として推す人が多いですね。

私的にはトリックのスケールがすごい「女王蜂」のほうが好きなんですが、女王蜂は他の作品と比べてちょっとだけ位置づけが違う。

ネタバレになるので詳しくは書けないですけど。

犯人書かないと論ずることができない話なんで。

でもまあシリーズのどの作品にしても犯人有名だから、別に犯人のこと書いたところで怒る人はいないでしょうけど。
山奥の村。

鬼首村。

そこの村で、殺人事件が起こる。

金田一耕介が犯人を推理する。

事件が解決する。

そんなお話。

ぜんぜん映画紹介になってないやないか。
まあ殺人事件は例の通り発生するし、またそれが横溝大先生お得意の見立て殺人だもんで、またかいな、好きやなあ、みたいな感覚で見てしまいがちですが、この映画の良いところは石坂さま=金田一と若山さま=磯川警部の友情物語。

あと若山さまと岸さまのほのかな恋愛物語も泣かせてくれます。
ラストの停車場の場面も秀逸。

このラストを見たオールド映画ファンの方は、やっぱりジャン・ギャバンさまの「望郷」のラストを思い出したのではないでしょうか。

これについては市川監督ご本人が、「望郷」へのオマージュであるとはっきりおっしゃっておられます。

パクリじゃないですよ。念のため。


ルームメイト

1992年アメリカ映画

監督 バーベット・シュローダー

主演 ブリジッド・フォンダ、ジェニファー・ジェイソン・リー


原題は「独身・白人女性」だったと思います。

作品途中で主人公がルームメイトを募集する新聞広告に使われる文言。
主人公アリー=フォンダさまは離婚暦のある男性と同棲中。

しかしその彼は、フォンダさまに内緒で別れた元妻と会い、身体の関係まで持っておりまして。

それを知ったフォンダさま、ブチ切れ。

彼氏を追い出して、ルームメイトを募集します。

見るからに野暮ったい女性ヘディ=リーさまが応募してくる。

二人は意気投合。フォンダさまはリーさまをルームメイトとして選ぶ。

始めのうちはおずおずって感じだったリーさま。

しかし次第に彼女の言動に妙な部分が目立ちはじめます。

フォンダさまの部屋に勝手に入りこんだり、服を勝手に着たり。

髪を彼女と同じ色に染め、彼女と同じ髪型になり、フォンダさまの彼氏と親しく接しはじめる。
フォンダさまに追い出された彼はやがてフォンダさまとヨリを戻し、またいっしょに暮らしたいといい始める。

それに伴ってリーさまはどんどん不安定になっていきます。
これは変だと思い始めたフォンダさまはリーさまの部屋に忍び込み、リーが決して見せようとしない「秘密の小箱」の中身を見ます。

そこには古びた新聞記事。

遊んでいた双子の姉妹の一方が、事故で死んでしまったってえもの。

どうやら双子の死んでないほうはリーさまらしい。
このへんでゾオっとします。

で、同時にどうしてリーさまがフォンダさまそっくりになっていったかがわかってくる。

リーさまがだんだん異常になっていくのもわかる。
こうなれば結末はどうなるか想像がつきますが、その想像に向けてリーさまの行動はどんどんエスカレートしていきます。
内気そうなところから悪女っぽくなって最後に異常者までいってしまうリーさまがとにかくいいです。

フォンダさまと同じ色に髪を染め、フォンダと同じ服を着て、満面の笑みを浮かべるリーさまの顔は、悪意がない不気味さ。

夢にでてくるほど恐い。
すげえかわいい顔しているだけに恐い。

ほっとさせてその後にショックシーンを持ってくるホラーの手順もきっちりふんでくれています。

ラストはもう少し悪あがきしていただきたかったですね。13金のジェイソンみたいに。


ウインドトーカーズ

2001年アメリカ映画

監督 ジョン・ウー

主演 ニコラス・ケイジ、アダム・ビーチ、クリスチャン・スレイター、フランシス・オコナー、ロジャー・カイリー


戦場で味方の部隊が全滅してしまった海兵隊員のジョー=ニコラス・ケイジさま。

瀕死の重傷を負います。

傷の癒えた彼に与えられた次の任務は、北米先住民ナボホ族の暗号通信兵ベン=アダム・ビーチさまを護衛するというものでした。

ナボホ族の言語は暗号として最適だそうです。

ナボホ族の暗号通信兵は現実に存在していたそうです。
太平洋戦争下の1944年。

終戦前年ですね。

我々はそれを知っているけど、映画の中の登場人物たちはもちろんそのことを知らない。

ケイジさまとビーチさまは日本軍が占拠するサイパン島に配属されます。

ケイジさまと同じ任務を負った海兵がスレイターさま。

カイリーさまを護衛する任を負ったのは、人懐っこく、話好きのスレイターさま。

そんな彼にケイジさまは『通信兵とあまり親しくなるな』と忠告します。

実は彼らは護衛も任務ではあったのですが、もし日本軍に通信兵が捉えられた場合は、軍の暗号機密を守るため、彼らの命を奪うことも命ぜられていたわけです。

しかし戦場を走り抜けるうち、彼らの間には次第に、友情が芽生えます。

ここらの表現が巧いです。

戦争によって彼らの間に芽生えた友情は、やっぱり戦争によって引き裂かれてしまいます…

めっちゃリアルに。

ただ、とってもヒューマンな物語に仕上がっています。
ジョン・ウー監督がインタビューで語っているように、この物語には二丁拳銃も出てこないし、鳥も飛ばない。

絵空事のようなド派手なアクションはなく、リアルに撃ち・撃たれ・爆風に吹っ飛ぶ描写が淡々と続きます。
アクション映画に定評のあるジョン・ウー監督が真正面から取り組んだ戦争映画。

もう少し嘘っぽい映画になると想像していました。

正直こんな映画になるとは思っていなかったです。


タップ

1989年アメリカ映画

監督 ニック・キャッスル

主演 グレゴリー・ハインズ、サミー・デイビス・ジュニア、スザンヌ・ダグラス、サビオン・グローバー


私が子供のころ、サントリーのウイスキーのCMで圧倒的なリズム感というかノリというか、そういうのを披露されていたのが当時すでに大スターだったサミー・デイビス・ジュニアさま。

フランク・シナトラさまに可愛がられて、シナトラ一家とか言われてました。

まあとんでもないレベルのダンサーでありシンガーだった人です。

そんなサミーさまもめっきり年をとられました。「ひええええ、これサミー・デイビス・ジュニアさまやんけ」って思ったことをとにかく覚えております。
この映画はけっこうお気に入りで、中古ビデオ買ってまでして見ましたが、肝心の物語とかほとんど覚えておりません。

なんかダンス・スタジオが借金のカタになって使えなくなって、さあどうしようみたいな話だったような記憶があるんですが。

他の映画と混同してたらごめんなさい。ビデオ買ったわりに話覚えてないやんけ、とかのご批判がきそうですので、ぶっちゃけちゃいますが。
私が何度も見たのはこの映画のクライマックスのタップダンスシーンだけでござる。

もうしわけない。

物語とかぜんぜん忘れてます。しかし、すごいでっせ。

この映画のタップダンスシーンは。

主演は「ホワイト・ナイツ~白夜」でも華麗なタップを披露しておりましたグレゴリー・ハインズさま。

この人、メル・ブルックス監督の「珍説世界史パート1」では板の上にシーツ張ってその上に砂を薄く撒き、サンダルでタップするっていう前代未聞もののダンスを披露しておりました。

彼が今回挑戦するのはシンセサイザーとの融合タップダンス。

タップチップにマイクを仕込み、その音をワイアレスで飛ばしてシンセサイザーで音を加工してスピーカーで鳴らす。

こうなるとロックがバックでもタップの音が負けないわけですよね。
ラストのダンスシーンはとにかく何度も見ました。衝撃的だったです。
この映画を見た当時、私が勤めていたスポーツクラブにタップが踏める外人エアロインストラクターがいて、その人に見せようと思って無理してビデオ買ったのを思い出しました。

結局見せるまでに会社が倒産して会えなくなったけど(爆)


ナイル殺人事件

1978年アメリカ=イギリス映画

監督 ジョン・ギラーミン

主演 ピーター・ユスチノフ、ミア・ファロー、ロイス・チャイルズ、ジェーン・バーキン、アンジェラ・ランズベリー、オリヴィア・ハッセー、ベティ・デイビス、マギー・スミス、ジョージ・ケネディ、デビッド・ニーブン、ジョン・フィンチ


原作はもちろんアガサクリスティ女史でございます。

「オリエント急行殺人事件」に続いて、オールスターキャストで製作されたポアロものの第二弾。

ポアロ役はアルバート・フィニーさまからピーター・ユスチノフさまにバトンタッチされております。

原作のアクの強いポアロはフィニーさまに近いイメージなんだけど、ポアロ役としてしっくりくるのはユスチノフさまかなあ。

根拠とかないんだけど。原作は「ナイルに死す」。ちゃんと読んでいないので原作と映画とで話の内容とか変わってたら気付かないです。悪しからず。
冒頭からミア・ファローさまが怪しい。

とっても怪しい。

大富豪のイケズ女、ロイス・チャイルズさまに彼を奪われ、彼と富豪女をつけまわすストーカーチックな女。

目つきも悪く、いつキレてもおかしくない雰囲気。
やがてその大富豪女が客船の中で殺されてしまいます。

動機面では誰がどう考えてもミア・ファローさまが犯人だとしか思えないんですが、ミア・ファローさまは富豪女が殺される直前にキレて元彼を銃で撃っています。

幸い元彼は大事には至らなかったわけですが、キレた女ってことで客船の乗客が彼女を隔離、交代で見張りをしていたわけだから彼女は犯人ではない。
元彼は撃たれてヒーヒー言ってたわけだし、客のほとんどはその大騒ぎの渦中にいたから殺人事件を起こす暇なんてない。

んじゃ犯人は誰なんよ。

大富豪の殺された時間を誤認させるトリックが使われたのでしょうか。

いやいや、とってもいい感じのトリックが使われておりますです。
トリックは映画でご確認くださいまし。
今回はネタバレしなくてすみました。ちょっとほっとしております。


里見八犬伝

1983年角川映画

監督 深作欣ニ

主演 薬師丸ひろ子、真田広之、千葉真一、志穂見悦子、京本正樹、萩原流行、夏木マリ、目黒祐樹、寺田 農


先日、会社でかかっているラジオで、ジョン・オバニオンさまの「里見八犬伝のテーマ」が流れていました。

おお、懐かしいってことで思わずとりあげてしまいました。
物語は滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」を下敷きにした鎌田敏夫さまの「里見八犬伝」が原作。

しかし私世代の方は坂本九さまがナレーションされていたNHKの人形劇「新八犬伝」を思い出されたのではないでしょうか。

物語を全部説明しないといけないのかなあ。

映画の中ででも、物語の導入にあたる部分は軽い説明にとどめていました。
悪の帝国を作ろうとしている玉梓=夏木さま、元藤=目黒さま。

里見家に滅ぼされた一族の怨霊でございます。

里見家への復讐をはかる彼らは、里見の静姫=薬師丸さまの命を狙います。

一方静姫を守り、里見家のために命をかける運命の下に生まれた八人の侍=八犬士ってのがおりまして、その八人が静姫とともに玉梓らと戦う。

ざっとこんな話なんですが、細かい伏線とかエピソードとかがいっぱいあります。

さすがに。

馬琴版は長大な物語だし、鎌田版もノベルスたっぷり上下刊でしたから。

犬坂毛乃=志穂見さまと蛇の化身=萩原さまがそれぞれ両性具有であったとか、犬江親兵衛=真田さまと静姫の恋だとか、犬塚信乃=京本さまの話だとか、いろんなエピソードがあるんですが、とにかく二時間前後の映画の尺では消化できなかったみたい。

それぞれの話がみな消化不良でした。

人形劇では中心キャラだった犬飼現八が、玉梓一派の手下で、いきなり正義に目覚めるという中途半端な役どころになってたりしました。
ちなみに。私が芝居を志したのは、「金八先生」とこの作品。

原作を読んで感動しまくり、この小説が映画化されるなら端役でいいから出たい、と思ったのが実は劇団入団の動機だったりします。

現実には端役でも出れなかったけど。

しかししかし。

この後、劇団に入った私は、角川映画、角川春樹さま監督・原田知世さま主演の「愛情物語」にエキストラ出演しまして、因縁の角川映画にめっちゃ小さな貢献を果たしてめっちゃ小さなリベンジをすることになるのでありました。

 

懐かしい話やなあ。


皇帝のいない八月

1978年松竹映画

監督 山本薩夫

主演 渡瀬恒彦、吉永小百合、三國連太郎、高橋悦史、山本 圭、山崎 努、佐分利 信、大地貴和子


先日レンタルショップの日本映画・旧作のコーナーで「皇帝のいない八月」を見つけました。

かなり前に見た映画ですが、すごく面白かったのでよく覚えておりますです。
自衛隊の一部部隊がクーデターを起こす話。

そのクーデターの作戦名が「皇帝のいない八月」です。

クーデターの首謀者が渡瀬さま。

その妻が吉永さま。

吉永さまには婚約者山本さまがいたわけですが、渡瀬さまが吉永さまをレイプして略奪婚したみたいな形になっています。

幹部自衛官で吉永さまの父・渡瀬さまの元上官が三國さま。

三國さまはクーデターの情報を入手し、内閣調査室の高橋さまとともにクーデター鎮圧に奔走することになります。

武装して蜂起する山崎さまの隊と、ブルートレインに爆弾を仕掛け、乗客の命を盾に内閣と交渉しようとする渡瀬さまの隊。

山崎さま隊は鎮圧され、渡瀬さま隊は追い込まれる。

吉永さまは渡瀬さまを追ってブルートレインに乗り込んでいます。

たまたまそれを見かけた山本さまも車内へ。

首相・滝沢 修さまは武力で鎮圧することを決定する。

渡瀬さま隊は政府に右翼の大物・佐分利さまを首相とした内閣を発足させることを要求。

列車は自衛隊に包囲する廃線に誘導され、クーデター鎮圧作戦は最終局面を迎えますが…
ブレイクする前の風間杜夫さまがほとんど台詞のない端役で出演しています。

時期的につかこうへい劇団に在籍している頃でしょうね。

今は亡き渥美 清さまもブルートレイン乗客役で特別出演。
噂だけでしか聞いたことのなかった「内閣調査室」が映画で描かれているのをこの映画ではじめて見ました。

名優高橋悦史さまが内調エリートを熱演されておられます。

この高橋さまの役柄が私の自作小説のなかでの内調メンバーのモデルになっております。


情婦

1957年アメリカ映画

監督 ビリー・ワイルダー

主演 チャールズ・ロートン、マレーネ・デートリッヒ、タイロン・パワー


原作はアガサ・クリスティさまの「検察側の証人」。

法廷ものの傑作です。

クリスティさまは演劇にも深い理解がある作家さんでして、「ブラックコーヒー」「ねずみとり」「蜘蛛の糸(蜘蛛の巣だったかな)」「検察側の証人」など、傑作戯曲を多数著しております。

戯曲の中でほぼ最高の完成度をもった作品がこれ。

「ねずみとり」も評価高いですが、私は「検察側の証人」のほうが好きかなあ。

推理ものの舞台劇を得意とした戯曲家には他にフレデリック・ノットさま(「暗くなるまで待って」とか「ダイアルMをまわせ」の原作戯曲の作家です)とかロベール・トマさま(舞台では「罠」「泥棒家族」とかが有名)なんかの名前がよくあがりますが、ビッグネーム作家の戯曲版というとやっぱりクリスティさまになるでしょうね。
今回はあらすじ書くのやめておきます。

下手に書いて妙なヒントとか出すのいやだし。クリスティさまって意外性を追求しておられた作家ですから、物語の中の意外性とかあらすじで触れないわけにはいかないだろうし。
デートリッヒさまがとにかくいいです。

美しく、妖艶。

私はデートリッヒさまはこの一本しか見てないですけどね。

タイロン・パワーさまもなかなかいい芝居してます。

それよりも何よりも弁護士役のチャールズ・ロートンさまの名演技がこの映画のポイントなんじゃないかなと思います。ミステリーファンならずとも是非見ていただきたい、モノクロ時代の傑作推理映画です。

ラストのドンデン返し。

さらにもう一回、ドンデン返し。

すげえすげえ。ミステリー映画のお手本みたいな傑作でございます。


大脱走

1963年アメリカ映画

監督 ジョン・スタージェス

主演 スティーヴ・マックィーン、ジェームス・コバーン、チャールズ・ブロンソン、リチャード・アッテンボロー、デビッド・マッカラム、ジェームス・ガーナー、ドナルド・プレゼンス


懐かしいですなあ。この映画は小学生くらいのときに見ました。

すごく楽しんだことをよく覚えております。

かなり何度もテレビの洋画劇場とかでオンエアされておりましたが、最近はここらあたりの年代の映画って、ほとんど放送しなくなりましたですね。衛星のほうではやってると思いますが。
第二次世界大戦下のドイツ軍側捕虜収容所でのお話。

アメリカイギリスの軍人たちは、もし捕虜になってしまったら脱走して敵軍を霍乱することが重要な使命でした。

で、ドイツ軍はちょろちょろ脱走を繰り返している捕虜たちを一ヶ所に集めて、まとめて管理しようとする。

マックィーンさまはその収容所でそれこそちょろちょろ脱走を繰り返しているお調子もののアメリカ兵。

つかまる度に独房に放り込まれ、そこで壁にむかってキャッチボールをするような男。

大脱走を計画するリーダーはアッテンボローさま。

彼は収容所の宿舎から近くの森まで繋がるトンネルを掘り、百人以上を脱走させるというとんでもない計画をたてます。

トンネル掘りのプロがブロンソンさま。

しかし彼は過去の脱走で掘ったトンネルが落盤した恐怖感から、閉所恐怖症になってたりします。

ニセパスポートを作るプロがプレゼンスさま。

細かい作業が堪えて失明してしまいます。彼の目となって一緒に行動するのがガーナーさま。

豪華キャストが、楽しそうにさえしながら脱走計画を実現させます。

最後まで逃げ切るのは誰でしょうか。

長い映画ですが、よくできているので時間を感じさせません。名作でございます。


ウイロー

1988年アメリカ映画

監督 ロン・ハワード

主演 ワーウィック・デイビス、ヴァル・キルマー


とってもファンタジー映画。

魔女が支配する国。

予言によると、魔女を滅ぼす赤ん坊が生まれるという。

魔女の軍隊は赤ん坊を探して殺そうとします。

予言通りに生まれた腕に痣のある赤ん坊は、安全のため母の手から離されます。

迫る追っ手。

赤ん坊は間一髪のところで、乳母の機転で枯れ枝の船に乗せられて川に流されます。

枯れ枝が流れ着いたのは小人の国。

そこに住む魔法使い志望の男の名がウイロー。

村人たちは子供を生まれた国に戻そうと旅にでます。

その旅の途中でマッドマーティガン=キルマーさまと出会う。

妖精が出てきて、鼠に姿を変えられた良い魔法使いが出てきたり、騎士と戦ったり。

獣人や怪物まで登場する、サービス満点の冒険ファンタジーです。
映画見ながら友人とメールしてたら、「ウイロー?子供の日に食べるお菓子かいな」という関西人らしいボケかましてくれました。

それはちまきやっちゅうねん。

そういえばういろう長いこと食べてないなあ。
クライマックスのSFXはなかなかの見ごたえです。

けっこうハラハラドキドキの活劇シーンが続きますので、見ていて疲れるくらい。

ロン・ハワード監督、やはり巧いですね。

映画のついでに昔話。深夜放送で「シネマ大好き」って番組がありました。

私がまだ劇団やってた頃です。

その中でファンタジー映画ばっかりとりあげた特集があって、毎回一文字ずつ出されるキーワードをつなげると、当時公開間近だったこの映画のタイトルになりました。

その特集シリーズのテーマ曲は当時人気だったTMネットワークの「チルドレン・オブ・ザ・センチュリー」。

こういうエピソード聞くと時代、感じちゃうでしょ。

懐かしいなあ。


半落ち

2004年東映・「半落ち」製作委員会作品 

監督 佐々部清

原作 横山秀夫

主演 寺尾 聰、柴田恭平、樹木希林、石橋蓮司、嶋田久作、伊原剛志、西田敏行、鶴田真由、田辺誠一、國村 隼、高島礼子、本田博太郎、吉岡秀隆、原田美枝子


2004年の日本アカデミー賞の最優秀作品賞・最優秀主演男優賞受賞作品です。
「半落ち」「完落ち」というのだそうです。

容疑者の自白状況ですよね。

完全に自白状況になるのを「完落ち」、完全には自白をしていない状況が「半落ち」。
アルツハイマー病に冒された妻を殺したと自主してきた男・寺尾さま。

それを取り調べる刑事・柴田さま。

殺害から自首まで、空白の二日間がある。

その二日間に何があったのか。

警察も検察のそこに何があったのかを知ろうとします。

担当検事・伊原さまは寺尾さまの供述を不自然に思い、調書には信頼性がなく捏造であると主張して警察との対立姿勢をとりますが、上層部・西田さまから圧力がかかったりします。

どこの世界にもこういうことがあるんだなあ。

寺尾さま・検事の伊原さま・そして依頼を受けた弁護士の國村さま。

役者が揃います。

ここからは法廷推理サスペンス。

原作がいいのでとにかく目が離せない映画に仕上がっています。

さすがアカデミー賞最優秀作品賞。

出演者も豪華。こんな濃いメンバー、映画でないと実現しないでしょうね。

寺尾さま、とってもいいです。だんだんお父上様に似てきました。

あ、お父上様って、宇野重吉さまです。

若い頃はもひとつパッとしなかったですが、大都会・西部警察で大ブレイク。

しばらくお見かけしない時期が続いて、最近また精力的にご活躍されておられます。

そういえば市川染五郎さまもだんだんお父様、松本幸四郎に似てきましたですね。

血は争えないもんだなあって思います。


ブロークン・アロー

1996年アメリカ映画

監督 ジョン・ウー

主演 クリスチャン・スレイター、ジョン・トラヴォルタ、サマンサ・マシス


「核兵器の紛失」を表す米軍内の暗号が「ブロークン・アロー」である。

映画の中でそう紹介されていました。

核弾頭と搭載したステルス戦闘機の演習飛行。

その飛行中、トラヴォルタさまが突然核弾頭を不発モードで投下させます。

同乗のスレイターさまは「何すんねん」ってなもんですが、非常脱出装置を作動させられ、戦闘機から放り出されます。

スレイターさまは、奪った核を使って政府を恐喝しようとするトラヴォルタの野望を阻止すべく、女性パークレンジャー・マシスさまとともにミサイル奪還を狙います。
三基の核弾頭のうち一基は米軍が回収。

残る二基はトラヴォルタさまが握ります。

頑張りやさんのスレイターさま、一度はトラックごとミサイルを奪いますがすぐに奪いかえされ、廃鉱山で強烈な銃撃戦。

トラヴォルタさまはこの鉱山でミサイル一基の起爆装置を作動させ、爆破します。

残るミサイルは一基。

果たしてスレイターさまは核ミサイルを取り戻すことができるのでしょうか。
さすがジョン・ウー監督って感じの面白さ。

トラヴォルタさまはこの後「フェイス・オフ」で、スレイターさまは「ウインド・トーカーズ」で再びジョン・ウー監督とコンビを組みます。

トラヴォルタさまがいいですね。

ワルい顔しています。

物語的には「フェイス・オフ」のほうが好きですが、この映画もたっぷり楽しませてくれます。
二丁拳銃あり、手りゅう弾の爆風で吹っ飛ぶアクションあり、ヘリぶっこわしあり、肉弾アクションあり。

サービス精神満載。
この作品みて、「フェイス・オフ」みて、「MI2」見ればもうジョン・ウー監督の虜ですぜ。

ご注意なされませ。


燃えよドラゴン

1973年アメリカ映画

監督 ロバート・クローズ

主演 ブルース・リー、ジョン・サクソン、ジム・ケリー、アーナ・カプリ、シー・キェン、アンジェラ・マオ


「だあああああああん、だだん、ほわああああっ。たととん、だああああああん、だだん、ほあっ、ほあっ」
今、きっと皆様の頭の中にはブルース・リーさまの声が聴こえていることでしょう。

聴こえてへんか。

この映画の公開は小学校五年生のころ。

中学にあがったばかりの兄が、映画にはまるきっかけとなったのがこの映画。

私も兄の影響で、ランドセルかついで半ズボンはいたドラゴンやってました。

駄菓子屋でヌンチャク買ったし。

で、同級生相手にドラゴンごっこやって、その子泣かして先生にばれてビンタされて。

そうだよなあ、ドラゴンは弱いものいじめしないよな。

以前、関西のローカル番組でやってましたが、昭和三十五年生まれから昭和四十五年生まれあたりの女性は、みいんなUFOが踊れるそうです。

で、昭和三十五年生まれあたりから昭和四十年生まれあたりの男性は、ほとんどの人がヌンチャク使えるそうです。ほんまかなあ。
とりあえず私は使えますが。
武術の達人リーさま。

インターポールが追っている麻薬王ハン(キェンさま)は年に一度武術トーナメントを開きます。

リーさまはインターポールの命を受けてそのトーナメントに選手として出場し、ハンのアジトに潜入し、悪事の証拠をつかもうとする。

細部が違ってたらごめんなさい。

アクション場面は鮮明に覚えているんですが、ストーリー部分の詳細はあんまり覚えてないですねえ。

トーナメントでは妹(アンジェラ・マオさま)の仇、オハラと当たって妹の仇をとったりします。

やがてスパイであることがばれたリーさまは公開処刑されそうになりますが、仲間がハンに捕らえられて監禁されていた囚人たちを解放、大乱戦になり、そんな中でリーさまはハンとの激闘の末、倒す。

トーナメントに出場するのはジョン・サクソンさまやジム・ケリーさま。

ハンの情婦はアーナ・カプリさま。

ハンのボディガード役で後にGメン香港ロケでの常連になるむっちりムキムキ、ヤン・スエさまが出演しています。

ヤン・スエさま、顔はごついがすっげえジェントルな人です。

って私が昔お世話になった倉田保昭先生主催のアクションクラブの人が言ってました。

ヤン・スエさま、今何されてるんでしょうね。
 


片腕ドラゴン

1971年香港映画

監督 ジミー・ウォング

主演 ジミー・ウォング


昨日ご紹介した「燃えよドラゴン」の大ヒットをうけて、それこそ雨後の筍のように大量の香港カンフー映画が日本公開されました。

まず公開されたのはブルース・リャンさまの「帰ってきたドラゴン」。

その次くらいに公開されたのがこの「片腕ドラゴン」。

で、「怒れタイガー」。

ここらあたりくらいまでは名画座っぽい劇場ではなく、ロードショー劇場での公開でございました。

ここからもかなりあったけど、きりがないのでここでは書きません。

ジミー・ウォングさまは良い道場のカンフーの達人。

その道場は悪い道場ともめています。

ひょんなことから道場同士のいがみあいが激化します。

良い道場のほうが強いんで、悪い道場は劣勢。

卑怯な手を使って挽回をはかる。

さらに悪い道場はあちこちから用心棒を集める。

この用心棒がすごい。

沖縄拳法の達人。

この人はなぜか牙が生えていて長髪。ぎゃああとかいいながらジャンプして天井近くの桟にとまったりする。化け猫みたい。

ラマ僧。

念仏をとなえると、身体じゅうが風船でふくらませたようにふくれて、体中の急所が隠されるそうな。

ヨガの達人。

インドの人風の小男。いきなりヨガのポーズをとって、逆立ちしたかと思うと、逆立ちしたまま足で戦う。なんか勘違いしたカポエラのような感じ。

あとキックボクサー。

戦い前にいきなり踊りはじめるのはお約束。

こんな悪党用心棒たちに立ち向かうのは、沖縄拳法の達人に腕をチョップで切り落とされた片腕のジミーウォングさま。
終始、「んなアホな」「ありえへんって」を連発しながら楽しめる痛快カンフー大作です。

ちなみに私はこういうツッコミ入れながら見るような映画大好きでございます。

 


イヤー・オブ・ザ・ドラゴン

1985年アメリカ映画

監督 マイケル・チミノ

主演 ミッキー・ローク、ジョン・ローン


ごっつええ感じで数珠つなぎができつつありますなあ。

「燃えよドラゴン」「片腕ドラゴン」、んで「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」。

ドラゴンつながりを残しつつ、カンフー映画の世界から脱出できました。

あとは監督つながりでもミッキー・ロークさまつながりでもジョン・ローンさまつながりでも自由自在。

楽でいいからしばらくこの数珠つなぎ作戦使ったれ。
さて「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」。

何のこっちゃない、「辰年」のことです。

えっと、十二支を使って年を表すってのは日本とか中国とか韓国あたりにしかないものなんでしょうね。

物語の舞台はアメリカ。

チャイナタウンの支配権をめぐる新旧のチャイニーズマフィア同士の争いと警察との攻防が軸に描かれます。

まったくもって残念ながら、ここがいいとかこの場面がすごいとかのインパクトのある印象がほとんど残っていない映画です。

申しわけないですが。

ミッキーロークさまの主演ものだとやっぱり「ナインハーフ」を推す人が多いだろうし、ジョンローンさまものだと圧倒的に「ラストエンペラー」のほうがいいだろうし。

だけれども何故かこのビデオ持っております。

どうしてなのかなあ。

途中の微妙さ加減が気に入ったのかなあ。

物語途中から、警察官のミッキー・ロークさまと次世代マフィアのジョン・ローンさまを交互に描く手法をとっておりまして、見る側はロークさまとローンさまの双方に肩入れしながら物語の推移を見守るって具合になります。

そんなこんなで、主人公二人のどちらにも思い入れした観客は、ラストのインパクト満点の対決シーンを目撃することになります。
題材も雰囲気もものすごく良いんですが、なんかどっかが弱い、不遇な作品でございます。


新生トイレの花子さん

1998年東映映画

監督 堤 幸彦

主演 前田 愛、野村佑香、長野 博、高島礼子、荻島真一


「学校の怪談」とか、「トイレの花子さん」とか、ジャパンホラーが相次いで製作された時期がありました。

ちょっと前もそんな時期で、今は沈静化してる感じですね。「リング」とか「呪怨」とか「うずまき」とかの時期があって、そのあと「渋谷怪談」とか「ひとりかくれんぼ」とかがあって。

「呪怨」の大ヒットで勢いづいたジャパンホラームーブメント、今は「ボイス」「箪笥」からはじまる韓流ホラーに押されがち。
さて。

前作の「トイレの花子さん」、見ましたが、そもそもそんなに恐い作品ではなかったです。

というか、前作は「トイレの花子さん」をモチーフにした少年の成長物語でした。

学校の怪談は恐怖映画というよりはSFXホラーだったし。
しかしこの「新生トイレの花子さん」はどっちかというと「恐がらせる」造りをしています。

ある学校で「トイレの花子さん」の噂が全くながれない学校がある。

何故なら花子さんを見たら誰かが死ぬから。

十一年前に中学校で一人の少女が行方不明になります。

その妹前田さまが中学に入学するところから話がはじまります。

前田さまは霊感が強かったりします。

見てしまうんですね。

トイレ。

教室でのコックリさん。

校舎裏の祠。その中の日本人形。

学校じゅうに流れる噂。

そしてそして、前田さまの担任の長野さまが「見て」しまって、病院へ入院。

そこへ臨時で講師が派遣されてきます。

行方不明になった前田さまの姉の友人、高島さま。

この先生がまた見えるわけですわな。

前田さまが引き込まれそうになるトイレの中の異空間。

高島さまは花子さんなんていないと断言します。

騒ぎを起こしているのは、花子さんではない、学校の中にいる「何か」。
きゃああああああああ。

 

後にスーパーディレクターになる堤監督の作品です。

緊迫感あふれるカメラワークはこの時点ですでに一級品のレベルです。
あまり期待しないで見ましたが、思わぬ掘り出し物でした。


ピースメイカー

1997年アメリカ映画

監督 ミミ・レダー

主演 ジョージ・クルーニー、ニコール・キッドマン


開幕早々、ロシアで列車同士の衝突事故。

衝突した列車のうち一方に核弾頭を積んでおり、核爆発が起こります。

この知らせをプールでのトレーニング中に聞いたのが核密輸対策本部の博士キッドマンさま。

キッドマンさま泳ぎ下手。

ストロークがいまいち。基本姿勢ももひとつやなあ。

って、どうでもいい場面で水泳のコーチモードに入ってしまいました。
キッドマンさま、その爆発事故の対策本部の指揮を任されます。

で、そのサポートにつく「ロシア事情に詳しい将校」がクルーニーさま。

かなりやり手の軍人さん。

クルーニーさまはかなり早い段階でこれは単なる事故ではなく、核弾頭の盗難事件であると推測しています。

わずかな手がかりをもとに彼らはドイツに飛びます。

かなり強引な方法で情報を入手。

爆弾盗難グループの一味に命を狙われたり、ドイツの秘密警察に追われたりします。

そこから二人はトルコへ。

衛星からの画像で、核弾頭を運ぶ強奪集団のトラックを発見。

クルーニーさまはヘリ部隊を編成して、トルコからロシア国内の陸路を走るトラックを攻撃。

トラックに載せられた弾頭を回収しますが、弾頭が足りない。

弾頭は金目当てで弾頭を強奪したグループに入り込んでいたテロリストの手へ。

核爆発の危機は回避できるのでしょうか。
かなり細かい設定。

場面も目まぐるしく変わります。その場面ごとに盛り上がりとかがあって、かなり忙しい。

しっかり見ていないと話がわからなくなります。しかしそれだけに面白いです。
クルーニーさまがとにかくいいですね。

少しづつ自分の判断で行動をはじめるキッドマンさまも素敵です。

ロシア~トルコ~アメリカ。

弾頭が少しずつアメリカに近づいていく描写も秀逸。

ポイントポイントで時間との勝負みたいな設定もあります。
かなり楽しませていただきましたでございます。


僕の彼女を紹介します

2004年韓国映画

監督 クァク・ジョエン

主演 チョン・ジヒョン、チャン・ヒョク


究極のラブストーリー。

って感じですかね。

チョン・ジヒョンさまは婦人警官。

チャン・ヒョクさまは女子高の講師。

ジヒョンさまは非番の日、ひったくり犯人を追いかけていたヒョクさまを犯人とまちがえてつかまえてしまいます。

それが出会い。

次はヒョクさまが繁華街の見回りに警察の協力を要請。

ジヒョンさまがヒョクさまのパートナーとして青少年犯罪を見回ることに。

そこで二人は覚せい剤の密売人らしき男を発見。

腰がひけ、逃げ出そうとするヒョクさまをむりやり同行させるためにジヒョンさまはヒョクさまの手に手錠を。

かくして二人は手錠でつながれたまま密売人を追うことになります。

麻薬取引現場での銃撃戦。

なんとか応援の機動隊が到着。

やれやれ。

しかし鍵がない。

止むなく二人は朝までつながれたまま過ごすことに。

そこから二人のラブラブ生活がはじまります。

まるでプロモビデオのように軽くエピソードが重ねられていきます。

これが狙いなのか技法なのかわけわからずにやっているのかよくわからなかったです。

途中とっても大事なエピソードがありまして。

洗い物をするジヒョンさまをからかおうとしてヒョクさまが紙ヒコウキを投げるエピソード。

ヒョクさまがジヒョンさまに本をわたすエピソード。

あと風が吹く草原でのエピソード。

その後、姫と王子の寓話を話すシーン。

これら大事なシーンが最後の大盛り上がりにつながります。
ラブラブはいつまでも続かない。

二人に試練が訪れます。

果たして二人にとっての奇跡は起こるのか。

予想通り、やっぱりラストの風車の場面では涙が止まらなかった。

ええ話見せてもらいました。
むっちゃ泣いた私ですが、ラストの「映画〇〇〇〇」もどきのシーンはちょっといただけないなあ。(見られた人は〇の中に入る映画のタイトルわかるでしょうが)
余談。字幕版だったから涙ポロポロですみましたが、吹き替えだったら号泣だっただろうなあ。


エンゼルハート

1987年アメリカ映画
監督 アラン・パーカー
主演 ミッキー・ローク、ロバート・デ・ニーロ、リサ・ボネ、シャーロット・ランプリング


ちょっと前の「イヤー・オブ・ザ・ドラゴン」からミッキー・ロークさまつながりで、「エンゼルハート」。

ジョン・ローンさまから「ラスト・エンペラー」にいってベルトリッチ監督または坂本龍一さまにつなげる方法もあったのですが、とりあえずデ・ニーロさまにつなげたかったんで。
しかし申し訳ございません。
この映画に関してはネタバレをお許しくださいませ。
ネタバレしないように書いたら多分わけわからん内容になると思いますので。
原作は禁断の書、ウィリアム・ヒョーツバーグ先生作の小説。
主人公はミッキー・ロークさま演ずるハリー・エンゼルという名の私立探偵。
彼は何故か過去の記憶を失ってたりします。
彼のもとに謎の依頼人がやってくる。
ルイ・サイファーという男。
ハリーはサイファーに負債を負っている一人の男の居場所を探す依頼をうけます。
色々調べていきましたら、彼が行く先々で殺人事件が起こる。
犯人は誰なのか。


タイトルが「エンゼルハート」となりゃああんた、主人公のハリー・エンゼルのハート。
ん?って思うじゃないですか。
んでルイ・サイファーでござんしょ?
さらに無神経なことに、パンフレットとかテレビ予告編とかで、血まみれの手で恐い顔したミッキーロークさまがバンバン出ておりまして。
はあ?映画を見ながら、まさかパンフレットやテレビ予告編であの場面見せておいて、こんな結末じゃあないだろうな、って予想した結末だったので大変がっかりしました。
ここからネタバレでっせ。

 


ルイ・サイファーってのはお察しの通り、ルシファーのこと。
悪魔の魔王の名前です。
魔王がミッキー・ロークさまの私立探偵に依頼するわけですから、魔王が探している人はミッキー・ロークさま本人です。
ロークさまは人さがしをしながら自分を探していたわけです。
魔王はロークさまに自分との契約を思い出させるために人さがしの依頼って形をとったわけです。
魔王ルシファーへの負債となるとやっぱ魂しかないわけだし、そうなると「エンゼルハート」は主人公が悪魔に捧げる「悪魔との契約の代償としての心臓」を意味することは想像できるし、んで恐い顔のミッキー・ロークさまの写真見てるわけですから、「記憶を失った、その失った部分に秘密があって、その秘密の部分が暴走したら恐い男になるんだ、ミッキーさまは」って想像ついちゃう。
ダメですよ。こんなネタバレタイトルつけちゃ。
んで、あんな大事な場面をテレビで流したりしちゃ絶対にだめ。
パンフレットに載せるのもだめ。
意外な物語が全然意外じゃなくなってしまいました。
とほほです。

 


ヒート

1996年アメリカ映画

監督 マイケル・マン

主演 ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ヴァル・キルマー


数珠つなぎです。「エンゼルハート」からデニーロさまつながりで、「ヒート」。
パチーノさまとデ・ニーロさまは、「ゴッドファーザー・パート2」以来の共演になるそうです。

しかし「ゴッドファーザー・パート2」ではパチーノさまは二代目のマフィアのボス。

デ・ニーロさまは回想シーンでの若き日の先代ボス。

回想シーンではパチーノさま演ずるマイケルは五歳くらいの少年のところまででしたから、当然撮影は完全に別だったと思います。

同じ映画にクレジットされてはいるものの、同じシーンには出演していない。

それどころかこういうケースだと撮影現場で顔さえあわしていないかもしれないです。

で、ヒート。

デ・ニーロさまもパチーノさまもゴッドファーザーで大きく飛躍した役者さんです。

その二人の因縁の共演。
デ・ニーロさまは犯罪のプロ。

絶対につかまらない、尻尾もつかませない仕事を繰り返す銀行強盗。

パチーノさまは執念で彼を追う刑事。

開始早々嫌な予感がしましたが、その予感は的中してしまいました。

ダブル主役のお二人さん、完全別撮りでドラマが進行していきます。

そらそうやわな。芸術的な仕事を繰り返す犯罪者と刑事が同一フレームのおさまるシーンのほうがむしろ映画的な不自然さをもっていると感じられるわけで。
デ・ニーロさまはデ・ニーロさまで銀行強盗の準備とか進めるし、パチーノさまはそれを阻止しようと動き回るし。

で、物語中盤、銀行強盗が決行され、ちょっとした不手際からデ・ニーロさまのチームと警官隊が撃ちあいになるあたりで二人は接近。

とはいってもここでも強盗チームと警官チーム、細かくカメラが切り替わるだけで同一のフレームには収まってくれません。

銃撃戦はとっても激しい。何でも映画史上に残るほどの数の銃弾が使用されたそうです。
逃げるデ・ニーロさま。追うパチーノさま。

二人はダイニングレストランで再接近。いよいよ同一フレームにおさまってくれるのかと思いましたが、ここでもカットの切り替えのみ。

同一画面上には登場しない。

ここまで徹底されると、この二人仲悪いの?とか思ってしまいます。

メイキングビデオによると、この二人、ちゃんと同じ場面で撮ってたそうです。

別撮りとかじゃなくて。

まあ二人とも演技派の大スターですからね。

当人同士がそう言わなくても、周囲が気をつかうんでしょうね。

カット数から台詞の秒数とかアップの大きさとか。どとらかが多かったり少なかったりしないように。
まあこんな撮りかたもありなんだろうな。って思いましたです。
公開当時、二人は顔を会わさないで映画を完成させたって噂が流れた怪作でございます。
次はパチーノさまつながり。「スカーフェイス」をご紹介します。